会社法第833条
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法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第7編 雑則 (コンメンタール会社法)
条文
[編集](会社の解散の訴え)
- 第833条
- 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の10分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の10分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。
- 株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。
- 株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。
- やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。
解説
[編集]参照条文
[編集]判例
[編集]- 合資会社解散請求 (最高裁判決 昭和33年5月20日)商法112条1項
- 合資会社解散のやむことを得ない事由に該当しないと認められた一事例
- 合資会社の社員の間に不和対立があつて、その儘の状態では会社を存続させることが困難であつても、現に社員の一名が除名される情勢にあり、右除名によつて十分打開の途があると認められるときは、商法第112条第1項所定の会社の解散につき「やむことを得ざる事由あるとき」に該当しないものと解するを相当とする
- 合名会社解散 (最高裁判決 昭和61年03月13日)商法112条1項
- 合名会社の業務の執行が多数派社員によつて不公正かつ利己的に行われ少数派社員が恒常的な不利益を被つている場合と会社の解散についての商法112条1項にいう「已ムコトヲ得ザル事由」
- 合名会社の業務が一応困難なく行われているとしても、その執行が多数派社員によつて不公正かつ利己的に行われ、少数派社員が恒常的な不利益を被つている場合には、かかる状態を打開する公正かつ相当な手段のない限り、会社の解散につき商法112条1項にいう「已ムコトヲ得ザル事由」があるものと解すべきである。
- 合名会社の業務の執行が多数派社員によつて不公正かつ利己的に行われ少数派社員が恒常的な不利益を被つている状態において会社の解散を請求した少数派社員の退社が右の状態を打開する公正かつ相当な手段とはいえないとされた事例
- 合名会社の業務の執行が多数派社員によつて不公正かつ利己的に行われ、少数派社員が恒常的な不利益を被つている状態において、少数派社員のうち甲が会社の解散を請求した場合には、甲以外の少数派社員が全員退社したため、甲が退社しさえすれば社員間の対立が解消されるとしても、会社の資産状況等からみて退社により取得すべき持分払戻請求権の実現に多大の困難を伴い長年月を要すると認められ、しかも、甲には右の状態に至つたことにつき帰責事由がないなど判示の事情があるときは、甲の退社は、右の状態を打開する公正かつ相当な手段であるとはいえない。
- 合名会社の業務の執行が多数派社員によつて不公正かつ利己的に行われ少数派社員が恒常的な不利益を被つている場合と会社の解散についての商法112条1項にいう「已ムコトヲ得ザル事由」
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