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民法第463条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

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(通知を怠った保証人の求償の制限等)

第463条
  1. 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその保証人に対抗したときは、その保証人は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
  2. 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が債務の消滅行為をしたことを保証人に通知することを怠ったため、その保証人が善意で債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。
  3. 保証人が債務の消滅行為をした後に主たる債務者が債務の消滅行為をした場合においては、保証人が主たる債務者の意思に反して保証をしたときのほか、保証人が債務の消滅行為をしたことを主たる債務者に通知することを怠ったため、主たる債務者が善意で債務の消滅行為をしたときも、主たる債務者は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。

改正経緯

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2017年改正前の条文は以下のとおり

(通知を怠った保証人の求償の制限)

  1. 第443条の規定は、保証人について準用する。
  2. 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、善意で弁済をし、その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、第443条の規定は、主たる債務者についても準用する。
  • 改正前第2項についての改正前民法第443条(通知を怠った連帯債務者の求償の制限)への当てはめ。
    1. 連帯債務者の一人(→保証人)が債権者から履行の請求を受けたことを他の連帯債務者(→主たる債務者)に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者(→主たる債務者)は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者(→保証人)に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者(→保証人)に対抗したときは、過失のある連帯債務者(→保証人)は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
      →改正後第463条第1項に趣旨を継承
    2. 連帯債務者の一人(→主たる債務者)が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たことを他の連帯債務者(→保証人)に通知することを怠ったため、他の連帯債務者(→保証人)が善意で弁済をし、その他有償の行為をもって免責を得たときは、その免責を得た連帯債務者(→保証人)は、自己の弁済その他免責のためにした行為を有効であったものとみなすことができる。
      →改正後第463条第2項に趣旨を継承

解説

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参照条文

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前条:
民法第462条
(委託を受けない保証人の求償権)
民法
第3編 債権

第1章 総則
第3節 多数当事者の債権及び債務

第5款 保証債務
次条:
民法第464条
(連帯債務又は不可分債務の保証人の求償権)


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