コンテンツにスキップ

民事執行法第197条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタールコンメンタール民事執行法

条文

[編集]

(実施決定)

第197条
  1. 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
    1. 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より6月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。
    2. 知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。
  2. 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書又は電磁的記録を提出した債権者の申立てにより、当該債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。
    1. 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より6月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該先取特権の被担保債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。
    2. 知れている財産に対する担保権の実行を実施しても、申立人が前号の被担保債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。
  3. 前二項の規定にかかわらず、債務者(債務者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、債務者が法人である場合にあつてはその代表者。第1号において同じ。)が前二項の申立ての日前3年以内に財産開示期日(財産を開示すべき期日をいう。以下同じ。)においてその財産について陳述をしたものであるときは、財産開示手続を実施する旨の決定をすることができない。ただし、次の各号に掲げる事由のいずれかがある場合は、この限りでない。
    1. 債務者が当該財産開示期日において一部の財産を開示しなかつたとき。
    2. 債務者が当該財産開示期日の後に新たに財産を取得したとき。
    3. 当該財産開示期日の後に債務者と使用者との雇用関係が終了したとき。
  4. 第1項又は第2項の決定がされたときは、当該決定(第2項の決定にあつては、当該決定及び同項の文書の写し又は同項の電磁的記録に記録されている事項の全部を記録した電磁的記録)を債務者に送達しなければならない。
  5. 第1項又は第2項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
  6. 第1項又は第2項の決定は、確定しなければその効力を生じない。

改正経緯

[編集]

2023年改正

[編集]

以下のとおり改正。

  1. 第2項
    (改正前)一般の先取特権を有することを証する文書
    (改正後)一般の先取特権を有することを証する文書又は電磁的記録
  2. 第4項括弧書き
    (改正前)同項の決定にあつては、当該決定及び同項の文書の写し
    (改正後)同項の決定にあつては、当該決定及び同項の文書の写し又は同項の電磁的記録に記録されている事項の全部を記録した電磁的記録

2019年改正

[編集]

以下のとおり改正。

  1. 第1項本文
    1. (改正前)次のいずれかに該当するときは、
      (改正後)次の各号のいずれかに該当するときは、
    2. 以下の括弧書きを削除
      (債務名義が第22条第2号、第3号の2から第4号まで若しくは第5号に掲げるもの又は確定判決と同一の効力を有する支払督促であるものを除く。)
  2. 第2項本文
    (改正前)次のいずれかに該当するときは、
    (改正後)次の各号のいずれかに該当するときは、
  3. 第3項本文
    (改正前)次に掲げる事由のいずれかがある場合は、
    (改正後)次の各号に掲げる事由のいずれかがある場合は、
  4. 第4項本文
    (改正前)当該決定(第2項の決定にあつては、
    (改正後)当該決定(同項の決定にあつては、

解説

[編集]

参照条文

[編集]

前条:
民事執行法第196条
(管轄)
民事執行法
第4章 債務者の財産状況の調査
第1節 財産開示手続
次条:
民事執行法第198条
(期日指定及び期日の呼出し)
このページ「民事執行法第197条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。