高等学校物理/物理II/電気と磁気

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静電誘導と誘電分極[編集]

コンデンサー[編集]

コンデンサーについては、高等学校理科 物理I/電気を参照。

誘電体[編集]

まず、高校物理でいう「誘電体」(ゆうでんたい)とは、通常のセラミック、雲母(マイカ)、あるいは通常のプラスチックなどのように、電気を通さない物質である。セラミックやマイカのように、石のような性質をもつ物質が、誘電体である場合が多い。

つまり、金属は、誘電体ではない。金属は、誘電体ではなく、(金属は)導体である。

では、誘電体の物理について、説明する。

誘電体を入れたコンデンサー

コンデンサーに誘電体を入れると、誘電体が誘電分極を起こすため、コンデンサのプラス極板で発生した電気力線のいくつかが打ち消される。

その結果、誘電体の入ったコンデンサーの極板間の電場は、極板の電荷密度で発生する電荷が真空中でつくる電場よりも弱くなる。

この結果、静電容量が変わる。

さて、真空中の静電容量の公式は、

であった。

誘電体のある場合の静電容量は、

となる。

ここで、 誘電率(ゆうでんりつ)という。 を、真空中の誘電率という。

物質の比誘電率
物質 比誘電率
空気 (20℃) 1.0005
パラフィン (20℃) 2.2
ボール紙 (20℃) 3.2
雲母 7.0
水 (20℃) 約80
チタン酸バリウム 約5000

ここで、比

を、比誘電率(ひ ゆうでんりつ)という。

つまり、 は比誘電率である。 いっぽう、 および は、比誘電率ではない。

比誘電率 をもちいれば、静電容量 C の式は、

と書ける。

コンデンサの静電エネルギー[編集]

(※ 未記述)


電流による磁界[編集]

磁石のまわりには物体を動かす力のあるものが生じている。 これを磁場(じば)と呼ぶ。磁界(じかい)ともいう。


電流が流れているときにも、そのまわりには、右ねじの法則(right-handed screw rule)に従う向きに磁界が生じる。 電流I[A]が直線的に流れているとき、磁界の大きさは であることが知られている。

ここで、aは磁束密度を測る点と、電線の距離。

また、は真空の透磁率(とうじりつ、permeability)を表し、値は [H/m] である。


電磁誘導と電磁波[編集]

電磁誘導[編集]

磁場を伴う物体が運動すると、そのまわりには電場が生じることを電磁誘導(でんじゆうどう、electromagnetic induction)という。 仮に、ソレノイド(solenoid、コイルのこと)の近くでそれを行なったとすると、生じた電場によってソレノイドの中には電流が流れる。 生じる電場の大きさは、 となる。(半径aの円形のコイルの場合。) Eの単位は[V/m]であり、Bの単位は[T]である。


電磁波[編集]

磁場の動きによって電場が引き起こされることを電磁誘導のセクションで見た。 実際には電場の変化によって磁場が引き起こされることも知られている。 これによって何もない空間中を電場と磁場が伝播していくことが予想される。 (:電磁波の伝播のschematicな絵) 電磁波は何もない空間の中を伝播することができ、速度は光速に一致する。 このことから、光は電磁波の一種であることが分かる。

発展: 相対論の一次近似[編集]

運動する磁束は電場を誘起する[編集]

磁場Bの中を、電荷qの荷電粒子が速度vで運動すると、ローレンツ力はベクトル外積を用いて f=q・v×B の力が粒子に働くが、ここで観測者の座標系を変えたとして、同じ粒子を、粒子と同じ方向に速度vで動く座標形Kの中の観測者から見たらどうなるか? 座標系Kでは、粒子の速度は v(K)=0 であり、磁束の速度を Vb とすると、前の座標系の粒子とは反対方向に動くので、

Vb =-v である。

新しい座標系Kから観測しても、粒子が f=q・v×B の大きさの力を受けて加速されることには変わらないが、座標系kでは、荷電粒子は静止していたのに、ローレンツ力を受けたと考えるのは不合理である。磁束は、Vb=-v で運動していたので、磁束の運動によって f=q・(-Vb)×B = -q・Vb×B の力を受けたと考えるべきである。粒子を質量0の質点とみなせば、静止している荷電粒子に力を及ぼせるのは、電場だけだから、つまり速度 Vb で運動する磁束が、 E=-Vb×B の誘導電場を誘起することになる。このとき、磁場と誘導された電場は垂直である。

運動する電場は磁界を作る[編集]

もし、「運動する電場は磁界を作る」とすれば、アンペールの法則 「直線状に無限に長い導線を流れる 電流I は距離R だけ離れた場所に B・2πr=μI の磁場を作る。」という現象は、じつは「導線の中で荷電粒子が運動することによって、荷電粒子といっしょにその粒子が作る電場も動き、その電場の運動が、磁場を誘起している。」という可能性がある。 電流が流れている無限長の、まっすぐな導線を考える。線密度 q[C/m] で分布した電荷は、図のように円筒対称な電荷を作る。

(※ ここに図を。)

直線から距離rのときの電気力線の密度Dは

D=εE=

よって

εE・2πr =q   ①

電流 I は電荷分布 q が速度 Ve で運動しているとして 

I = qVe
[A]=[c/m]・[m/s]=[c/m]

と定義すれば、

電流 qVe が距離 r のところに作る磁場Bはアンペールの法則から、

B・2πr(=μI)= μqVe   ②

となる。

このとき、磁場の向きは、Ve から 半径r方向 にねじを回す向きである。

②÷①から B/εE = μ Ve B=εμ Ve・E

向きまでふくめてベクトル積で表せば、

=εμ となる。

つまり

速度 Ve で運動する電場 E は、誘導磁場 B=εμVe×E を作る。

という、重要な結論が得られる。

あるいは、 μH=B をもちいて B=μH=εμ Ve ×E より

H=εμVe×E となって、さらに D=εE より 
H=μVe×D 

である。

まとめ

速度 Vbで運動する磁束Bは 

E=-Vb×B

の誘導電場を誘起する。   ・・□1

速度 Ve で運動する電場 E は

B = εμ Ve × E 

の誘導磁場を作る。

E,Bのかわりに、D,Hを使って表記すれば、

D = -ε Vb × B

かつ

H = Ve × D   (・・・□2) 


さて、電磁波が速度Cで真空中を伝わるとすれば、 Vb = Ve = C とする。 □1式と□2式の外積をとると、

E×H =(-Vb×B)× (Ve×D) = (-C×μH) × (C×εE) 
= εμ ( C2) E×H

よって

εμ・c2 =1

である。

よって、電磁波の速度は と予測できる。

このεとμに実測値を入れると、光速の測定値 と、高い精度で一致する。

この事から、光は、電磁波である事が分かる。また、電磁波は、光速度Cで真空中を伝わる。

また、これより、運動電場の誘導する磁場は

B = (1/ C2 )Ve×E   ③

とも変形できる。

③式を、ガウスの法則(①式) と組み合わせると、アンペールの法則(②式)が得られる。 よって、「速度 Ve で運動する電場 E は、 B=εμ Ve ×E の誘導磁場を作る。」という過程が妥当だったことがわかる。

ポインティング ベクトル[編集]

電磁波では電場 E と磁場 B が光速 C で運動しているので 磁束の運動速度 Vb は Vb = C であり、誘導電場 E は E =-Vb×B であるので、両式より E = -c×B である。(電磁波の電場と磁場の関係式)なお

であるので、 電磁波は

の方向に進んでいるはずだ、ということを注目しよう。

この で定義される量を ポインティング ベクトル とよぶ。 これは単位面積をとおって流れ出る電磁場のエネルギーの流れの量をあらわす。

さて、電磁場のエネルギー密度は なので、これに電磁波の電場と磁場の関係式 を代入して、

の関係を用いると、(エネルギーでは、2乗によりマイナス符号がなくなるので、絶対値を取って|E|=|c×B| としておくと、計算が簡単になる場合がある。)

結果として 

   (電磁波のエネルギー密度)

となる。 電磁波が、壁にあたって吸収されるとき、単位時間に単位面積あたり 光速C の大きさの体積のなかの電磁波が壁に衝突するので、 

c・u 

のエネルギーが、単位時間に単位面積に流れ込むはずである。

s= c・u に u= ε・E^2 を代入して、 と |E|=|c×B|を利用すると、結果的に

 s = =|E|・|H|

である。

よってポインティング ベクトル E×H は単位面積を通って流れ出る電磁場のエネルギーの流れをあらわす。

E×Hの単位は [V/m]・[A/m]=[V・A/m2]=[W/m2]

ポインティング ベクトル と 運動量密度[編集]

ポインティング ベクトル S = E×H = εμ(C2)E×H は

D=εE と B=μH をもちいて S = E×H =(C2)D×B とも書ける。

である。

天下り的な説明だが、この G=D×B という量は、運動量の密度である。この量 G=D×B を、電磁波の「運動量密度」(うんどうりょうみつど)という。実際に、D×B の単位は

[D×B] = [{1 / (C2)}] [E×H] = [1 / (m/s)2] [W/m2]
= [N・s/m3]

となる。 たしかに、運動量の密度の単位と等しい。

  • 発展: 光電効果との関係

ところで、のちの単元で習うが、光電効果では エネルギーuと運動量pの関係は、光速度Cをもちいて、 u=cp と書ける。

s=c・u は s= cu =|E×H| であり、 u=cp とあわせて、
s=c (cp) = (c2) p =|E×H|

これより

p = (1/c2) |E×H| = εμ |E×H| 
= |εE×μH| = |D×B|

向きまで含めて

p = D×B

となって、確かに G = D×B は運動量密度となる。

電磁誘導の再検討[編集]

長さLのまっすぐな針金が、速度vで磁場Bの中を横切るとする。簡単のため、針金の軸と速度vの方向と磁場Bは垂直とする。このとき、針金の中の電荷にかかる力および電場はローレンツ力により、

F = q v×B
F/q = E = v×B の電位が、針金の長さ方向に派生する。

電場Eにそって長さLだけ、電荷qが上げられたら、エネルギーは qEL 変化する。電位は V=EL である。

V = LvB = ⊿Φ/⊿t 

これより、誘導電圧 V は、磁束の1秒あたりの時間変化になる。 では、仮に固定された回路の中にソレノイドを通して、このソレノイドに交流電流を流した場合も、回路に誘導電圧が発生するのだろうか。答えは「する」。

磁性体[編集]

棒磁石の周りに方位磁針を置いて磁場の向きを調べる。

磁石のまわりには別の磁石を動かす力のもととなるものが生じている。 これを磁場(じば、magnetic field)あるいは磁界(じかい)と呼ぶ。(日本の物理学では磁場と呼ぶことが多く、また、日本の電気工学では磁界と呼ばれることが多い。明治期の訳語の際の、日本国内の業界ごとの違いに過ぎず、地域社会的な事象であり、呼び方は物理の本質とは関係ないので、ここでは、どちらの表現を用いるかは、本書では特にこだわらない。英語では物理学・電気工学とも“magnetic field”で共通している。)

鉄やコバルトやニッケルに磁石を近づけると、磁石に吸い付けられる。 また、鉄やコバルトやニッケルに強い磁化を与えると、鉄やコバルトやニッケルそのものが磁場を周囲に及ぼすようになる。 このような、もともとは磁場を持たなかった物体が、強い磁場を受けたことによって磁場を及ぼすようになる現象を磁化(じか、magnetization)という。

あるいは電荷の静電誘導と対応させて、磁化のことを磁気誘導(じきゆうどう、magnetic induction)ともいう。 そして、鉄やコバルトやニッケルのように、磁石に引き付けられ、さらに磁化をする能力がある物体を強磁性体(きょうじせいたい、ferromagnet)という。 鉄とコバルトとニッケルは強磁性体である。

銅は磁化しないし、銅は磁石に引きつけられないので、銅は強磁性体ではない。

磁気遮蔽

静電誘導を利用した、静電遮蔽(せいでんしゃへい)と言われる、中空の導体をつかって物質を囲むことで外部電場を遮蔽する方法があったのと同様の、磁気の遮蔽が、強磁性体でも出来る。中空の強磁性体を用いて、強磁性体の内部は磁場を遮蔽できる。これを磁気遮蔽(じきしゃへい、magnetic shielding)という。磁気シールドともいう。

磁性体:magnetic substance
強磁性体:ferromagnet
常磁性体:paramagnetic substance
反磁性体:diamagnetic snbstance

反磁性体が分かりづらいかもしれないが、単に、その材料に加えられた磁場を打ち消す方向に、磁化をするだけの材料である。

そもそも、磁力線とあまり相互作用しない物質も多い。たとえば、ガラスや水による、磁気への影響は、真空の場合とほとんど変わらない。ガラスや水の比透磁率(ひ とうじりつ) μ (ミュー)は、ほぼ1である。

なお、鉄の比透磁率は、状態によって透磁率に数百〜数千の違いがあるが、wikipedia日本語版で調べた場合の鉄の透磁率は約5000である。


では、透磁率がほぼ1の物質は、磁場の方向は、外部磁場を基準として、どちら向きだろうか? 外部磁場を打ち消す方向に磁化しているのだろうか? それとも、外部磁場と同じ方向に磁化しているのだろうか?

その違いこそが、常磁性(じょうじせい)と反磁性(はんじせい)のちがい、である。

ある物質が、外部磁場にほとんど反応しないが、しかし少しだけ外部磁場と同じ方向に、磁化をしている現象のことを常磁性といい、そのような物質を常磁性体という。常磁性体をあらわす物質として、アルミニウムや空気などある。


いっぽう、ある物質が、外部磁場にほとんど反応しないが、しかし少しだけ外部磁場を打ち消す方向に、磁化をしている現象のことを反磁性といい、そのような物質を反磁性体という。反磁性体をあらわす物質として、銅や水や水素などなどある。

※ 範囲外: スピンと磁性体[編集]

元素や分子の種類によって、磁性のちがいがある理由として、化学結合での電子軌道に原因があると考えられてる。

化学の教科書の発展事項に、「s軌道」や「p軌道」などの理論があるが、この理論で、その理由を説明できるとされている。なお、答えを先にいうと、「d軌道」の特徴が、磁性の原因である。(証明は省略する。)

もともと、(化学結合で電子殻(でんしかく)に発生することのある)孤立電子には磁性があり、その磁性が電子が2個そろって(孤立でなくなり)電子対になる事で、磁性が打ち消しあっていると考えられる。なお、孤立電子がもともと持っている磁性のことをスピンという。よく化学の理論では、スピンを上矢印「↑」と下矢印「↓」の2種類であらわす事が多いのだが、その理由は、もとをたどれば、そもそも磁石の向きが2種類(たとえばN極とS極という2種類の極がある)だからである。

電子殻とは、化学Iの始めのほうでも習う、「K殻は8個の電子が入る」とかの、アレのことである。

まとめると、

  • そもそも単独の1個の電子には、じつは磁性がある。そのため、孤立電子には、じつは磁性がある(スピン)。そして、おそらく、この磁性こそが(電子の「スピン」と言われる磁性こそが)、おそらく、孤立電子が電子対になろうとする理由のひとつであり、つまり、おそらく、そもそも共有結合が起きる理由のひとつであろう。
  • しかし、化学反応によって孤立電子は、化学結合として、すぐに周囲の分子や原子と結合してしまうので、孤立電子ではなく電子対になってしまい、2個の反対方向の磁性をもった電子対が、磁性を打ち消しあう。おそらく、このような理由により、多くの(化学結合の結果である)物質は、外部磁場との相互作用が弱い物質が多く、強磁性となる元素や分子の物質は少なく、多くの元素や分子の物質は常磁性または反磁性になってしまうであろう。

・・・である。


※ 範囲外: ハードディスクの「スピンヘッド」とは?

すでにパソコンなどのハードディスクの読みとりヘッドのセンサーで「スピンヘッド」という技術が実用化されてるが、しかし、これは、けっして、各電子のスピンに情報を記録しているわけではない。

そもそも、ハードディスクのディスク側の技術ではなく、ディスクの情報を読み取るセンサーであるヘッド側の技術である。

このスピンヘッドは、「巨大磁気抵抗効果」(きょだい じきていこう こうか)と言われる現象を利用しており、このような物理現象の起きる原理として仮説としてスピンが想像されているので「スピンヘッド」というのである。

「巨大磁気抵抗効果」とは、厚さが うすめ(厚さ 数ナノメートルほど)の非磁性体の導体金属を、上下に磁性体の層で挟むと、その上下の磁性体が同じ向きに磁化している場合と、いっぽう反対方向に磁化している場合とで、挟まれた非磁性の導体金属の電気抵抗の値が、違っている、という現象である。

ハードディスクの応用のほかにも、高精度の磁気センサーとして、「スピンヘッド」技術は実用化している。

いっぽう、この「スピンヘッド」技術とは別に、磁気抵抗効果を、パソコンのメモリー内にある個々のメモリー素子に応用する事で大容量かつ電力消費のすくない「磁気メモリ」をつくろうとする研究開発がされており、エレクトロニクスならぬ「スピントロニクス」として期待されている。しかし、「上下の磁性体の磁化の向きを変えるための電気コイル回路を、どうやって微小化して、素子として大量に配置すればいいのか?」という未解決の難題があり、よって2017年の時点では、まだ、高容量の磁気メモリーは実用化していない。


※ 範囲外: 「強誘電体」と圧電体[編集]

「磁性体に『強磁性体』があるのなら、誘電体にも『強誘電体』があるのか?」のような疑問は、とうぜん、思うだろう。

チタン酸鉛 や、ニオブ酸リチウム が、「強誘電体」に分類される場合もある。

しかし、強磁性体が磁気テープや磁気ハードディスクなどの記録メディアに用いられている状況とは異なり、「強誘電体」は記録メディアには用いられていない。過去には、そのような「強誘電体メモリー」を目指す研究開発もあったが、しかし2017年の時点では、まだ「強誘電体メモリー」のようなデバイスは実用化していない。

しかし、他の用途で、これらの物質は産業に実用化されている。

チタン酸鉛やニオブ酸リチウムは、この物質に圧力をくわえると電圧が発生する事から、圧電体(あつでんたい)という素子として活用されている。(※ 『高等学校化学I/セラミックス』で「圧電性セラミックス」として圧電体を紹介。高校化学の範囲内である。2017年の現在では高校3年の選択化学(専門化学)の範囲内だろう。)

なお、これらの圧電体に、電圧をくわえると、物質がひずむ。


このため、圧電体に交流電圧を加えることで、圧電体が短時間で何回も周期的に振動することにより、圧電体の周囲にある空気も振動させる事ができるので、超音波を発生するための素子として、すでに実用化されている。


なお、ある種類の物質が、圧力をくわえると電圧が発生する現象が起きる物質の場合、そのような性質のことを圧電性(あつでんせい)という。


半導体[編集]

ケイ素 Si やゲルマニウム Ge は、導体と絶縁体の中間の抵抗率をもつことから、ケイ素やゲルマニウムなどは半導体と言われる。

この半導体の結晶に、わずかに、リンPなどの不純物を入れることで、抵抗率を大きく下げられる。

n型半導体[編集]

シリコン原子は価電子が4個であり、シリコンの結晶は、4つの価電子が共有結合をしている。

これにリンPが加わると、リンは価電子が5個なので、1個の価電子が余り、この余った価電子が自由電子として、結晶を動き回れるようになる。

このような仕組みで、シリコンにリンを加えることで、抵抗率が大きく下がる、というのが定説である。


このように、負の電子が余ることで、導電率が上がってる半導体を n型半導体 という。(「n」は negative の略。)

p型半導体[編集]

シリコンの結晶に、不純物として、ホウ素やアルミニウムなど、価電子が3個の元素が加わると、電子が1個、足りなくなる。

この、電子の不足したぶんの空席をホール(postive hole、正孔)という。

ホールは正電荷をもつ。

電圧が掛かると、このホールを埋めるように近くの結合にあった電子が移動するが、もとの電子があった場所に新たなホールができるので、見かけ上はホールが電子と逆方向に動いたように見える。

よって、ホールが動くことで、電流を流している、と見なせる。

また、このように、正の電荷をもつ粒子によって導電率が上がってる半導体を p型半導体 という。(「p」は positive の略。)

キャリア[編集]

n型半導体では電子が電流を運ぶ。

p型半導体では、ホールが電流を運ぶ。

このように、半導体中で電流を運ぶ粒子を、キャリア(carrier)という。

つまり、n型半導体のキャリアは電子である。p型半導体のキャリアはホールである。

pn接合[編集]

ダイオードの順方向。電流は流れる。
ダイオードの逆方向。電流は流れない。

p型半導体とn型半導体を接合し(pn接合)た物体が、一方向のみに電流を流す。

このような部品をダイオード(diode)という。

p側に正電圧を掛け、n側に負電圧を掛けた時、電流が流れる。

いっぽう、p側に負電圧を描け、n側に正電圧を掛けても、電流が流れない。

回路において、ダイオードが電流を流す向きを順方向(じゅんほうこう)という。順方向とは反対向きを逆方向という。ダイオードの逆方向には、電流は流れない。

このように一方向に流れる仕組みは、ダイオードでは、つぎのような仕組みで、電流が流れるからである。

  • p側に正電圧を掛け、n側に負電圧を掛けた時

ダイオードのp側に正電圧をかけ、いっぽうn側に負電圧をかけると、p側では正電極の正電圧からホールが反発して接合面へと向かい、いっぽうn側では電子が負電極から反発して接合面へと向かう。そして、接合面で、ホールと電子がであい、消滅する。この結果、見掛け上、正電荷が、正電極から負電極に移動したのと、同等の結果になる。

そして、正電極から、つぎつぎとホールが供給されるので、電流が流れ続ける。

  • p側に負電圧を描け、n側に正電圧を掛けた時

いっぽう、p側に負電圧を描け、n側に正電圧を掛けた時、p側ではホールは電極(電極には負電圧が掛かってる)に引き寄せられ、接合面からは遠ざかる。同様にn側では電子が電極(正電圧が掛かってる)に引き寄せられ、接合面からは遠ざかる。

この結果、接合面には、余分なホールも余分な電子もない状態となり、よって接合面の付近にはキャリアがなく、この接合面付近のキャリアの無い部分は空乏層(くうぼうそう、depletion layer)と呼ばれる。

そして、それ以降は、ホールも電子も、もうどこにも移動の余地がないので、よって電流が流れない。


※ 範囲外: 「半導体」とは?

物理学や化学でいう半導体とは、上述のように、シリコンなどの結晶および、それらの結晶に、不純物を加えることで電気特性を調整した物質の事である。

いっぽう、磁性体は、半導体ではない。

しかし、世間一般では、大企業の「半導体メーカー」とされる企業が生産した電子部品が、まとめて「半導体」と言われることもあり、このため、たとえ磁性体を活用した製品であり、半導体をあまり活用していない製品であっても、半導体と言われることも多い。

よくある例としては、磁気ハードディスクですら「半導体」と言われる場合もある。

しかし、物理学では、磁性体は、けっして半導体ではない。化学でも同様に、「磁性体は、けっして半導体ではない」として扱う。

磁性体だけでなく、液晶も同様である。 同様に、液晶ディスプレイも、液晶のぶぶんは、半導体ではない。


大学の物理や化学でも、磁性体は、半導体ではない、として扱う。液晶も同様であり、大学では、液晶は半導体ではない、として扱う。

本wikibooks高校教科書でも、磁性体や液晶は、半導体ではない、として扱う。

なお、中学高校の社会科の地理科目の工業統計では、きちんと「電子部品」という表現で、半導体や液晶、ハードディスクなどを、まとめて表現している。

トランジスタ[編集]

(※ 未記述)