商法第571条
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法学>民事法>商法>コンメンタール商法>第2編 商行為 (コンメンタール商法)
条文
[編集](送り状の交付義務等)
- 第571条
- 荷送人は、運送人の請求により、次に掲げる事項を記載した書面(次項において「送り状」という。)を交付しなければならない。
- 運送品の種類
- 運送品の容積若しくは重量又は包若しくは個品の数及び運送品の記号
- 荷造りの種類
- 荷送人及び荷受人の氏名又は名称
- 発送地及び到達地
- 前項の荷送人は、送り状の交付に代えて、法務省令で定めるところにより、運送人の承諾を得て、送り状に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により提供することができる。この場合において、当該荷送人は、送り状を交付したものとみなす。
改正経緯
[編集]2018年改正により、前条の以下の条文を現代語及び記載事項として送り主の氏名・発送地などを追加、必要な情報のみが記載されるよう整理。また、従来求められていた荷送人の署名は実務上省略可能とされ、電子的な提供も認められることとなった。
- 荷送人ハ運送人ハノ請求ニ因リ運送状ヲ交付スルコトヲ要ス
- 運送状ニハ左ノ事項ヲ記載シ荷送人之ニ署名スルコトヲ要ス
- 一 運送品ノ種類、重量又ハ容積及ヒ其荷造ノ種類、個数並ニ記号
- 二 到達地
- 三 荷受人ノ氏名又ハ商号
- 四 運送状ノ作成地及ヒ其作成ノ年月日
- 本条にあった、「貨物引換証(かぶつひきかえしょう)」に関する以下の条項は、荷送人の請求が近年ではゼロであって、各社運送約款に定めがあるものの貨物引換証が発行されていないという事情を踏まえ、改正法で規定自体が削除。ただし、その本質的な規律(運送品の引渡しと証券による権利の取得)は、船荷証券など他の運送書類の規定に反映されて引き継がれた。そのため、貨物引換証自体は規定も名前もなくなったが、実質的な効力は船荷証券などで維持されている。
- 運送人ハ荷送人ノ請求ニ因リ貨物引換証ヲ交付スルコトヲ要ス
- 貨物引換証ニハ左ノ事項ヲ記載シ運送人之ニ署名スルコトヲ要ス
- 一 前条第2項第一号乃至第三号ニ掲ケタル事項
- 二 荷送人ノ氏名又ハ商号
- 三 運送賃
- 四 貨物引換証ノ作成地及ヒ其作成ノ年月日
- (旧法解説)
- 貨物引換証とは、運送人が運送物を受領したことを証明し、運送人への運送物引渡請求権を表章する有価証券である。
- 荷受人が運送物を引渡すよう請求する権利は運送契約の成立した時点ですでに発生しているから、非設権証券である。運送契約が成立していなければ(無効や取消しがあれば)貨物引換証も無効であるから、有因証券である。
- 受領の証明のために発行されるのだから、請求は、荷送人が運送物を運送人に引き渡した後である。
解説
[編集]- 荷送人(荷物の発送を依頼する人)は、運送人の請求により、第1項各号の事項を記載した運送状を、運送人に交付しなければならない。あとで運送人が荷受人に渡すためである。
- 運送状は荷受人にとって荷物の同一性や権利義務の内容の判断のもとになる文書で、証拠証券にすぎない。
参照条文
[編集]- 標準貨物自動車運送約款(国交省のページ)
- 第八条
- 荷送人は、次の事項を記載した運送状を署名又は記名捺印の上、一口ごとに提出しなければなりません。ただし、個人(事業として又は事業のために運送契約の当事者となる場合におけるものを除く。第三十二条第二項において同じ。)が荷送人である場合であって、当店がその必要がないと認めたときは、この限りではありません。
- 貨物の品名、品質及び重量又は容積並びにその荷造りの種類及び個数
- 集貨先及び配達先又は発送地及び到達地(団地、アパートその他高層建築物にあっては、その名称及び電話番号を含む。)
- 運送の扱種別
- 運賃、料金、燃料サーチャージ、有料道路利用料、立替金その他の費用(以下「運賃、料金等」という。)の額その他その支払に関する事項
- 荷送人及び荷受人の氏名又は商号並びに住所及び電話番号
- 運送状の作成地及びその作成の年月日
- 高価品については、貨物の種類及び価額
- 品代金の取立てを委託するときは、その旨
- 運送保険に付することを委託するときは、その旨
- その他その貨物の運送に関し必要な事項
- 荷送人は、当店が前項の運送状の提出の必要がないと認めたときは、当店に前項各号に掲げる事項を明告しなければなりません。
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