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民法第280条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第2編 物権 (コンメンタール民法)

条文

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地役権の内容)

第280条
地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第3章第1節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。

解説

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地役権の内容についての規定である。

参照条文

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判例

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  1. 通行地役権設定登記手続等(最高裁判決 平成10年02月13日)民法第177条
    設定登記のされていない通行地役権について承役地の譲受人が登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないと解すべき場合
    通行地役権の承役地が譲渡された場合において、譲渡の時に、右承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置、形状、構造等の物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、譲受人がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは、譲受人は、通行地役権が設定されていることを知らなかったとしても、特段の事情がない限り、地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない。
  2. 通行地役権確認等(最高裁判例 平成10年12月18日)民法第177条
    通行地役権の承役地の譲受人が地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない場合に地役権者が譲受人に対して地役権設定登記手続を請求することの可否
    通行地役権の承役地の譲受人が地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない場合には、地役権者は、譲受人に対し、同権利に基づいて地役権設定登記手続を請求することができる。
  3. 車両通行妨害等禁止請求事件(最高裁判例 平成17年03月29日)
    通行地役権者が承役地の一部に車両を恒常的に駐車させている者に対しその禁止を求めることができるとされた事例
    宅地分譲に際し分譲業者が公道から各分譲地に至る通路として開設した土地の幅員全部につき,分譲業者と宅地の分譲を受けた者との間の合意に基づいて自動車による通行を目的とする通行地役権が設定されたこと,同土地の現況が舗装されたいわゆる位置指定道路であり,通路以外の利用が考えられないことなど判示の事情の下においては,上記地役権の内容は,通行の目的の限度において,同土地全体を自由に使用できるというものであって,地役権者は,同土地に車両を恒常的に駐車させている者に対し,残余の幅員が3m余りあるとしても,そのような行為により車両の通行を妨害することの禁止を求めることができる。

前条:
民法第279条
(工作物等の収去等)
民法
第2編 物権
第6章 地役権
次条:
民法第281条
(地役権の付従性)
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