民法第1013条
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法学>民事法>コンメンタール民法>第5編 相続 (コンメンタール民法)
条文
[編集](遺言の執行の妨害行為の禁止)
- 第1013条
- 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
- 前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
- 前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。
改正経緯
[編集]2018年改正により、第2項及び第3項を新設。
解説
[編集]- 遺言執行者が選任された場合、相続は、まず、遺言執行者が主導し執行完了まで、相続人は遺言の対象が相続財産の全部又は一部に係るものであるかにかかわらず、相続財産の処分等を行うことができない(明治民法第1115条を継承)。
- 遺言執行者を定めるのは、遺言を実際に執行するためであり、そのことによって相続人の権利に影響を及ぼすことは、やむを得ないことである。従って、相続人は遺言の執行を妨げるような行為をしてはならないことを定めている。たとえば、相続財産の中に債権がある場合、相続人であれば、その弁済を受ける権利を持つのは当然であるが、その債権の弁済によって受け取った金銭などが遺贈の履行に充てられるべきものであるときは、相続人は自ら弁済を受けることができない。そのような場合がこれにあたる。そして、相続財産の処分は一般に遺言の執行を妨げる行為の典型であるから、この条文では特に、相続人は相続財産を処分することができないことを規定したのである。
参照条文
[編集]判例
[編集]- 第三者異議(最高裁判決 昭和62年04月23日)
- 民法第1013条に違反してされた相続人の処分行為の効力
- 遺言執行者がある場合には、相続人が遺贈の目的物についてした処分行為は無効である。
- 遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前と民法第1013条にいう「遺言執行者がある場合」
- 遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前であつても、民法第1013条にいう「遺言執行者がある場合」に当たる。
- 民法第1013条に違反してされた相続人の処分行為の効力
参考
[編集]- 明治民法において、本条には共同相続人間の担保責任に関する以下の規定があった。趣旨は、民法第911条に継承された。
- 各共同相続人ハ相続開始前ヨリ存スル事由ニ付キ他ノ共同相続人ニ対シ売主ト同シク其相続分ニ応シテ担保ノ責ニ任ス
- 明治民法第1115条
- 遺言執行者アル場合ニ於テハ相続人ハ相続財産ヲ処分シ其他遺言ノ執行ヲ妨クヘキ行為ヲ為スコトヲ得ス
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