コンテンツにスキップ

図書館法第3条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

コンメンタールコンメンタール教育コンメンタール図書館法図書館法第3条

条文

[編集]
第三条(図書館奉仕)
図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。
一 郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
二 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
三 図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。
四 他の図書館、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属する図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。
五 分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。
六 読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びこれらの開催を奨励すること。
七 時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。
八 社会教育における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励すること。
九 学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。

解説

[編集]

本条では、具体的な図書館の活動内容を規定している。ただし、「おおむね次に掲げる事項」とされる通り、ここに規定されていないことについても、「図書館奉仕のため」になるのであれば、実施していかねばならず、西崎は「

柱書

[編集]

柱書では、図書館が図書館奉仕を行う際の留意点を示している。

「図書館奉仕」

[編集]

図書館奉仕」という語は、library serviceの訳語とされ、法律の上では1948年に制定された国立国会図書館法が初出である。図書館が市民に対して行うサービスを総称して言う語であり、公共図書館について規定した本法で明記されることの意義は大きい。

「土地の事情及び一般公衆の希望に沿い」

[編集]

都市工場地帯・農村漁村、図書館の立地する場所それぞれに事情があり、それに合ったニーズが生じ、蔵書構成や開館時間なども変えていかねばならない。また、「図書館」が利用者にサービスを行っていく施設である以上、利用者たる住民の要望を把握しなければならないことを示している。これは、戦前の図書館が、図書館だけの判断で活動を行っていたことの反省の表れとして、設けられている。

本条は「特色ある図書館づくり」を要求するものではない。小規模館で無理に特殊コレクションを作ることは、購入費の圧迫につながり、独善的なサービスになり得る。あくまでも、「地域住民の要求を最大に生かした蔵書を構成すること」(伊藤昭治)が「土地の事情及び一般公衆の希望に沿」うことになるのである。

「学校教育を援助し」

[編集]

関連条文

[編集]

なし

前条:
図書館法第2条
(定義)
図書館法
図書館法第3条
(図書館奉仕)
次条:
図書館法第4条
(司書及び司書補)


このページ「図書館法第3条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。