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会社法第125条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法商法コンメンタール会社法第2編第2章 株式 (コンメンタール会社法)

条文

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株主名簿の備置き及び閲覧等)

第125条
  1. 株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。
  2. 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
    1. 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
    2. 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
  3. 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
    1. 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
    2. 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
    3. 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
    4. 請求者が、過去2年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
  4. 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の株主名簿について第2項各号に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
  5. 前項の親会社社員について第3項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。

改正経緯

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  • 第2校第3号に定められていた以下の拒否事由が削除され、続く項番が繰り上げられた。
    請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。

解説

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株主及び会社の債権者は、株主名簿を閲覧し、それを謄写する権利を有する。株主の連絡先を、会社経営に関わる者(株主、債権者)に開示することにより、株主総会における議決権の行使や、少数株主圏の行使の勧誘に用いさせることを可能とすることを目的とする。従って、株主権の行使の勧誘等他の株主の株主権の行使を目的としない閲覧請求は権利の濫用であってであり、会社はこれを拒否することができる。

判例

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  1. 株主名簿閲覧謄写(最高裁判決平成2年4月17日)
    株主のする株主名簿の閲覧及び謄写の請求が権利の濫用に当たるとされた事例
    株主のする株主名簿の閲覧及び謄写の請求が、自ら発行する新聞等の購読料名下の金員の支払を再開継統させる目的をもってされた嫌がらせあるいは右金員の支払を打ち切ったことに対する報復としてされたものであるときは、右請求は、権利の濫用として許されない。

前条:
会社法第124条
(基準日)
会社法
第2編 株式会社

第2章 株式

第2節 株主名簿
次条:
会社法第126条
(株主に対する通知等)
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