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民法第424条の6

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第3編 債権

条文

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(財産の返還又は価額の償還の請求)

第424条の6
  1. 債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。
  2. 債権者は、転得者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、転得者が転得した財産の返還を請求することができる。転得者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。

解説

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2017年改正により新設。判例法理の条文化。

  1. 債権者が求めうること。
    1. 債務者がした行為の取消し(形成の訴え)
    2. その行為によって受益者に移転した財産の返還(給付の訴え)
  2. 訴えの相手方(被告)
    改正前判例においては債務者ではないとされており(当事者適格がないと却下される(大判明治44年3月24日民録117頁))、判決効果の及ぼす範囲改正(第424条)の問題もあり改正が検討されたが、2017年改正においても維持。効果の範囲改正により、債務者に及ぶ影響は大きくなったが、改正前判例においても、債務者は、受益者・転得者の訴訟に補助参加できる(大判昭和17年6月23日民集716頁)、債務者に対する目的物給付の訴えを取消しの訴えに併合することは可能(最判昭和35年10月12日民集2130頁 民法第424条の9参照)であるなど実体的救済がなされていたことから、債務者に対する遅滞のない訴訟告知(民法第424条の7第2項)により、債務者の権利の保護を図った。
  3. 転得者がいない場合、受益者を、民法第424条の5に定める転得者がいる場合、転得者を被告とする。転得者がある場合も、受益者のみを被告とすることはできる(大判明治44年3月24日民録117頁)。
    • 不動産等目的物が、受益者・転得者から転売されるなどして返還が困難な場合は、『移転した財産の価額』の返還を請求できる。
      (例)
      A(債務者)が保有する評価額5000万円の不動産をB(受益者)に3000万円で売却、Bは情を知らない(従って、『転得者』とならない)Cに4000万円で売却し登記も移転した。債権者Dはこれを詐害行為として取り消しを訴え認められた。
      • この例において、Cへの譲渡は取り消し得ないので、DはBに不動産の価額の償還を請求することとなる。
      • この場合、償還すべき価額は、不動産の評価額5000万円である。なお、判例において、価額の算定は原則として訴訟の事実審口頭弁論終結時を基準とする(最判昭和50年12月1日民集1847頁)。

参照条文

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否認権

判例

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前条:
民法第424条の5
(転得者に対する詐害行為取消請求)
民法
第3編 債権

第1章 総則
第2節 債権の効力

第3款 詐害行為取消権
次条:
民法第424条の7
(被告及び訴訟告知)
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