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このページでは立体図形の表面積等の公式についての解説をします。
三角錐において,1つの頂点に集まる3つの角 , , がいずれも直角である三角錐を直角三角錐(3直角四面体)と定義し、(ただしとする)であるものとする。
- , , より、この立体の各頂点は、, , , とおける。
- 3点 切片, 切片, 切片を通る平面の式は、
- である。 - 初等数学公式集/解析幾何#平面の式参照
- 原点と平面の距離:
三角錐の体積をとすると、
- ここで、の面積とすると、であり、従って、
- 両辺2乗すると、
-
- 即ち、が成立している。これは、三平方の定理を3次元空間に拡張したものと言えド・グアの定理通称「四平方の定理」と言われる。
- 球の体積より
- これを、について微分すると、
-
- 積分による方法
- である球から、で切断した面を想定する。
- 原点から成す角をとして円周上の点とし、をわずかに変化させたを考える。この時、の距離は、がわずかな値であるため、に近似される。
- ここで、を軸を中心に回転させると、各々が、周の長さである帯状の図形を得、
- その面積は、
- は微小で限りなくに近づくため、加算においてとしてよく、その結果、とおける。
- ここで、について、区間で積分することにより、球のの部分の表面積が得られる。
-
- この球はについて対称であり、の部分の表面積も等しいので、
-
- 積分を使った誤答の例
- である球を考える。
- でこの球を切断すると、半径である円;を得、この円;の円周はである。
- 球の表面積は、この周に微細な幅をかけた※を区間で累積したものであるから、その区間で積分することにより得られる。
-
- とおく、微分して
- (与式)
-
- となって、誤答を得る。これは、「周に微細な幅をかけたもの(※)」の面積は、正しくは、であって、括弧内後項のは積分において無視できなくなることの立式の誤りである。
-
- 球冠(平面により切断された球の一部)の曲面部の表面積:
- 関係する諸数値を以下のものとする(右図参照)。
- 球の半径
- 球冠の底の半径
- 球冠の高さ
- 球の中心から球冠の頂点(極)までの線と球冠の底を形作る円板の端との間の極角
- 極角 が与えられている場合
- 上記の球の表面積を積分を用い求める解法を用い、区間で積分することで求められる。
- (※2)
- と が与えられている場合
- であるから、※2に代入して、(※3)
- と が与えられている場合
- から、
- ※3に代入して、(※4)
- 球台(球を1対の平行な平面で切断した立体/先端が切り取られた球冠)の曲面部(球帯)の表面積:
- 関係する諸数値等を以下のものとする(右図参照)。
- もとの球の半径 、球の中心を
- 球台の底の各々の半径 、底の中心を各々、直線と球との交点をとする、なおの順に並ぶ。
- 球台の高さ(2つの平行な底面間の距離)
- と が与えられている場合
- 球を切断する平行な2平面の外に球の中心がある場合(ただし、)
- 中心の円が底である冠形について、高さは、
- ※4より、この冠形の曲面部表面積は、
- 同様に、中心の円が底である冠形の曲面部表面積は、
- 求める球台の曲面部表面積は、これらの球冠の曲面部表面積の差であるから、
- (※5)
- 球を切断する平行な2平面の外に球の中心がある場合
- を通ると直行する平面で球を分割。
- 中心の円と分割によりできた円を各々底とする球台の曲面部表面積は、半球の曲面部表面積から中心の円が底である冠形の局面部表面積を引いたものであるので、
- 同様に
- したがって、(※6)
- と が与えられている場合
- 以下により、
- 点の順がである時、
- であるので、上の例同様、球台の底のうち、を中心とする円の半径を、を中心とする円の半径をとすると、
- ※5に代入して、
- 点の順がである時、
- であるので、上の例同様、球台の底のうち、を中心とする円の半径を、を中心とする円の半径をとすると、
- ※6に代入して、
半径の円;を、円の中心からの距離(但し、 ≦ とする)の直線を軸として回転させた円環体(トーラス、ドーナツ型)の表面積
- 体積の公式;に関して、半径について微分することにより得られる。