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民事訴訟法第40条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民事訴訟法

条文

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(必要的共同訴訟)

第40条
  1. 訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。
  2. 前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
  3. 第1項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
  4. 第32条第1項の規定は、第1項に規定する場合において、共同訴訟人の一人が提起した上訴について他の共同訴訟人である被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の法定代理人のすべき訴訟行為について準用する。

解説

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  • 第32条(被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則)

参照条文

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判例

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  1. 取締役損失補填責任追及請求控訴及び共同訴訟参加事件(最高裁判決 平成12年7月7日)商法第266条1項5号(現・会社法第423条)・商法267条
    複数の株主が共同して追行する株主代表訴訟において共同訴訟人の一部の者が上訴をした場合に上訴をしなかった者の上訴審における地位
    複数の株主が共同して追行する株主代表訴訟において、共同訴訟人である株主の一部の者が上訴をした場合、上訴をしなかった者は、上訴人にはならない。
  2. 入会権確認請求事件(最高裁判決 平成20年07月17日) 民法第263条,民訴法第1編第3章 当事者
    入会集団の一部の構成員が訴えの提起に同調しない構成員を被告に加えて構成員全員が訴訟当事者となる形式で第三者に対する入会権確認の訴えを提起することの許否
    特定の土地が入会地であるのか第三者の所有地であるのかについて争いがあり,入会集団の一部の構成員が,当該第三者を被告として当該土地が入会地であることの確認を求めようとする場合において,訴えの提起に同調しない構成員がいるために構成員全員で訴えを提起することができないときは,上記一部の構成員は,訴えの提起に同調しない構成員も被告に加え,構成員全員が訴訟当事者となる形式で,構成員全員が当該土地について入会権を有することの確認を求める訴えを提起することが許され,当事者適格を否定されることはない。
    • 特定の土地が入会地であることの確認を求める訴えは,入会集団の構成員全員が当事者として関与し,その間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟である。そして,入会集団の構成員のうちに入会権の確認を求める訴えを提起することに同調しない者がいる場合であっても,入会権の存否について争いのあるときは,民事訴訟を通じてこれを確定する必要があることは否定することができず,入会権の存在を主張する構成員の訴権は保護されなければならない。そこで,入会集団の構成員のうちに入会権確認の訴えを提起することに同調しない者がいる場合には,入会権の存在を主張する構成員が原告となり,同訴えを提起することに同調しない者を被告に加えて,同訴えを提起することも許されるものと解するのが相当である。このような訴えの提起を認めて,判決の効力を入会集団の構成員全員に及ぼしても,構成員全員が訴訟の当事者として関与するのであるから,構成員の利益が害されることはないというべきである。

前条:
第39条
(共同訴訟人の地位)
民事訴訟法
第1編 総則

第3章 当事者

第2節 共同訴訟
次条:
第41条
(同時審判の申出がある共同訴訟)
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