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売春防止法第11条

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コンメンタールコンメンタール売春防止法>売春防止法第11条

条文

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(場所の提供)

第11条
  1. 情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。
  2. 売春を行う場所を提供することを業とした者は、7年以下の拘禁刑及び30万円以下の罰金に処する。
(令和4年6月17日法律第68号[1]改正)

改正経緯

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昭和31年5月24日法律第118号[2]

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(場所の提供)

第11条
  1. 情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
  2. 売春を行う場所を提供することを業とした者は、7年以下の懲役及び30万円以下の罰金に処する。

解説

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本条は、売春を行う場所を提供した者を処罰する規定である。

第1項

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情を知って」とは、その場所で売春が行われることを具体的に認識し、または予見していることをいう。

売春を行う場所」とは、売春行為に使用される場所をいい、建物以外の建造物、自動車、船舶なども含まれる。「提供」とは、売春に利用し得る状態に置くことをいう。

売春を行う場所を提供した者」とは、「その提供した場所について事実上の支配力を有する者」であれば足り、「売春を行う場所として提供された旅館等の経営者や会社たる旅館等の代表取締役など」であることは必要ない[3]

第2項

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業とした」とは、反復継続して行う意思をもって、売春する場所の提供をすることをいう。

参照条文

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判例

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  1. 詐欺、売春防止法違反(最高裁判所第一小法廷決定昭和37年5月17日 昭和36年(あ)第1515号、最高裁判所刑事判例集16巻5号520頁)
    売春防止法第11条第2項にいう「業とする」の法意
    売春防止法第11条第2項にいう「業とする」とは、反覆継続して行う意思のもとに同条項所定の行為をする場合を指称し、売春を行うための特別の設備を持ち、一個の業態として右行為をなすことを必要とするものではない。
  2. 旅館業法違反、売春防止法違反最高裁判所第三小法廷判決、昭和38年2月26日、昭和37年(あ)第2341号、最高裁判所刑事判例集17巻1号15頁)
    売春防止法第14条のいわゆる両罰規定の法意。
    売春防止法第14条は、業務主たる人の代理人、使用人その他の従業者が同法第9条等に違反した行為につき、業務主に右行為者らの選任、監督その他違反行為を防止するために必要な注意を尽さなかつた過失の存在を推定した規定と解すべく、したがつて業務主において右に関する注意を尽したことの証明がなされない限り、業務主もまた刑責を免れないとする法意である。
  3. 売春防止法違反(最高裁判所第二小法廷決定昭和39年2月8日、昭和38年(あ)第2490号、最高裁判所刑事判例集18巻2号43頁)
    売春防止法第11条第2項の「売春を行う場所を提供することを業とした者」にあたるとされた事例。
    旅館を経営する者が、多数回にわたり反覆してその客室を売春のために提供している場合には、売春場所提供の対価又は売春報酬の一部を取得した事実がなくても、売春防止法第11条第2項の「売春を行う場所を提供することを業とした者」にあたる。
  4. 売春防止法違反(最高裁判所第三小法廷決定昭和45年12月15日 昭和44年(あ)第1379号、最高裁判所刑事判例集24巻13号1755頁)
    売春防止法10条1項違反の罪と11条2項違反の罪が併合罪の関係にあるとされた事例
    料理店を経営する者が、雇い入れた仲居との間に、対償分配の約束で、売春をさせることを内容とする契約をしたうえ、その売春に際し、多数回にわたり反覆して客室を提供した行為については、売春防止法10条1項および11条2項各違反の罪の併合罪が成立する。

脚注

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  1. ^ 法律第六十八号(令四・六・一七)”. 衆議院. 2025年6月29日閲覧。
  2. ^ 法律第百十八号(昭三一・五・二四)”. 衆議院. 2025年3月29日閲覧。
  3. ^ 売春防止法違反被告事件”. 裁判所. 2025年6月29日閲覧。

前条:
売春防止法第10条
(売春をさせる契約)
コンメンタール売春防止法
第2章 刑事処分
次条:
売春防止法第12条
(売春をさせる業)
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