コンテンツにスキップ

民事執行法第181条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学コンメンタール民事訴訟法コンメンタール民事執行法

条文

[編集]

(不動産担保権の実行の開始)

第181条
  1. 不動産担保権の実行は、第1号の申立て又は第2号の文書若しくは電磁的記録の提出があつたときに限り、開始する。
    1. 担保権の登記(仮登記を除く。)がされた不動産についての不動産担保権の実行の申立て
    2. 次に掲げるいずれかの文書又は電磁的記録
      イ 担保権の存在を証する確定判決若しくは家事事件手続法第75条の審判又はこれらと同一の効力を有するものの謄本又は記録事項証明書[旧第1号より継承]
      ロ 担保権の存在を証する公証人が作成した公証人法第43条第1項第1号の公正証書の謄本、同項第2号の書面(公正証書に記録されている事項の全部を出力したものに限る。)又は同項第3号の電磁的記録(公正証書に記録されている事項の全部を記録したものに限る。)[旧第2号より継承]
      ハ 一般の先取特権にあつては、その存在を証する文書又は電磁的記録
  2. 抵当証券の所持人が不動産担保権の実行の申立てをするには、抵当証券を提出しなければならない。
  3. 担保権について承継があつた後不動産担保権の実行の申立てをする場合には、相続その他の一般承継にあつてはその承継を証する文書又は電磁的記録を、その他の承継にあつてはその承継を証する裁判の謄本その他の公文書(電磁的記録をもつて作成されている場合における当該電磁的記録を含む。)を提出しなければならない。
  4. 不動産担保権の実行の開始決定がされたときは、裁判所書記官は、開始決定の送達に際し、次に掲げる事項を記録した電磁的記録を相手方に送付しなければならない。この場合において、不動産担保権の実行の申立てにおいて第1項第2号ハに掲げる文書又は電磁的記録が提出されたときは、併せて、当該文書又は当該電磁的記録に記載され、又は記録されている事項であつてファイルに記録されているものに係る電磁的記録を相手方に送付しなければならない。
    1. 第1項第1号の申立てがあつた旨の表示又は不動産担保権の実行の申立てにおいて提出された同項第2号に掲げる文書若しくは電磁的記録の標目
    2. 不動産担保権の実行の申立てにおいて提出された前二項に規定する文書又は電磁的記録の標目

改正経緯

[編集]

2023年改正にて以下のとおり改正。

  1. 第1項
    1. 本文
      (改正前)次に掲げる文書が提出されたときに限り、
      (改正後)第1号の申立て又は第2号の文書若しくは電磁的記録の提出があつたときに限り、
    2. 第1号
      (改正前)担保権の存在を証する確定判決若しくは家事事件手続法第75条の審判又はこれらと同一の効力を有するものの謄本
      (改正後)担保権の登記(仮登記を除く。)がされた不動産についての不動産担保権の実行の申立て
    3. 第2号
      (改正前)担保権の存在を証する公証人が作成した公正証書の謄本
      (改正後)
      次に掲げるいずれかの文書又は電磁的記録
      イ 担保権の存在を証する確定判決若しくは家事事件手続法第75条の審判又はこれらと同一の効力を有するものの謄本又は記録事項証明書[旧第1号より継承]
      ロ 担保権の存在を証する公証人が作成した公証人法第43条第1項第1号の公正証書の謄本、同項第2号の書面(公正証書に記録されている事項の全部を出力したものに限る。)又は同項第3号の電磁的記録(公正証書に記録されている事項の全部を記録したものに限る。)[旧第2号より継承]
      ハ 一般の先取特権にあつては、その存在を証する文書又は電磁的記録
    4. 第3号
      (改正前)担保権の登記(仮登記を除く。)に関する登記事項証明書
      (改正後)[削除、第1号に継承、但し文書要素は喪失]
    5. 第4号
      (改正前)一般の先取特権にあつては、その存在を証する文書
      (改正後)[削除、第2号ハに継承]
  2. 第3項
    1. (改正前)その承継を証する文書
      (改正後)その承継を証する文書又は電磁的記録
    2. (改正前)その他の公文書
      (改正後)その他の公文書(電磁的記録をもつて作成されている場合における当該電磁的記録を含む。)
  3. 第4項
    以下の条項から改正。
    不動産担保権の実行の開始決定がされたときは、裁判所書記官は、開始決定の送達に際し、不動産担保権の実行の申立てにおいて提出された前三項に規定する文書の目録及び第1項第四号に掲げる文書の写しを相手方に送付しなければならない。

解説

[編集]

参照条文

[編集]

判例

[編集]
  1. 競売申立て却下決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件(最高裁決定 平成18年10月27日)民事執行法第195条民事執行規則第176条2項,民法第295条1項
    登録自動車を目的とする民法上の留置権による競売において民事執行法181条1項1号所定の「担保権の存在を証する確定判決」に該当するための要件
    登録自動車を目的とする民法上の留置権による競売においては,その被担保債権が当該自動車に関して生じたことが主要事実として認定されている確定判決であれば,債権者による当該自動車の占有の事実が認定されていなくとも,民事執行法181条1項1号所定の「担保権の存在を証する確定判決」に当たる。

前条:
民事執行法第180条
(不動産担保権の実行の方法)
民事執行法
第3章 担保権の実行としての競売等
次条:
民事執行法第182条
(開始決定に対する執行抗告等)
このページ「民事執行法第181条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。