会社法第23条
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法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第1編 総則 (コンメンタール会社法)
条文
[編集](譲受会社による債務の引受け)
- 第23条
- 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。
- 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後2年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
解説
[編集]関連条文
[編集]判例
[編集]- 損害賠償請求(最高裁判決 昭和29年10月7日民集8巻10号1795頁)
- 商法第28条の広告にあたる一事例
- 「今般弊社はD線、E線の地方鉄道軌道業並に沿線バス事業を甲会社より譲受け、乙会社として新発足することになりました」との広告は、甲会社の右事業の営業によつて生じた債務を、乙会社において引受ける旨の広告にあたると解するを相当とする。
- 貸金請求(最高裁判決 昭和36年10月13日民集15巻9号2320)
- 商法第28条の広告にあたらない事例。
- 甲、乙、丙の三会社が営業を廃止し、新たに丁会社が設立されて旧三会社と同一の中央卸売市場における水産物等の卸売業務を開始するという趣旨の書面を丁会社が旧三会社の取引先に送付しても、商法第28条にいう債務引受の広告をしたことにあたらない。
- 所論の甲第三号証(広告であると一方が主張するもの)と原判決所掲の証言を綜合すれば、右甲第三号証は、旧三会社が営業を廃止し、新に丁会社が設立されて旧三会社と同一の中央卸売市場における水産物等の卸売業務を開始するという趣旨の取引先に対する単なる挨拶状であつて、旧三会社の債務を丁会社において引受ける趣旨が含まれていないとする認定判断を正当として是認できる。
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