日本国憲法第40条
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条文
[編集]【刑事補償】
- 第40条
- 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。
解説
[編集]参照条文
[編集]- 刑事補償法(昭和25年法律第1号)
- 少年の保護事件に係る補償に関する法律(平成4年法律第84号)
- 被疑者補償規程(昭和32年法務省訓令第1号)
判例
[編集]- 刑事補償請求棄却決定に対する抗告棄却の決定に対する特別抗告(最高裁決定昭和31年12月24日)刑事補償法第1条
- 憲法第40条の「抑留又は拘禁」および刑事補償法第1条第1項の「未決の抑留又は拘禁」の意義
- 憲法第40条にいう「抑留又は拘禁」中には、たとえ不起訴になつた事実に基く抑留または拘禁であつても、そのうちに実質上は、無罪となつた事実の取調のための抑留または拘禁であると認められるものがあるときは、その部分の抑留および拘禁もまたこれを包含するものと解するを相当とし、刑事補償法第1条第1項の「未決の抑留又は拘禁」とは右憲法第40条の「抑留又は拘禁」と同一意義のものと解すべきである。
- 刑事補償の請求(最高裁決定昭和35年6月23日 刑集第14巻8号1071頁)刑事補償法第1条,刑事補償法第25条
- 昭和25年政令第325号違反被告事件は、講和条約発効後においては刑の廃止があつたものとして免訴すべきとの最高裁判決で免訴された者が、無罪の裁判を受けたものと同等として、抑留又は拘禁の補償を求めたもの
- 刑事補償法第25条(免訴又は公訴棄却の場合における補償)
- 刑事訴訟法の規定による免訴又は公訴棄却の裁判を受けた者は、もし免訴又は公訴棄却の裁判をすべき事由がなかつたならば無罪の裁判を受けるべきものと認められる充分な事由があるときは、国に対して、抑留若しくは拘禁による補償又は刑の執行若しくは拘置による補償を請求することができる。
- 前項の規定による補償については、無罪の裁判を受けた者の補償に関する規定を準用する。補償決定の公示についても同様である。
- 刑事補償法第25条(免訴又は公訴棄却の場合における補償)
- 昭和25年政令第325号違反被告事件につき平和条約発効により免訴の言渡があつた場合に刑事補償の請求ができるか。
- 昭和25年政令第325号違反被告事件につき抑留拘禁された被告人に対し、平和条約発効により犯罪後の法令により刑が廃止された場合にあたるとして免訴の言渡があつた場合に、刑事補償法によりその抑留拘禁(平和条約発効の日以後の勾留を含む)による補償の請求をすることはできない。
- 同旨:刑事補償の請求(最高裁決定昭和35年6月23日 集刑第134号295頁)
- 憲法40条は、何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができると規定し、また、刑事補償法1条が刑事補償を受くべき場合を無罪の裁判を受けた場合に限定したものであることは、同条と同法25条とを対比することによつて明らかである。しかるに、所論大法廷判決は、請求人に対し6名の裁判官は、昭和25年政令325号は平和条約発効と同時に当然失効し、その後に右政令の効力を維持することは憲法上許されないとの理由により、また、5名の裁判官は、右政令は、平和条約発効後においては、本件に適用されている昭和25年6月26日附及び同年7月18日附連合国最高司令官の指令の内容が憲法21条に違反するから、右指令を適用するかぎりにおいて、平和条約発効と共に失効するとの理由により、以上11名の裁判官により本件を犯罪後の法令により刑が廃止された場合に当るとして免訴を言渡したのであつて、これをもつて所論のごとく本来の無罪的な免訴の裁判をしたものでないことは判文上明白である。
- 昭和25年政令第325号違反被告事件は、講和条約発効後においては刑の廃止があつたものとして免訴すべきとの最高裁判決で免訴された者が、無罪の裁判を受けたものと同等として、抑留又は拘禁の補償を求めたもの
- 刑事補償及び費用補償請求事件についてした即時抗告棄却決定に対する特別抗告(最高裁決定平成3年3月29日)刑事補償法第1条、少年法第23条第2項
- 非行事実が認められないことを理由とする不処分決定と刑事補償
- 少年法23条2項による不処分決定は、非行事実が認められないことを理由とするものであっても、刑事補償法1条1項にいう「無罪の裁判」には当たらない。
- 刑事補償法1条1項にいう「無罪の裁判」とは、同項及び関係の諸規定から明らかなとおり、刑訴法上の手続における無罪の確定裁判をいうところ、不処分決定は、刑訴法上の手続とは性質を異にする少年審判の手続における決定である上、右決定を経た事件について、刑事訴追をし、又は家庭裁判所の審判に付することを妨げる効力を有しないから、非行事実が認められないことを理由とするものであっても、刑事補償法1条1項にいう「無罪の裁判」には当たらない。
- 立法論としては別論、法文解釈上、不処分決定を「無罪の裁判」と解することは難しい。- 坂上壽夫裁判官補足意見、園部逸夫裁判官意見
- →翌年、「少年の保護事件に係る補償に関する法律」の立法
- 刑事補償法1条1項にいう「無罪の裁判」とは、同項及び関係の諸規定から明らかなとおり、刑訴法上の手続における無罪の確定裁判をいうところ、不処分決定は、刑訴法上の手続とは性質を異にする少年審判の手続における決定である上、右決定を経た事件について、刑事訴追をし、又は家庭裁判所の審判に付することを妨げる効力を有しないから、非行事実が認められないことを理由とするものであっても、刑事補償法1条1項にいう「無罪の裁判」には当たらない。
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