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所得税法第28条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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(給与所得)

第28条  
  1. 給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。
  2. 給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする。
  3. 前項に規定する給与所得控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
    1. 前項に規定する収入金額が180万円以下である場合
      当該収入金額の100分の40に相当する金額(当該金額が55万円に満たない場合には、55万円)
    2. 前項に規定する収入金額が180万円を超え360万円以下である場合
      62万円と当該収入金額から180万円を控除した金額の100分の30に相当する金額との合計額
    3. 前項に規定する収入金額が360万円を超え660万円以下である場合
      116万円と当該収入金額から360万円を控除した金額の100分の20に相当する金額との合計額
    4. 前項に規定する収入金額が660万円を超え850万円以下である場合
      176万円と当該収入金額から660万円を控除した金額の100分の10に相当する金額との合計額
    5. 前項に規定する収入金額が850万円を超える場合
      195万円
  4. その年中の給与等の収入金額が660万円未満である場合には、当該給与等に係る給与所得の金額は、前2項の規定にかかわらず、当該収入金額を別表第5の給与等の金額として、同表により当該金額に応じて求めた同表の給与所得控除後の給与等の金額に相当する金額とする。

解説

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参照条文

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判例

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  1. 所得税更正処分取消請求事件(最高裁判決平成13年07月13日)所得税法第27条,民法第667条,民法第674条
    民法上の組合の組合員が組合の事業に係る作業に従事して支払を受けた収入に係る所得が給与所得に該当するとされた事例
    りんご生産等の事業を営むことを目的とする民法上の組合の組合員がりんご生産作業の専従者として同作業に従事して労務費名目で金員の支払を受けた場合において,上記金員は作業時間を基礎として日給制でその金額が決定され原則として毎月所定の給料日に現金を手渡す方法で支払われ,専従者は同作業の管理者の指示に従って作業に従事し,その作業時間がタイムカードによって記録されており,その作業内容を含めこれらの点において専従者と一般作業員との間に基本的に異なるところがなく,他方,組合員に対する出資口数に応じた現金配当は1度行われたことがあるにすぎないなど判示の事実関係の下においては,専従者が一般作業員とは異なり組合員の中から組合の総会において選任されりんご生産作業においては管理者と一般作業員との間にあって管理者を補助する立場にあったことなどを考慮しても,上記金員に係る収入をもって労務出資をした組合員に対する組合の利益の分配であるとみるのは困難であり,当該収入に係る所得は給与所得に該当する。
  2. 所得税更正処分等取消請求事件(最高裁判決平成17年01月25日)所得税法第34条1項
    米国法人の子会社である日本法人の代表取締役が親会社である米国法人から付与されたいわゆるストックオプションを行使して得た利益が所得税法28条1項所定の給与所得に当たるとされた事例
    米国法人の子会社である日本法人の代表取締役が,親会社である米国法人から親会社の株式をあらかじめ定められた権利行使価格で取得することができる権利(いわゆるストックオプション)を付与されてこれを行使し,権利行使時点における親会社の株価と所定の権利行使価格との差額に相当する経済的利益を得た場合において,上記権利は,親会社が同社及びその子会社の一定の執行役員及び主要な従業員に対する精勤の動機付けとすることなどを企図して設けた制度に基づき付与されたものであること,親会社は,上記代表取締役が勤務する子会社の発行済み株式の100%を有してその役員の人事権等の実権を握り,同代表取締役は親会社の統括の下に子会社の代表取締役としての職務を遂行していたものということができ,親会社は同代表取締役が上記のとおり職務を遂行しているからこそ上記権利を付与したものであること,上記制度に基づき付与された権利については,被付与者の生存中は,その者のみがこれを行使することができ,その権利を譲渡し,又は移転することはできないものとされていることなど判示の事情の下においては,同代表取締役が上記権利を行使して得た利益は,所得税法28条1項所定の給与所得に当たる。

前条:
所得税法第27条
(事業所得)
所得税法
第2編 居住者の納税義務

第2章 課税標準及びその計算並びに所得控除
第2節 各種所得の金額の計算

第1款 所得の種類及び各種所得の金額
次条:
所得税法第29条
削除
所得税法第30条
退職所得
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