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高等学校工業 工業材料/機能性材料

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
高等学校工業 工業材料 > 機能性材料

熱電対

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熱電対の原理。ある組み合わせの金属AとBで、図のように2つの接点に異なる温度を与えると、電流が流れる。

ある種類の違った2種類の金属の両端をつなぎ合わせる。おのおのの接点を異なる温度にする。 すると両端の間に電位差が発生し、一定方向に電流が流れる。これをゼーベック効果という。また、この装置を熱電対(ねつ でんつい)という。 逆に、この回路に電流を流すと、一端では熱が発生し、もう一端では熱を吸収し冷たくなる。この効果をペルチエ効果という。

現代では、熱電対は温度計に使われる事も多い。熱電対を原理にもちいた温度計のことを熱電対温度計というが、単に「熱電対」と略す場合もある。(検定教科書では、「熱電対温度計」と略さずに、工業高校の電気系科目の教科書では表記している。)


簡便な定電圧源としても、用いられる。歴史的には、オームの法則を発見したオームは、この熱電対をもちいて、電圧を測定および安定化することに成功したことにより、オームの法則を発見できたのである。


導電性プラスチック

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(トランス型)ポリアセチレンの構造

ポリアセチレンのように二重結合が交互にある高分子は半導体並の導電率がある。このような結合を共役二重結合という.これにヨウ素をドーピングすると金属並の導電性を持つ。ポリアセチレンAsF5にはシス型とトランス型があるが、型によって導電率が異なる。トランスでは約10-3[S・m]であり、シス型では 10-7[S・m]と大きく導電率が異なるが、ドーピングによって、どちらの型とも10+5 [S・m]ぐらいの導電性を持たせられる.

セラミックスと電気

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圧電体

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(あつでんたい)

水晶に力を加えると、電気が発生することは昔から知られていた。  逆に、水晶に電圧をかけると、伸び縮みをする。たとえば上部に正、下部に負の電圧をかけると伸びるときは、逆に上部に負、下部に正の電圧をかけると、縮む。よって交流電圧をかけると伸び縮みを繰り返しふるえる。振動に伴って、音が出るので、ブザーとして使える。 水晶のように、力を加えると電圧が発生し、逆に電圧を加えると、ひずみの生ずる材料を圧電体という。 圧電体に力をくわえると電圧が発生する。ライターの着火素子に火花を出す仕組みとして使われている。

固体電解質

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セラミックスの一種である二酸化ジルコニウムZrO2に不純物として、CaOやMgOを添加すると、伝導性を持つようになる。これは、たとえば純水に食塩を溶かすと伝導率があがる現象に類似していることから、CaOやMgOのような役割を持つセラミックスを固体電解質(こたい でんかいしつ)という。

いっぽう、SiCのような炭化ケイ素は共有結合の要素が強い。(共有性セラミックス)

セラミックスも結晶を作ることを、NiO2を例に説明する。セラミックの結晶の大きさは、金属のように大きくは無く、食塩NaClのように結晶は小さく、陽イオンNi2+と陰イオンO2-が交互に並んで結合を作っている。もし、結晶格子中のNiの収まる格子点に空孔があると、斜めとなりの周りのNi二つがNi3+になって電荷の釣り合いを保ち、Ni2+とNi3+との間には電荷が流れるので、伝導性を持つようになる。正孔の濃度が高くなるほど、伝導性が高くなる。

NiO2結晶中に正孔を作る代わりに、酸化アルミニウムAl2O3(アルミナという)のように、価数の異なる金属(Ni2+とAl3+)の酸化物を添加しても伝導性を向上できる.アルミナの変わりに、LiO2のような一価の酸化物(Li+)を導入しても、伝導性を向上できる。

実用的には、電池の材料として、電解質を無くして、代わりに固体電解質を用いた電池をつくることにより、液漏れの心配を無くした電池としての活用がされている。「固体電解質」はその名のとおり、もちろん液体ではないので液漏れの心配が無いので、既に心臓用ペースメーカー(cardiac pacemaker [1] )の電池の材料として、固体電解質を使った電池が用いられている。(※ 電気学会『電気学会大学講座 発電工学 〔改訂版〕』、2015年改訂版、353ページ)

圧電性プラスチック

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無機材料以外に高分子材料でも圧電性を示すものはある. たとえば、ポリフッ化ビニリデンである。 -(CH2-CF2)n- これらは圧電性高分子、圧電性プラスチックなどと呼ばれる。

セラミックスと光

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焦電体

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(しょうでんたい)

材料が高温のときに、赤外線を通すセラミックスである。

透光性セラミックス

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セラミックスは一般に光を通さないが、超高純度の材料を非常に緻密に焼き上げると、結晶と結晶の間がぴったりとくっついて光を通す透明なセラミックスを作れる。 電磁波は誘電体の屈折率の異なるところで反射をするから、材料の隙間がなくなり、材料が高純度ならば、屈折率はどこも一様であるので、材料内部で反射は起こらず、光を通すようになり透明になる。

セラミックス

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レンガ

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レンガ(煉瓦)の主成分は「カオリナイト」という粘土を主成分に、押し固めて、焼き固めたものである。そして、カオリナイトの化学式は Al2O3 ・2SiO2・2H2O であり、つまり主成分は二酸化ケイ素 SiO2 やアルミナ Al2O3 が化合したものである。

つまり、シリカとアルミナを焼き固めたものに、レンガの性質は近い。また、じっさいに原材料にシリカとアルミナを押し固めて焼き固めてつくる、特殊なレンガもある。

シリカやアルミナは耐熱性や耐食性が高いように、レンガも耐熱性や耐食性が高い。


鉄鋼などを融かして作るための溶鉱炉では、耐熱のため、炉内にレンガを内貼りしてある。

なお、アルミナは、セラミックスの中では熱伝導性が高く、そのためアルミナの含有量が多いアルミナ系レンガも熱伝導性が高い。

溶鉱炉の内貼りレンガでも、熱伝導性が必要な箇所では、アルミナ系レンガが用いられる。


ガラス

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ガラスは、化学薬品などへの耐食性が高い。

そのような理由もあり、化学実験などの試験管やビーカーなどにも、ガラス製品が用いられる。

ほうろう

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金属の表面に、ガラスを塗りつけてあるものを「ほうろう」という。なお、金属に、直接そのまま塗っても、付着性が悪いので、専用の下塗り剤をもちいて下塗りしてから、ガラスを塗りつける。

ガラスの光沢のため、美観がきれいなことから、美術品などで、古くから用いられた。たとえば「七宝燒き」(しっぽうやき)などで、ガラスを表面に用いる場合が、そのような「ほうろう」のガラス工芸美術品である。

ガラスが耐食性に強いことから、工業では、「ほうろう」は、金属装置の耐食性を上げるための表面処理としても活用される。

化学工業などで、腐食性のつよい化学物質などをあつかう反応装置の容器などに、「ほうろう」に似た技術を用いて、耐食性を上げるという方法もある。


その他、ガラスによるコーティングでなく、その他のセラミックス材料でコーティングする場合もある。


耐食性だけを考えると、「ほうろう」は理想的なように見えるが、しかし熱膨張率が金属とガラスとで違うことから、温度変化によって、膨張に差が出て、き裂(きれつ)が生じやすく、したがって「ほうろう」は温度変化に弱い。

また、「ほうろう」に限らず、ガラス自体の一般的な特性として、ガラス自体が、急激な温度変化に弱い。


家電への応用として、市販の炊飯器に、ほうろうを利用した炊飯器がある[2]。その炊飯器を紹介した商業高校教科書『ビジネス基礎』によると、鋳物ホーローは無水炊飯が可能であるとのことである。

半導体

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太陽電池

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ある種の半導体のPN接合部分に光を当てるとPにプラス、Nにマイナスの電圧が発生するので利用(物理IIで習う光電効果と関連する。)、太陽電池は光を検出するセンサーとしても使える。逆に、発光ダイオード(LED)では、ある半導体のPN接合に順方向の電流を流すと、PN接合面が光る。

薄膜

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レーザー材料

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レーザーの材料には、主に固体材料と気体材料があるが、工業高校では固体材料を説明する(液体のレーザー物質も研究されているが、あまり普及していない。)。

レーザーの目的は、けっして単なる光ではなく、単色光に近い光を得ることである。

たとえば家電のCD(コンパクトディスク)やDVDを読み取るために、ディスクに照射する光は、波長の幅がせまいことが必要である。

(説明の単純化のため、いったん可視光で説明する。)もし単に、暗い場所をてらすための明かりが欲しいだけなら、白熱電球でも良い。白熱電球の光は、波長幅の広い(単色光でなく、多くの波長をふくむ光)光である。白熱電球のような光は、CDやDVDの読み取りには、向かない。


さて、普及している固体材料のレーザーは、種類が大まかに2種類あって、

ルビーレーザーのようなものと(いわゆる「固体レーザー」)、
もうひとつは(発光ダイオードのように)半導体ダイオードのpn接合などの接合部分に生じる光を利用する「半導体レーザー」、

である。

半導体も固体なので、このような分類は本来なら不正確であるが、しかし工学では慣習的にこう分類されている。

世間の発光ダイオードで使われる材料が、必ずしもレーザー用とはかぎらないが(たとえば照明目的の発光ダイオードなら単色性(スペクトルの狭さ)は不要)、pn接合などで発光するという原理は似たようなものであるし、実際に工学者も原理は似ていると考えている(※ 参考文献: 電気学会『電気電子材料』、2012年2月10日 初版第4刷、117ページなど)。

※ 『工業材料』で説明するのは、おもにルビーレーザー方式のレーザー材料である。
しかし、『電子回路』など他の科目で半導体レーザーも習う。

なお、発光ダイオード材料と半導体レーザー材料は、用途が違う場合も多いためだろうか(照明目的のLEDと、DVD読み取りなどは目的が違う)、分類上は区別する。


固体レーザー

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ルビーは、アルミナ Al2O3 に クロム Cr が分散したものである。

ルビーレーザーなどの固体レーザーでは、まず、ルビーなどの材料とは別に、フラッシュランプ(キセノンxeランプなど)が必要である(※ 参考文献: 志村史夫、『材料科学工学概論』、丸善出版、平成16年10月15日 第5刷発行、141ページのページ下部の図に「キセノンランプ」の文字あり)。

※ 困ったことに、『工業材料』検定教科書にはフラッシュランプのことが書いてない! それどころか、大学教科書にも、上記の参考文献をのぞくと、フラッシュランプが説明されてない教科書も多い。

フラッシュランプで得られる光は、周波数が高めでエネルギーが高いが(※ 周波数とエネルギーの関係については、普通科高校の物理2(光電効果のあたり)などを参照せよ)、しかしランプ光はさまざまな波長の光を含んでおり、スペクトルがあまり鋭くない。なので、ルビーレーザーでは、ランプによって得られた光を、ルビーに通して、スペクトルのせまい光を得ている。

このように、ランプからの1次的な光を、レーザー材料などに通して、2次的な光を得ている。


単に「固体レーザー」といった場合、このような方式のレーザーをいう場合も多い。

このような原理のレーザーでは、現代ではイットリウム アルミニウム ガーネット(化学式 Y3Al5O12)を母材としたYAGレーザーが有名である。YAGレーザーは、母材はYAGであるが、実際にはレーザー用のYAGには活性物質としてネオジウム(Nd)がさらに添加されている。

ここでいう語末の「ガーネット」とは結晶構造のことであり、化合物としての「YAG」自体はイットリウムとアルミニウムと酸素の化合物である。


実際の製品化では、さらにこのような固体材料を、鏡を2枚で、はさむこと場合が多い。

鏡は、位相(いそう)を揃えるために用いている。ここでいう「位相」とは、高校物理で習う波形の式 A sin(ωt+θ) でいう θ の部分のこと。

なお、ωは角速度、tは時間変数、Aは振幅である。


書籍によっては、鏡を使う理由を、フィードバックのように考える書籍もあるが(たとえば『工業材料』の教科書、平成6年初版、平成16年 印刷 発行)、そのような解釈をしない別書籍もある(たとえばサイエンス社『工学のための無機化学』、橋本和明ほか、2016年新訂第1版)。

半導体レーザー

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※ 科目『電子回路』で説明する。くわしくは『高等学校工業 電子回路/電子回路素子』で節『レーザーダイオード』あたりを参照せよ。

※ 範囲外

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※ 範囲外: 光電効果に対する、金属の厚さとの関係

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金属に対する光電効果が理論どおりに成り立つのは、金属の厚さが、光の波長と比べて、金属の厚さが充分に大きい場合である。

高校や大学入試では、光電効果は、充分に、厚さの大きい金属を、光電効果の実験に用いていると考えて、平気である。

一方、もし、金属の厚さが、数マイクロメートルよりも厚さのうすくて、薄膜(はくまく)の金属の場合は、光電効果の他に、エネルギー損失が生じるなどの現象が起こり、電子の運動エネルギーが従来の光電効果の予測値よりも低くなるなどのように、従来の光電効果の理論から実験結果が外れる事が、近年の研究によって分かっている。

他にも、金属の微粒子で、直径が数マイクロメートル以下の程度の場合にも、同様に、光電効果の理論から外れる。

なお、そのような、とても薄い薄膜や微粒子などの作成方法は、薄膜の場合はいったん金属を、密閉容器のなかに入れ、真空ポンプをもちいて容器を真空にして、金属を(電気を対象金属に長すなどして)加熱して気化させてから容器中のガラス円盤などに蒸着(じょうちゃく)させて冷まして作成することで、数十〜数百ナノメートルサイズの薄膜を得られる(真空蒸着法)。微粒子の場合は、さまざまな方法があるが、やはり真空の密閉容器のなかで、金属を加熱して気化させたあとに急冷することで、数十〜数百ナノメートルサイズの微粒子を得られる。

このほか、金属イオンを強酸で溶解させて、界面活性剤などで金属イオンを分散させてコロイド状態にすることで微粒子を形成するという方法もある。そもそも、金(きん)などのいくつかの金属元素で、金属イオンが溶解した溶液の色が、人間がさわれるような通常の大きさの金属塊(きんぞく)とは色が少し違っている場合、その原因のひとつが、このような、微粒子サイズになると光電効果の理論から外れることも、金属塊と溶液の色が少し違っている理由のひとつでもある。

(※ かならずしも金属塊の色と、溶液の色とが、近いとは限らない。銅のように、まったく色が違う場合もある。銅の金属塊は茶色っぽい赤色だが、しかし銅の溶液は青色であり、まったく色が違う。この銅イオンの青色の理由は、溶液中では銅イオンは、銅イオン1個あたりに水溶液中の水分子が一定の個数ずつ結合しているという、水和(すいわ)という現象が起きているためである。このような現象(溶液中で金属分子1個あたりに水分子が一定の個数ずつ結合)のことを「錯イオン」といい、高校化学で習う。『高等学校化学I/化学結合』を参照せよ。)


しかし、この、光電効果と厚さ、粒子径などとの関連についての現象は、理系大学の上級学年のレベルであり、高度に専門的なので、説明を省略する。 (なお、くわしくは、「プラズモニクス」物理学や「フォトニクス」工学などの専門書に、書かれている。しかし高校生では読みきれないので、読まなくて良い。理系の大学生でも、読みきれないだろう。)

これら(薄膜の場合など)の例外的な現象は、高度すぎて、大学入試には出てこないので、高校生は安心してよい。


なお、もし、薄膜の厚さが、さらに薄くなって、0.1マイクロメートル(つまり100ナノメートル)未満くらいの厚さになると、今度は光が金属薄膜を素通りしてしまい(うすすぎる物体を光が通過する現象のことを「エバネッセント光」という)、よって光が吸収されず、また、光電効果もほとんど起きないが、しかしエネルギーの損失は少なるという現象が、近年の研究によって確認されている。(ここら辺、文献が少ないので、もしかしたらwiki編集者が勘違いしている可能性もあるので、読者は鵜呑みにせずに、大学などへの進学後は、必要ならば自分で確認のこと。)

また、電気抵抗と膜厚の関係について、膜の厚さをいろんな厚さで電気抵抗を測定する実験をしていくと、膜の厚さが100ナノメートルよりも薄くなるあたりから、急激に大きくなる。(※ 参考文献: 麻蒔立男『薄膜の基本』ソフトバンククリエイティブ、2010年第1版)

なお、充分に厚い金属の上に、さらに別種の薄膜の金属を載せることで、光電効果を起きやすくさせるという技術が、すでにブラウン管の時代のテレビモニターの技術として、実用化していた。

なお、これらのように、光の波長よりも薄い薄膜や、波長よりも小さい微粒子などをもちいる事で、光の波長よりも小さいものを測定できるので、科学研究用の高精度な測定機器に、すでに応用されている。

※ 範囲外: 久保効果

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なお、ナノメートルほどに小さい金属微粒子では、比熱などの物性値も、通常の大きさの金属とは違い、このような現象のことを久保効果(くぼ こうか)という。久保効果では、比熱のほかにも、磁化率の温度依存性が、ナノメートルサイズの微粒子と、通常サイズの金属塊(きんぞくかい)では、ちがってくる。久保効果の原因は、『高等学校物理/物理II/バンドギャップ』の記事で説明したような、結晶構造と「ブロッホの式」の関係について、粒子径が小さすぎて、結晶構造をつくれずに、通常の大きさの金属でみられるバンドが、ナノメートルサイズの微粒子では成り立たない事が、原因である。

  1. ^ 小森清久 ほか編著『新版完全征服 データベース5500 合格英単語・熟語』、桐原書店、2019年2月10日 第41刷発行、P.240
  2. ^ 『ビジネス基礎』、実教出版、令和2年12月25日検定、令和4年1月25日発行、P80