将棋/▲7六歩/△8四歩
先手が角道を開けたのに対し、後手が飛車先の歩を突いて応じる出だし。
▲2六歩と突く手や、#▲6八銀と上がって△8五歩ならば▲7七銀と受けられるようにする手が考えられる。
そして、将棋/石田流を得意とする先手に対して、図以下▲7八飛に△8五歩を用意している。後手が角道を開けずに飛車先を突いてこられると、ここで、7七角と上がらざるを得ない。したがって、すんなりとは石田流ができないことになる。
この場合、▲7七角の後、△3四歩と後手も角道を開けてきたら、一旦は▲6六歩と角道を止め、その後、△6二銀▲6八銀△4二玉▲4八玉△3二玉▲3八玉で、以下△3三角▲6七銀△2二玉▲7五歩とし、その後は▲6八角や▲5九角から▲7六飛と石田流に構えることはできる。
▲2六歩
[編集]角換わりを志向するなら、「将棋/角換わり模様」も参照。角換わりにするには、△8五歩と突く手が自然である。
横歩取りにするなら、△3四歩と突く手を志向。ただし、阿久津主税は著書『矢倉・角換わりの教科書』(2013年)の中で「2手目△8四歩で王者の貫禄を見せた後手としては(4手目に)△3四歩のような野暮な手は、もはや恥ずかしくて指せないはずだ」と述べている。
そのほか、△3二金や△1四歩、△6二銀など。
▲7八金
[編集]- 詳細は「/▲7八金」を参照
△3二金▲2六歩△8五歩でW:角換わりの出だしに合流するが、▲7八金を咎めるために△3四歩からW:陽動振り飛車にする指し方もある。
▲7七角
[編集]- △6二銀が、佐藤秀司(2017-10-26日、第3期叡王戦段位別予選)、tanuki(2015-11-20日、第3回将棋電王戦)、清水市代(2013-12-13日、第07期マイナビ女子戦)、村上創音(2013-08-31日、2013年度将棋日本シリーズ)など。
- △3四歩が、増田康宏(2016-08-04日、新人王戦)、qinoa(2015-11-21日、第3回将棋電王戦)、scherzo(2015-11-21日、第3回将棋電王戦)、高見泰地(2015-10-19日、第24期銀河戦本戦B)、中井広恵(2015-05-20日、第23期大山名人杯倉敷藤花戦)、屋敷伸之(2013-05-17日、銀河戦)、北島忠雄(2013-06-25日、順位戦)など。
- 中川大輔は△4二玉(2018-01-10日、第76期順位戦B級2組)としている。
将棋/▲7六歩/△3四歩#▲7七角の場合、後手番での4手目△3三角戦法にも共通する、△8四歩▲8八飛△7七角成▲同桂△4五角に、▲6五桂△6二銀▲5五角が知られており、▲7六歩△8四歩▲7七角に△3四歩を指せば、仮に▲8八飛とすればこれに合流する。
▲8八飛に、△1四歩もある。仮に▲1六歩と受けると、そこで△7七角成とし、以下▲同桂△4五角▲6五桂△6二銀▲5五角に、△1三香が生じる。
△3四歩の局面で▲8八飛ではなく、▲5六歩もある。大和証券杯 佐藤康光-木村一基戦で現れた新手で、▲5六歩は△4五角を消している。これは一見△7七角成から△5七角がありそうだが、以下▲6五桂 △3五角成 ▲6六角 △2二銀 ▲3六歩が予想される。実践では、▲5六歩△6二銀▲8八飛 △4二玉 ▲6八銀 △3二玉 ▲4八玉 △6四歩▲3八玉 △8五歩 ▲2八玉 △5二金右 ▲5七銀 △6三銀▲6六歩 △5四銀 ▲5八金左 △7四歩 ▲3八銀 △3三角以下、振り飛車対居飛車穴熊戦となった。
▲6六角
[編集]2024年に佐藤天彦九段が、▲7六歩△8四歩▲6六角(図)という出だしを連採して豊島将之九段・深浦康市九段を連破した。
以下、後手△6二銀に佐藤九段は▲7八銀とし、△7七銀から▲8八飛と構えた。ここで仮に△6六角▲同歩△4五歩としても、▲5五角がある。後手△6二銀に代えて△4二玉であると、▲5五角は△3三桂があるが、その際は▲3八銀でよく、△6七角成▲5二金左△6五馬は▲3六角。このとき、6筋の歩がすでに上がっているので、後手の角成が1歩補充になっていない。
先手の▲8八玉△7七銀▲6六角型は、機を見て▲7五歩から▲7六銀型にも移行が可能。
▲6八銀
[編集]図のあとの展開で、矢倉戦法については、将棋/矢倉模様を参照。
▲6八銀の手は手広く、▲7七銀からの矢倉や、▲6六歩から▲6七銀の雁木模様、△3四歩に▲7七角で将棋/角換わり模様やw:角交換振り飛車、▲7八金から▲2六歩などの相掛かり模様、▲6六歩からのノーマル振り飛車、とくに6八に銀を上がると▲6七銀型の他に▲5七銀型にも組むことができる。
▲7八銀
[編集]上記の▲6八銀と同様の展開が考えられるが、上記に比べて▲6八飛とする▲7八銀型四間飛車の含みがある。
21世紀の将棋では、序盤の一手の価値を非常にシビアに考えはじめてから、例えば現在指されている四間飛車の序盤を見ると、3手目は▲7八銀と上がらずに#▲6八飛と指すのが、7九に銀を残して角にひもをつけておく含みもあってごく普通であるが、以前は▲7八銀を上がらずに▲6八飛を指すと破門されるなどと言われていたという。
また、左美濃や▲8六歩から▲8七銀とする銀冠を構えることも可能。
▲5六歩
[編集]- 詳細は「/▲5六歩」を参照
▲6六歩
[編集]初手▲7六歩で2手目△3四歩に▲6六歩とはやくに角道を止めてしまう手は、後手に相振り飛車にされ、そのデメリットの提示は高崎一生『わかる!勝てる!!現代相振り飛車 ~なぜ3手目▲6六歩は減ったのか?~』などでよく知られる。[1]
後手は2手目に△8四歩と居飛車を明示しており、先に止めておくことで角換わりをけん制。振り飛車党としても、先手が一方的に角道を止めた相振り飛車を志向しなくてすむ。
西村一義 対 加藤一二三 戦(1981年5月12日、第7期棋王戦本戦)など、数多く指されているが、この対局も含め後手の応手は△3四歩が多く、結局普通の振り飛車対抗形や相居飛車となる。他に△6二銀、△8五歩、△5四歩が指されているが、3手目▲6六歩を直接咎める手はなく、後手側の勝率も△3四歩が一番よい。
▲6八飛
[編集]w:四間飛車を明示する手。以下△3四歩や8五歩、△6ニ銀などがある。
△3四歩には▲6六歩と一旦角道を止める指し方と、角道を止めずに指す、場合によっては3四歩の次に▲2ニ角成とw:角交換四間飛車を早くに明示する指し方もある。
△8五歩と早めに飛車先を決める指し手は、▲7七角と早めに決めさせる指し方とされてきた。
四間飛車を指す手においては、以前は▲7八銀と銀を上がってから▲6八飛と指していたが、90年代以降の現代的な将棋の考え方によって、飛車の可動域、機を見て▲7八飛や、角が▲7七に上がれば▲8八飛とする手もあり、省略して他の良い手を指すことができるのではないかを藤井猛が示し始め、この思想がより研ぎ澄まされて藤井システムの完成に至る。
▲1六歩
[編集]図のような1筋位取り振り飛車などで利用される。▲1六歩のあとは、△8五歩ならば▲7七角△3四歩に▲8八飛とし、△7七角成▲同桂△4五角や△1四歩などがある。
△3四歩▲1五歩△8五歩ならば、▲2二角成△同銀▲8八銀で図となるが、以下△3三銀ならば▲7七銀△6二銀▲6八飛もしくは▲8八飛△4五角▲3六角△6七角成▲5八金右などの展開。
図以下、△8六歩▲同歩△同飛と交換してきて▲6八飛は一局。△同飛に▲7五角は△8二飛に▲5三角成△9五角▲7七桂ならば以下△8八飛成▲同飛△7七角成▲6八飛△5二金右▲7五馬△9九馬▲4八玉△4一玉▲3八玉△3二玉もしくは△7七馬などの展開。
▲7七桂に対しては△8七歩もあり、以下▲9六歩△8六角または△8四角などの展開もある。ほかには△5六歩もあり、以下▲7五馬△5七歩成▲同馬△8七歩▲5八飛に、△5二金右▲9六歩△8六角▲8三歩△同飛▲8四歩△8二飛▲6六馬△8八歩成▲同飛△8四飛▲4八玉又は▲2二馬などの展開。
また▲5八飛に、△5二飛▲6六馬で△5八飛成もしくは△8八歩成▲5四歩△6二銀▲9六歩△8六角▲8八飛△5四飛▲4八玉などの展開。
▲7八飛
[編集]先手が三間飛車にする手。
ここで、後手△3四歩ならば、▲7五歩もありえる。以下△8八角成▲同銀△4五角には▲7六角。
主には、△8五歩▲7七角△3四歩で▲6六歩や▲6八銀。▲6八銀に△7七角成には▲同桂で、▲8六歩△同歩▲同飛には△6五桂が狙い。
▲7五歩
[編集]これは7五の歩の形が棋士の目からして形を決めすぎているきらいがあり、また4手目に△8五歩と飛車先の歩を伸ばされると、基本は▲7七角とするか、▲7八金として立石流にするかといったことで、昔も今もこの3手目▲7五歩」というのは、あまり多く指されていない。
ただし、▲7七角は以下後手が△3四歩▲7八飛△7七角成とすれば▲同桂で新・鬼殺しがあるし、△7七角成のところで△6二銀ならば▲2二角成や▲4八玉など、早石田にも移行できる。 また、三間飛車に早く△8五歩と決め△7四歩を早くに指すw:へなちょこ急戦の対策にはなっている。
北村昌男『型破り振飛車の急所』(王将ブックス ポケット版─実戦振飛車シリーズⅣ、北辰堂、1975年)では後手が2手目△8四歩とした場合に▲7五歩型に組む振り飛車、▲7五歩以下は△8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲6六歩から目指す振り飛車として、第5章・▲7五歩型四間飛車と第6章・▲7五歩型三間飛車が掲載されている。▲6六歩以下、▲7五歩型四間飛車は△6二銀 ▲7八銀 △6四歩 ▲6七銀 △4二玉 ▲6八飛として、7五の位を取って銀の活用として▲7六銀型から▲6五歩と仕掛けるイメージ。後手が序盤で早くに△6三銀~△7四歩と反発する場合は乱戦になる。▲7五歩型三間飛車は△6二銀 ▲7八飛 として、常に▲7六飛の好形をちらつかせ、作戦勝ちを目指しながら指すイメージ。
棋戦での実践では、後手の応手△3四歩が、 細原一夫 対 谷川浩司 戦(1980年5月9日 第11回新人王戦2回戦)、 北村文男 対 山形義雄 戦(1950年10月5日 全日アマ名人戦、戦型は7六銀型四間飛車)、 桐山清澄 対 阿部恭三 戦(1960年11月10日 奨励会)で指されている。
後手の応手△8五歩が、 小林健二 対 屋敷伸之 戦(1995年8月4日 第16回オールスター勝ぬき戦、戦型は相居飛車)、 カロリーナ・ステチェンスカ 対 高群佐知子 戦(2012-05-19日 女流王座戦、戦型は7六金型三間飛車)、 鰐渕啓史 対 田村純也 戦(2000年2月23日 学生王将戦)、 金沢孝史 対 窪田義行 戦(1984年4月8日 小学生名人戦決勝)、 中倉宏美・鰐渕啓史 対 北尾まどか・山田洋次 戦(2009年1月25日 ペア棋戦)、 黒澤大吉 対 井上仁左衛門 戦(1802年7月1日 江戸時代の棋戦)、 佐藤大五郎 対 加藤一二三 戦(1971年11月12日 NHK杯)、 升田幸三 対 山田道美 戦(1969年4月18日 十段戦、戦型は向かい飛車)、 酒井順吉 対 青木清 戦(1972年10月7日 若獅子戦)、 坂井仁美 対 北澤香織 戦(1995年8月6日)、 升田幸三 対 木村義雄 戦(1943年8月20日 朝日番付戦決勝)で指されている。 △8五歩に▲7七角とし、△3四歩に▲7八飛でw:新鬼殺しや、以下△6二銀なら▲2二角成△同銀▲7四歩と早石田にする、もしくは▲4八玉などがある。
この指し手はステチェンスカ-高群戦で指されたとして、『トップ棋士の感覚 イメージと読みの将棋観』で「テーマ6 :「ポーランド流▲7五歩は流行するか?」(2012年「将棋世界」11月号 鈴木宏彦氏の「新・イメージと読みの将棋観」テーマ1)として取り上げられている。検討した棋士は、渡辺明、郷田真隆、森内俊之、久保利明、広瀬章人、豊島将之の6人。6人とも結局4手目△8五歩となると▲7七角でスムーズに石田流に組めず、▲7六銀型についても渡辺明「目指すのはダサい」郷田真隆「△6四歩~△6三銀型にされると勝つイメージがない」としている。そして、渡辺明「これをやられたらありがたい」森内俊之「先手の(得だという)主張がわかりにくい」久保利明は▲7七角と一手かけることで「先手が理論的に手損」で「(序盤で)形を決めすぎている」広瀬章人「▲7七角の一手がぼやけている」豊島将之「どんな作戦になっても(▲7五歩が)不急の一手になる」としている。
☖持駒 なし
☗持駒 なし 図 △6三銀まで 升田-木村戦1(1943年)
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☖持駒 なし
☗持駒 なし 図 △9四歩まで 升田-木村戦2(1943年)
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また升田-木村戦も『将棋世界』2012年2月号の鈴木宏彦の「新・イメージと読みの将棋観」で採り上げられたことがある。 升田幸三の「八段昇進」も掛かっていた。この一戦について、後に升田は
7六歩、8四歩に次ぐ三手目、私は7五歩と突いた。これを見た木村名人、内心ムラムラとしたと思う。この戦法は石田流といいましてね、しろうとダマシのハメ手という程度にしか、評価されていなかったんです。なぜそんな戦法を用いたかといえば、名人には『石田撃退法』という著書があり、その本には、
「石田流なんて問題にならん。簡単にやっつけられる」
と説明してある。
だが私は独自の見解で、石田流とて捨てたもんじゃない、指し方によっては立派に通用する、と変化の手順を研究しておった。それにしても、この重大な一番に、あえて危険な戦法を採用したのは、私が名人に向かって、 「あなたが悪いと断定した石田流で、私はあなたに勝ってみせる、サァいらしゃい」と挑発しとるわけで、のっけからケンカ腰で行っとるんだ。
(升田幸三『名人に香車を引いた男』)
と記している。
「新・イメージと読みの将棋観」では、検討した棋士は、渡辺明、佐藤康光、森内俊之、谷川浩司、久保利明、広瀬章人であるが、棋士の見解は先手側があまり芳しき意見がない。図を見た棋士たちは、全員この局面での第一感については▲3八玉と述べているが、▲3八玉では△6五歩▲同銀△6四銀という手がみえる。検討した6棋士が、この図での先手の作戦に対して疑問を感じているが、つまり▲3八玉と指せないようでは、この作戦の意味がないということである。 渡辺明は「単に▲3八玉として、△6五歩▲同銀△6四銀左なら強く戦って、まあ、なんとかなるでしょう。逆に▲3八玉で指せないんじゃ先手が苦しいということですよ。升田先生の将棋? えー、でも僕なら▲3八玉です。」 佐藤康光「先手が押さえ込まれそうで自信がない。そもそも▲6五歩とつっかけるようでは自信がない。この局面は先手が忙しい。」 森内俊之「先手は7五の位を取っていますが、▲6五歩を突いていますので逆に7筋の位を守りにくくなっている。なので少し面白くない作戦なのかと思う。この場合は、このままだと△6五歩▲同銀△6四銀左と来られる恐れがある。しょうがないので▲3八玉とします。6筋は受けようがない。形勢は後手良し。先手勝率イメージは45パーセントくらいです。」「序盤の手順を見ると、木村名人が升田先生の作戦をうまくとがめたのではないでしょうか。」 久保利明「実践の▲7五歩~▲6五歩の手順に違和感を感じる」 と、各人先手が戦型的に指しにくいという感じをもつ。
一方で升田自身は、この作戦に自信を持っている。そして実際、この将棋は序盤で先手が作戦勝ちを勝ち取っていく。 図から、▲6八飛としている。
「イメージと読みの将棋観」のうち谷川浩司のみが▲6八飛の手を遡上に上げている。つまりは▲3八玉が芳しくないので「そこで単に▲6八飛はどうでしょう。以下、△6五歩▲同飛△6四歩▲2五飛。後手陣も味が悪いので、そこそこ指せると思う。」と考えた。「実戦も、そう指した? 升田先生の将棋ですか。そういえば、なんとなく見た記憶がある。」という。そして▲6八飛から2五飛の構想は、升田らしいさばきで、並の発想でないと感嘆した。
この局面で升田は「6八飛はこの一手」であるとし、以下、△6五歩▲同飛△6四銀左▲2五飛であるが、「▲2五飛も当然で、6八飛と引くのは、6二飛から7五銀をねらわれていけない」と、『名人に香車を引いた男』で解説している。これは▲6八飛だと△6二飛があり後手が良い、したがって▲2五飛とまわって先手をとるのが大事で、かつ後手は△3二金で、引き角とともに後手は一時的に壁の悪形とみた。以下、△3二金▲9七角△3四歩ののち、▲6五歩で△5三銀と後手の銀を追い返した。なお▲6五歩に、後手△7五銀は▲同銀△同金▲6四歩△同銀▲6三銀という読み筋を披露しており、これは「イメージと~」では広瀬章人も指摘している。
木村も自著『名人木村義雄実戦集』にこの一戦を掲載している。そしてその後の駒組での△9四歩(図2)が緩手でこの後、後手が徐々に指しにくくなったのはこの手だと前掲著の中で述べている。△9四歩に代えて木村は△1四歩とし、以下▲1六歩△3四金▲4七金△3三桂▲6八飛△7四歩と進めば早く△7四歩と指せていた、としている。
升田の実践集『升田将棋撰集』にも取り上げており、この場面を升田は「序盤早々△8四金と進出した木村名人の闘志が、空回りに終わったことがよくおわかりだろう。伸びきった陣形をまとめるのに、ひと苦労もふた苦労もしなければならない。」との解説をしている。
▲9六歩
[編集]桐山清澄が対 関根茂戦で指し(1979年6月6日、NHK杯)で後手は△3四歩とした。戦型は相掛かりに。
松田茂役が対 丸田祐三戦で指し(1969年1月31日、NHK杯)で後手は△1四歩とした。戦型は矢倉に。
小阪昇が対 渡辺明戦で指し(2002年3月12日、順位戦)で後手は△3四歩とした。戦型は横歩取りに。
田村康介が対 佐伯昌優戦で指し(1996年6月18日、順位戦)で後手は△3四歩とした。
小林健二が指し(1977年9月7日、若獅子戦)、後手は△8五歩とした。
田村康介が指し(1996年6月22日、早指戦)、後手は△8五歩とした。
▲5八金右
[編集]女流戦で伊藤沙恵が指しており(2015-02-25日第42期岡田美術館杯、2013-08-04日第47回東急将棋まつり、2013-06-20日第03期リコー杯女流王位戦)、また棋戦でも3局ほど指されているが、後手の応手は△8五歩ではなく△3四歩。以下は▲6六歩。この▲6六歩までの局面は、他に初手▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩▲5八金右や▲7六歩△3四歩▲5八金右△8四歩▲6六歩の出だしも多く、これらの局面に合流する。
主に矢倉等の相居飛車に移行するが、2017年を最後に指されていない。
▲4八銀
[編集]w:英春流ではおなじみの指し方。後手が△3四歩とすれば、初手▲7六歩△3四歩▲4八銀△8四歩と、先手が、後手は振り飛車にすると決め打ちして3手目▲4八銀の展開と合流する。
▲5八飛
[編集]早くに中飛車を明示する指し方。
蛸島彰子 vs. 谷川治惠 戦(1998年9月17日 女流名人戦)、団鬼六 vs. 鈴木環那 戦(2004年9月30日)、村田登亀雄 vs. 菊地裕太 戦(2002年12月14日 新人王戦)は、後手△8五歩と応手。
花村元司 vs. 米長邦雄 戦(1977年12月26日 NHK杯)は、後手△3四歩と応手。
▲8六歩
[編集]w:角頭歩戦法の構え。
▲5五角
[編集]3手目▲5五角は、△3四歩に▲2二角成△同銀となってみると、都合2手損。
以下、例えば▲8八銀とし、△8五歩に▲7七銀△3三銀など。
また、▲8八飛として△4五角▲5五角△3三銀もしくは▲7八飛△4五角▲5五角△3三銀▲6八金△2七角成▲7五歩など。
この他▲7五歩もある。これは△4五角に▲7六角を用意する。以下、△6二銀とすると(△5四歩や△4二玉もある)▲7四歩で
- △同歩は▲5五角
- △8六歩▲同歩△同飛に▲8八銀なら△5四歩▲7七角△8四飛▲7三歩成△同銀▲8七歩など。
- △8六歩▲同歩△同飛に▲7七角もある。以下は△8九飛成と△8二飛▲8四歩とある。
- △8六歩▲同歩△同飛に▲8八飛もある。
また、即△5四歩とする手もある。その場合は以下、先手は▲7七角で△3四歩は▲2二角成△同銀▲5三角。よって△8五歩に▲5六歩~5八飛~5五歩や、▲8八飛、▲7八飛、▲6八飛の振り飛車、▲4八銀の英春流、▲2六歩の相居飛車などがある。
脚注
[編集]
参考文献
[編集]- 高田尚平『高田流新戦略3手目7八金』毎日コミュニケーションズ、2002年。ISBN 4-8399-0464-2
- 羽生善治『変わりゆく現代将棋』下巻、日本将棋連盟、2010年。ISBN 978-4-8399-3441-5(一部初出・『将棋世界』1999年10月号-2000年10月号、12月号)