高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ15

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

※ 分割用タイトル[編集]


設立

constitute と establish と found

found という動詞がある。動詞「見つける」find の 過去形foundとは別に、原形で「設立する」のfoundという動詞がある。

「設立する」は活用が、

原形 found - 過去形 founded - 過去分詞 founded

と変化をする。

foundの意味は「設立する」。「創設者」を名詞 founder と言うのを記憶の土台にすると、覚えやすいだろう。名詞 foundation で「基礎・基盤」や「建設・設立」などの意味。化粧でファンデーションとあるが、あれは和製英語ではなく、れっきとして foundation cream という英単語がある(ジーニアス英和で確認)。

ちなみに金融などで「ファンド」といわれる単語は fund (原形がfund )というまったく別の単語。組織などの「資金」「基金」が名詞でfundである。動詞 fund は、組織などに「資金を出す」こと(旺文社1400)。

なお、「基金の基金を集める」は raise a fund である(旺文社1400。ジーニアス)。また、raise money で「資金を集める」である(東京書籍4500。桐原4500)。


constitute は、議会や制度などを「設立する」。

なお、センチュリー英和によると、「議会を設立する」 constitute an assembly とのこと。

establish は、組織を「設立する」。たとえば桐原4500に「早稲田大学を設立する」という例文で establish が紹介されている。

ジーニアス英和によると、政府・学校・会社などを「設立する」のが establish である。

センチュリー英和によると、国家・政府などを「樹立する」のも establish である。


だが、それよりもestablishは、単語集にはないが、評判などを「確立する」の意味で覚えるほうが良い。

たとえば、センチュリー英和やジーニアス英和にあるが、国家体制など既存の「体制側」や「支配層」のことを establishment という。

いっぽう constitute には、こういったニュアンスはないだろうから。


set up

set up は「創業する」「創設する」の意味である。

このほか、set upには、テント(a tent)や看板(a sign)などを「立てる」という意味もある。

センチュリー英和にもあるが、コンピュータの初期設定のことを set up という。



主張 claim と insist と argue と contend, assert

※ assert は旺文社1900、緑鉄にある

議論する argue, discuss

討論する debate

言及する mention , refer


センチュリー英和によると、claimは、当然の権利として「主張する」、あるいは事実であるとして「主張する」の意味。


claimとinsistのどちらにも、「要求する」の意味がある。

だが、claimの要求は、権利としての要求である(東京書籍4500)。

いっぽう insistの要求は、単に強く要求しているだけである。


insistは、特に、強く「主張する」意味である。

ジーニアス英和およびセンチュリー英和では、無罪の主張でinsist on が用いられている。


日本語の、批判のような意味での「クレーム」は、和製英語であり、センチュリー英和のclaimの説明によると、英語にこの意味はない。

なお、「文句を言う」は英語で complain である。

(※ たぶん範囲外?)海外旅行などで「荷物の受け取り」のことを baggage claim という[1]。このように、日本語の「クレーム」と英語のclaim は、だいぶニュアンスが違う。

記号「!」 のことを exclamation (イクスクラメイション)というが、これも動詞 exclaim (イクスクレイム)「さけぶ」の名詞形である。


なお、荷物 baggage は集合名詞なので たとえば複数の荷物を言うときは、 ~ pieces of baggage になる[2](桐原3000)。

発音注意であり、baggage 「バギッジ」である。

なおbaggageはアメリカ英語。イギリス英語だと luggage 「荷物」になる。

一方、「カバン」bagは具体的なカバンのことをいうので、普通に数えられるので、bagの複数形は bags である[3](桐原3000)。

さて、claim する人(主張者)のことは claimant である。

ただし、権利の主張などは、insistとclaimのどちらでも良い。


argue は、理由をあげて「主張する」の意味である(東京書籍4500)。argue that ~ で「~だと主張する」の意味である。argue with ~(人) で「~(人)と言い争う」の意味である(桐原4500および旺文社1400)。


なお、argueには、用法によっては、やや非友好的に「議論する」ニュアンスもある。ジーニアス英和にも、argue は「discussよりも非友好的」と記述がある。

たとえば検定教科書 "Standard Vision Quest I" でも、 argueは「言い争う」といった意味であると紹介する一方、discuss は「議論する」であると紹介している[4]

ただし、実際には argue には「説得する」などの意味の用法もあるので、ニュアンスの違いはあまり明確ではない。

センチュリー英和に、弁護士の「弁論」をargueとした例文があったが、もし法廷闘争での敵対陣営同士の「弁論」ならargueのほうが、ふさわしいだろう。

なお、「口論する」は quarrel である[5]


debate は、特定の議題について二手に分かれて意見を論じ合うことであり(東京書籍4500、辞書グランドセンチュリー)、賛否が対立している議題についてのことが比較的に多い(辞書ジーニアス、辞書グランドセンチュリー)。

なお、単語集では、debateの単語自体は旺文社も桐原も紹介しており、「討論する」の意味で紹介している。


contend は、(東京書籍4500いわく)「強く主張する」とか、(桐原5500いわく)「論争する」とかの意味。

桐原5500の例文にあるが、contend in court で「法廷で争う」。

旺文社1900によると名詞 contention で「主張」「論点」の意味。

旺文社1900とセンチュリー英和が紹介しているが contend that ~ で「~だと主張する」。

旺文社1900 で熟語 an issue of contention (「議論の対象となる問題」)が紹介されてるが、しかしジーニアス英和でもセンチュリー英和でも確認できなかった。


assert は、「断言する」「主張する」の意味。上述の他の語との区別が難しい。


  • 異議を唱える

challenge

challenge には課題や競技相手などに「挑戦する」の意味もあるが、議論などで相手に「異議を唱える」の意味もある。


たとえばジーニアス英和からの抜粋だが、 I challenged her. 「私は彼女に異議を唱えた。」

旺文社1900からの抜粋だが、 He challenged the common belief. 「彼は常識に異議を唱えた。」

センチュリーからの抜粋で、 He challenged my statement. 「彼は私の言うことに異議を唱えた。」


challenging で「やりがいのある」。東京書籍3000に例文がある。辞書を見ても、あまり例文が無いので、当ページでは紹介しない。


なお単語集にはないが、ジーニアスによると、競技などで challenger 「挑戦者」 ⇔ defender 「選手権保持者」(防衛側)

である。defender の項目で調べると書いてある。


競技では、challenge は試合を「申し込む」などの意味である。


たとえば、東京書籍3000の例文だが、

Dan challenged me to a game of tennis. 「ダンは私にテニスの試合を申し込んだ。」


また、センチュリー英和に似たような例文

I challenged Betty to a game of tennis. 「私はベティにテニスの試合を申し込んだ。」

がある。


言及する mention , refer to

※ なお、東京書籍4500と桐原4500は、referとmentionが類義語という見解。
東京書籍はrefer と mention を同一ページで紹介しており、類義語という見解のようだ。桐原も、別々のページだが、それぞれ類義語としてお互いにreferとmentionを紹介している。

refer には「参照する」という意味もあるが、「言及する」という意味もある。

そして、どの単語集でも、referの第一の意味は「言及する」である(旺文社1400、桐原、東京書籍4500)。


読者はついつい、refer の第一の意味を「参照する」としたいと思うかもしれないが(mentionにはその意味はないので)、しかし、そういうわけにはいかないのである。

というのも、類義語である mention は、けっして、一般的などんな「言及」でも使える意味ではない。

mention は、話のなかで単に名前を上げるとか、話で簡単に触れる程度のことである(東京書籍4500、ジーニアス)。

なお、

not to mention ~「~は、いうまでもなく」(東京書籍4500、旺文社1400)


refer は、ふつう

refer to ~ 「~に言及する」

のように前置詞 to をつけて使う(桐原、東京書籍、旺文社)。


なお、参照するの意味でも、

refer to ~ 「~を参照する」(東京書籍、旺文社)

のように前置詞 to をつける。


防御

defend , guard , protect

まず、「ガードマン」は和製。

guard だけで「警備員」の意味がある。特に、警備員であることを強調したい場合、 a security guard という(東京書籍、旺文社)。

a security をつけずに「警備員」と使用してもいい。桐原3000の英文は銀行の「警備員」に、 a security をつけていない。


さて、defend は動詞。guardは名詞および動詞。protectは動詞。


なお、guardian とは、未成年などの「後見人」のこと。旺文社1900ではguardian を「保護者」「後見人」と紹介している。 そのほか、センチュリーでは、たとえば世界平和の「守護者」とか、そういう意味の「守護者」のことを guardian という。そのほか、ジーニアスには guardian の意味のひとつに「保護者」と書いてある。


protect は、病気などから「守る」場合にも使えるが(東京書籍3000)、ジーニアスによると人間などの相手でも使っていいようである。

辞書や単語集では「保護する」と訳される場合もある。

名詞 protection は「保護」の意味。


辞書によると、関税によって国内産業を「保護」することも protect である。また、風雨からの保護の「雨よけ」「風よけ」も 名詞 protection である。


さて、ジーニアスによると、「家族を守る」でprotect one's family である。ジーニアスでは文脈は述べていないが、普通の感覚では、病気とかではなく犯罪などから家族を守ることだろう。

日光(sunlight, sun)から目を守ったり(ジーニアス、センチュリー)、肌を守ったりするのも(桐原4500)、protectである。

たとえば、 protect one's eyes from sunlight 「日光から目を守る」

である。

protect 〜 from B で、「〜(守られる対象)をB(危険側)から守る。」である。

なお、子育てなどでいう「過保護」は英語で overprotect である(桐原5500)。


汚染

pollute と contaminate


違いは不明確。

桐原5500にcontaminate がある。polluteは桐原・東京書籍の4500にある。


一応、ジーニアス英和および桐原5500には、「毒物や放射能」による汚染を contaminate としているが、彼らがそういう説を言っているだけ。クラウン英和はその説を採用していない、

実際にクラウンの例文を見ると、車の排気ガス汚染で、contaminate という動詞を用いている。

Car exhaust contaminate the air. 車の排気ガスは大気を汚染する。

という文がクラウン英和にある。


しかし東京書籍4500では、工場の煤煙による大気汚染が pollute である。

クラウン英和にある大気汚染 air pollution のように、そういう用語が既にあるので、実務では業界の用語ごと覚えるしかない。

※高校生としては、不正確かもしれないが、とりあえず「汚染」はすべてpolluteで覚えておいて、実務などで「この場合はcontaminete を使え」と修正された場合にだけ contaminate を使うのが良いだろう。


傷(きず)

wound, injured, harm, hurt


動詞 wound は、刃物・銃などで「傷つける」、「負傷させる」。桐原3000だと「傷つける」、東京書籍4500だと「負傷させる」。


ジーニアス英和hurtの説明によると、戦いでの負傷には wound を使うとのこと。

hurt は、感情なども含む「傷つける」。偶然か英米人のダジャレかどうか知らないが、心のheart と、心を「傷つける」 hurt とで発音が近い。関連付けて覚えよう。


センチュリー英和だと、hurtには、「傷による苦痛に重点がある」とのこと。


名詞 injury が「けが」という意味。これが「けが」の基本的な単語である。


さて、~ be injured で「~が、けがをする」の意味である。

~ be injured in ・・・ で「~(けが人)が,・・・(原因)でけがをする」である。

単語集によくある典型的な例文が、

「彼はその事故でけがをした。」 He was injured in the accident.

である。


単語集では、自動詞 hurt で「痛む」の意味があり、東京書籍4500で例文を紹介。一方、桐原4500は例文なし。


「おなかが痛い」(※東京書籍4500)とか(靴擦れで)「かかとが痛い」(※センチュリー)とかでも、hurtを使っていい。


桐原4500に名詞 hurt で、「傷」の意味が紹介されている(例文なし)。東京書籍4500にはなし。


hurt には「けが」・「傷」・「苦痛」の意味がある。

「傷」の意味では、injuryとほぼ同義だと、ジーニアス英和が言っている。


hurtとpainの違いが気になるが、あいにく辞書には書いてなかった。


ややしいことに「痛み」を意味する名詞 pain には、「苦労」の意味もある。苦痛ではなく苦労なので、いい意味でも使われる。


なお、painは名詞の用法が基本的な意味だし、名詞の意味は「痛み」。

hurt は動詞の用法が基本的な意味だし、動詞の意味は「傷つける」。

辞書を見ると、実は動詞のpainもあるが、これは「痛む」の意味である。(「傷つける」ではない)painはあくまで「痛み」に関する単語


名詞 harm は「害」の意味。なお、harmful で「有害な」の意味の形容詞[6]


東京書籍およびジーニアスによると、日光や光によって「目をいためる」のは harm である。

飲酒や喫煙などの「害」がharm 。桐原4500に喫煙の害。センチュリー英和に飲酒の害。

このように、比較的に痛みを伴わないものにも使われる。(センチュリーにもそう書いてある。)

だが、「目をいためる」ように、実際に痛いこともある場合にも使われるので、まあ傾向の程度。

ネットでときどき「有害コンテンツ」という用語があるが、「有害コンテンツ」も英語で harmful contents である[7]


ほか、旺文社1900のsubstance ’物質)の項目が言うには、飲食物などに含まれていたら困る「有害物質」は harmful substances である。


さて、動詞 suffer が「苦しむ」という意味だが、 be suffering from ~ で、「~(原因)で、苦しい(つらい)」的な意味。

東京書籍 be suffering from a toothache 歯が痛くてつらい

桐原 be suffering from a backache 背中が痛くて苦しい

などと訳している。


ジーニアスによると、 「風邪をひいている」 be suffering a cold のように痛み以外でも使っていい。ほか、「英国はインフレで苦しんでいる」 be suffering from inflation のように使ってもいい。


やわらげる

relieve, ease


苦痛などを「やわらげる」は動詞 relieve である。

典型的な例文で、(風邪薬などで)「頭痛をやわらげる」 relieve a headache がある(東京書籍4500およびセンチュリー)。

誰が風邪薬を飲んで誰の頭痛をやわらげるのかによって、飲んだのが「私」だったら relieve my headache になったり、教材ごとに主語による多少の違いがある。

どちらにせよ、単に柔らかいわけでもなく、単に軽減するわけでもなく、苦痛などを減らすのが relieve である。


relieve A of B(苦痛など) で、「AからBを除いて楽にする」の意味。

熟語 get rid of ~ 「~を取り除く」と関連づけて覚えよう。実際、桐原4500がそういう構成である。

※ 今のページでは深入りしないが、前置詞 of には「分離」の意味がある。当wikiの文法ページでも、分離のof は 『高校英語の文法/前置詞#of』で説明。上記の relieve A of B や get rid of の of は、この分離の of である。


さて、名詞形は relief であり、「安心」「緩和」「救援」などの意味である(単語集にある)。単語集にはないが、野球のリリーフも同じrelief である(センチュリーで確認)。

sigh with relief で「安堵(あんど)のため息をつく」である。sigh (発音「サイ」)は、動詞としては「ため息をつく」、名詞としては「ため息」である。

例文は、

She sighed with relief. 「彼女は安堵のため息をついた」

である(東京書籍4500 項目 sigh。旺文社1900 項目 sigh)。

ともかく、「安心」的なのが relieve のイメージなので、be relieved to ~(動詞) で「~で安心した」という形容詞的な用法になる。 というか、辞書ではジーニアス英和でもセンチュリー英和でも、 relieved を形容詞として紹介している。


ease (イーズ)という動詞および名詞がある。これも動詞ease は「やわらげる」「取り除く」の意味である。これは形容詞の「簡単な」 easyの、名詞計および動詞形である。

名詞 ease は「容易さ」「気楽さ」「軽減」の意味である。

This medicine eases the pain. 「この薬は痛みをやわらげる。」

のように使う(東京書籍および旺文社に似た例文)。

ジーニアスによると、頭痛 headache をやわらげるのに ease を用いてよく、旺文社によると胃痛 stomach pain をやわらげるのに ease を用いている。

このような薬による「取り除く」「やわらげる」の意味での ease は、ジーニアスによると、relieve とほぼ同義語とのこと。


取り除く

remove, eliminate

(※ 別単元で説明しているので、以下は省略) 「取り除く」 get rid of ,clear


remove は、「取り外す」の意味に近い。

たとえばパソコンのUSBスティックメモリなどを「リムーバル・メディア」などというが、取り外したあとに、別に捨てるわけでもなく、消去するわけでもない。

このように、remove は単に「取り外す」「取り除く」というニュアンスである。

名詞 removal (リムーバル)「取り外し」という単語も存在しています(東京書籍4500)。

形容詞 removable(リムーバブル)「取り外し可能な」という単語もあります(東京書籍4500)。

「リムーバル」はけっして形容詞 removable(リムーバブル)「取り外し可能な」の誤記ではないです。間違えないように。


一方、eliminate は、取り除いたあとに、処分することを念頭に置いている。または、取り除いたあとに、再度の取り付けの意思がないものに使う。

なので、eliminate で取り除かれるものは、ゴミだったり、あるいは犯罪などの社会悪だったりする。

または、解決すべき問題を片付けることも eliminate である(東京書籍)。

だから eliminate の訳語は「取り除く」である。外すのではなく「除く」に、そういうニュアンスがある。

eliminate (A) from (B) で、「AからBを除去する」である。fromの後ろにあるBが、抹消されるべき対象である。

こういう単語なので、単語集にはないが、ジーニアスを見れば、敵軍などを全滅させる事も eliminate と言うこともある。

なお、生物種の「絶滅」は extinction (エクスティンクション)である。

熟語 get rid of ~ は、そこまであれこれと考えていない。remove的にも使われるし、eliminate 的にも使われる。あるいは、remove と eliminate の中間だと思っておけばいいかもしれない。


さて、 exclude は、「除外する」である。

これよりも、形容詞の exclusive エクスクルーシブの意味「排他的な」のほうが分かりやすいので、そちらを説明する。


exclusive 「排他的」とは、最初から内部に入れない、という意味である。

だからexclude は、最初から中に入れないように「締め出す」という意味もある(桐原で確認)。


excludeの「除外する」の意味については、可能性などを「除外する」という意味もあり、ジーニアスの例文だと、たとえば「明日、雨が降る可能性は除外できる」みたいな割と平和的な「除外する」にも exclude を用いることもできる。

そのほか、exclude は、見当などの際に「考慮に入れない」という意味もあり(ジーニアス、センチュリー、旺文社で確認)、たとえば旺文社の例文では「税金は価格から除外されている」という意味の英文で exclude を受身計で用いている。


なお、対義語は include であり、「含む」という意味である。

たとえば「税込み 5ドル」は

$5, tax include

である。

典型的な例文は、

「料金は税込みですか?」 Does the price include tax?

がある( ジーニアス(ただしpriceでなくrate)、 東京書籍(ただし「料金」でなく「価格」と和訳) )。


また、-clude とは「閉じる」の意味である。

だから、たとえば conclude は、話を閉じるので「結論づける」「締めくくる」の意味。conclusion は「結論」の意味。


(※ 別単元で説明しているので、以下は省略) 「取り除く」 get rid of ,clear

clear「取り除く」 は『高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ40』で説明するので、今のページでは説明を省略。

get rid of については、別単元の「relieve A of B(苦痛など) で、「AからBを除いて楽にする」の意味。」の関連知識として、別単元で説明したと思う(もし今後の編集で消えていても、知ったことではない)。


消去する

erase , delete

(※ 範囲外)火を消す extinguish

鉛筆で書いた文字を消しゴムで消すのが erase である。

また、消しゴムをアメリカ英語で eraser (イレイサー、イレイザー)という(東京書籍1800、旺文社1900)。なおイギリス英語では rubber である。

黒板ふきも eraser である(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。


コンピュータのデータを消すのは、erase も delete も使われるが(ジーニアスで確認)、しかし現代では delete でデータ消去を表すのが普通である。

実際、パソコンのキーボードにも delete キーがある。

旺文社の例文も、メールの削除を delete で表現している。

なお、東京書籍と桐原の単語集には delete は見当たらない。

昔なつかしいテープのデータを消去するのには、erase が使われるようである(ジーニアス、センチュリーにerase でテープのデータを消す用法あり)。


erase で消すのは、文字のほかにも、感情を「消す」などの表現でも使われる(ジーニアス、)。

「記憶を消せればいいのに」みたいな表現でも erase を使う(旺文社、ジーニアス)。


辞書にはないが、delete はもともと動詞で「削除する」「消去する」の意味であるが、現代ではパソコンのデリートキーを表す名詞として、delete が名詞としても使われる(旺文社1900)。辞書のほうが遅れている。旺文社1900が正しい。

なお、名詞形 deletion 「消去」「削除」という単語もある(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。


高校範囲外ですが、火を「消す」は動詞 extinguish (イクステングィッシュ)です。(ただし鉄緑単語集が extinguish を紹介しています。)

extinguish は一見すると見慣れないですが、実は高校範囲の単語「絶滅」 extinction (イクスティンクション)の動詞形です。

extinction のスペルのままでは動詞の意味は無いです(センチュリー、ジー二アス)。

消防士による「消火する」から(ジー二アス)、たばこの火を「消す」まで(センチュリー)、extinguish で表現できます。

なお、extinct は形容詞「絶滅した」「消滅した」です。


ほか、生態系の「絶滅危惧種」は an endangered species である(桐原4500 species、ジー二アス endangered)。東京書籍と旺文社には、species の項目自体はあるが、絶滅危惧種はない。


ほか植物の「種」(たね)は、seed という別の単語である(東京書籍4500、桐原3000)。

典型的な例文は、

「農場に種をまく」 plant seeds in the field

である(東京書籍4500、桐原3000)。


plant は「種をまく」という意味の動詞。

field は「農場」である。

動詞として seed 「種をまく」という用法もあるが、旺文社以外1200は紹介していない。少なくとも、桐原3000と東京書籍4500には、動詞の用法が紹介されていない。


疑い

suspect ,doubt


doubt ~は、「~が信じがたい」の意味。 → don't think に近い

たとえば doubt if ~で「~かどうか疑わしい」。doubt that~で「~でないと思う」である。

suspect ~ は、「どうも~のようだ」のような意味(ジーニアス英和) → think に近い


旺文社1400にあるdoubt 例文で、

doubt ifの例文「私は神が存在するかどうか疑わしく思う」I doubt if god sexists.

および

doubt that の例文 「私は神は実在しないと思う」I doubt that god exist.

が覚えやすいだろう。


suspect~ の 目的語(~)の部分は、原因や容疑などがくる。

例文として「食中毒を疑う」 suspect food poisoning とか(東京書籍4500)、


容疑者は名詞 suspect である。


このほか dubious と言う「疑わしいと思う」(桐原5500)という単語があるが、辞書の例文が不足していてよく分からなかった。単語集では桐原5500に書いてある。


治療と回復

「治す」 heal, cure ,

「~回復する」(自動詞)は recover

「~回復する」(他動詞)は restore

「気分の回復」は refresh

「(健康などを)取り戻す」は regain


医療や薬などによって、けが や病気を「治す」一般的な語は cure である。

外傷を治す場合は heal が好んで使われる。


cure ~(人) の語順である。

けが を治す場合、

cure ~(人) of □□(けが・病気)

の語順である。


典型的な例文が

「その薬が彼の病気を治すでしょう」 The medicine will cure him of his disease.

である(ジーニアスの例文を改造し、「あなたの病気」から「彼の病気」に変更)。

桐原にも似た例文があり、

This medicine will cure him of the disease. 「この薬が彼の病気を治すだろう。」

とある。

his disease か the disease かなどの多少の違いはあるが、まあこんな感じの英文になる。


get rid of ~ などと同様に、ofの後ろには取り除かれるべき物が来る。

heal も同様、

heal ~(人) of □□(けが)

の語順である。

だが、東京書籍4500および桐原4500いわく、 heal the wound 「けがを治す」のように、ofを使わずに使われる場合もある。


recover は「回復する」である。

recover from ~ で「~から回復する」である。


動詞 restore は、

「秩序を回復する」 restore order

のような例文が辞書で典型的(ジーニアスとセンチュリーの両方にある)。


さて、旺文社 store 項目によると、パソコンなどで、データをバックアップすることは store である。

そして、単語集にはないが、バックアップをもとに設定データなどを自動的に「復元する」ことを restore という事がよくある。

辞書によると、古い建築物や美術品などを復元することも restore である。

東京書籍4500では、教会を修復するのを restore としている。その教会が古いかどうかは東京書籍4500には書いてない。

桐原では、桐原5500にrestoreが書いてある。


けがの回復ではなく、ちょっとした疲れやノドの渇きや気分などを、軽い飲食物や短時間の休養などで回復させるぐらいの場合は、動詞 refresh (リフレッシュ)で表せる。


旺文社1900がrefreshを紹介している。桐原・東京書籍は紹介せず。

ジーニアスいわく、冷たい水を飲むのも refresh である。

refresh は主語や述語の語順のつかいかわけが難しいので、例文を省略する。


センチュリーいわく、入浴で疲れをとるのも refresh である。また、ジーニアスでもセンチュリーでも、アルコールで気分を回復するのが refresh である。

そのほか、ジーニアスによると、コンピュータなどのディスプレイ上の画像が更新されるのも refresh である。これからのIT時代は覚えておきたい。


regain one's health で「健康を取り戻す」という慣用表現である(ジーニアス、旺文社1900)。

旺文社1900にしかなく、番号 1502 / 1900 の単語。少なくとも桐原4500・5500と東京書籍4500にはない。

He regained his health. 「彼は健康を取り戻した」

のように使う(センチュリー)。


「意識を取り戻す」 regain consciousness もよく使われる(ジーニアス、旺文社1900)。


たぶん She regained consciousness のように使う(旺文社に似た例文)。

また、この用例から分かるように、健康的なものを取り戻す場合、普通は主語が自身の健康を取り戻すのに regain を使う。


「自由を取り戻す」(センチュリー)とか「都市を取り戻す」(ジーニアス)とかの政治的なことも regain である。


蓄え

store , stock


store は「店」という意味の名詞でもあるが、「蓄える」という意味の動詞でもあり、さらに「蓄え」「蓄積」などの意味の名詞でもある。

なお、storeを「店」の意味で使うのはアメリカ英語。イギリス英語では店はshopである。桐原3000にも東京書籍3000にも書いてある。storeは3000語レベル。


stock は「在庫」や「株式」という意味の名詞でもあるが、「蓄え」「蓄積」などの意味の名詞でもあり、さらに商品を「店に置く」「仕入れる」などの意味の動詞でもある。桐原と旺文社は、「仕入れる」の意味まで単語を紹介している(ただし例文なしで単語のみ)。

stockは4500語レベル。


しかし単語集では、ややこしいので、stockについては、「株式」「在庫」の意味の名詞だとしてしか、紹介していない。しかし実はstockも動詞の用法があるのである。


センチュリーによると、食料の「蓄え」は、stock でも store でもよい。

たとえばセンチュリーのstockの例文は「我々の食料の蓄え」Our stock of food である。センチュリーのstoreの例文は(リスが冬に備えての)「食料を蓄える」lay in a store of food である。

このように、どっちでも食料 food を蓄えられるので、区別がつかない。

storeは別にリスのような動物限定というわけでもなく、たとえばセンチュリーで図書の「蔵書」 a book of store などの表現もある。

storeが店での商売関係というわけでもない(もし商売に限定だすると、図書の蔵書とかリスの食料とか、説明がつかない)。


なので、stock に「株式」「在庫」の意味があると覚えるしかない。

桐原および旺文社いわく、

be out of stock で「在庫が切れている」

の意味。桐原は例文も紹介。旺文社は例文なし。東京書籍は紹介せず。

例文は桐原も東京書籍も旺文社も、在庫の例文である。


単語紹介だけでが、桐原いわく「株式市場」stock market

旺文社いわく「証券取引所」the stock exchange

である。

語源を調べてみても、 stock の語源は木の「棒」stick と同じだと書いてあるだけで、stock と storeとの区別には役立たない。


さて、単語集にはないが、パソコンなどのハードディスクなどの貯蔵量のデータ記録デバイスのことをストレージ storage という。

ついで、単語集にある情報だが、 storage は、「貯蔵庫」や「保存庫」の意味で、東京書籍4500の巻末にだけ、解説なしで、単語と例文だけ書いてある。

辞書を確認のため見たが、ジーニアス英和は家具の「保管」を storage といい、センチュリー英和は単に「倉庫」を storage といい、あまり共通性はなさそうなので、深入りしない。


愚か(おろか)

形容詞 foolish, stupid, silly, ridiculous などがある。

このうち、 foolish, stupid, silly, は、「愚かだ」「馬鹿げている」の意味。

このうち silly は口語調。


Don't be silly. で「馬鹿げたことを言わないで。」という典型的な例文があり、東京書籍4500でも紹介されている。


名詞foolが形容詞になったのが foolish である。

stupid は、辞書によると、foolish よりも、けなしの意味が強い。口頭では使わないほうが安全だろう。


ridiculous は、「不合理で馬鹿げている」という意味。センチュリーによると、ridiculousには、あざけりや物笑いの意味もあるとのこと。

単に「不合理だ」の意味なら、 absurd を使う。桐原5500にabsurdが書いてある。なるべくabsurdを使うほうが高尚だろう。

センチュリーによると、absurdは、不合理さ・非常識さを強調している。


移行と移転と移動

migrate, transfer ,

移住する immigrate と emigrate


解決 settle ,solve

植民地関係 settlement, plantation(大農園), colony

議論 argument, debate, controversy


桐原4500に名詞形migrant (移住者)が書いてありますが、英語では動詞 migrateとは「移住する」や、渡り鳥の「渡る」のことです。

しかし単語集にはないですが、そのほかにもmigrateには、IT用語では古いシステムに入っていたデータやプログラムを新しいシステムの中へと「移す」ことや、開発環境などのシステムを新システムへと「移行する」という意味もあります[8]


なお似た言葉にreplaceがありますが、これはサポート切れなどで古くなったりして(obsolete)使えなくなったソフトウェアなどを現在の稼働中の使えるバージョンのものに「置き換える」(replace)ことを意味します。


英語では、「『移住』にシステム環境『移行』の意味もある」と覚えることが本質的な理解でしょう。


なお、スペルの似ている immigrate に、(外国から)「移住する」の意味があります(桐原4500)。またなお、桐原4500にも書いてあるが、空港などの入国管理が名詞 immigration である。英会話の教材などでよく immigration が出てくる。

immigrate と migrate の意味の違いを把握するため、辞書の説明に逆らって、私たちは migrate は(環境を)「移行する」で覚えましょう。

これが、moveやtransfer と、migrate との違いです。

なお、語源的には(鉄緑単語集)、

「(外国から)移住する」 immigrate

「(外国へ)移住する」 emigrate

です(東京書籍、桐原)。

接頭辞のim- は in(内へ)みたいな意味です。

接頭辞のe- は、ex(外へ)みたいな意味です。


しかし、実際には混同して使われることもあります(ジーニアス)。

実際には、 どちらも

immigrate from Japan to the United States

emigrate to the United States from Japan

のように、前置詞 to や from を補います。


ジーニアスによると、

immigrate to the United States from Japan

のような逆の順序になっている場合もあらしいです。


私たち日本人としては、深入りする必要ないでしょう。


前置詞が補われるし、長文読解で出たときに単に immigrate も emigrate も 「移住する」と訳して読めばいいからです。

動詞のあとに来るのが出身地か目的地なのかが違いです。

immigrant 「移民」です。 emigrant 「移民」です。


immigration 「移住」です。


transfer に「転勤する」「転勤させる」の意味があります(桐原4500)。

「転勤させる」ほうは他動詞なのでtransferでもいいのは分かりますが、「転勤する」と「移住する」の区別が難しいです。まあ、おそらく他動詞からの類推か、慣用的にtransfer が定着しただけでしょう。

なお、辞書にありますが「転校」や(プロ選手などの)「移籍」もtransferです。


高校生物の遺伝に関連する細胞物質のひとつで、トランスファーRNA (transfer RNA)というのがあります。こういうのと関連づけて覚えましょう。


また、列車・バスなどの乗り換えも transfer です。


スペルの似た単語で、transport という動詞および名詞がありますが、動詞 transport は「輸送する」です。

transfer 「乗り換え」はおそらくtransport 「輸送する」との関連で定着した表現でしょうか。


単語集にも辞書にもないですが、インターネット用語で HTTP というのがありますが、これは「Hypertext Transfer Protocol 」の略です。データなどを「転送する」のも transfer です。

センチュリー英和によると、銀行口座に「振り込む」もtransfer とのことなので、おそらく「送金する」のようなニュアンスでしょう。

なお、ジーニアス英和およびセンチュリー英和によると、法律用語で、財産などを「譲渡する」もtransferです。

transition という名詞が別にあります。transition は、移行期にあるものについての「移行」のことです。桐原4500 では「議会制民主主義への移行」、旺文社1900では「自動運転車への移行」を例文にしています。


なお、人が「定住する」は settle ですが、人が「移住する」の意味もあります(東京書籍3000)。settle には「解決する」という意味もあります(桐原4500、旺文社1900)。

揉め事(もめごと)などを法的に解決するときに settle を使う。

settle the dispute 「紛争を解決する」(桐原4500、ジーニアス) ※ ジーニアスは settle a dispute 「紛争にけりをつける」

このように、和訳は少し違ってもいい。

なお、

We settled the international dispute. 「我々はその国際紛争を解決した。」(東京書籍4500)


settle in Hawaii 「ハワイに移住(定住)する」(※ 何か予備校か英検の単語集に書いてあった例)

They settled in California. 「彼らはカリフォルニアに移住した。」(東京書籍4500)


settle the legal problem 「法的問題を解決する」(旺文社1900)


名詞形は settlement で「解決」「入植」の意味。settle には「移住」の意味もあるので、settlement には「入植」の意味もある。


ジーニアスいわく、警察が「解決する」のは solve である。

settle と solve の区別が難しい。

The police solved the crime. 「警察はその犯罪を解決した」(ジーニアス)


学校の問題や学問の問題などを解くのは solve である。(ジーニアス)

グランドセンチュリーいわく、solve は謎(なぞ)を解くのに重点がある事が多い。(しかし上記の警察の例とか微妙だが。)settle は、論争などを解決すること、との事(グランドセンチュリーがそう言っている)。solve の意味のページで、グランドセンチュリーがそう説明している。

本当かどうかは知らない。

桐原4500も例文で

settle an argument 「論争を解決する」(桐原4500)

とそのまま「論争」を使っている。

東京書籍も同様

They finally settled the argument. 「彼らはついに論争を解決した」


名詞形 settlement には、「入植」「植民(地)」の意味もある。


植民地関係 settlement, plantation(大農園), colony


plantation は、世間では「植民地」と訳されることもあるが、しかし、やや誤訳である。

桐原4500・東京書籍4500 いわく plantation 「大農場」 とのこと。必ずしも、歴史上の植民地でなくても良い(ジーニアス)。だから「大農園」という訳語なわけで。大農園のほか plantation 「栽培場」という訳語もある(ジーニアス)。ただし、「大農場」と訳さなくても、そのまま「プランテーション」と訳しても良いだろう(東京書籍4500が訳語「プランテーション」を紹介)。

a banana plantation 「バナナの大農園」(東京書籍)

a coffee plantation 「コーヒーの大農園」(グランドセンチュリー)

グランドセンチュリーいわく、plantation は、植民地ならぬ「植林地」であると。

つまり、植民地で植物を栽培する大農園みたいなアレが plantation 。

必ずしも殖民地が農園とは限らないので。日本の戦前の韓国や台湾の殖民地とか、農園もあったかもしれないが、工場とかもあっただろうし。東アジアは、アメリカ大陸ほどには、そんなに広くない。

旺文社の出題頻度順の「英単語ターゲット」シリーズには見当たらず、出題頻度が低いようである。だが、東京書籍4500の難関大の単語にplantationがあるので、どこかの難関大が英文でplantationを使ったのだろう。


なお、名詞 plant は「植物」「工場」の意味。

もともとplantは、「苗を足で踏む」とか「種をまく」とか農業系の用語だったらしい。おそらく、そこから生産行為として「工場」などの意味も派生したのだろう。

なお、工場の意味での例文が単語集には無いので、めったに出ないのだろう。


動詞 water「水をやる」と組み合わせて、

water the plant 「花に水をやる」(旺文社1200、桐原4500-)

桐原4500が plant で「考えを植え付ける」という高度な用法を紹介しているが、しかし例文も無いし、まして東京書籍や旺文社は紹介していないので、入試に出ないのだろう。受験生の時間には限りがあるし、何でも覚えるのは負担が重い。


colony も「植民地」。colonyは集合的なニュアンス。「集落」みたいな。実際、colonyには「集落」という意味もある(ジーニアス)。

colony も歴史用語でも使うので(桐原4500で、フランスのアルジェリア植民地)、ほかの settlement との区別は難しい。

Algeria is formerly a French colony. 「アルジェリアは以前はフランスの植民地だった。」(桐原4500)

Malaysia is formerly a British colony. 「マレージアは以前は英国の植民地だった。」(旺文社1400(緑))

とまあ、歴史的にはこのように  「西洋諸国はかつて多くの植民地を持っていた。」Western Countries once had a lot of colonies. (東京書籍3000)


東京書籍3000に、

「植民地を建設する」plant a colony

という、これまた、類義語的にややこしい例文がありやがる、


桐原4500・旺文社1900で形容詞 colonial 「植民地の」の単語紹介があるが、例文が無いので、どうせ出ないのだろう。

動詞形 colonize 「植民地化する」を旺文社1900が紹介。

東京書籍3000が「開拓者」 colonist を紹介。東京書籍しか紹介してないので、たぶん入試に出ない。


「論争」も名詞 argument のほか、形容詞 controversial 「物議をかもす」なんてのもあり、国公立をふくむ大学入試に出る(東京書籍4500の報告)。

旺文社1900いわく、controversial 「論争のまととなる」「論争好きな」は英検準1級に出てくる単語とのこと。

つまり、一部の大学は、私大だけでなく国公立大も含め、英検準1級の内容を出してくる。


「議論」もまた、argument, debate, controversy など、類義語がいくつもある。

この区別はちょっと高校生には無理そう。辞書を見ても違いが分からなかった。

argument, controversy には、特に、論争の対立などに重点が置かれてそうだが、証拠が無い。


debate は、名詞「議論」のほか、動詞「議論する」の意味もあり、政治家などが会議で議論するのも debate である(旺文社1900、桐原4500)。

単語集には無いが、「討論会」をdebate と言っても良い(ジーニアス、グランドセンチュリー)。つまり、討論会などの「ディベート」は、けっして和製英語ではなく、れっきとした正式な英語である。

a heated debate 「白熱した議論」(旺文社1900、グランドセンチュリー)

a problem under debate 「論争中の問題」(ジーニアス、旺文社1900)

東京書籍4500いわく、校則について(校内集会か何かで)議論するのも debate で良いとのこと。

国会とか校内集会とか、なんか堅苦しそうな場での議論・論争が debate な傾向がありそう。(実際の日本の国会ではヤジが飛ぶが、考えないでおく)


弁護士に解決を依頼するときは settle である。(旺文社1900)

settle down で「落ち着く」(桐原4500、旺文社1900)  ※ 例文は単語集に無し



調査と探検

explore, expedition

explore 調査のための「探検」

expedition 「遠征」・「探検」


He went on an expedition to the Arctic 「彼は北極へ探検に行った。」(東京書籍(主語を旺文社と入れ替え))

She went on an expedition to the South Pole 「彼女は南極へ探検に出発した。」(旺文社1900(主語を東京書籍と入れ替え))

北極は別に North Pole でも構わないと思います。実際、ジーニアスがそうです。

They went on an expedition to the North Pole. 「彼らは北極探検に出かけた」

「探検隊」の意味の場合もあります(旺文社、東京書籍、ジーニアス、グランドセンチュリー)。

「エベレスト探検隊」のように(旺文社、ジーニアス)、特に調査の目的が無くても使えるのが expedition である。


桐原4500 および鉄緑単語集は expedition を扱っていない。


決定

determine ,decide


辞書にはないが、determine は、断固とした決意で「決心する」「決定する」である。

形容詞 determined がセンチュリー英和によると断固とした決意の意味なので、動詞determineのほうもそういうニュアンスである。

あと、ジーニアス英和にあるが、判決を下すのも determine である。

あと、予備知識がないと気づかないだろうが、東京書籍4500にある例文のように、専門家などが原因などを「特定する」ことや、判定するのも determine である。

実際には、あまり断固としてなくても determine が使われるような例文もちらほらとあるが、あくまで派生的な用法だと思うべきだろう。

だから名詞形 determination は、「決心」「決意」と覚えるべきだし、実際に桐原4500や東京書籍4500でそういう和訳である。


be determined to ~(動詞) で「~する決心をする」

である。受身形で「決心する」になる。

たとえば

He was determined to ~ 「彼は~する決心をしていた」

のように使う。また、完了形にせず、過去形のままで使う(桐原4500の例文、ジーニアスの例文など)。

能動形でも「決心する」の用法もあるが、普通は上述のように受身形で使う(ジーニアス)。

検定教科書で三省堂 CROWN Iを読んでいると、高校1年でもう be determine to do を扱っている。


対する decision は、和訳は「決定」である(東京書籍4500)。桐原によるとdecisionは「決定・決断」だが、しかし上述のように、どちらかというとdesicionは比較的に「決定」のニュアンスのほうに近いだろう。


resolve でも「決意する」だが、東京書籍4500だと彼女をデートにさそう「決心」という例文であり、まったくもって断固とした必死さが足りない。

そんなのよりも、会議などの「議決」のことを resolution というのを覚えたほうが良いだろう。桐原4500に「決心」「決議」と単語の和訳だけ書いてある(例文はなし)。


減少

decrease, decline , reduce, diminish

静かな silent(沈黙に重点), quiet

薄暗い dim


まず、高校英語で増減を表す場合につかう典型的な単語は、increase (「増える」「増やす」の意味)および、対義語の decrease(「減る」「減らす」の意味)である。

increase および decrease は、数・量の増減のときのみに使う(東京書籍3000)。

ただし、だからといって decrease 以外は数量に使えないかというと、そうでもなく、たとえば decline は出生率の減少でも使う(グランドセンチュリー)。

しかし、decline には、どうやら「力が衰える」的なニュアンスがあるようであり、ジーニアスでは decline の意味は「減少する」という見解ではなく、decline は「(体力・健康などが)衰える」「(価値などが)低下する」という意味だという見解である。


diminish は、恐怖を「減らす」とか(桐原5500(東北大の過去問))、不安を「減らす」とか(旺文社1900)、そういう質的な意味の減らすに使う。

よって、diminish には、べつに「衰える」みたいなニュアンスは無い。

なお、diminish の語源は mini 「小さい」 である(ジーニアス)。ただ、実際のdimisnの意味は、若干ちがい、「減らす」という意味になっている。最終的には現代の意味を覚えるしかない。

また、数量の減少にも diminish は使ってよい。

なので旺文社1900は、数量の減少に使う場合は、decrease の類義語のように使ってよいという見解である(旺文社1900)。

ただし辞書および東京書籍4500だと、diminish も、なにか衰えなどのマイナスイメージのような例文ばかりであり、偶然なのか、それとも桐原・旺文社との見解の相違なのか、気になる。


dim 「薄暗い」という形容詞があるが。動詞 diminish 「減らす」とは関係ない。偶然、スペルが近いだけ。

なお、

in the dim 「薄暗い明り(の中)で」

がよくある例文(東京書籍、鉄緑)。


さて、decrease の例として、たとえば、三省堂『CROWN II』「英語表現」教科書では、パラグラフ・リーディング/ライティングの説明で、留学生に関する分析の文章を扱っているのだが、留学生の「増加/減少」にそれぞれ increase/decrease という表現を使っている[9]

この例のように、 increase (増加)と decrease (減少)は対になって使える便利な表現であるので、まずはこれを覚えよう。

熟語というほどではないが、

~(主語) increased by □□(数値) percent.

で、「~が□□%上昇した。」である。たとえば上記のパターンで、東京書籍4500では「その商品の売り上げ」Sales of the product だし、旺文社199では「日本の実質GDP」Japan's real GDP である。桐原3000には数値上昇の例文なし。桐原は昔から単語集では定番だが、しかし桐原だけでは勉強できないこともある。

increase で増える数値はなにも百分率(パーセント)でなくてもよく、たとえばジーニアス英和では、「体重は2キロ増えて60キロになった」 increased by two kilograms to 60 kilograms.

という例文もある。

on the increase で「増大して」の意味。なお、ここでの increase は名詞。

東京書籍4500では「自動車事故が増加している。」 Bike accidents are on the increase.

センチュリー英和では「大都会における犯罪は増加しつつある。」 Crime in big city is on the increase.

ジーニアスは on the increase の例文なし。このように、ひとつの英和辞典だけでは勉強できない。


別に on the increase を使わずとも、現在増加中のものは現在完了進行形で書いてもよく、桐原3000がそうであり、

「車の台数が増え続けている」 The number of cars have been increasing.

である。

ジーニアス英和にある説明だが、よく、The number of ~ increased. で「~が増えた。」と言う例文があるが、「The number of 」を省いて直接「 ~ increased. 」のように言ってもいい。


実際、東京4500の例文「自動車事故が増加している。」 Bike accidents are on the increase.

でも、 the number of は無い。


on the increase のbe動詞が単数形(is)なのか複数形(are)なのか食い違いがあるが、英和辞典を見ても、とくに言及はされていない。


increasingly で「ますます」の意味が紹介されているが(東京書籍4500。旺文社1900)、しかし例文は無い。


さて、decline は自動詞であり、つまりdeclineは「低下する」「減少する」の意味である。


declineの典型的な例文が「出生率は低下している。」であり、東京書籍4500では

The birth date is declining. 「出生率は低下している。」

である。

似た例文が、旺文社1400にもあり、

「出生率は低下し続けている。」 The birth rate continues to decline.

である(旺文社1400)。


なお検定教科書にも decline の単語は掲載されている[10]。和訳が検定教科書に書かれてないので不明だが、その検定教科書では経済の議論の紹介で decline が使われているので、「低下する」の意味にて decline を用いているのだろう。


decline には、申し出・誘いなどを「断る」の意味もあり、桐原4500に紹介されているのはこっちの意味だけ。

しかし、高校の検定教科書に、「少子化」 declining birth rate が紹介されているので、「減少」の意味のほうもキチンと覚えよう[11]

名詞形 declination が、ていねいな断りの意味。

reject (計画などの「拒絶」。※却下のような意味)や refuse (拒絶)だと意味が強すぎるのだろう。


reduce は「減少させる」。3R運動のリサイクル、リユース、リデュースのあれ。 

「減少」は名詞 decrease と名詞 reduction がある。

reduction は、「削減」のニュアンスで使われることが比較的に多く、桐原4500および東京書籍4500の例文が経費削減である。

reduce costs で「経費を削減する」である。


このほか、diminish や drop や fall などがあるが、やや高校範囲を超える。一応、diminishは桐原5500および東京書籍4500には書いてある。(桐原4500には書いてない。)な 一応、diminish は、検定教科書『CROWN III』で使われている[12]

CROWN III にある例文は

But the war 1990's, the threat of war diminished.

という文章(抜粋)である。検定教科書に和訳がないので答えは不明だが、「しかし、1990年代には、戦争のおそれも少なくなった」ような意味である。

直前の文章では、「20世紀は戦争が多く」みたいなことを英語で言っているので、おそらくそういう意味だろう。

辞書で diminish を確認したところ、ジーニアスもセンチュリーも悪い意味に使う例文のほうが多いが、しかしCROWN IIIの検定教科書によると、とくにdiminish には悪い意味合いは無いようである。

桐原5500に書いてある例文も、

We can diminish our fear. 「恐怖を減らすことはできる。」(抜粋)

なので、別にdiminish に悪い意味合いはない。

なお、桐原5500の例文は東北大の過去問。ネットでは「地方国立の入試英語なんて教科書レベル」などの言説もあるが、まあ確かに教科書にはdimisihも書いてあるものの、大分、学習量は大きい。


drop やfall は、旺文社1400の巻末にある類義語の章にだけある(本編には解説なし)。

dropは数量や人口、価格などの減少で使われる「口語的」な語(旺文社が「口語的」と言っている)。ただ、ノーベル経済学者クルーグマンのツイッターを読んでたら、「インフレの減速」のような意味で普通に drop を使っていた。

価格の低下だけでなく、派生してインフレの減速にもdropが使われることから、もしかしたら経済学などでは文語的に drop という単語が使われている可能性もあるかもしれない。


なお、「急騰する」は soar である(桐原5500、旺文社1900)。

単語集の例文だと完了形で have soared だが、急騰の結果として現在でも株価が高いなら完了形にするのが無難だろう。

インフレ率の上昇でも株価の上昇でも何でもいいが、たとえば旺文社1900が株価の上昇の典型的な例文

The stock prices of the company has soared . 「その会社の株価が急上昇した。」

である。

ジーニアスは野菜の価格の急騰、桐原5500は米価の急騰である。たとえばジーニアスでは

The price of vegetables is shoring. 「野菜の価格が急騰している。」

である。この野菜の例文のように、進行形ならもちろん、現在も急騰の真っ最中になる。


時制ついでに桐原5500の例文を紹介すると、

Figure showed the price of rice had soared to record levels. 「数字は米価が記録的な水準にまで急騰したことを示していた。」

である。


なお「痛い」soreと同じ発音である。



ついでに言うと、よく景気の先行きについての見通しで「悲観的」だの「楽観的」だのマスコミ用語でいうが、これは英語でもそう言い、

「悲観主義」は英語でpessimism (ペシミズム)である。

「楽観主義」は英語で optimism (オプティミズム)である。

スペルよりも、まずカタカナで『ペシミズム』『オプティミズム』と覚えてしまおう。社会評論などの書籍などを読んでいると、ときどき外来語として「ペシミズム」などの用語を使っている場合もある。

典型的な例文として

東京書籍4500で「ボブは自分の将来について楽観的だ。」 Bob is optimistic about his future.

である。

似たような例文が旺文社1900にもあり、「彼女は自分の将来について楽観的な気持ちだ。」 She feels optimistic about her future.

である。

桐原4500が紹介しているが、なにも将来でなく経済に楽観や悲観を感じてもいいのである。 桐原によれば、「彼はその国の将来について楽観主義を表明した。」 He has expressed optimism about the country's economy.

である。


wikiオリジナルの例文だが「トムは経済の先行きに悲観的だ。」なら、さしずめ Tom is pessimistic about the country's economy.

とでもなろうか。

なお、英和辞典を見ても、例文が「~は将来に楽観的だ」とか「将来に悲観的になってはいけない」ばかりである。optimistic などの単語が経済予想や株価予想に使えることすら、辞書だけでの勉強では全然分からない。とはいえ、あまり良い市販の英語教材がない。


ともかく、また、これらの例文のように、 be optimistic about ~ で「~に楽観的だ」となる(東京書籍4500)。悲観の場合も pessimistic で同様。


念のため、派生語も含めて一覧にすると、

optimism 「楽観主義」、

optimistic 「楽観的な」、

optimist 「楽観主義者」(旺文社1900に紹介あり)、


pessimism「悲観主義」、

pessimistic「悲観的な」、

pessimist 「悲観主義者」、


である。


'

価値や能力を「高める」場合、enhance (エンハンス)という動詞が使われることもある。だが、辞書でも例文が少なく、あまりいい例文が見当たらないので、説明は省略。旺文社1900だと、603/1900の位置でenhanceを紹介している。だが東京書籍4500では、巻末ちかくで enhance を紹介である。桐原に至っては、4500語レベルではなく桐原5500の後半ちかくでenhanceを紹介である。


なお、遺伝学の用語でエンハンサーというのがあり、サイト『脳科学辞典』によると「 エンハンサーとは、遺伝子の転写量を増加させる作用をもつDNA領域のことをいう。プロモーターからの距離や位置、方向に関係なく働く[1][2][3]。サイレンサー(遺伝子の転写を抑制するDNA領域)とともに、遺伝子の発現調節で重要な役割を果たす。」とのこと[13]

ほか、和製かもしれないが、音楽用語でDTM用語で、「エンハンサー」という機器がある。なお、近年ではエキサイターとも言うらしい。もしかしたら微妙に機能が違うかもしれないが、特定分野なので深入りしない。

サイレンサーというのは、銃などの減温装置などもサイレンサーというので、おそらく何かしら「エンハンサー」という機械装置が欧米にもあってそれを由来にした生物学用語なのだろうが、調べきれなかった。

なお、いくら銃に持ち運びできるような装置を取り付けても、さすがに無音にできるわけではないので(消音ではない)、「サイレンサー」という表現は誇大広告。近年は、銃の消音装置は「サプレッサー」 suppressor (「抑制するもの」というような意味)という。なお生物学では、過去の間違った学説にもとづく架空の分子に「サプレッサー」と言う用語が使われたことがあって、そのため、この語の使用をひかえている。

(※ 「サプレッサーT細胞」。存在が疑問視・否定されているので、この細胞名は覚えなくていい。なお「T細胞」自体は免疫細胞として存在するので覚えよう。)

なお、このsuppressも高校英語であり、東京書籍4500および旺文社1900に書いてある。

suppressには(人間の集団を)「鎮圧する」の意味がある。

The police suppressed the protesters. 「警察は抗議する人々を鎮圧した。」(東京書籍4500の例文を改変)

みたいに使う。

なおジーニアス、グランドセンチュリーだと

The police suppressed the revolt. 「警察は反乱を鎮圧した。」

のような例文がある。revoltは高校範囲外。

東京書籍が気を利かして、中学歴史の宗教革命で「プロテスタント」を習ってるので、抗議者 protesters の例文のほうが高校生に分かりやすいだろうという気遣い(きづかい)。


silent を辞書で調べてたら、「沈黙の抗議」a silent protest という例文がジーニアスにもグランドセンチュリーにもあった。ついでに覚えよう。silentも高校英語(東京書籍4500、桐原3000、旺文社1200(いちばん簡単な黄色本))。

名詞形は silence サイレンス。

今の中学音楽の教科書は知らないが、むかし中学音楽の教科書で、サイモン&ガーファンクル(ミュージシャンのコンビ)の サウンドオブサイレンス と言う曲が掲載されていた。なので知ってる人も多かった。

The audience became silent. 「観客は静かになった。」

みたいな例文がよくある。


さて、suppress サプレスに戻る。桐原4500および5500には suppress が見つからない。

なお、suppressor はジーニアスにはあり、suppressor 「消音装置」。グランドセンチュリーにsuppressorは無い。


The streets were silent. 「通りは静かだった。」(東京書籍4500)


ジーニアスに

a silent street

という例文があるが、street の訳が「通り」ではなく「街」。「静まり返った街」と訳している。

keep silent や remain silent で「沈黙を保つ」(東京書籍4500がremain のみ紹介。ジーニアスで両方を紹介)


silent と quiet も類義語である。(桐原3000)

silent は、物を言わないことに重点がある。(ジーニアス)。ただし、人間以外にも silent を使うことがあり(上述の silent street のように)、「静かな」の意味もある。

quiet との区別は難しい。

ジーニアスいわく、

a silent volcano 「休火山」= a dormant volcano

とのことだが、しかしネットの画像検索で silent volcano を調べると噴火の画像ばかりである。

ほか、

The audience fell silent. 「観客は静かになった。」(東京書籍4500)

ジーニアスいわく、fall silent で「急に黙り込む」とのこと。東京書籍とジーニアスの見解が微妙に一致しない。


想像

vision, imagination, image

vision は「想像」の意味があるが、「見通し」の意味もある。もっとも、見通しの意味では名詞 perspective がさらに高尚。

なお、perspective はどちらかというと「視点」の意味である。大局的な視点=見通しのようなニュアンスが perspective である。東京書籍が(大局的な)「視点」、桐原が「観点」。だが、別に大局的でなくても美術の遠近画法のことを perspective というので、東京書籍の説明はいかがなものか。


from a different perspective で、「違った視点から」

たとえばジーニアスいなる例文think about the problem from a different perspective で、「その問題を違う観点から考える」となる。ジーニアスは「観点」、東京書籍4500は「視点」と訳しているが、別にどちらでもいい。

different の部分を別の形容詞にすれば、

from ~ perspective で、「~の視点(観点)から」になる。


なお、スペルの似ているprospect は、何か良いことの起きる「見込み」、成功の可能性のこと。 たとえば形容詞 prospective は「有望な」の意味である。

ジーニアス英和によると、もともとはprospectは高いところからの「展望」のような意味だったようである。桐原4500にprospectが書いてある。

「見込み」outlook という単語もある(桐原5500 のprospect)。桐原5500では prospect の「見込み」の類義語として紹介されている。


もし、「観察力」とかを言いたい場合、observe 「観察する」である。

「洞察力」なら、penetrating 「洞察力のある」である(旺文社1900。桐原5500)。ただし、洞察力の意味での例文は単語集に無い。動詞penetrate には「浸透する」の意味もあって、そちらの例文が市販の単語集には書いてある。

もっと簡単な単語としては insight 「洞察力」という名詞があるので、これを使って洞察力を表現する方法もある。

なお、

語法 give A insight into B で「AにBの見識を与える」

である。

名詞 vision にも、「見通し」「洞察力」などの意味があるので、これでも洞察力を表現できるだろう。ただし、単語集にその用法での例文は無い。

旺文社1900によれば、 a one's(myなど) point of view で「〜の観点から」の意味。だが、これを直接暗記するよりも、まず名詞 view には、「眺め」の意味のほかにも、「見解」の意味があることまず知るべき。

慣用的に in my view, 「私の考えでは、」(ジーニアス、センチュリー)という表現がある。「考え」と訳しているが、「私の見解ですが、」くらいに訳したほうが分かり易いだろう。ただし、英語の view には、個人的な感情も含んで見方を示しているので、そういう意味で辞書では「意見」としたのかもしれない。

だが、 in my view は、ジーニアスによれば、in my opinion よりも控え目な言い回しとして使われる。

まあ、読者の自己責任で和訳してください。

単語集にはないが、viewpoint 「観点」という単語がある。ジーニアスの例だと、

From an economic viewpoint, 「経済的な見地からすると、」(その計画には利点がない)

と続く。

センチュリーだと、

〜 from the viewpoint of employees. 「従業員からの立場からみれば」(昇給はよいことだ)

となる。


旺文社の大学入試出る順シリーズに a point of view が書いてあるから、たぶん入試に良く出るんだろうが、正直言って瑣末な単語であろう。実際、桐原も東京書籍も a point of view を紹介していない。ジーニアスやセンチュリーにすら、少なくともview の項目には書いてない。辞書でpoint で調べると point of view が書いてあるが。

たとえば、センチュリー英和では「アメリカ人の視点から見ると、」(謝罪は自分の誤りを認めたことになる) From an American point of view, 〜

ジーニアス英和では「財政的見知では、」(これは由々しき問題だ) From a financial point of view, 〜

などの例文がある。


熟語 in terms of ~ で「~の点から」。なお terms はterm の複数形。東京書籍4500と桐原4500に似た例文があって、東京書籍「その計画は費用の点から現実的ではない」The plan is not realistic in terms of cost.

なんで terms と複数形なのか不明と思うだろうが、しかし英和辞典にも in terms of と複数形で紹介されているので、受け入れてもらうしかない。

いっぽう、桐原「この計画は時間と費用の関係で現実的ではない。」 This schedule isn't realistic in terms of time and costs.


term ついでに言うと、医療の末期医寮などでターミナルなんとか terminal 〜 とかあるが、辞書で確認すると用語term と末期terminal の語源は一応は同じだが、事実上は意味のまったく違う別の単語だと思うほうが良いだろう。東京書籍4500がそういう見解であり、「用語」 term と 「末期の」「終末の」 terminal を別々の項目として紹介している。

「末期の」の典型的な例文としては、「末期ガン」 terminal cancer がある(東京書籍4500. ジーニアス、センチュリー)。

桐原4500 では terminate 「終わりにする」が紹介。terminateの紹介位置が巻末ちかくの付録のため、例文なし。


駅や空港などのターミナル terminal も、同じスペルである。駅近くなどのターミナルも、もともとは何かの終着のことだったのだろう。

なお、駅が公共バスなどの終点である事例は多い。

そういうバスターミナルのことも、ジーニアス英和いわく a bus terminal であり、またはセンチュリー英和いわく単に terminal という。

センチュリー英和は、バスのターミナルを単に「終点」と訳している。


さて、term には、「用語」の意味の他にも、「期限」「期間」の意味がある。

形容詞 long-term で「長期の」という意味である(旺文社1900)。

単語集にはないが、termination 「満期」「満期の」という単語がある。term にはそういう、限度のある期間的な何かのニュアンスもある。関連づけて覚えよう。

小中高の学校の「学期」もtermであるが、普通は3学期制の「学期」のことをいう(ジーニアスsemester で確認。ほか旺文社 semester )。大学の「前期」「後期」といった2学期制の場合は semester という(旺文社、ジーニアス semester )。

なお、日本の大学は、年間で「前期」「後期」という2学期制である。少なくとも日本の大学はそうである。

英米では、「秋学期」the fall semester と、「春学期」 the spring semester という言い方をする。


普通、英米では、9月から翌年1月までが「前期」the first semester であり(センチュリーで確認)、「秋学期」the fall semester という言い方をする(センチュリー、旺文社)。

普通、英米では、2月から8月までが「後期」the second semester であり(センチュリーで確認)、「春学期」the spring semester という言い方をする(センチュリー、旺文社)。

果たして大学でもし3学期制の学校があったら何というのかは知らない。まあ、単語なんて所詮は、社会の現状に合わせて言葉が作られるので、社会に存在しない制度の呼び名を考えてもラチがあかない。


imagination は「想像する行為」または「想像力」のこと。

image は、想像によって脳内に思い浮かんだ「像」や「印象」のこと。

動詞形は imagine である。実はimageも動詞とみる場合もあるが、しかしジーニアス英和ではimageの動詞用法は不採用である(ジーニアスでimageを見ても、動詞の用法は無い)。センチュリー英和だと、imageの動詞の用法が書いてある。

形容詞 imaginary は、「想像上の」「架空の」「実在しない」である(ジーニアス英和。センチュリー英和)。 ジーニアスでもセンチュリーでも、「創造」ではなく「想像上の」である。

スペルの似た imagery という単語があり、旺文社には『(集合的に)「比喩的表現」』と書いてある。辞書を見てもジーニアスでしか見つからず、例文もなく、よく分からないので説明を省略。

単語集にはないが、理科のレンズの実像(a real image)や虚像(a virtual image)などの「像」も image である(ジーニアス英和)。

旺文社1900にあるが、テレビの「画像」も image である。上述のレンズとテレビを合わせて考えれば、つまり、光学の像も image であるし、実際に英和辞典ではそう紹介している。

なお、イメージダウンなどは和製英語。イメージが悪化した場合は a bad image のように言う(ジーニアスで確認)。

なお、仏像とか銅像とか、ああいったのは「塑像」(そぞう)とか「彫像」(ちょうぞう)とかいうが、「塑像」・「彫像」の英語は statue (スタチュー)である。単語集を見ると巻末の索引に statue が書いてないので一見すると高校の範囲外だが、しかし自由 liberty で東京書籍4500を見れば「自由の女神像」 the statue of liberty が書いてある。桐原の検定教科書『EMPOWER II』にも、P28に「自由の女神像」 the statue of liberty が書いてある。

このように、「自由の女神像」 the statue of liberty は事実上の高校必須の単語である。

liberty「自由」は普通、国家権力からの自由の事を言う。

だから liberal は形容詞「自由主義の」または名詞「自由主義者」の意味がある。(桐原4500が名詞「自由主義者」も紹介している。東京書籍は形容詞だけ。)

liberalism 「自由主義」である。

statue は、桐原の検定教科書『EMPOWER II』にも、P31に「ブロンズ像」 a bronze statue が書いてある。


光学ついでに言うと、「反射する」は reflect である。典型的な例文が、「日光を反射する」reflect sunlight である(東京書籍4500、センチュリー)。

ジーニアスには「鏡は光を反射する」

A mirror reflects a light.

という例文もある。


だが、桐原4500や旺文社1900では、reflectの、意見などを「反映する」の意味のほうが紹介されている。

とりあえず、ジーニアスによれば「世論を反映する」 reflect public opinion である。

センチュリーや桐原や旺文社を見ても、「反映する」は他動詞的に使うのか自動詞的に使うのか、能動形や受動形か、あまり使い方がはっきりしない。

reflect on ~で「熟考する」「回想する」の意味(旺文社1900では熟考、東京書籍では回想を紹介)。東京書籍のには例文あり。著作権のため本ページでは紹介しない。

名詞形には reflection と reflex がある。意味が微妙に違うので、必要な場合には英和辞典で確認せよ。

なお、単なる「視野」や「視界」のことは view である。だが、辞書でviewの項目を見ると、「見解」の意味が先に書いてある。少なくともジーニアス英和とセンチュリー英和はそうである。辞書よりも単語集で勉強しよう。



可能性 possibility, probability, likelihood

成功の見込み、成功の可能性 prospect

潜在能力 potential


probability (プロバビリティー)は「見込み」「確率」の意味(旺文社1900)。数学の「確率」で probability が使われるので、もし確率ではない単なる「可能性」のことをいいたい場合は、別の言い回しが必要な場合もあるだろう。

関連語として、副詞 probably「たぶん」がある(旺文社、桐原)。

形容詞 probable (プロバブル)については

It is probable that ~  「たぶん~だ」

の意味(桐原4500、旺文社に似た和訳)。

対義語 impossible (インポッシブル)「不可能である」も覚えておきたい。


ほか、prospect は、何か良いことの起きる「見込み」、成功の可能性のこと。

「可能性」を意味する likelihood (ライクリフッド)という単語もある(旺文社1900巻末)。副詞 likely 「ありそうな」の名詞形である。


possible (ポッシブル)について、

It is possible that 人 to do

で「人が do するのは可能だ」の意味(桐原4500、東京書籍3000)。


capability (ケイパビリテイー)は「能力」である(桐原4500)。可能性は関係ない。

ability (アビリティー)は「能力」「才能」である(桐原4500)。可能性は関係ない。


「たぶん」を意味する副詞の maybe(メイビー) と perhaps(パハップス) と probably(プロバブリー) については、省略。書きたくない。

東京書籍3000が、ひとまとめで maybe や perhaps と probably を説明している。

東京書籍3000は紹介していないが、 likely (ライクリー)形容詞「ありそうな」、副詞「たぶん」という単語もある。


名詞および形容詞のpotential (ポテンシャル)は翻訳の都合で(名詞の場合なら)「可能性」と訳す場合もあるが、なるべく「潜在能力」 potential という訳で覚えましょう。

形容詞としての場合、「潜在的な」で potential を覚えましょう(桐原3000巻末)。

物理学の位置エネルギーのことを英語で potential と言いますので、科学的な専門用語でもあります。

桐原3000巻末のセンター試験特集によると、「潜在能力」などの意味ですが potential はセンター試験での出題をされた単語らしいです。

センター出題の背景事情として、ポテンシャルは物理学などで使う用語だという背景があります。

日本語でも、物理学の専門書などを見ると、普通に「ポテンシャルエネルギー」とか単に「ポテンシャル」などと言ったりもします。



計画

scheme, plan, project, schedule

~するつもり intend , plan


桐原4500 が scheme を「たくらみ」の意味だけ例文で紹介している。勘弁してほしい。

まず、旺文社1900 が例文で、政府の「新しい住宅供給計画」を The new housing scheme といってるように、比較的にきっちりとした計画のことである。

桐原・旺文社の単語集にもあるように schemeに「体系」とかの意味もあって、だからニュアンス的には、体系だった計画のような感じがある。

念のためジーニアス英和を見ると、scheme の意味として「政府の公共計画」、「会社の事業計画」などが挙げられている。

そして、そういう派生として、「陰謀」(旺文社)、「たくらみ」(桐原)を覚えるべきだろう。語源はともかく。暗記の負担を減らす理解としては、たとえば

陰謀は大規模・身の程知らず → 大規模な計画は scheme という → じゃあ陰謀も scheme でいいか

的な連想とかで覚えるのがラクかと。


高校生に語源の知識はいらないし、もし語源が「たくらみ」だというなら、そういう情報を先に教えるべきだし、念のためジーニアスで語源を見てもsdhemeの語源は『「形」が原義』とのことだし、あるいはもし有名大学が入試でscheme の「計画」の意味も出題せずにschemeの「たくらみ」を出題しているならその大学が批判されるべきだろう。


なので、ジーニアスもいってるように、scheme は plan よりも固い語である。


ジーニアス英和やセンチュリー英和にあるように 大綱とか図式とか、学問などの体系とか、教育体系とかも scheme という。

たとえばセンチュリー英和が教育体系なら an educational scheme だと言っている。


plan は「計画」をあらわす一般的な語(ジーニアス)。


project は、長期の「計画」を表す(東京書籍3000)。projectを「事業」「プロジェクト」などと訳す場合もある。東京書籍では「プロジェクト」という訳語を紹介している。


辞書では特にplan と project の違いは述べられていない。だが project の用例を見ると、橋やダムなど公共インフラの建設計画などがよく project で表現される。

「ダム建設の事業」 the project ro build the dam

である(東京書籍3000。センチュリーに似た例文)。


「橋の建設の事業」なら a project to build bridges である(ジーニアス)。

別に公共インフラでなくてもよく、ビルの建設計画でも良い。


なお、大規模な工事などを「計画する」という意味で動詞 project もある。アクセントが名詞と動詞とで異なる。

名詞は、プ「ラ」ジェクトの「ラ」にアクセントがある。なお、日本語では「プロジェクト」と書かれるが、英語ではどちらかというと「ロ」ではなく「ラ」であり、プロジェクトである(センチュリー、ジーニアス)。

動詞は、プロ「ジェ」クトの「ジェ」にアクセントがある。


学生などの研究課題も project という、


schedule は「予定表」「計画表」の意味(東京書籍3000、旺文社1200)。だが、「予定」「計画」の意味でも使われることがあるので、planなどとの区別は難しい。

on schedule で「予定通りに」の意味(旺文社、桐原3000)。

飛行機とか電車とかの運行が予定通りの場合は schedule を使う(東京書籍、桐原)。


ほか、忙しい場合の表現として、


I have a tight schedule next week. 「来週は予定がぎっしり詰まっている。」(東京書籍3000)

I have a busy schedule this week, 「私は今週、予定がぎっしり詰まっている。」(旺文社1200)

のように使う。

a train schedule 「列車の時刻表」(東京書籍3000、グランドセンチュリー)


他にも動詞「予定されている」 schedule の例文は単語集にあるが、著作権的に省略。単語集を買って読んで。


計画する plan , intend

動詞 intend to ~ 「~するつもり」は、計画だが、やや欲求・意思に重点を置いている。

動詞 plan は、計画性に重点を置いている。 plan to ~ は「~することを計画している」と訳すのが普通。(「~するつもり」ではなく)

plan a trip to Hawaii 「ハワイ旅行を計画する」(東書3000)

plan to go to Ireland 「アイルランドに行くことを計画する」(桐原4500)

進学などの予定は、intend も plan も使う。

Bob intends to learn karate in Japan.「ボブは日本で空手を習うつもりだ」(東書3000)

Most of these students intend to continue their education at university. 「ここの大半の生徒は大学へ進学するつもりだ」(桐原4500)


べつに進学や就職でなくても、

She intends to go to bed early tonight.「彼女は今晩早くねるつもり」(桐原1900)

Where do you intend to go to tomorrow? 「明日どこへ行くつもりだい」(ジーニアス)

のように intend は今日とか明日の予定でもいい。

名詞形は intention 「意図」である。単語集には例文は無し。高校レベルを超える。(いちおう、東書4500に「意図する」のintend の例文あり。)


ただ、どうしても「意図的」とか言いたい場合は、intentional とかintentinally みたいにその系統の語を使うのが安全そうである。

桐原5500 に deliberate 「意図的な」という語があるが(昔の上智大に出た単語らしい)、intention などとの使い分けが英和辞典を見ても言及されておらず、またネットで調べても情報が一致しない。あるサイトでは、欲求にしたがった意図だという主張もあれば、別のサイトでは熟考した上でも意図だという主張もあり、不一致である。


なお「配達」などの delivery とは語尾のvが違う。bとvの違い。

いちおう deliberate に「熟考した上での」という意味もあるが、しかし、あまり行儀のよろしくない行動にも deliberate の「意図的な」を使う例文もあるので(たとえば故意犯みたいな)。・

a deliberate insult 意図的な侮辱(ジーニアス)

the fire was stated deliberately その放火は意図的だった(グランドセンチュリー)

みたいな。

もちろん悪事だけでなく、良いことにもdeliberate を使ってよい。

a deliberate refusal よく考えた上での辞退(ジーニアス)



陰謀(主に「共謀」)

conspiracy


たくらむ

scheme


高校英語としては、陰謀で覚えるのは conspiracy と、あとはschemeで十分だろう。


ジーニアス和英辞典によると。「たくらむ」には、plot, conspire , scheme , contrive ,hatch がある。


これらの単語には、陰謀以外の意味で使われるものあり、

比較的に簡単な単語なら、

plot は、よく数学的なグラフに「点を打つ」とかの意味で使われる。

なんと高校の単語集には plot がない(桐原3000・4500・5500と東京書籍3000・4500を調べた)。点 point とか教えてるのに「点を打つ」plot がないとは、英語教育の界隈はどういう了見か。反省を願う。中学数学レベルの簡単な英単語も教えられないくせに conspiracy とか教えているのか。

一応、「x軸」 x-axis とか「y軸」y-axis とかは、検定教科書で見かける[14]

ジーニアス英和で plot を見ると、「(裏切りの)陰謀」「たくらみ」が最初の意味だが、なんだかなあ。いまどき plot なんて数学の座標で使うのが人生で最初だと思うが。

センチュリー英和の言うように、地図や図面などに位置を書き込むことがプロット。

なお、小説などの筋書きも plot といい、センチュリーはこの筋書きの意味をplotの名詞の項目で最初に紹介している(動詞のほうは、「たくらむ」だけ紹介)。

しかしセンチュリーのほうだと、動詞には、図面や地図に位置を書き込むことの動詞がない。

本当もう勘弁してほしい。英和辞典ともあろうものが中学校レベルの英語くらい書けないのか。


scheme は上述のような体系的な「計画」だし、

hatch は(鳥などが)「ひなからかえる」「卵からかえる」「卵をかえす」とかの意味。船などの昇降口のハッチ hatch とスペルが同じ。


contrive には、(ジーニアス英和によると)「考案する」・「うまくやりとげる」の意味もある。

conspire が、「共謀する」の意味。桐原5500でも、conspiracy の例文の主語が複数形になっているので、和訳には「陰謀」とあるが内容は「共謀」である。

ちなみに「陰謀」の名詞は、桐原5500が紹介しているのは、intrigue (イントリーグ)とconspiracy (コンスピラシー)である。

これだと意味が強すぎるので(政府転覆とか)、ちょっと何かをたくらんでいるぐらいの場合に、scheme とか plot とかを使うとよいのだろう。

ジーニアス英和で intrigue を調べてみたが、例文がなく、よくわからなかった。なお、名詞も動詞も intrigue である。



多様性

variety ,diversity


東京書籍4500は variety と diversity の違いの細かい説明をあきらめている。

diversity のほうが高尚な言い回し。

東京書籍の言うには、形容詞 variousが「いろいろ」「さまざま」。名詞 diversity が「多様性」である。

熟語 a variety of ~で「様々な」の意味(桐原4500)。


桐原4500および旺文社1900に至っては、そもそもdiversityの項目・ページではvarietyを紹介していない。


桐原4500 が「民族の多様性」 ethnic diversity という表現を使っている。

センチュリー英和がdiversityの項目で biological diversity 「生物学的多様性」という表現を使っている。

「生物多様性」のことを biodiversity または biological diversity という(旺文社1400)。

biodiversity は辞書(ジーニアス、センチュリー)に書いてある。

辞書のbio- の項目では、biological diversity は辞書では見つからなかった。


なお、ややこしいことに、diversity およびvariationには「差異」「相違」という意味もある。


和製英語のバライエティーおよにバリエーションは、やや意味が間違っている。

variation は、「差異」・「相違」・「変化」の意味(東京書籍4500および旺文社1900)。高校数学ではわかりづらいが、大学の数学で「変分法」という微分積分の発展的な分野のようなものがあって、これに variation という英語が相当している。( コトバンク『変分法』 )この変分計算では、関数中にある変数の代入値を少しだけ変化させたら関数がどう変化するかを考察しているので、英単語 variation の訳語のニュアンスに近い。

なお「微分」はdifferential、導関数はderivative なので、混同しないように(※ 大学受験に出ないので覚えなくて言い)。


桐原4500の例文にもあるが a diversity of ~ で「多種多様な~」の意味。 a diversity of wildlife で「多種多様な野生生物」と桐原4500が紹介。


なお余談だが、近年では国籍や性別(男・女のほかにも、さらにはLGBTなど)などの多様性のこともよく「ダイバーシティ」 diversity といい、よく人権などの関係した議論でこの用語護が出てくる。今後の公民科目などの範囲になるだろうから、本・英単語集のページでは深入りしない事にする。


十分・充分

sufficient ,adequate, enough

sufficient ⇔ deficient

適切である suit, be adequate for,


enough は形容詞にも副詞にも使われる。

sufficient と adequate は形容詞。

ジーニアス英和に、adequate の類語が sufficient , enough だと書いてあるが、ニュアンスの違いは見当たらなかった。

形容詞 sufficient 「十分な」は enough よりも固い語である。 だが、その用法だけではない。

強制ではないが、sufficient は、質・量ともに十分な場合に好まれて使われるニュアンスがある(センチュリー)。

一方、単に量が多い場合や、特に質が問われない場合などに enough を使うという、使い分けがある。

be sufficient to ~(動詞) 「~するのに十分である」

である(桐原、東京書籍)。

sufficient の名詞形は sufficiency 「十分足りること」である(桐原)。


対義語は insufficient 「不十分な」、または deficient 「不足した」(デフシュント)である(東京書籍)。

センチュリーいわく、sufficient では質も問われるニュアンスがあることも合わせれば、対義語との関係は、

(質・量とも)「十分な」sufficient ⇔ deficient(質・量が)「不足した」

である。


センチュリーの訳語を比較した範囲では、insufficient よりも deficient のほうが絶対量の不足という意味合いが強そうであった。そのためか、deficinet は「欠乏」と訳されることもある(センチュリー)。つまり deficient 「欠乏した」「不足した」などの意味である。

名詞形 deficiency 「不足」「欠乏」「欠陥」という単語もある(旺文社 deficit 項目、センチュリー)。

ほか、貿易赤字などの「赤字」は 名詞 deficit (デフィシット)である。

つまり、「赤字」 deficit である。

「貿易赤字」は a trade deficit である(旺文社、センチュリー)。


数学用語だが、「十分条件」は sufficient condition である(旺文社1400)。なお、「必要条件」は necessary condition である(旺文社1400)。


sufficient O(目的語) to V(動詞の原形)

で、「Vするのに十分な量のO」


~ be sufficient to V

で、「~はVするのに十分だ」


be adequate for ~ は、「~に十分な」とのことだが(東京書籍)、しかしジーニアスを見ても例文がなく、よく分からなかった。

be adequate for ~には「~するのに適している」の意味もある(桐原)。


「適切である」を言いたいなら、動詞 suit (スート)ひとつで足りるだろう。

たとえば

「このソフトウェアはプログラミングに適切です。」 This software suits programming.

のように(wikiオリジナルの例文)。

suit 自体は桐原4500・東京書籍4500・旺文社1900の3冊とも紹介しているのだが、

しかし「適切である」の例文は、東京書籍しか紹介していない。

しかも、待ち合わせの時間が「好都合である」の訳。

違う英文だが、

(待ち合わせの時間を聞かれた返事で)「金曜日が好都合です」 Friday suits me.

のような使い方(オリジナル。ジー二アスに似た例文。センチュリーに似た例文)。

桐原が紹介している例文は背広のスーツだし、旺文社のは「訴訟する」の suit である。



不足

lack , shortage

かつて受験英語などで「欠乏」lack ,「不足」shortageのような使い分けがあったが(実際、ネット検索するとそういう説明も出てくる)、しかしこの分け方は正しくない。なぜなら、英和辞典で lack の項目を見れば、単に不足している場合でも lack を使っているからだ。

lack と shortage の違いは、たとえば「同情に欠ける」とか「常識に欠ける」がlackである。

センチュリー英和を読むと形容詞 lacking の説明で、be lacking in common sense という例文で、「その学生は常識が足りない」という例文もある。

どうも、lack は、慣用句として、配慮が欠けている場合に使うのが英米では自然なのかもしれない。また、その言い回しが、配慮を欠けている事実自体を主張するおかにも、どうも不足の現状に対して非難や批判などのニュアンスも込めてlackが使われていそうである。



おそらく、辞書にあるlackの訳語の「欠乏」が間違っている。ジーニアスにもセンチュリーにも「欠乏」が書いてあるが、正しくは「欠如」(けつじょ)である。(ジーニアスに「欠如」が書いてある。)あるいは、辞書にはないが「欠落」あたりだろうか。欠乏の「乏」とは貧乏の「ぼう」である。

ジーニアスには、lackについて「十分にはないことをいう。まったくない場合はabsence」といっている。ジーニアスはせっかくここまで説明しておいて、なぜ「欠乏」という訳語を使い続けるのか。

欠席のことを be absent from (classなど)というが、上述のabsenceはその形容詞absentの名詞形。つまり、英語では「欠乏」と「欠席」とが同じ単語だという事。

absenceは、ゼロの状態だから、「ゼロでないけれど、大幅に足りない」みたいな表現には向かない。そういう深刻な不足を言いたい場合は、たとえば a serious shortage となるだろう。実際、センチュリ-のsortageの項目に例として a serious shortage (深刻な不足)や an acute shortage (深刻な不足)や a severe shortage (深刻な不足)などが 書いてある。


さて、食料やら金銭やらが物理的に足りない場合は、どちらでもいいが、辞書を見る限り shortage のほうがそういう物資の不足での例文が多い。

たとえば東京書籍4500にあるが water shortage である。

食料不足は、東京書籍4500では The shortage of foodだが、センチュリー英和では food shortage である。

労働者不足が the shortage of labors である(旺文社1400(簡単なほう))。

医師不足が a shortage of doctors である(桐原4500)。 冠詞 a と the の違いは文脈に応じただけのものなので、読者は気にしなくていい。


なお、lack は動詞の場合もある。

単語集を見ても、lackとshrtageの違いとか、書いてない。まったく。


直観と直感

intuitive(直観),


洞察

insight


英語というより日本語の問題なのだが、「直観」と「直感」では意味が違うので注意が必要である。

「直観」には、洞察力のようなニュアンスがある。

だから 直観の intuitive は、「直観的な」「直観力のある」などと訳す(東京書籍4500)。

名詞形 intuition だが、桐原5500の例文の和訳で(なお東大の過去問例文)「動物、中でも人間は起こりそうなことに関して鋭い直観力を発達させたと考えることができるだろう。」 We coudn't expect animals, especially humans, to have developed sharp intuitions about probably. とある。

英和辞典でintuitive などを見ても、ほとんど例文がないので(センチュリーには例文がなかった)、桐原のこの例文を学ぶのが良いだろう。

あるいは英和中辞典などを見れば例文があるのかもしれないが、さすがに高校英語でそこまでする必要はないだろう。

あと、東大は辞書を見ても満足に例文のない単語を大学入試に出しているわけだが、はてさて、見識が問われますなあ。まさか高校生に中辞典を買わせるつもりでもあるまいし。


もっとも、「洞察」「洞察力」については insight という別の専用の単語があり、普通に4500語レベルの単語集にある。


いっぽう、「直感」は、単なる勘に近い。和英辞典によれば、hunch とか scent が直感である。(高校の単語集にはない)

センチュリー英和によれば hunch は「虫の知らせ」で、口語のニュアンスがある。

scent には、名詞 scent には「勘」の意味もあるが、「臭い」とか「嗅覚」とか「香水」の意味なので、動詞scent には「かぎつける」の意味もある。

hunch も scent もこういうふうに口語っぽい内容なので、まあ単語集には出ないだろう。


そのほか、名詞 instinct (本能)にも「勘」の意味があるが、どちらかというとinstinctは「本能」で覚えたほうがいいだろう。


結果

consequence , result

辞書にはconsequenceでは「結果の重要性を意識している。resultより固い語」とか書かれるが、

だが、東京書籍4500にはconsequenceは「通例望ましくない内容について用いられる」と説明がある。

実際、センチュリー英和で例文を見れば 「戦争の結果」In the consequence of the warだとか

ジーニアス英和だが「結果として戦争になった」have grave consequence (「重大な結果をもたらず」※戦争の婉曲表現)とか、

あと形容詞だが「天候不順の結果の食糧危機」food shortage consequent on bad water とか、

そんな例文ばかりである。

どうやら consequenceは、結果の深刻性を感じてほしい的なニュアンスのようだ。

なお桐原4500および旺文社1900みても、そういうニュアンス説明は無い。



取得・獲得

acquire


acquire は、(技術・知識などを)(努力して)「得る」の意味。(東京書籍4500など)

典型的な例文で、

acquire a new skill 「新しいスキルを身につける」

がある(東京書籍4500。旺文社1400にも近い例文)。


「外国語を習得する」acquire foreign languages

という例文もよくある。(桐原4500。センチュリー英和aquireの項目)


辞書にはよくaquireの用法で「(知識などを)身につける」とあるが、しかし語学のようなレベルの「知識」である。


acquire には「習得」以外の用法もあって、

努力して大金や土地などを「獲得する」ことも acquire というが、単語集には例文がないので、説明を省略。桐原の単語集に「(努力して)獲得する」とだけ説明してあって、技術の習得の話をしてないのは、土地などの獲得を意識したものだろう。


「異国風」

exotic


形容詞 exotic (イグザティック)は、通例では、欧米人の目からみて「異国風」という意味であり(旺文社)、けっして単に異国風なだけでなく、加えて、めずらしくて面白かったり興味をひかれる性質のことである(ジーニアス、センチュリー)。

具体的にいうと、日本国内で言うなら、京都などの寺社は exotic だろう(特に出典は無い)。日本に存在していても、東京の高層ビル群などは exotic には写らないだろう。


日本語でもローマ字読みで「エキゾチック」と言う。日本でも、よく文学評論とか芸術評論とかで使われる単語なので、覚えておきたい。もっとも日本で「エキゾチック」と言う場合、東南アジアや中東やアフリカなどの観光的な光景なので、英語とは微妙にニュアンスが違うが。

さて英語では、動物や植物が「外来種」や「外国産」などの場合も exotic という。農産物だけでなく、言葉が外国由来の場合も exotic という。

旺文社の単語集で、動物園の例で exotic と言っているのは、そういうニュアンスもあるだろう。

桐原と東京書籍の単語集では、exotic が見当たらない。


辞書によると、「外国の」・「外国人」という意味もあるとのこと。言葉が外国由来の場合も exotic というので、それと関連づけて「外国人」なども覚えよう。


広さ

broad, vast


broad は、幅が「広い」。

典型的な例文が 「(道幅の)広い通り」 a broad street である(東京書籍4500および桐原4500)。

幅広い知識 a broad knowledge とか(ジーニアス)、「幅広い趣味」 a broad range of hobby とか(東京書籍4500)のように、物体以外の知的興味の広範さにもbroadを使う。

インターネットのブロードバンド broadband のブロードと同じ単語(東京書籍4500)。


vastは、面積が「広大な」である(東京書籍4500)。だが実際はセンチュリー英和では、ビル(建築物)や宇宙などもvastだとする例文を提示している。


broad の対義語は narrow 「狭い」。


体積が大きいのは huge 「巨大な」。(桐原4500。ジーニアス英和)


なお、「体積」は英語で volume である(旺文社1400、桐原4500)。volumeの意味は、「体積。容積。音のボリューム。本などの一巻。」の意味である。

turn the volume up で「音のボリュームを上げる」である(旺文社、東京)。

「音量を下げる」なら turn the volume down である(東京)。

コンテナの「容積」とかも、volume である(旺文社)。 the volume of the container 「コンテナの容積」である。


科学や工業などの「容積」「体積」でなくとも、たとえば「交通量」the volume of the traffic とか(東京書籍)、「ごみの量」the volume of garbage とかにも volume は使われる。


娯楽

amuse , entertain

センチュリー英和によれば amuse は笑わせる事などのような意味での「楽しませる」。

entertain は、知的な面白さに重点がある。

entertain でよくある例文が、話や音楽で聴衆を楽しませる系の例文(東京書籍4500およびセンチュリー英和)。

たとえば entertain the audience で「聴衆を楽しませる」(東京書籍)。


また、熟語 entertain A with B で「AをBで楽しませる」。

センチュリー英和によれば Now let me entertain you with music. で「それでは音楽でお楽しみください」。

entertain には、自宅で客を「もてなす」の意味もある。

よくある例文が、ホームパーティなどで友人をもてなす系。

entertain their friends at their home 「友人をパーティでもてなす」(東京書籍)

entertain our friends at a party 「自宅で友人をもてなす」(旺文社1400)


ただし、実際の例文を見ると、あまり違いは明確ではない。

名詞形のamusement もentertainment も、それぞれ「娯楽」の意味で使われる。


殺害

murder , kill

murder (マーダー)は「殺害する」の意味の動詞、および名詞としての用法では「殺人」一般の意味である。「殺人犯」はスペルが murderer (マーダラー)であり、スペルが微妙に違う。混同しないように。

「殺人未遂」は an attempt murder である(東京4500)。

「殺人事件」は a case of murder である。

なお、attempt は、困難なことを「試みる」という意味の動詞および名詞(東京書籍)。ジーニアスは、入念な計画と実施の必要な試みが attempt だと説明している。

名詞としての attempt は「試み」などと訳す。


典型的な例文で、

attempt to escape 「逃げようと試みる」

がある(東京書籍3000、桐原4500)。


脱走計画だとかそんなのだけでなく、ジーニアスいわく、エベレスト登頂の「試み」でも attempt とのこと。


90年代、かつて英語単語集に「massacre」(マサカ)という「大虐殺する」の意味の単語がよく載っていが、現代の単語州には無い。「まさか、人を殺すとは!?」という語呂合わせでよく紹介されてたものである。昔の単語集には、ちょくちょくコラム的にゴロ合わせなどが紹介されていた。

英和辞典(ジーニアス、センチュリー)で確認したところ、massacre に「大虐殺」の意味はあるが、一個人の「殺害する」のような意味は紹介されていない。語呂が不正確である。


しかし、近年に「虐殺」でよく目にするのは genocide である。ルワンダ虐殺とか、歴史的に名前が残っている事件の虐殺は genocide が普通であろう。検定教科書でもルワンダの虐殺について genocide という表記を行っている[15]

kill や killerとの違いは、killは人間以外のものにも使う。人だけでなく、動物や植物、虫、植物なども、それらを殺したり、あるいはそれらに殺されたりする場合に、killである。

たとえば「魚を殺す」 kill fish である(東京書籍1800)。

それどころか、交通事故などで「死ぬ」場合も kill である。

be killed in ~(戦争や事故など)で「~で死ぬ」の意味。典型的な例文が「大勢の人がその戦争で死んだ。」 Many people are killed in the war. である。(桐原3000と旺文社1200に似た例文あり)

killer については単語集にはないが、名詞として「殺人犯」や「殺すもの」の意味のほかにも、形容詞として「致命的な」の意味もあり、たとえば「致死的な病気」 a killer disease などの例文が典型的。



奪う・盗むなど

奪う

deprive


wikiオリジナルの例文だが、

The war deprived the children of the liberty. 「戦争が子供たちから自由を奪った。」

のように言う。


桐原4500に「戦争が、この子供たちからふつうの家庭生活を奪った。」 The war deprived these children of a normal home life.

とある。

旺文社1900では「軍隊が国民から自由を奪った。」 The military deprived the citizen of their liberty.

である。、

自由は別にliberty でなく freedom でもよく、たとえば東京書籍4500では、

「多くの子供たちが自由を奪われている」 A lot of children are deprived their freedom.

とある。

熟語 be deprived of~ で「~を奪われている」である(東京書籍4500)。

また、deprive A(人) of B で「A(人)からBを奪う」である(旺文社1900。桐原4500)。


盗む

rob , steal

動詞 rob は、ふつう、強盗とか 引ったくり とかスリに使う。スリかと思われる例文については、たとえば旺文社1900にある(電車で女性から財布を奪う例文)。

rob A(人) of B で「A(人)からBを奪う」である(桐原4500。東京書籍4500)。


東京書籍に典型的な例文「彼らは銀行強盗をした。」 They robbed the bank.

である。

派生語として、「強盗」 robber がある。「強盗事件」は robbery である(桐原4500。東京書籍4500)。


スペルの似ている rid という名詞・動詞があるが、「取り除く」の意味である。 熟語で get rid of ~ で「~を取り除く」である。


rob と rid は意味がまったく違うので、混同しないように注意。


なお、こっそりと者を盗む「泥棒」はthief (シーフ)である(桐原4500)。桐原3000を読めば、こっそり盗む者がthief であるし、ジーニアス英和の thief の項目にもそう書いてある。

なお、複数形は thieves である。ナイフの複数形の活用と同様。さすがにthiefの複数形を筆記で入試に出すのは瑣末すぎるので出題されないだろうが、まあ参考に。

こっそり「盗む」は steal である。桐原3000を読めば、stealの意味は「こっそりと」盗む、と書いてある。


なお、スペルの似ているsteel は「鋼」(はがね)。

さて、「盗む」stealの活用は、 steal - stole (過去形)- stolen (過去分詞)

である。

東京書籍4500の例文「泥棒が私のコンピュータを盗んだ。」 A thief stole my computer.

が典型的な例文であろう。

主語が被害者の場合、have ~ stolen になり、「~を盗まれる」の意味である。


典型的な例文

「私は自転車を盗まれた。」 I had my bicycle stolen.

がある。東京書籍4500と旺文社1400に、ほぼ同じ例文がある。


腕時計が盗まれるのも典型的で、センチュリー英和の桐原3000がそうであり、

「私は腕時計を盗まれた。」 I had my watch stolen.

である。


なお、ジーニアスにあるが、バーグラー burglar は「押し込みの夜盗」。センチュリ-によると、burglar は「(押し入り)強盗」。さすがにここまでは入試に出ないだろう。念のため桐原4500・5500と東京書籍4500を読んだが、もちろんバーグラー burglar は無い。


気づく

notice, realize, recognize, perceive


「きびしい」

harsh, strict, severe, rigid


realize は、和訳では「気づく」などと訳される場合もあるが、どちらかというと realize の意味は「認識を改める」である。

典型的な例文で、「彼は自身の過ちに気づいた。」 He realized his mistake.

みたいなのがある。

いっぽう、notice は単に、物事が目について「気づいた」という意味である。

なお、realize は英国では realise である。


なお、realize には(計画や夢などを)「実現する」という、まったく別の意味の用法もある。

たとえば「私の夢を実現する」なら realize my dream である(東京書籍4500)。あるいは realize my ambition である(旺文社1900)。


リアリティ reality という単語があるが、日本では小説や英語など創作物などの迫真性などのことをいうが、英語でもそのような創作物の評価における reality の用法はあるが(センチュリー英和で確認)、しかしもっと一般に「警官は彼が述べたことが真実かどうか疑った。」のような文章における「真実性」にも reality が使われる(センチュリー永和で確認)。

reality はけっして創作物に限った表現ではない。

旺文社1900では reality の意味を「現実(性)」としている。 実際、ジーニアス英和を確認すれば、そういう用法もあり、「人生のきびしい現実」みたいな例文でrality をジーニアスは使っている。

旺文社1900にも、harsh の項目で、a harsh reality 「厳しい現実」を紹介している。

なお、real と true の違いで、

true は主に話が「本当の」という意味で使う(東京書籍3000)。

いっぽう、real には、材質などが「本物の」という意味がある。

だから、real money 「本物のお金」とか、real diamond (本物のダイアモンド)などで使われる。


harsh「きびしい」(発音は「ハーシュ」)も、単語集に普通に書いてある。

気候が「きびしい」とか、批判や対応が「きびしい」などのことを harsh という。

東京書籍4500に a harsh winter 「寒さのきびしい冬」という例文がある。

旺文社1900に、harsh environment 「きびしい環境」と言う例文がある。

(桐原4500語レベルではなく、)桐原3000いわく、天候の場合は severe(シビア) でも「きびしい」を表現できる。東京書籍4500で確認したところ、批判の過酷な場合の「きびしい」でも severe を使うこともある。

harsh と severe のニュアンスの違いについては、特に書かれていない。


なお、規則などが厳格で「きびしい」と言いたい場合は strict である。


strict には、説明などが「厳密な」の意味もある。高校の分詞構文の単元で、

「厳密に言えば」 strictly speaking,

などを習うだろう。


ほか、形容詞 rigid (リジッド)でも「厳格な」を言える。単語集(旺文社1900、東京書籍4500、桐原5500)には、この厳格の用例が書いてある。

だが、それよりも物理学の「剛体」が rigid body として覚えたほうがいい。ジーニアスに、rigid は「剛体の」だと書いてある。

単に、「変形しづらい」みたいな意味での「固い」「堅い」のような意味が rigid である。

ジーニアスには、「変形しやすい」flexible の対義語であると紹介している。

規則の融通がきかないのが rigid だと、ジーニアスに書いてある。そういう意味である。

ほか、rigid には「顔がこわばった」「手足がこわばった」などの意味もある。

なお、rigid は発音注意の単語(旺文社)。

ほか、名詞形 rigidity 「厳格」「硬直」などの意味がある(旺文社、桐原5500、ジーニアス、センチュリー)。桐原だと「硬直」の意味が書いてないが、ジーニアスとセンチュリーの rigidity にしっかりと「硬直」が書いてある。


頑固オヤジみたいに「頑固な」「頑固である」と言いたい場合は stubborn (スタボーン)である(桐原、旺文社)。東京書籍は紹介してない。単語集にはないが、辞書で典型的な、「断固とした拒否(拒絶)」a stubborn refusal がある(ジーニアス、センチュリー)。そのほか、stubborn には軍隊などの(または軍隊などへの)抵抗が「不屈(ふくつ)の」という意味もある(ジーニアス)。


(厳格ではなく)「厳粛な」と言いたい場合は solemn だが(桐原5500)、あまり平易な例文が無い。

法律的な宣誓などが厳粛なことや、音楽などが荘厳なことまで、 solemn で表現できる(ジ-ニアス、センチュリー)。

「誓う」という意味の動詞 pledges(プレッジ)も、単なる約束 promise とは違い、厳粛 solemn に約束することであり、たとえば外交などの約束で使われる(旺文社1900の例文もそう、ジー二アスにもそういう例文あり)。その他、公約などで pledge 「約束する」を使う。または名詞として pledge には「公約」の意味もある。


※ ほか、批評が低評価で「厳しい」は damning (ダムニング)だが(センチュリー)、範囲外。


さて、virtual の話題。

ジーニアスを見れば、「仮想現実」 a virtual reality などの例文もある。

旺文社1900を見ると virtualの項目で、副詞 virtually 「事実上の」などもあるが、例文はない。東京書籍4500および桐原4500には例文は無い。桐原5500に副詞 virtually の例文あり、早大の過去問。

なお、桐原5500のviatually の項目いわく、「実質的には(≒practically)」「ほとんど(≒almost, as good as)」である。

念のため桐原3000および東京書籍3000を見たが、virtual などの紹介なし。

practical は「練習」 practiceの派生語。practice には「練習」のほか、理念・理論などの「実践」という意味がある。よって形容詞 practical には「実践的な」「実用的な」「現実的な」などの意味があり、よって副詞 practically には「実質的には」「実際的には」などのような意味がある。

余談だが、昨今、日本の芸能界では「リアリティ・ショー」などが問題になっているが、しかし英和辞典で見ると該当する単語は reality TV である(ジーニアス英和、センチュリー英和、の両方で確認)。


recognize は「気づく」などと訳される場合もあるが、どちらかというとrecognizeは「見分けがつく」という意味である。


「足音でジムだと気づいた」とか(ジーニアス英和)、「帽子でジェーンだと気づいた」(センチュリー英和)とか、そういうのがrecgnizeである。


センチュリーから例文を抜粋すると、

I recognized Jane by ~ で、「~でジェーンだと気づいた」

のようになる。


一応、recognize には、新政権の「承認」などの意味もある。

辞書によくあるのは、新政権やイスラエルなどが周辺諸国から承認 recognize を拒まれるという内容の例文。


自分の間違いを認めたり認めないのも recognize である。

ジーニアスの例文では間違いを認め、

「彼は自分の間違いを認めた」He recognized that he was wrong.

である。

センチュリーの例文では間違いを認めず、

「彼は自分の間違いをどうしても認めようとしなかった。」 He wouldn't recognize his mistake.

である。


桐原4500ではrecognize を「認識する」、旺文社1900ではrecognizeを「識別する」とあるが、上述のようなそういう意味である。


perceive 「気づく」について。

名詞形 perception が「知覚」の意味である。この名詞形を覚えるべきである。

「知覚」とは、たとえば桐原のperceive の例文に「ネコは色を知覚することができない」とあるように、そういう意味である。

旺文社と東京書籍は「気づく」の意味の perceive 例文を紹介しているが、桐原は「知覚する」の perceive 例文を紹介するスタンスである。

perception については「認識」の意味もあり、桐原・旺文社にも書いてあるが、しかし「知覚」を覚えれば連想できるだろう。一方、認識から知覚を連想するのは難しいだろう。東京書籍では、perceptionの「認識」は紹介しておらず、「知覚」だけしか紹介していない。このように、知覚のほうが、この語 perception の本質であろう。


  • cognitive 「認知の」


cognitive という形容詞があり、旺文社では「認知の」と紹介され、東京書籍では「認識の」「認知の」と紹介されるが、しかし辞書を見ても説明が少なく、よく分からない。桐原に至っては、cognitiveを紹介していない(桐原5500,桐原4500,桐原3000で確認)。 東京書籍でも、巻末で解説なしで、単語と例文だけの紹介である。しかし、旺文社1900での番号は 279/1900 と、かなり前半のほうである。


旺文社1900いわく「脳の認知機能」 the cognitive function of the brain

東京書籍4500いわく「認知能力」cognitive ability

らしい。

どうやら、cognitive は心理学または脳科学などの専門用語っぽいニュアンスのようだが、しかし英和辞典では確認できなかった(ジーニアス英和とセンチュリー英和を見た上で)。

旺文社いわく、「軽度認知障害」が、mild cognitive impairment (MCI)とのこと。


過酷な

terrible, severe, harsh

ひどい terrible, awful


terrible (テリブル)は翻訳の都合でときには「過酷な」と訳される場合もあるが(ジーニアス)、たとえば暑さがterribleなら「過酷な暑さ」と訳される場合もあるが、

しかし、very bad くらいが terrible のニュアンスである(ジーニアス)。

なので、 terrible は(程度が)「ひどい」と覚えるべきである。

実際、東京書籍4500も桐原3000も、 terrible の意味を「ひどい」としている。

東京書籍3000は「ひどい体験」をterrible な体験としている(著作権のため、本ページでは「体験」は和訳せず)。

こういうふうに使う。

ほか、副詞 terribly は、

たとえば

「とても疲れたよ」 I'm terribly tired.

のように(ジーニアスに同じ例文)、強調するのに使う。

実はよい方向を強調するのにも terribly は使う(ジーニアス、センチュリー)。 (著作権のため、本ページでは例文は紹介せず)


terrible は語そのものにveryのような強調の意味を含むので、terribleをveryで修飾できない。

同様に、delicious(とてもおいしい)、enormous(とても大きい)、huge(巨大な)、marvelous(すばらしい)、terrible(ひどい)、tremendous(ものすごい)、などの形容詞はveryでは修飾できない。これらの語を修飾するには、reallyやcompletelyなどを使う

名詞形 terror (テラー)は「恐怖」「テロ行為」という意味がある。

なので、terrible には「恐怖の」という意味もあるが、この場合は horrible (ホリブル)で表現するほうが誤解のおそれなく無難だろう。

名詞 territory (テリトリー)「領土」「なわばり」も覚えておきたい(桐原4500、東京書籍4500)。三省堂 CROWN I を見ると、もう高校1年で territory を教えている。動物などの「なわばり」も territory で表せる。

なお、「国境」は単に border で通じる。 American border みたいに、国名の形容詞のあとに border を言えば、それでアメリカ国境の意味になる。


severe と harsh は他の節で紹介したので省略。

「過酷な」と言いたい場合、まずは severe (シビア)の使用を検討するのがよいだろう。


痛みが「ひどい」場合は severe を使うほうが無難だろう。

a severe pain 「ひどい痛み」(ジーニアス和英)

である。


形容詞 awful (オーフル)「ひどい」は、悪い意味だけでなく、よい意味でも使われる(センチュリーで確認)。桐原3000語レベル、東京書籍4500語レベル。

よって、awful は terrible とほぼ同じ意味。

もともと名詞 awe が「畏敬」(いけい)の意味である。

だが、awful は、なんだか口語的に「ひどい」「すごい」「おそろしい」みたいな意味になってしまっている。


全体の

whole,total



思う

think, suppose


think は「思う」と中学で習うが、辞書で調べてみると、意外とthinkは確信の度合いが高い。

センチュリー英和なども解説しているが、「推測する」といいたい場合は、think ではなく suppose を使うのが適切である。

つまり、「推測する」は suppose である。

推測よりも、やや確信の度合いが高い程度の場合に think を使うのが適切である。

名詞 supposition で「仮定」の意味。


まったく意味の違う用法だが、熟語 be supposed to do で、「~(do)することになっている」の意味。

よくある例文は、「彼は7時にここに来ることになっていた。」の類。

He was supposed to come here at 7 o'clock.

である。だが、この過去形での「was supposed 」の文は、実際には彼は7時に来なかったことを含意している(ジーニアス英和より)。東京書籍4500に似たような例文があるが、しかし東京書籍4500では含意の件には触れていない。

センチュリー英和によると、be supposed to do は、「(慣習や法律などによって)...するものと考えられている。」とあるので、表面的な言い回しこそ控えめだが、実際の意図はやや強制的・義務的な主張のニュアンスが高そうである。

否定形 be not supposed to do にいたっては「~してはいけない」の意味である(東京書籍4500)。


証明・証拠

証明・証拠 proof ,demonstration

evidence 証拠

役所などの証明書 certificate

(裁判所などで)証言する testify (※高校必修範囲外だと思ったら、三省堂 CROWN I にあった)


proof には、「証明」「証拠」の2つの意味があるが、なるべく「証明」のほうで覚えるべきである。

なぜなら、数学の「証明」のことを proof というからである(ジーニアスで確認)。

私たちは、高校卒業後もなるべく教育レベルの高い外国人の英文を読むべきであろう。そして教育レベルの高い人ならば、外国の中学高校の数学は習得しているはずなので、よって外国人の彼らには証明を proof という習慣がついているはずである。外国の中学高校レベルの数学の用語も知らない頭の悪い外国人の英文なぞ、読むに値しない。

なお、動詞 prove は「証明する」の意味である。


evidence が、証拠のひとつひとつのことである。ジーニアスによれば、proofは「evidence を積み重ねた最終的な証拠」のことであるとされる。

だが、それよりも、proofは「証明」であると覚える方がよいだろう。

また、少なくとも日本の学問の世界では、個々の実験事実や個別の統計のような、個々の証拠のことは evidence というのが普通である。英語でどういうのか知らないが。

桐原の単語集にあるが、裁判などの「証拠」も「証言」も evidence である。英語では、「証言」と「証拠」を分けずに evidence という。

単語集にはないが、どうしても発言による「証言」であることを強調したい場合は verbal evidence という(ジーニアス英和で確認)。


ジーニアス英和辞典で確認すれば、「証人」すらも evidence である。


prove to be ~ で「~だと分かる。」「~となる。」「~と判明する。」である。

辞書の例文が、事業などが prove to be a success 「成功となる」またはprove to be successful 「成功となる」である(ジーニアスとセンチュリーの両方)。東京書籍4500の例文もこの類。

桐原4500だけ He was proved to be innocent 「彼は無実だと判明した」である。

旺文社1900には、 prove to be ~ の例文は無い。


実はデモンストレーション demonstration 「証明」の意味がある。

一般的には、英語では、行動によって意志を表したり、あるいは、たとえば新製品の実演販売みたいに実演などによって説明すること等を demonstration という。

集団などのデモ行進も、同じ demonstration である。

センチュリーの例文だが、戦争反対のデモなら demonstration against the war である。

一般に、demonstration against ~で「~反対のデモ」である。

だから東京書籍にある「新空港に反対するデモ」なら

demonstration against the new airport

である。

能力の証明なども demonstrate であり、東京書籍に紹介されている。

旺文社1900でしか説明していないが、感情をあらわにすることも demonstrate である。だが、感情のデモは例文もないので、深入りする必要はないだろう。


動詞形は demonstrate である。

ジーニアス和英を見ると、実はdemonstraite やdemonstration には「論証する」などの意味もあり、旺文社1900が紹介しているが、しかし桐原も東京書籍も「論証する」の意味は紹介していない。

センチュリーは、証明についてのdemonstration の意味は、論証ではなく「実証する」であると説明している。

ジーニアスの例文を見ると、「哲学的論理」の論証の例文である。

demonstrate が「論証する」と言っても、どうやら、数学のような論証ではないようだ。


仮定や論理的思考など


仮定する assume, suppose

当然と思う assume

仮定 assumption, supposition

仮説 hypothesis

前提 premise


推測 supposition

「推論する」 infer


仮説 hypothesis


動詞 assume は、「仮定する」「想定する」「決め付ける」などの意味。

共通するニュアンスは、ジーニアスいわく、明確な証拠がなくても想定すること。

名詞形が assumption である。


assume that ~ で「~だと思い込む」(桐原)または「~を当然のことだと思う」(旺文社)である。

たとえば、旺文社の例文「私たちは日本の列車がいつも定刻どおりに運行することを当然と思う」が assume that の例である。


ジーニアスによると、三段論法の「前提」などで、assumption が使われるとのこと。

このため論理的な議論ではassume や assumption が使われると思われるので、覚えておきたい単語である。


しかし、suppose にも「仮定する」の意味がある。

だが名詞形 supposition が「推測」の意味である。なので、suppose はどちらかというと「推測する」のニュアンスが強い。

桐原の単語集にはsuppose は「推測する」の意味しか書いてないが(東京書籍に至っては「思う」しかない)、しかしセンチュリーを見ればsupposeの意味として「推測する」のほかにも「仮定する」も書いてあるのが実態である。なお、旺文社1900でだけ、例文なしで「仮定する」の意味も紹介してえる。


「仮説」と「仮定」は違う。

「仮定」とは、たとえば「仮に○○だとしたら、□□は××になるはずだ」の前半「仮に○○だとしたら」のこと。仮に定めるので「仮定」というわけである。

一方、「仮説」とは、「~の原因は、□□が××だからだ。なぜならば(以下略)」という原因をとなえる主張のうち、まだ真実かどうかの評価が確定してない主張のこと。

「仮説」は英語で hypothesis である。

単語集の例文によると、科学者が立てたりするのが「仮説」である(旺文社、桐原、※ 東京書籍は少し特殊)。

辞書だと「仮定」の意味もあるが(ジーニアス、センチュリーで確認)、しかし単語集はどれも、それを採用していない。なんらかの事情があるのだろう。


「仮定」を言いたいなら assumption で済むし、高度な学問をするなら「仮定」と「仮説」は分離すべきであるし。


ともかく「仮説」は証明あるいは検証するためのものである。

「仮説を証明する」は prove a hypothesis である(旺文社、ジーニアス)。


なお「前提」 premise である(旺文社1900、鉄緑、辞書ジーニアス、辞書グランドセンチュリー)

東京書籍4500と桐原4500には載ってない。辞書を見ても例文は少ないので、説明は省略。


infer という動詞があり、事実や根拠などをもとに「推論する」という単語である。

infer that ◯◯(文節) from ~ で「~を根拠に◯◯だと推論する」という意味である。

桐原5500も旺文社も、infer の例文では from で根拠を提示している。


そもそも日本語の「推論する」というのは、事実や根拠をもとに推理・推測することだと、広辞苑(1992年)にも書いてある。

広辞苑の例文にも「事実から推論する。」とある。


ともかく、このように「推論」は根拠とともに使うべき単語である。

infer で推論する内容は、べつに学問的な内容である必要はなく、たとえば「彼女の沈黙から怒っているのだと察した」とか(ジーニアス)、そういうのでも構わない。

infer にはこのほか、「暗示する」(= imply )という単語もあるが、imply という「暗示する」の意味の単語で代用できるので、説明を省略する。


名詞形は inference 「推論」「推理」であり(旺文社)、推論するという行為(旺文社、ジーニアス)または推論の結果によって得られた結論のことを言う(センチュリー)。

by inference で「推論によって」(旺文社)、「推測によって」(センチュリー)である。


扱う

deal with ~, treat

対処する address, deal with

処理する cope with, handle

乗り切る cope with, 克服する overcome


treat は普通、厚遇する「扱う」の場合に使う。つまり、treatは「厚遇する」である。

ただし、和訳の都合で、「厚遇する」だと表現が硬くなる場合によく「扱う」と訳される。

だが、「扱う」で覚えてしまうと類似語とのニュアンスの違いが覚えづらくなってしまうので、treat は「厚遇する」で覚えよう。

治療の場合にも treat を使う。


deal with ~は、「~を処理する」「~を契約する」などの意味である。

典型的な例文が「苦情を処理する」 deal with complaints である(東京書籍4500。旺文社1900)。

ジーニアスで確認したところ、 deal with にも厚遇の用法もあるが、本ページでは触れないとする。


deal は「分配する」「配る」の意味である(東京書籍4500でも紹介)。

トランプなどの札を「配る」のが dealである。

だからトランプの札を配る人をディーラー dealer とも言う。


deal には「商取引」の意味もある。だから、ある種の商品の「販売人」「販売業者」のことを dealer とも言う。桐原4500が「販売業者」としている。ジーニアスは「販売人」。


同じスペル deal で 「量」の意味がある。

a good deal of ~ で「かなり多量の~」である(桐原4500)。

a great deal of ~ で「かなり多量の~」である(桐原4500)。東京書籍4500では、 a great deal of ~ で「非常にたくさんの~」としており、数えられない名詞に用いるとしている。

桐原の例文では、 a good deal of snow 「かなり多量の雪」、東京書籍の例文では a great deal of time 「たくさんの時間」、と訳している。


address には「対処する」の意味がある。だが単語集では、旺文社1900しか紹介していない。

address a problem 「問題に対処する」(旺文社)、「課題に対処する」(グランドセンチュリー)


ほか、addressには「演説する」の意味があり、桐原4500でしか紹介されていない。

address the nation 「国民に演説する」(桐原、ジーニアス)


cope withe は、(問題を)「処理する」、(難局などを)「乗り切る」の意味。

deal with と比べて、あまり cope with は聞かないが、しかしどの単語集にも書いてある、高校4500語レベルの単語である。


overcome 「打ち勝つ」「克服する」と比べて、cope with は、問題を片づける的なニュアンスが強い。

overcome は、片づけたことよりも、それを乗り越えた自分の心の成長に重点がある的なニュアンス。

典型的な cope の例文は、

cope with the problem 「問題を処理する」(東京書籍、旺文社、)


deal にはdeal with 「対処する」のほかにも、deal 「分配する」の意味もある。

下記で説明する。


分配・配分

distribute, deal

食料や出版物などを分配する場合、普通は distribute を使う(東京書籍4500)。東京書籍では「出版物」では「印刷物」としているが(例文でリーフレット leaflet を想定)、しかしトランプの札も印刷物であるので、このページでは「出版物」と表現した。

典型的な例文が

distribute food to the ~で「~に食料を配る」である。

辞書によっては「金を配る」場合もあり、その場合は

distribute money to the poor 「まずしい人に金を配る」である。(センチュリーを参考)

「子供たちにリーフレットを配る」なら、 distribute leaflets to the children となろうか(wikiオリジナル。東京書籍およびジーニアスの例文を参考に組み合わせ)。

東京書籍4500だけでなくセンチュリー英和でもリーフレット leaflets を配る例文である。


単語集にはないが、電気屋などで買えるテレビ信号などの分配器をよくよく見ると、ディストリビューターと言ったりしている。実際、ジーニアスで分配器 distributor である。

単語集にはないが、数学でいう確率分布などの「分布」も distribution である。しかし高校生に「確率分布」と言って通じづらい。

ジーニアスによれば、生物学などでの植物の「分布」も distribution である。高校生は植物のほうが覚えやすいだろう。


deal については「扱う」の項目で説明したとおり。トランプの札などを配ったりするのが deal である。

20世紀前半のアメリカの大不況についての「ニューディール政策」は、この配りなおしの意味だというのが辞書グランドセンチュリーの見解。


単語集には無いが、日本語で「自動車のディーラー」と言うが、その deal と同じ意味。辞書には、dealer のほうに書いてある(グランドセンチュリー)。ジーニアスだと dealership で調べれば書いてある。

自動車に限らず、dealer は「販売業者」のような意味。


比例

ratio, rate, proportion

3:2とか 4:7 とか、とにかく個別の比や比率のことは ratio (レイショウ)という。

そういった個別の比ではなく、たとえば数学で「AとBとは比例関係にある」のような「比例関係にある」のことを形容詞で proportional と言う。

名詞 proportion は比例関係。


そういうのではなく、たとえば利子率など何かの比率のことは rate (レイト)という。

なお、利子率や金利は interest rate という。ここでいうinterest は、「興味」の interest と同じスペル。

桐原4500によると、「失業率」は the unemployment rate である。

東京書籍4500によると、「出生率」は the birth rate である。


proportion には、全体の中で占める「割合」という意味もある。

桐原4500および旺文社1400に熟語 at any rate 「とにかく」が紹介されているが、例文は無い。


実際には ratio にも比例関係の意味があったり、proportion で個別の比に言及することもあるが、ニュアンス的には上記の感じのはず。


例文は省略。著作権的な問題をクリアできそうな典型的な例文が見つからなかったので、読者が単語集などで読者が自身で調べてほしい。


  • 合理的

rational,


「合理的な」は英語で rational である。これ単独だと覚えづらいが、実は比率 ratio と冒頭のスペルが同じだし、発音も「レイショウ」と「レショナル」でほぼ同じである。

なお、数学の「有理数」も rational number であり、同じスペルの rational である。

だからか和訳も気をきかしてか、有「理」数となっているわけであろう。(ここら辺の話題は、数学英語の専門書に書いてある、有名な話である。)明治時代あたりの数学者に感謝しよう。

そして、「有理数」とは、整数の比例で表される数のことである。(数学的な厳密性は置いておく。)

つまり欧米人の数学のできる人は、「合理的な」=「整数の比例の」が同じ単語であると認識しているわけである。

こうやって考えると、「比例」ratioさえ知っておけば、そこから「合理的」 rational も普通に覚えられる。

なお、「非合理な」は irrational である。

さて、rational でよくある例文は、「合理的な決断」a rational decision である。東京書籍4500と桐原4500の両方に、「合理的な決断」 a rational decision が書かれている。


ついでに、「自然数」は a natural number である。単語集には「自然数」は書かれていないが。

「実数」は a real number である。

「自然数」も「実数」も、英語または対応するドイツ語あたりを、日本語に直訳しただけである。


なお、「論理的な」は logical (ロジカル)である。「論理」が logic なので、それから覚えよう。


reasonable (リースナブル)と言う形容詞には、「理にかなった」という意味があるが、しかし「値段が手ごろな」という意味もあるので、使いどころが難しそうである。


出席

attend, present


形容詞 present は、「出席している」の意味もあるが、名詞形 presence に「存在感」の意味がある。

attend が、会議や授業などに「出席する」である。

典型的な例文が、attend the meeting 「会議に出席する」である(センチュリー、東京書籍4500)。

だが、attend school で、毎日規則的に「学校に通っている」の意味である(センチュリー、東京書籍4500)。


学校や教会に規則的に通うのは attend を使う。「教会に通う」の例文なら attend church である(センチュリー)。


授業の出席のattendの例文が、辞書でも単語集でも見つからない。

授業の出席については、present を使うのが安全だろう。

なので、辞書にはないが、どちらかというとattend は、出席するために「~に出ている」の意味ぐらいで解釈したほうがよいかもしれない。

名詞 attention が「注意」の意味である。attention が「注意」なのも、「注意を向かわせる」みたいな意味ぐらいで解釈したほうが、出席の「~に出ている」くらい

旺文社1900いわく、pay attention to ~で「~に注意を払う」である(なお、ここでのtoは(不定詞ではなく)前置詞の用法)。桐原によれば、attend to ~ともいう(toは前置詞としての用法)。

あまり attend と present の概念の違いがハッキリしていない。実務の際は、勤務先の業界の慣習などに任せて使い分けのが良いだろう。



寄付

donate, contribute

単語集を見てたら、「勘弁してほしいなあ」とあきれたが、contributeには「寄付」の意味もあるが、現代のIT社会では普通はcontributeは「貢献する」の意味である。

「寄付する」はdonateである。

しかも、単語集には、contributeの項目を見ても、donateについては書いてない。donateの項目を見ても、contributeについては書いてない。


たとえばwebサーバなどのよく使われるOSのLinux(リナックス)の場合、寄付以外にも多くの協力活動があって(テストに参加するとか)、そういう諸々の協力活動の全体のことを contribute と言っているのが普通である。

そして、その協力活動の中のひとつに寄付もあって、その寄付が donate という言い回しである。

実際、debian(デビアン) というLinuxの一種のwebサイトはそうである[16]

ページ"Contribute: How you can help Debian"の中に、下記のようにいくつも項目があって、

Contribute: How you can help Debian
    Coding and Maintaining Packages
    Testing and Bug Squashing
    Writing Documentation and Tagging Packages
    Translating and Localizing
    Helping other Users
    Organizing Events
    Donate Money, Hardware, or Bandwidth
    Use Debian
    How your Organization can support Debian

その項目のひとつとして"Donate Money, Hardware, or Bandwidth"があるという構成である。


もっとも、wikipediaのサーバを動かしているOSはDebianではなく Ubuntu(ウブントゥ)というイギリス製OSであるのだが、このUbunutの本家イギリス語版のwebサイトのページで寄付のページには contribute と書いてあるので[17]、contributeで寄付を意味しても間違いではない。


よく、医療で「血液ドナー」とか何かの提供者のことをドナーdonorというが(旺文社1900)、これもdonateの派生である。

なお、donor の発音はドウナーである。旺文社1900では発音の注意をしている。

なお、ジーニアスとセンチュリーで確認したところ、blood donor とは単なる「献血者」のこと。クルマの「献血車」にあらず。

ジーニアス英和によれば、ドナーカード donor card も英語でそのまま通じる。


なお、桐原3000の donor 項目いわく、「血液バンク」は a blood bank とのこと(桐原3000)。


なお、名詞形は donation 「寄付」である。

単語集によると、make a donation で「寄付する」である(東京書籍、桐原)。

make a donation to our school で「学校に寄付する」。

make a donation to church で「教会に寄付する」


donate で使う場合、ジーニアス英和に donate a money to Red cross 「赤十字に寄付する」という例文があった。

debianのサイトでも donate a money と言っているように、普通は 「donate a 金または金額」のパターンである。

実際、センチュリー英和では donate $1,000 to a charity 「慈善事業に千ドル寄付する」である。


contribute で金銭を寄付する場合でも同様、 「contribute 金額 to 相手」のパターンである(桐原、東京書籍)。

contributeの単語集が金額の例ばかりであるが、センチュリーによれば a money で寄付してもいい。

センチュリーいわく contribute a lot of money to church 「教会に多額の寄付をする」である。


contribute には、なにか望ましくないことの「一因になる」という意味もあり、たとえば「二酸化炭素は温暖化の一因になる」とか(旺文社)、「砂糖は虫歯の一因になる」とか(センチュリー)、「喫煙がガンの一因になる」とか(ジーニアス)。

良いことの一因になった場合にもcontributeを使うが、ただし和訳の際、普通は「寄与した」と訳すだろう。


闘争と努力 struggle, strive

努力する endeavor ,

不和と摩擦

strife, friction, conflict

紛争 strife, dispute

口論 quarrel, dispute

意見を戦わす dispute, tackle


「努力する」には、struggle と strive と endeavor があるが、高校生はまず struggle を覚えるのが良い。

strive だと、後述のように闘争の意味合いに解釈される可能性がある。


実際、単語集でも、struggle を先に紹介しており、strive はかなり後半で紹介する。


動詞 struggle は「もがく」「あがく」などの意味だが、「努力する」「奮闘する」のような意味もある。

病気や苦痛などから逃れるために「戦う」のような意味もある。


struggle to ~(動詞) で、「~するために努力する」である(東京書籍)。

struggle with ~ で「~と闘う」である。


struggle for ~で「~を求めて闘う」である。ジーニアスによれば、struggle for independence で「独立を求めて闘う」。旺文社によればstruggle for equal right で「平等権を求めて闘う」

名詞も struggle であり、「闘い」「努力」の意味である。

だが、生存競争を a struggle for existence という(旺文社1900にあり。ジーニアス、センチュリーで確認)。

あまり使い分け方ははっきりしないので、慣習に合わせるしかない。

単語集にはないが、権力闘争は a power struggle といったり(ジーニアス)、a struggle for power という(センチュリー)。


endeavor (エンデバー)は動詞で「~しようと努力する」、名詞では「(真剣で継続的な)努力」の意味だが(ジーニアス、センチュリー)、なぜか単語集には、あまり積極的に紹介されてない。endeavor は東京書籍では巻末おくりだし、桐原では5500おくりである。

アメリカの宇宙船の名前でエンデバーというのが昔あったので、特に悪い意味は無いだろう。

しかし、なぜだか、単語集はあまりエンデバーという単語を紹介していない。


動詞として使うときは endeavor to ~(動詞) 「~しようと努力する」

である(東京書籍、桐原、ジーニアス、センチュリー)。


strive という単語があり、これも「努力する」や「闘う」の意味である。桐原だと闘争の意味が書いてないが、東京書籍にきちんとstriveの「奮闘する」が書かれている。

これは比喩的な奮闘ではなく、後述するように名詞形で実際の戦争を扱う。

strive for ~で「~を目指して努力する」または「~を求めて努力する」の意味である。

旺文社1900には動詞 strive の項に、派生の名詞形 strife がスペルと和訳「争い」「不和」だけ紹介されている。

他の単語集には名詞形が書かれていないが、strive には実は派生の名詞形が2つあり、striving と strife である。

辞書にも、strife と strive の関係が書いてないが、明らかにstrife と strive はお互いに派生であろう。少なくとも旺文社1900は 名詞 strife は 動詞 strive の派生だという見解である。辞書のほうが頭悪い。

striving が「努力」の意味。 strife は「紛争」や「不和」など、ぶっそうな意味である。

辞書によると、政治闘争は a political strife である(ジーニアス、センチュリー)。

しかし、ジーニアスによれば、民族紛争などは conflict を使う場合もある。

山川出版の英語版・詳説世界史では自衛隊PKO派遣先の、いわば「紛争地帯」に相当する場所を conflict zone と言っている[18]

一方、センチュリーだと、「その二国間には紛争がある。」There is strife between the two countries.

とある。

ジーニアスによれば、家族紛争を a family strife という。

dispute には、「紛争」「口論」「議論」「意義を唱える」などの広い意味がある(桐原)。「意義を唱える」は旺文社の解釈。

「議論」を訳す場合でも、「議論を戦わす」のように(東京書籍、センチュリー)、意見の対立に主眼が置かれている。センチュリーにいたっては、感情的な対立があるとのニュアンスがあるとまで述べている。

だからか労働争議を a labor dispute ともいう(ジーニアス、センチュリー)。


いっぽう、単に意見や議論を戦わせるだけなら、動詞 tackle である(センチュリー、桐原)。ジーニアスにいたっては、tackle の意味で「戦う」の言葉は使わず、tackle は意見を「論じ合う」だとしている。

センチュリーは、「賃上げ(on a raise)をボスにかけあう」を動詞 tackle としている。文脈は違うが、旺文社でも「予算」がどうのこうのと、tackle で金を話をしている。

動詞としては tackle には「問題に取り組む」という用法もある(桐原、東京)。

典型的な例文は、

tackle the problem 「その問題に取り組む」

である(桐原、東京書籍)。

なお、tackle は、ラグビーなどの名詞「タックル」、動詞「タックルする」と同じ単語でもある。


肉体的な単なる「闘い」「闘う」は fight とか battle で良いだろう。


「不和」については friction 「摩擦」を使うも言い換えもある。物理学の「摩擦」 friction と同じ単語である。

「静止摩擦」は static friction である(旺文社1900の static 項目)。ジーニアス・センチュリーのstatic 項目では見つからなかったが、たしかに静止摩擦は static friction だたはずである。

なお、「静電気」は static electricity である(旺文社1900、ジーニアス static 項目、センチュリー static 項目)。


さて、friction の話題に戻る。東京書籍4500と桐原4500・5500には、friction が載っていない。旺文社1900にだけ friction がある。

外交の「不和」には、friction を使える(ジーニアス、センチュリー)。というか、英語で「貿易摩擦」を trade friction と言う(旺文社)。ジーニアス英和やセンチュリー英和で貿易摩擦を確認したかったが、見つからなかった。辞書でfriction で調べてもtradeで調べても、ジーニアスとセンチュリーでは見当たらない。

和英のほうでジーニアス和英を調べると、「貿易摩擦」は trade friction または trade conflict というとのこと。

外交の不和で strife を使うと戦争の恐れの高い不和だと誤解されかねないだろうから、貿易摩擦のようなお金の問題では friction で十分だろう。


さて、努力について、 effort という名詞があるが、しかしこれは名詞である。

なのでeffortで「努力する」と言いたい場合、東京書籍やジーニアスによれば make an effort のようになる。意外と難しい。

effort to ~(動詞)で「~するための努力」である。

東京書籍にあるが、make a great effort 「大変な努力をする」のように、great などの形容詞がつくこともある。


傾向 tendency, trend, inclination

角度が「傾く」 lean

流れ current , flow

「傾向がある」 tend(動詞), inclined (形容詞),

ミスなど好ましくないことをする傾向がある be liable to ~

その他、好ましくない傾向がある be prone to ~


センチュリー英和を見ると、trend と tendency の違いが説明されている。


tendencyは、たとえばセンチュリーにある「赤ん坊は空腹になると泣くものだ」とか「弱い母音は消失する傾向がある」のように、本来的に、何かのおきる傾向のあること。

trend は「流行」や現在の「趨勢」(すうせい)や「風潮」などの傾向。ジーニアスを見れば「趨勢」や「風潮」の意味も書いてある。

なお、衣服の流行は fashion である(東京書籍3000、桐原3000)。一応、ジーニアスには、衣服だけでなく文学や芸術の流行も fashion ということもあると書いてあるが、しかしセンチュリーは採用していない。

なお、mode も衣服の「流行」の意味であるが、現代では廃れている表現だとジーニアスはいっているし、桐原と東京書籍の単語集に mode は無い。

しかし、旺文社1900にmode があり、「方式」「形態」などの意味である。後述の「携帯」の誤字ではなく、確かに旺文社1900のmodeの項目に「形態」と書いてある。

旺文社1900の単語集は入試準拠なので、おそらく教科書にはないが入試によくある表現なのだろう。総数1900のうちの844番目にmodeがあった。

旺文社1900のいうmode関連の派生表現のひとつで、携帯電話の「マナーモード」は silent mode である。


ほか、物理学の弦の振動などの「モード」もこの単語だったと思うが、辞書には無いので不明(ジーニアスとセンチュリーの両方とも確認したが見つからなかった)。


さて、tendency の話題に戻る。

さきほど trend は「趨勢」や「風潮」だと言ったが、だがジーニアスによると、現在の株価の傾向などで(トレンド trend ではなく) tendency を用いている例文もあり、実際には使い分けは明確ではない。


tendency の動詞形は tend であり、「傾向がある」の意味。というか、動詞 tend の名詞形が tendency である。

tendの意味も、本来的に "~をする傾向がある" という意味での「傾向がある」である。

tend to ~(動詞)「~する傾向がある」の形でよく使われる。


ほかにも、 tendに「世話をする」という意味もあるが、だがこれは、名詞 tender「やさしさ」の動詞形だとみなすべきだろう。

ややこしいことに、動詞 tender は「提出する」「支払う」の意味である。だが単語集に動詞 tender がないので、無視しよう。


一方、trendについて。

センチュリーによれば、「新しい流行」 a new trend とか使う。

東京書籍に the current trend 「現在の流行」という例文もある。

東京書籍によれば、「最近は小型車が売れている」的な意味の流行も trend である。

また、旺文社によれば、「最近は高齢者には運転をやめさせるのが傾向である」というのも trend である。

旺文社の例文を考えれば、和訳が「傾向」であろうが、内容が最近の風潮なので、trendを使うのが正しいわけだ。


形容詞 trendy 「流行の先端を行く」の意味である。


角度が傾くのは lean 「傾く」です。

lean forward 「前方に傾く」(東京書籍4500、)、「前かがみになる」(旺文社1900)

The tower leaned a little to the west. 「その塔は西にすこし傾いている」(東京書籍およびグランドセンチュリーの文を改変)

いちおうlean にも傾向の意味もありますが、例文を紹介していません(桐原4500、旺文社)。なお、桐原は、tend と lean を類義語と考えており、同じページで紹介しています。

入試には出ないが、ジーニアスいわく、「共産主義に傾倒する」 lean toward communism とかの「傾倒する」も lean とのこと・

「傾倒する」という日本語を知っていると、なんか頭が良さそうですね。


「傾斜が急な」はsteep です。

a steep hill 「急な丘」(旺文社1900、グランドセンチュリー steep)

a steep slope 「急な坂」(桐原4500、グランドセンチュリー slope、ジーニアス slope、緑鉄)

なお、slope の単語としての項目紹介は、旺文社1200でしか見つかりませんでした。


数学のグラフなどの「傾き」「傾斜」も slope です(グランドセンチュリー、ジーニアス)。

こういう、slope は結構、数学では基本的な単語なのですが、しかし他の数学用語も日本の英語教育ではロクに紹介されません。


  • 「流れ」

current, flow

flow は「流れる」と言う意味の動詞だが、名詞では川などの「流れ」を言う。

current は、「流れている」という意味の形容詞だが、名詞では「海流」や「電流」などの「流れ」も言う。


川も海流も同じ水の流れなのに、なぜか使い分けをするのである。

東京書籍3000でも桐原3000でも、flowの例文で、川の流れを扱っているので、そういう単語だと納得してもらうしかない。

英語というのは、あまり論理的ではなく、慣習などで使い分けが決まっている部分もある。


東京書籍に書いてあるが、気体の流れも液体の流れも flow である。

普通科高校では習わないが、工業高校などで流量計などの機器を扱う際、その流量計を英語で「フローメータ」などという。また、その計器で測定する流れのことは普通は「フロー」flow と読んでいる。

風の流れや川の流れという言い方ではなく、わざわざ「気体」「液体」と東京書籍が言ってるのは、たぶん、そういう流量計などを見越しての表記だろう。

実際、ジーニアスを見てると、「液体・気体の流出量(流入量)」という意味もかかれている。東京書籍はおそらく英和辞典のflowのこういう意味を参考にしたと思われる。

さらっと「流量計」と言ってしまったが、流体力学では流出量も流入量も区別せず、まとめて「流量」(りゅうりょう)と呼び、それ(つまり「流量」)を flow と言うのである。

実際、ジーニアスでは、たとえば人口の「流入」もflow であるし、センチュリーでは(石油らしき)ガロン単位の液体の「流出」もflow である。

そのほか、お金の「流れ」については、経済学ではカレントもフローもどちらとも使う表現なので、深入りしない。

さらに混乱させるが、discharge 「解放する」・「釈放する」、「解雇する」「解任する」の意味の単語(東京書籍の巻末)にも、実は「流れる」の意味がある(ジーニアス)。「アマゾン川が大西洋に注いでいる」という例文で、discharge を使っており、ここでは flow into と同じだと、ジーニアスは言っている。

煙などの排出も discharge であり、いったい流出なのか流入なのか、はっきりしない。

専門用語などで flow と区別したい場合、discharge を使うこともある。

だから、たとえば流体力学で、理論値と実測値との違いの比率のことを discharge coefficient といい、よく「流量係数」とか「流量係数」とか言う。分野によって和訳が違うので、和訳は気にしなくていい。証拠に英語版ウィキペディアの記事 en:w:discharge coefficient (流出係数)があります。

あと、discharge には名詞の用法もある(ジーニアス)。東京書籍には動詞の用法「解放する」以下略しか書いてない。


そんなことよりも、「解放」「釈放」の意味を、液体の排出などと関連づけて覚えよう。なんか解き放たれて自由に動ける的なイメージが discharge である。

なお、日本でも、よく、解雇や解任のことを、比喩的に「自由の身」みたいとか「長い夏休み」みたいに言います。なので、そこから派生的に、discharge の複数の意味を把握できます。

洋の東西を問わず、人間の言語センスは似たようなもんです。(あるいは、もしかしたら日本人が英語discharge を真似たのかもしれません。)


「頭脳流出」は a brain drain という(旺文社1900、ジーニアス、センチュリー)。ややダジャレっぽい語感もするので真に受けるわけにはいかないが、drainの基本的な意味は「流出する」である。(なお、このように brain には「脳」の意味のほかにも「頭脳」の意味もある(桐原3000)。)

だが drain には、体力などを「消耗させる」という意味もある(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。

drain my strength 「体力を消耗させる」

である(センチュリー。ジーニアスに似た例文)。


体力が流出していくイメージか。

台所の「排水口」とかも名詞 drain である。屋内の下水などに向かって流出させる側の台所の排水口が drain である。

その他、排水管が drain である(ジーニアス)。


  • 傾向 tend, inclined

まず、tend は動詞。

inclined (インクラインド)は形容詞。

なので

be inclined to ~(動詞) で「~する傾向がある」

のように使う(旺文社1900、東京書籍4500)。

She is inclined to ~ 「彼女は ~ する傾向がある」


inclined to do を使いたい場合、be動詞が必要。


一方、tend は動詞なので、be動詞なしで、

tend to ~(動詞) 「~する傾向がある」

である。名詞形はtendency 「傾向」である。


実は動詞 incline (インクライン)「傾ける」という単語があって、「傾ける」「その気にさせる」の意味である(東京書籍)。

坂(slope)などの物理的な「傾き」やその角度なども 名詞 incline である(ジーニアス)。

桐原は inclined などは紹介していない(桐原4500および桐原5500を確認)。

単語集にはないが、「話を聞こうと耳を傾ける」incline my ear to ~ 、みたいな表現にも incline を使う(センチュリー)。というか、おそらくこの英語表現が先にあって、それに合わせて日本で「傾聴」みたいな表現が生まれた可能性。

また、このように incline には、好意などによって、「関心を向ける」のような意味もある。

このためか、名詞形 inclination (インクリネイション)には「傾向」の意味のほかにも、「好み」の意味もある(旺文社)。

ただし、必ずしも inclination は「好み」とは限らず、たとえば「彼は太りやすい」のような体質や(ジーニアス)、「この車は横滑りしやすい」とか(センチュリー)、そのほか性質や、性向なども inclination である(ジーニアス)。

どちらにせよ、とりあえず inclination の中心的な意味は「傾向」だと覚えておけば問題ないだろう。

単語集にはないが、坂や屋根などの物理的な「傾き」やその傾斜の角度なども inclination という(ジーニアス、センチュリー)。


liable (ライアブル)は、好ましくないことをする傾向や、好ましくない状態になりがちな傾向のある場合に使う(ジーニアス、センチュリーで確認)。なお旺文社では発音注意している。

和訳では liable は単に「~しがちである」と訳す場合があるが(桐原4500、旺文社1900)、「好ましくないことをする傾向」だという条件をしっかりと理解しておこう。、


be liable to ~(動詞の原型)で「~(ミスなどの行動)をしがちである」

のように訳す。

ほか、典型的な例文

be liable to illness 「病気にかかりがちである」(旺文社、ジーニアス)

がある。なおこの場合、to が不定詞ではなく名詞に対する前置詞に変わっている。


なお、「ミスをする」make a mistake

または

make mistakes

である。なお、桐原3000およびジーニアスでは、make a mistake 「間違える」と訳している。

なので、ともかく

be liable to make mistakes 「ミスをする傾向がある」

である(旺文社)。


形容詞 prone (プロウン)は、望ましくないことについて「~の傾向がある」の意味(ジーニアス、センチュリー)。

病気になりやすいとか、怒りやすいとか、そういうのも prone を使える。例文は辞書を見て(著作権の都合)。

単語集には、なぜか、望ましくないことに使う前提が書かれていない(旺文社、東京書籍の巻末)。なお、鉄緑単語集だと、ちゃんと『通例「悪い傾向・性質を示す』と書いてある(鉄緑)。


単語集にある典型的な例文は、

be prone to error 「間違いを起こしやすい」

である(旺文社、東京書籍の巻末)。

「病気になりがち」みたいなのも prone を使える(ジーニアス、鉄緑)。

She is prone to cold in the summer. 「彼女は夏でも風邪を引きがちだ」

みたいな。なお、ほかの病気でも prone を使い、鉄緑は「女性は男性よりも心の病にかかりやすいと言われている。」という例文。著作権のため例文の英語は省略。

旺文社は、

「病気にかかりやすい」 be prone to disease

を紹介(旺文社1900)。


なお、病気などに「感染しやすい」 susceptible という単語もあり、受験英語(旺文社、鉄緑)。東京書籍4500・桐原4500は susceptible の掲載を拒否。

なお、語幹の cept 「受ける」の意味。susceptible 「(影響を)受けやすい」という意味もある。「影響を受けやすい」→「病気の影響を受けやすい」→「感染しやすい」のように覚えよう。


細胞などにある「受容体」のことを receptor (レセプター)というが、cept はあれと同じ。高校生物でレセプターを習ってるかどうか、当ページ編集者は知らない。当wikiでは受容体は常識なので、いま覚えて。

※ なお、高校生物の受容体をあつかった単元『高等学校生物/生物I/生物の体内環境の維持#ホルモンの受容体』がある。

She is susceptible to colds. 「彼女は風を引きやすい。」(ジーニアスを改変)

She is susceptible to disease. 「彼女は病気にかかりやすい」(鉄緑を改変)

のように使う。


to は前置詞でもよく、動名詞 to でもよい。つまり、prone to の後ろにくるのは、名詞 でも 動詞の原型 でも良い。

earthquake-prone 「事故多発地域」の意味である(センチュリー、旺文社)。


mistake と error

ジーニアスによると、

mistake は不注意や勘違いによる間違い。

error は、計算の誤りや、裁判の誤審など。

・・・とのこと。


また、センチュリーいわく

「不注意な間違いをする」make a careless mistake

とのこと。

だから mistake は、「勘違い」とか(ジーニアス)、「誤解」「思い違い」とかで(ジーニアス、センチュリー)覚えたほうがいいかもしれない。

mistake を「誤り」「間違い」と訳しても間違いではない(ジーニアス、センチュリー)。そういう訳がジーニアスにもセンチュリーにもある。


上記の「しがちである」と合わせて、

She is prone to error when she has a cold. 「彼女は風邪をひいているときはマチガイを犯す傾向がある。」(東京書籍4500巻末を改変。元は「私」 I)



現在の

current , present, modern


current は、形容詞「現在の」が入試ではよく出るが、しかし名詞では「流れ」の意味である。

海流とか電流とかの流れにcurrentを使う。

東京書籍およびジーニアスが紹介しているが、「暖流」は a warm current である。

ついでにジーニアスが紹介している「寒流」は a cold current である。


current は、まず名詞「流れ」を覚えるべきであり、形容詞「現在の」はその派生として覚えるのが良いだろう。

ジーニアスで調べた語源でも、「走っている」→「流れている」→「現在通用している」というような意味の変遷らしい。


さて、current 関連の名詞として、単語集にはないが、電流の直流 D.C. とは direct current の略である。

交流 A.C. も Alternating current である(ジーニアスで確認)。


通貨はcurency (カレンシー)である。


単語集にはないが、国際的に安全な通貨のことを経済学ではハードカレンシーといい hard currency と書く。)

「現在の」を意味する形容詞には、current のほかにも present がある。

present は、たとえば英文法の「現在形」や「現在進行形」などの「現在」も present である。

「現在」のpresent と 「贈り物」の present とスペルも発音も同じである。また、「出席している」の形容詞 present と同じ単語である。


present と current のニュアンスの違いは、辞書では特に言及されてないが、current には「流通」や「通用」のような意味合いもあるというところだろうか。


  • 現代

modern と contemporary


なお、modern は、「近代の」「現代の」という意味であり、歴史的なニュアンスで使う。

modern も単語集にあるので、覚えよう。


単語集にないが、たとえば「近代文学」modern literature のように(センチュリーで確認)。なお、「現代」はmodern times という。


桐原4500にあるが、(科目名ではない意味での)「現代社会」は、modern society である。

動詞 modernize は「近代化する」「現代化する」の意味である(東京書籍4500および桐原4500)。


しかし、contemporary という単語も存在し「現代の」という意味であり、しかも、旺文社いわく「現代日本文学」は contemporary Japanese literature である。

東京書籍4500いわく、contemporary と modern の違いは単に、芸術様式の話題では contemporaryが「現代の」の意味で使われるとのこと。

だからか、東京書籍・桐原・旺文社の3つともすべてに単語 contemporary art 「現代美術」がある。


その他、contemporary には「同時代の」と言う意味もあり、東京書籍いわく、「ピカソとダリは同時代の人」という内容で、語法 be contemporary with ~ を使っている。


  • temporary

temporary は「一時的な」の意味の形容詞。

典型的な例文が

「一時的な仕事」 a temporary job

である(東京書籍、旺文社)。

なお、ジーニアスとセンチュリーでは、同じ a temporary job を「臨時の仕事」と訳している。

対義語は permanent である。

つまり、

temporary ⇔ permanent

である。

なお、いわゆる「アルバイト」は、英語で part-time job である(ジーニアス和英「アルバイト」で確認)。side job ともいう(ジーニアス和英)。

日本語の「パート主婦」のような、勤務時間の短い意味合いは、英語のpart time jobには無い。

そもそもアルバイトはドイツ語に由来する言い回しだし、しかもドイツ語では「仕事」という意味らしい(本書は英語の教科書なのでドイツ語には深入りしない)。


「永久歯」を permanent teeth という(ジーニアス、東京書籍)。

東京書籍いわく、「終身雇用」を a permanent job というとの事だが、しかしジーニアス英和やセンチュリー英和では確認できなかった。



強制

force, enforce, compel , oblige

義務

duty


抵抗と反逆 resist, rebel

引き渡す deliver, surrender


辞書によくあるcompel の典型的な例文が「病気のため仕方なく~せざるを得なかった」的な例文。こういうときにcompelを使うようである。

辞書によると、compel はforce よりも意味が弱く、oblige (オブライジ)よりも意味が強い、


普通、oblige (オブライジ)は「義務づける」と訳す。

単語集にはないが、思想の用語で「高貴たる者の義務と責任」と言う(英語ではなく)フランス語で noblesse oblige ノブレス・オブリジュ という単語があり、社会的エリートが兼ね備えるべき義務感のことを言う。


さて、英語では、名詞形 obligation が「義務」の意味。センチュリー英和で確認したが、法律的な「義務」も、道徳的な「義務」も obligation である。


桐原4500では obligationの意味に「義理」を加えて、「義務」「義理」がobligation だとしている。

旺文社1900では、 obligationの意味に「責任」を加えて、「義務」「責任」がobligation だとしている。まあ、「高貴なる者の義務と責任」が世界各国エリートの基礎教養なので、知的な英文ではそういうニュアンスで obligation が使われることも多いのだろう。

東京書籍4500 には、oblige の紹介は無い。

force は「強制する」の意味。

さて、「軍隊」「武力」も force である。

軍隊によって「~が強制された」という場合、どうすればいいのだろうか?

桐原4500では、force「強制する」の例文での「軍隊」を troop という単語で表現して、forceの同音意義語の問題をうまく回避している。

桐原の例文が「政府軍が反乱軍に降伏することを強制した。」と言う例文である。

なお「政府軍」は the government troops である。

反乱軍は the rebels である。なお、旺文社と鉄緑単語集が「反逆者」rebel として紹介(旺文社1900、鉄緑)。

桐原4500と東京書籍は rebel の掲載の拒否。おそらく resist で足りるという見解だろう。

なお、鉄緑単語集が、 rebel と resist のニュアンスの区別をつけるようなページ構成で、同一ページで紹介。


resist は、病気に対する抵抗力など、そういう場合にも使う(鉄緑)。

いっぽう rebel は、政府に対する反逆など、政治的・社会的な反逆のこと(旺文社、鉄緑、グランドセンチュリー)。

なお、protest「抗議する」である。混同しないように。


さて、単語集・辞書などで、よく反乱される対象は「政府」the government

rebel against the government 「政府に対して反乱を起こす」(ジーニアス、旺文社1900の語順を改変)

ほか、名詞形で「反乱」「謀反(むほん)」 rebellion である(旺文社、鉄緑)。


「降伏する」は動詞 surrender である(旺文社1900、東京書籍4500巻末)。なお、桐原4500は掲載の拒否。鉄緑では例文が無し。

surrender には(武器や陣地(要塞や城)などを)「引き渡す」という意味もある。

surrender the weapons to the police 「警察に武器を引き渡す」

surrender to the police 「警察に降伏する」

のように、to の先が降伏対象になる。

受験英語としては、先に「降伏する」を覚えたほうが、語法の前置詞 to の使い方を覚えやすいだろう。

降伏対象は必ずしも警察や軍隊などの公権力でなくてもよく、単に「敵」enemy に降伏する場合でも surrender を使う(旺文社、グランドセンチュリー)。

surrender to the enemy 「敵に降伏する」(旺文社1900、グランドセンチュリー)


辞書によくある例文では、降伏対象が「当局」authorities というのもある(ジーニアス、東京書籍)。

surrender to the authorities 「当局に降伏する」(東京書籍、ジーニアスに似た例文)


「配達する」などの意味をもつ動詞 deliver にも、受験範囲外だが「引き渡す」の用法がある。

これを覚えておくと、ほかの受験範囲の用法も覚えやすいので知ってもらいたい。


deliver で引き渡す相手は、降伏対象に城などを引き渡すのでも良いし、子などに財産を「引き渡す」のでも良い。

deliver the property to ~ 「~に財産を引き渡す」(ジーニアスを改変)

のようになる。(※ 著作権のため、末尾を改変。~の部分に息子なり娘なりの英単語を入れて使う)


辞書にある典型的な例文は、

deliver the message to him 「彼に伝言を伝える」(ジーニアス、グランドセンチュリーにそれぞれ似た例文)


ほか、deliver には「演説をする」の意味もあり、入試範囲である(桐原4500)。

deliver the speech 「スピーチをする」(桐原4500)

deliver the lecture 「講義をする」(グランドセンチュリー)


語感の -liver は、「自由にする」とかの意味で、

「手元から離れていく」→「配達、引き渡し」
「口元から離れていく」→「演説」

などのようにすると覚えやすいだろう。


なお、「配達する」の用法については、意外と例文を掲載している辞書・単語集が少ない。グランドセンチュリーしか、郵便配達の例文が無かった。

deliver the mail 「郵便を配達する」(グランドセンチュリー)


主語が配達員などで、配達先が不特定多数の場合、定冠詞 the を使わない用例も多い。

He delivers newspapers 「彼は新聞を配達する」(東京書籍4500を改変)

He delivers packages 「彼は小包を配達する」(旺文社1900)

なお、上記のように主語が三人称な事が多いので、動詞の末尾の三人称単数現在のsを忘れないように。


troop とか rebel とか、索引に無い単語ばかりである。

enforce は、強制一般の意味もあるが、法律によって強制する、というニュアンスがあり、例文もそういうのが多い。だがラグビーでエンフォースという用語がある。ラグビーの説明はしたくないので説明は省略。

センチュリーの英語によると、警察が市民に法を強制したりするのが enforce である。

桐原4500によると、法律を施行するのが enforce である。警官が法律を守らせる場合も、the police enforces the law のように、目的語は法律になる。

旺文社1900および東京書籍4500にも、似たような警官と法律の enforce 例文がある。


こういう事情もあってか、旺文社は1900はenforceの意味を「施行する」「実施する」としている。

桐原は、enforceの意味を「施行する」「遵守させる」としている。


なお、死刑執行で誰かを「処刑する」のは英語で execute (イクセキュート)である。

「死刑執行」「処刑」は execution である(桐原5500で「死刑執行」、旺文社1900)。

execute には、計画・命令などを実行したり、仕事を「成し遂げる」などの意味もある(ジーニアス、センチュリー)。ジーニアスによると「最後までやる」が原義のほうの意味とのこと。

処刑の意味は、処刑で「片付ける」的なニュアンスだろうか(特に言及されてはいない)。

summary execution で「即決処刑」である(ジーニアス)。 要約を意味する単語 summary には、形容詞として「略式の」という意味もある。


計画などの実行で使われるといっても、ただし、こういう固い語なので、技術の必要な難しい計画などの実行で使われるのが普通である(ジーニアス)。

また、このことからか、企業の重役のことをエグゼクティブ executive ともいう(旺文社、桐原5500)。executive には名詞「重役」の意味のほか、形容詞「経営上の」「行政杖の」などの意味もある(旺文社、桐原5500、ジーニアス、センチュリー)。

さて、「義務」「強制」概念の話にもどる。

義務教育も法律で強制されているが、しかし旺文社の例文によると、義務教育には oblige を使っている。

センチュリーを読んでたら、未成年の子供が起こした事故の弁償も oblige である。

桐原だと「大臣は半年に一度、報告書を提出することを義務づけられていた。」の義務づけが was obliged to send in a report である。

まあ、大臣はエリートだからだろう。

センチュリーで「世論の批判のため引退を余儀なくされた」の「余儀なく」もoblige である。まあ政治家という、国家権力者の一員たるものの義務と責任的な意味合いだろう。

しかし東京書籍4500は、compel の例文で「世論が大臣を辞職に追い込んだ。」を 使っており、センチュリーに反している。 まあ、とくに統一的な用法は無いのだろう。

なお桐原は、「その法律が雇い主に、(※ 社員の)健康保険を掛けることを強いる」をcompel としている。「(※ )」内はwikiでの追記。

単語集にはないが辞書によくある典型的な例文が、病気で「~を余儀なくされる」をcompelで表現することである。

センチュリー風に He was compelled by illness to ~なら「彼は病気で~を余儀なくされた」である。

ジーニアス風に His illness compelled him to ~ なら、直訳すれば「病気が彼に~することを余儀なくさせた」だが、無生物主語の和訳が高校の授業で嫌われるので、「彼は病気で」と訳す。英文学とかだと無生物の主語とか普通にあると思うし、普通の日本語でも文学・文芸でなくとも「病気が彼に~を余儀なくさせた」とか通じると思うし、なのに、かたくなに無生物主語の和訳を認めない高校英語教師や塾講師などはどういう了見なのだろうか。理解しがたい。


ジーニアスは、本人の納得の上で余儀なくされる場合を oblige といい、そうでない場合つまり「本人の意思に反してさせる場合はforce や make を用いる」としている。

しかし、ジーニアスの例文では、税金を払う義務も oblige としている。

判断基準が不明である。

やはり、高貴たる者の義務と責任を基準に考えるのが良いだろう。


  • 義務

duty, obligation

「義務」「義理」は英語で duty である。ジーニアスで確認したところ「義理」の意味もある。


on duty で「勤務時間中で」。

off duty で「勤務時間外で」


duty は、職務上の義務でも使われるが、道徳的な義務でも使われる。

その他、duty に「関税」の意味あり。桐原4500によれば、「ワインの関税」 duty on wine である。「免税店」は duty-off shop である。

obligation との違いとして、ジーニアスは obligation は「外的な事情から生じる義務」としているが、どうだろうか。ノブレス・オブリジとか、そうではないと思うが。


そう覚えるよりも do one's(myなど) duty で「~の義務を果たす」などの慣用表現で覚えるほうがよいと思う。なお、東京書籍4500と旺文社1900に、例文中に do one's duty がある。

obligation にはそういう平易な慣用表現は無いと思うので。



「分類する」

sort, classify

sort は、情報Iで習う、数値データなどの整列の「ソート」と同じ語であるが、しかし旺文社1900以外では、sortの「整列」の意味を紹介していない。また、例文も無い。辞書ですら、ジーニアスもグランドセンチュリーも、整列を紹介していない。所持しているジーニアスの版が古く1990年代のものなので最近の版ではどうか知らないが、グランドセンチュリーのほうは2017年の版なのに紹介していない。

※ なお、当の「情報I」科目のソート自体、実教出版の『情報I』でしか紹介されていない(他社の東京書籍や数研出版や日本文教出版などは紹介していない)。
※ あまり英語教育の界隈では、データの整列は出題されづらいのだろう。(ただし、理系の大学はどうか知らない。)大学入試の単語集を見ても、文科系の大学ばかり出題の過去例文を扱うので(東京理科大とか芝浦工大とかああいう私大の過去例文は、英単語集で紹介されづらい)、理系の出題傾向がどうなっているか分かりづらい。


さて、上記の「分類する」の使い分けは、あまりハッキリしない。

単語集の例文などを見ると、どうやら書店や図書館などで書籍を「分類する」は classify を使っているようだ。

旺文社では「本は作家の名前によって分類されている。」 The books are classified according to the author's name.

東京書籍では「本はテーマによって分類されている。」 The books are classified according to subject.

である。

ジーニアスでも、受動形でなく能動形でだが図書館での本の分類に classify を用いている。


なお、(英和ではなく和英辞典の)ジーニアス和英によると、ごみの「分別」は separate である。


sort には名詞で「種類」という意味もあり、ほぼ、「種類」の意味での kind と似た意味である。

a kind of ~ 「~の一種」の代わりに、a sort of ~ で「~の一種」と言う場合もある。

しかし、別の用法で sort of で「多少の」「いくらかの」という意味もあるので、文脈から判断すること。

class には「等級」と言う意味もあるので、「等級づけをする」なら classify のほうが望ましいだろう。


余談だが、classify には「機密の」の意味があって、旺文社1900で document を見ると、

leak classified document 「機密文書を漏洩する」

という例文もある。

動詞 leak は、液体や秘密などが「漏れる」とか「漏らす」の意味。東京書籍と桐原の3000語レベルにも4500語レベルにも書いてない。桐原5500に書いてある。 桐原5500の例文は秘密を「漏らす」ほうの内容。

なお、文書ではなく情報の「機密情報」については旺文社 leak を見ると、 a secret information と言っている。

桐原4500では、「機密情報」を confidential information と言っている(桐原4500のmake関係の熟語のmake use of ~ の項目)。


2010年にWikiリークという、各国政府などの機密情報をネット公開する海外サイトが世界的に話題になったからか、単語集では leak の例文が機密の漏洩ばかり。だが、もちろん液体などが漏れる場合にも普通に leak は使われる。

なお、wikibooksなど当wikiプロジェクトは、wikiリークとは全く別の組織。「wiki」とはソフト名の一種なので、まったく別の組織でも、wikiソフトを使っていると組織名がwikiなんとかと、似たような名称になることもある。

なおleakの名詞形は leakage であり、「漏れ」「漏出」「漏洩」の意味(旺文社1900)。だが、単語 leak 自体でも名詞の意味もあり、同じような「漏れ」という意味(桐原5500)。


「秘密」については、secret や classify の他に、confidence (カーンフィデンス)という単語もある。


だが、このconfidence は意味が「信頼」「自信」「確信」「秘密」と幅広い。

「信頼」と「自信」と「確信」については和訳でも同じ「信」の文字があるから、まあ連想できるとして(信頼の対象が自己になれば「自信」。「確信」とは、信じている自分への自信。など)、問題は「秘密」である。

信頼しあっている間柄での秘密、的なイメージで覚えるのが良いだろう。


形容詞 confidential の意味なら「内密の」というのがセンチュリー和英にもある。

だが、名詞の「秘密」のことを「内密」とは言わないので、confidence は「秘密」と訳すしかない。辞書もそうなっている。

ジーニアスによれば、「秘密文書」は confidential documents とのこと。



確認

check, confirm , confident

check が「チェックする」である。


硬い態度など

firm「確固たる」, rigid「厳格な」, stubborn 「頑固な」、stiff(肩などが)「硬直した」、


英語のチェック check はいろんな意味で使われ、意外と難しいので、日本語でそのまま「チェックする」と意味を覚えてしまうのが良い。東京書籍1800の単語集を見ても、checkの意味の説明で「チェックする」とそのまま書いてある。

check は「確認する」ことにも使われるし、確認したことを証拠に残すためのチェックマーク( ✓ )の記述にも使われるし、「点検する」ことにも使われるし、「照合する」にも使われるし、チェスの王手(いわゆるチェックメイト)にも使われる。このように意外と難しいからか、桐原4500では4500レベルとしてcheckを紹介している。

confirm が「確認する」「身元を証明する」である。(東京書籍4500)


なお、別の語で firm という語には「断固とした」「確固たる」の意味がある(旺文社1900、東京書籍4500)。

比較的に悪い意味は無く、

firm muscles 「引き締まった筋肉」(東京書籍4500、ジーニアス)

のように、形を変える柔軟さをもった場合にも使います(グランドセンチュリー、東京書籍4500)。

ほか、

a firm belief 「硬い信念」(東京書籍4500、ジーニアス)

a firm decision 「ゆるぎなき決定」「確固たる決定」(旺文社1900、ジーニアス)


です。

「頑固な」 stubborn (スタボーン)とか、(肩などが)「硬直した」stiff とはニュアンスが違います。

形容詞 rigid (リジッド)は「厳格な」です。


別のまとめで、「きびしい」harsh, strict, severe, rigid を説明しているので、そちらも参考にしてください。


「会社」や「商店」などの名詞 firm と同じ発音の語です(旺文社、桐原4500)。

a law firm 「法律事務所」(旺文社、グランドセンチュリー、)

なお、a law firm は米語です。


チェックについては、チェックリスト check list が英語にもあることを知るべきだろうか。


工場労働など屋内での社会人の点検業務では、可能なかぎり、忘れのないように点検内容を一覧表の list リストにして、それにチェックマーク( ✓ )を入れることで漏らさずにチェックをするという方法がある。

なお、チェックマークを入れるための視覚欄(大きめな □ )のことを、チェックボックス check box といい、これも英語にある(ジーニアスで確認)。

こういうチェックリストやチェックボックスの存在を知っていれば、check の「点検する」や「照合する」の意味も覚えやすいだろう。 語学の勉強というのは、こういうふうに英語以外のビジネス知識なども必要なのである。

checkを「チェックする」と覚えればいいと言ったものの、ただし上述のチェックボックスやチェックリストのように、仕事でも知的な仕事なら check という英語は使うので、覚えておく必要があるだろう。


桐原4500では、「医者が患者の血圧を調べる」という内容の例文でチェック check を使っている。check はそういう専門性の高い用途にも耐えうる単語でもある。

ほか、小切手も check といい、同じスペルだが、説明を省略する。ホテルなどのチェックイン check in , チェックアウト check out も同じ単語だが、説明を省略する。


IT系でも、よく会員制webサイトの登録画面などで説明書きを読んだか確認するためのチェックボックスが、海外サイトではよく使われる。


社会人になって就職するなどして、品質検査の方法などを習っていないので、あまり「チェックとは何か?」とか深入りしても、埒(らち)が あかない。


confirm は、高校生には馴染みがないかもしれないが、IT系では意外とよく、会員制webサイトのパスワード登録の画面などとして、海外サイトではよく使われる。

身元証明の典型的な例文で、誰々の「身元を証明する」という例文があり、

たとえば東京書籍4500では

「彼女の身元を証明する」confirm her identity

がある。

旺文社の例文を少し改造して(「郵便局員が私の身元を確認した」という内容)、「彼が私の身元を確認した」なら He confirmed my identity

となるだろう。


「裏づける」の典型な例文が、裁判などでの「新たな証拠が彼の話を裏づけた」であり、東京書籍によれば、

「新たな証拠が彼の話を裏づけた」 The new evidence confirmed his story. である。

桐原4500にも、現在完了形であるが、ほぼ同じ英文がある。


confirm の名詞形は confirmation である。旺文社1900にだけ紹介されている(桐原4500と東京書籍4500はconfirmationを紹介していない)。


confident については、別の項目で説明した。confidence は意味が「信頼」「自信」「確信」「秘密」と幅広い。 単語集に共通の例文が見当たらないので、辞書などを購入して読んでほしい。


  • 検査

なお、和英辞典で「検査」を見ると、testやinspectなど色々な単語がある。

testはどちらかというと「試験」である。

血液検査が blood test であり、聴力検査が hearing test だし、日本語では「検査」でも英語では test だったりする場合もある。

「テスト」と聞いて、日本の学校の学力試験しか思いつかないのなら、改めよう。英語では普通に、医療や工業などの検査でも test は使われるからである。


inspect は、査察官や検閲官をinsepector と言うので、そういうニュアンスもあるので、検閲・査察のニュアンスが強く、日本の「検査」には1対1には対応しない。

東京書籍と桐原の単語集には inspect がないので、気にしなくていい。米英の行政の事情を知らないと inspector などは理解できないだろう。日本の高校生には不要な知識であろう。inspector という、そういう高校で習わない行政用語があるという事だけを知っておけば十分だろう。

なお、実は旺文社1900に inspect と inspector がある。inspector には「検査官」の意味のほか、「警部」の意味もあるとのこと。

だが、そもそも、英語の文脈においける「警部」とは何かという問題がある。ジーニアスでinspectorを見ると、米では「警視正」、英では「警部」とのこと。まあ、警察組織の現場職での上のほうの人、ぐらいの意味だろうか。


なお、「捜査員」は investigator である。これだけだと難しそうだが、米国のFBIこと「連邦捜査局」が the Federal Bureau Investigation である(旺文社)。緑鉄も略語だけだが「FBI」を例文で使っている。「FBIくらい、知っておいてよ」という受験業界の意志がありそう。


「捜査する」は investigate である。

典型的な例文が

「警察がその殺人事件を捜査している。」 The police are investigating the murder.

である(桐原、ジーニアス)。緑鉄も殺人事件の捜査の例文。

なお

serial murder 「連続殺人」(緑鉄単語集)

である。

形容詞 serial 「連続した」 シリアル、またはシアリアルと読む。

名詞 murder 「殺人」「事件」 マーダーと読む

である。

なお、case 「事件」という単語もある。

受験範囲外だが、murderer (マーダラ)「殺人者」

つまり、murder (マーダー)に殺人者の意味は無い。


「穀物」 cereal (シアリアル)

とは別の単語(緑鉄単語集、旺文社1900)。


「穀物」とは、小麦(wheat)、大麦(barley)、カラスムギ(oats)、米(rice)など

「穀物加工食品」いわゆる「シリアル」)も同じ cereal である(旺文社1900、緑鉄)。


コーンフレーク cornflakes やオートミール oatmeal などのアレ(辞書ジーニアス、辞書グランドセンチュリーで確認)。

さて、federal (フェデラル)は形容詞としては「連邦の」という意味であり、名詞としては「連邦」の意味である(ジー二アス)。


もうひとつの典型的な例文が、

「警察がその自動車事故の原因を調査している。」 The police are investigating the cause of the car accident.

である(東京書籍、センチュリー)。事故なので、捜査ではなく「調査」。東京書籍でも「調査」になっているし、センチュリーでは「調べている」としている。


なお、「探偵」と「刑事」は detective である。英語では、「探偵」と「刑事」が同じ単語なのである。

動詞 detect の意味は、東京書籍いわく、何か見つけづらいものを「探知」「発見する」などの意味である。センチュリーいわく、隠されているものや悪事などを見つける場合に使うことが多いとのこと。


単語集にはないが、「探知機」が detector である(ジーニアスで確認できる)。ジーニアスいわく、金属探知機は a metal detector である。

この例のように、 detect で発見するのは別に犯罪事件の犯人でなくてもよく、たとえば桐原の例文では病院でのガン(癌) cancer を「発見する」ことを detect としている。

センチュリーいわく「ガス漏れを見つける」は detect a gas leak である。


センチュリーいわく、嘘を見破るのも detect である。東京書籍いわく、「スパイを見破る」は detect a spy とのこと。


locate という「位置する」と言う意味の動詞がある。名詞形 location が「位置」 の意味である。

この locate には、なにかの場所を「突き止める」という意味もある。

東京書籍が detect の単語の次に、locateの例文で「アジトを突き止める」を紹介しているが、著作権の都合があるので本ページでは紹介しない。

なお、アジトは a safe house である(東京書籍)。またアジトとは、犯罪組織や反乱組織などの「隠れ家」のこと。


なお、「隠れる」は hide である。

太陽が雲に「隠れる」みたいな平和的な「隠れる」も、犯人が「隠れる」も、 hide である(センチュリーで確認)。

「太陽が雲に隠れる」 The sun is hidden by clouds

である(ジーニアスとセンチュリーに、ほぼ同じ例文)。

なお、「隠れ家」「隠れ場所」には、hide-out という言い方もある(ジーニアスいわく「隠れ場所」)。旺文社では hide-out を「隠れ家」「潜伏場所」と紹介。

hide の活用は

hide - hid - hidden/hid

である。


さて、conceal という、「隠す」という意味の単語があり、物や秘密を「隠す」場合に使われる。

辞書を見た限り、conceal には、人が隠れるような用法はない。

単語集を見ると、conceal の例文で、感情を「隠す」ような例文もあれば(旺文社)、爆弾が「隠されていた」という例文もある(桐原)。


隠された秘密を「暴く」のは

reveal や uncover がある。


暴露(ばくろ)

reveal, uncover, disclose


reveal は、意図的に秘密を暴いた場合のほかにも、不注意などで秘密が漏れた場合にも用いる。旺文社の例文も秘密が漏れた場合である。

名詞形 revelation である。

よくある例文は、

「真相を明らかにする」 reveal the truth

である(東京書籍に和訳・英文とも同じ文。センチュリーでは「真相を漏らす」と訳)。


そのほか、単語集にはないが、物理的に隠れているなどして見えなかったものが見えるよう現れる事も reveal というが、単語集にないので無視する。


なお、光や危険などに「暴露する」ことは expose である(桐原)。

暴露(ばくろ)は「ばくろ」と読む。「ぼうろ」(×)ではない。


disclose

意図的に秘密を暴いたり、あるいは自分や自組織の秘密を公表したりする場合は、 disclose のほうが適切かもしれない。

固い言い回しなので、暴露や公表や自白などの対象となる秘密は、たとえばセンチュリーでは「彼はスパイであったこと」だとか、「その男の正体」だとか、 あるいはジーニアスでは「真実を新聞に暴露する」とか、なんかそんな感じの秘密ばかりである。


名詞形「公開」「暴露」は disclosure である。

「情報公開」は disclosure of information である(ジーニアス、旺文社)。

東京書籍4500および桐原4500には disclose が無い。


uncover

「真相を明らかにする」 uncover the truth

のように使う(東京書籍)。桐原4500には例文なし。東京書籍は巻末おくりなので、解説なし。

uncover の語源は、見れば分かると思うが「カバーを取る」である(ジーニアスで確認)。

なので、単語集にはないが、容器などの「フタを取る」も uncover である(ジーニアス、センチュリーで確認)。

そして単語集(旺文社)にあるが、遺跡などを発掘するのも uncover である(旺文社)。遺跡を埋めている土などをフタに見立てて覚えよう。



不安

anxiety, alarm, dread

恐怖 fear、 horror, dread


料金 fare , fee ,charge

保険料 premium

経費 expense

警報 alarm

警戒 alert

警告 warning, caution


旺文社1900によると、alarm の出題番号が549 で、alarm が「不安」「恐れ」を第一義で紹介されており、anxiety (「不安」「心配」)の形容詞 anxious の583番よりも alarm のほうが早い。

勘弁してほしい。

まずalarm は普通、警報器のことである。実際、東京書籍3000では、alarm は「警報器」「目覚まし時計」の意味でしか紹介していない。

桐原4500ですら、「驚き」「恐怖」の意味を紹介しているが、しかしalarmの第一義はあくまで「警報(器)」というのが桐原のスタンスである。


とはいえ、旺文社は大学入試の出題順に紹介しているだけである。つまり、日本の大学入試がロクでもないのだろう。

なお、ジーニアスによると、alarm の第一義は「驚き」「恐怖」である。なお、語源はイタリア語の「武器を取れ」all'armeである。

なるほど、alarm アラームの語尾 -arm が「武器」 arm と同じわけである。

現代では、普通、「驚いた」は be surprised at などを使うだろう。

どうしても「驚き」「恐怖」の意味で使いたいなら、死の恐怖のある文脈で使うと、頭良さそうに見えると思う。

ジーニアスの例文でも、「シカは驚いて逃げていった」の例文で in alarm という用法を使っている。狩人や肉食動物などによる死の恐怖を感じたシカ的な用法。

しかし、ジーニアスによれば、恐怖の意味での alarm は「fear より固い語」である。


fear (フィエア)は「恐怖」「不安」である。まずfear は「恐怖」で覚えよう。4500語レベルではなく、桐原3000と旺文社1400にfearはある。あと東京書籍4500。

典型的な例文が、「高所恐怖症です」であり、ジーニアスと東京書籍にそういう例文がある。

I have a fear of heights. 「私は高所恐怖症だ。」

である。

単語集にはないが、辞書によくある例文が「恐怖で顔が真っ青になる」であり、

turn pale with fear 「恐怖で顔が真っ青になる」

である。センチュリーが pale (ぺイル)である。

ジーニアスだと、white を使い、

turn white with fear 「恐怖で顔が真っ青になる」

である。

なお、形容詞 fearful で「恐ろしい」「恐れている」の意味。


なお、horror で、戦場での死の恐怖も表現できる。日本語の「ホラー」のような幽霊やら悪魔などのオカルト限定のような制限は無い。


dread (ドレッド)は、「ひどく怖がる」「ひどく恐れる」のような意味。fearよりも、dread は恐れる度合いが強い(ジーニアス、グランドセンチュリー)。

旺文社いわく、発音注意。「ドレッド」である。

(※ 範囲外)発音およびスペル的には、髪型のドレッドヘア dreadlocks とか、戦艦のドレッドノート級 (弩級戦艦) dreadnought ,dreadnaught とかのdreadと同じスペル(語源がどうかは知らない)。


形容詞 dreadful 「ひどい」「おそろしい」の意味。

horrible などとの類義語であり(グランドセンチュリー)、区別は難しそうである。

なお、鉄緑は fearful を類義語としている。



料金 fare , fee ,charge

fear とスペルの似ている fare(フェア) は「運賃」「なりゆき」であり、意味がまったく違う。

「運賃」、言い換えれば「乗り物の料金」が fare である。医師や弁護士などの料金は fee である(旺文社1400)。

「電車の運賃」a train fare である(旺文社1400、桐原4500、東京書籍4500巻末)。「電車賃」と和訳しても良い(桐原4500)。「列車の運賃」でも良い(東京書籍4500巻末)。なお、文脈に応じて複数形 train fares にしても良い(東京書籍4500巻末)。

単語集だと「電車」ばかりだが、別にバス料金でもタクシー料金でも良い。「料金」でなく「運賃」で訳してもいい。つまり、

a bus fare 「バス料金」「バス運賃」(旺文社1400、ジーニアス、グランドセンチュリー)
a taxi fare 「タクシー料金」「タクシー運賃」(旺文社1400、ジーニアス、グランドセンチュリー)

である。

なお、「運賃」fare は、形容詞「公平な」 fair と同音である(旺文社1400、ジーニアス)。


だが、医師でも弁護士でもない施設の「入場料」も an entrance fee である(東京書籍3000巻末、旺文社1400)。

entrance の代わりに admission を使う場合もある。つまり、

an admission fee「入場料」ともいう。(桐原4500 admission の項目、旺文社1400 admission の項目)。


「授業料」(旺文社1400)や「受講料」(桐原4500)も fee である。


charge は「サービスに対する料金」(旺文社1400、桐原4500)

なお

in charge of ~ 「~の担当で」(旺文社1400、桐原4500)


「罰金」は a fine である。


expense は、「人件費」とか「医療費」とか「学費」とか(旺文社「人件費」、グランドセンチュリーがその他)、経費をいうときの「費用」(旺文社)。

おそらく、帳簿的というか、家庭内のことでも家計簿的なのが expense かと。


「保険料」 premium は、旺文社1900しか紹介していない。鉄緑、桐原4500、東京書籍4500は紹介していない。

なお、辞書で見ると、premium には「割り増し料金」の意味がある。

これをもとに考えれば、「保険料」も、たとえば「日常生活では不要だけど、非常時のためにそなえて割増料金を払って保険で対応してもらう」のように暗記しやすいのでは。

「褒賞金」(ほうしょうきん)もpremium 。なお、ここでいう「褒賞金」とは文字通り、褒美や賞金と言う意味。

なお、日本語の問題だが「報奨金」「報償金」「褒賞金」と同音異義語が多い。意味はそれぞれ文字通り。「報償金」だと、弁償や賠償のお金になってしまい、意味が大きく違うので注意。

premium には、形容詞「高品質な」「高給の」の意味もある(旺文社1900、グランドセンチュリー)。

「高品質なものは値段が高い」→「値段が高いから、割り増し料金だ」→「割増料金だからプレミアムだ」

みたいに連想すると、覚えやすい良いだろう。

なお、日本語では「プレミアム」「プレミア」と外来語になっているが、 premium の英語の発音はプリーミアムのほうが近い(旺文社1900 発音注意)。


さて、「フェア」の話。スポーツの「フェアプレーの精神」などの意味の「フェア」は fair であり、スペルがまったく違う。なお、この形容詞 fairは「公平な」の意味である(桐原4500など)。

商店の安売りなどの「フェア」は、「お祭り」という意味の 名詞 fair であり、フェアプレーの単語とは同音異義語である(桐原4500)。ジーニアスによると、英語以外の言語に feria (フェリア?)という「祭日」を意味する単語があるらしい。商店の安売りの他、ジーニアスによれば「博覧会」や「見本市」も fair である。


米国の外交問題についての専門雑誌で「Foreign Affairs」というのがあるが、affair (アフェアー)とは「出来事」「関心ごと」の意味である。affair は別に恐怖とは関係ない。「Foreign Affairs」は戦争の話題が多い雑誌だが、しかし雑誌名は「恐怖」とは全く関係ないので誤解しないよう。


なお、ジーニアス和英の affair の項目によると、「時事問題」は current affairs である。

「浮気」とか「不倫」とかも affair と言う。恋愛雑誌やらで時々「アフェア」とか言う単語があるのは、この意味だろう。

なお、「外交」を一言でいうと diplomacy (ディプロウマシ)である(桐原4500など)。「外交官」が diplomat である。形容詞 diplomatic は「外交の」である。


さて、「警報器」alarm の典型的な例文が

「火災警報器」 a fire alarm

である。これは東京書籍も桐原も紹介している。


なお、スペルの似ているアラート alert は、alert は名詞では「警報」「警戒」の意味だが、形容詞では「警戒している」の意味がある。(桐原5500、旺文社1900)

また、形容詞でalert は「油断しない」の意味もある(東京書籍4500)。


単語集の「警戒している」の例文では、よく警察官や兵士などの警戒が出てくる。

警察官の場合なら、

The police officer is alert ・・・

で、「警察官は警戒している」の意味になる。

つまり、

~(人) be alert

の語順になる。


warning は「警告」である。翻訳の都合で「警報」と訳したほうが自然な場合もあるが、warning の意味としてまず第一に覚えるべきは「警告」である。

東京書籍で「洪水」 flood を見ると、「洪水警報」 flood warning がある。辞書 warning では確認できなかったが(ジーニアスとセンチュリーで、warningとfloodの両方を確認)、しかしセンチュリーいわく「空襲警報」が air-raid warning なので、たぶん洪水警報も合っているのだろう。

warn は「警告する」であり、医師が患者に「酒を飲みすぎないように警告する」とか(センチュリー)、嵐の接近を警告するとか(センチュリーとか)、そういうニュアンスである。

warn ◯◯(人) of ~ で「◯◯(人)に~を警告する」である。

記法を変えれば、

warn A of B 「BについてAに警告する」

です(桐原、旺文社、東京書籍)。


東京書籍が紹介していますが、

warn me of the enemy 「敵がいるぞと私に警告する」

です。

なお桐原は、喫煙の危険性(risk)を警告する例文です。ジーニアスは、旅路か何かの危険(danger )を警告する例文です。危険という概念で統一的に説明できそうですが、直接的に言い回しを覚えたほうが早いでしょう。


of はよく「~の」と中学で教わりますが、それだと意味が通りません。

さて、inform 「(情報などを)知らせる」という単語にも、

inform A of B 「BについてAに知らせる」

という語法があります。

桐原が

inform him of the result 「彼に結果を知らせる」

のような例文を紹介しています。


なお、典型例の言い回しは、

Please inform me of the change in ~ 「~の変更を私に知らせてくれ」

です(旺文社、センチュリー)。


ともかく、warn A of B は inform A of B と関連づけて覚えましょう。

桐原がそういう覚え方を進めています(warn と inform を同一ページで教えている)。

ただし、東京書籍のようなcrisis (危機)など関連語の紹介は、桐原では同一ページにないですが。どの単語集も、一長一短です。

なお、東京書籍3000には、なんと inform の項目がありません。information はあるのですが。

なお、information は数えられない名詞なので複数形が無いので、「2つの情報」は two pieces of information と表す。「ひとつの情報」は a piece of information です(東京書籍3000)。


桐原は、remind A of B(思い出させる) や convince A of B(納得させる、確信させる) や inform A of B と warn A of B や suspect A of B (疑う)などをまとめて、

「関連の of」という概念を提唱しています。


ただ、そう解釈しなくても、

このうち、「警告する」warn と「思い出させる」remind も情報提供の一種ですので、

「情報提供の of 」とでも言える概念で、

remind A of B と inform A of B と warn A of B をまとめられます。


だとすると、暗記するのは残りの

convince A of B (Bを納得/確信させる)と suspect A of B (B(容疑など)の疑いをかける)だけに減らせます。


このうち、 convince は、他人に何かの納得をさせる際に、説得などの情報提供が行われるでしょうから、広い意味での「情報提供の of 」と言えるかもしれません。暗記の負担がこれで減ります。

だとすると、残りは suspect A of B 「AにBの疑いをかける」です。

この場合、なんの情報提供もしていません。

また、of B の部分は形容詞的な意味です。

made of ~ で、「~を材料に作る」とかの意味であり、完成品を一目で見て材料が分かるなら made of です。

材料が、完成品を一目みてもわからない場合は made from ~ です。


この suspect A of B と made of B の共通する「of B」で、「性質の of」とかの概念を考えてもいいかもしれません(英語学でどうかは知りません。自己責任で)。

ほか、英文法で、「It is 形容詞 of 人」と「It is 形容詞 for 人」の使い分けなどがあります。人の性質を言う場合は「of 人」です。これから類推する方法もあるかもしれません。


まあ、最終的には suspect A of B 「AにBの疑いをかける」を直接的に覚えるしかありません。


warn ◯◯(人) against ~ing で「◯◯(人)に~しないように警告する」である。

たとえば、よくある例文が、「彼は道路を横断しないように私に警告した」(ジーニアス)あるいは川を渡らないように私に警告した(東京書籍)、であり、

He warned me of against crossing the river. 「彼は川を渡らないように私に警告した」

である。


動詞および名詞の caution は、動詞としては、たとえば医者などが肝硬変の患者に「酒を飲むな」と注意・警告するときの「注意する」「警告する」が caution である(桐原5500)。東京書籍4500の例文も、薬の取扱いの注意を caution としている例文。

ただし、辞書では、警察などの警告・注意もcautionである。このため、warningとの区別は、なかなか難しい。

ジーニアスが言うには、cautionのほうがwarningよりも軽いとのこと。


形容詞 anxious (アンクシャス)は「心配している」「不安に思っている」である。


be anxious about ~ で「~を心配している」である。

He is anxious about ~ なら「彼は~を心配している」である。

よくある例文が、「彼は試験の結果を心配している」であり、東京書籍とジーニアスにそれに似た例文がある、

He was anxious about the result of exam. 「彼は試験の結果を心配している。」

となろう。(wikiオリジナル)

ジーニアスだと、母親視点の「息子のテスト」だが、まあこういう例文がよくる。


be anxious for ~ は「~を切望している」である。

桐原の「新しいコピー機が欲しくてたまらない」なら be anxious for new copy machine である。

ジーニアスだと(私は)「新しいコンピュータが欲しかった」なので、

I was anxious for a new computer. 「新しいコンピュータが欲しかった。」(※ ジーニアスanxious例文から引用)

である。


名詞形 anxiety で「不安」「心配」「切望」である。東京書籍4500には「切望」が書いてないが、しかし桐原4500と旺文社1900には切望が書いてある。

なお、 eager (イーガー) は「熱望している」である。切望 anxious とは、ややニュアンスが違う。


思い出関係

remind ,recall

,remember


動詞 「remind <人> of ~」は、「<人>に ~ を思い出させる」である。

典型的な例文は、

That song remind me of ~ 「あの歌は私に ~ を思い出させる」


さらに、


That song remind me of my school days. 「あの歌は私に学生時代(の日々)を思い出させる」(東京書籍3000)

とか

That song remind me of the old days. 「あの歌は私に古き日々を思い出させる」(旺文社1900に似た例文)

とか、古き良き日々を思い出す例文が典型的。歌は記憶のスイッチ。


動詞 recall は、主語が「思い出す」である(東京書籍、桐原4500、旺文社)。

典型的な例文は、

I can't recall the name of ~ 「~の名前を思い出せない」


のような例文。このように、意識的に思い出そうとするときに recall を使うことが多い。グランドセンチュリーいわく、「忘れたことを思い出そうとことさら努力する」のが recall である。


いちおう、recall にも実は「思い出させる」の用法もあるが(ジーニアス、グランドセンチュリー)、しかし単語集ではこの用法は触れていない。

なお、商品を「回収する」 recall と同じ単語である(規律4500)。


remember は、「覚えている」の意味が基本だが、実は「思いだす」の用法もある。

いっぽう、「思い出させる」の用法は無い。

remember me ~ing の意味は「私が~したことを思い出す」の意味である。

けっして、私「に」思い出させるわけではない。

なお、過去に「~したことを覚えている」場合は remember ~ing (動名詞)

これからする予定を「忘れずに~する」のは remember to do (不定詞)

である。


武器・兵器

weapon, arm


大量破壊兵器は weapons of mass destruction であり、略称は WMD である(桐原4500、旺文社1900、ジー二アス)。

また、核兵器は nuclear weapons である(桐原4500、旺文社1900、東京書籍、ジー二アス)。

だいたい、arms だと、「腕」(うで)と まぎらわしい。

兵器には、なるべく weapon を使うのが無難だろう。

なお、動植物の角(つの)や爪(つめ)や刺(とげ)なども、weapon である(ジー二アス)。

weapon は、日本では「兵器」と訳される場合が多いが、しかし英語では weapon は広く攻撃のための道具を表す用語である。


単語集にはないが、山川の英語版・世界史にあった単語で、

rearmament が「再軍備」である(ジーニアス)。ナチスによるドイツの「再軍備」みたいな文脈で rearmament を使える。

ほか、disarmament が「軍縮」である。啓林館 Vision Quest I(P.111) が「軍縮」disarmament を紹介しています。


なお、名詞 army は「陸軍」「軍隊」の意味です(桐原3000、旺文社1400(緑)、東京書籍4500)。

「海軍」は navy (ネイビー)です(東京書籍、桐原)。

「空軍」は air force です(東京書籍、桐原)。

「軍事の」は military です(東京書籍、桐原)。


陸軍と海軍も空軍もまとめて「軍隊」と言いたい場合、army だと陸軍とまぎらわしいので、military force という場合もあります(東京書籍)。

ただし、「軍事力」も military force です(桐原)。

このため、翻訳などの際は、文脈にあわせて、うまく訳してください。


軍「隊」との混同を嫌ってか、単語を power を使って「軍事力」は military power という用法もある(ジーニアス military、センチュリー power)。

ほか、「軍隊」を the armed forces と言ってもいい(桐原、forces )


「兵士」は soldier (ソルジャー)です(東京書籍、桐原)。

東京書籍いわく、さらに「将校」(しょうこう)は officer (オフィサー)です。


とはいえ、「将校」(しょうこう)と言っても、何のことだか分からないのが普通の高校生でしょう。

軍隊の上層部や、将来的にそうなる見込みの高い軍隊の大学を出た軍人や、あるいは同程度に一定以上の階級の高い指揮官のことを、将校と言います。

最下級の階級である兵士は当然、将校ではないです。

「兵士長」とか「軍曹」とかの現場の下の方の中間管理職も、ふつうは将校とは言わないです。ただし、文脈によっては、「軍曹」なども将校という場合があるかもしれません。

『「将校」という単語くらい知っとけや。日本史の勉強すれば出てくるんだからさ~』というのが、東京書籍の心のさけびでしょうか。

戦後の自衛隊ではあまり「将校」とは聞かなくなりましたが、海外の軍隊の説明だと今でも使います。

戦前でも、よく二・二六事件とかで「青年将校」がどうのこうの、という解説を読みます。こういう英語を知っていると、英語力だけでなく日本史などの知識も披露できて、頭よさそうに見えます。


桐原いわく「兵役」(へいえき)は military service です。

「英語を勉強するなら、こんくらい知っておけや」という桐原の心のさけびです。

まず、諸外国でもヨーロッパなどで今でも徴兵制、つまり兵役があります。2020年代でも、スイス、オーストリアは徴兵制があります。


ここでいう service とは、公共の下僕のような意味もあるかと思います。

たとえば「召使い」は英語で servant (サーバント)ですが、なんと単語集に書いていません。

桐原の単語周いわく、serve は「仕える」とか「提供する」とかの意味です(桐原4500)。

今ではネットのサーバー server とか、派生の名詞が使われています(ジーニアス、センチュリー)。


ただし、ネットの情報提供については、「プロバイダー業者」などというように provide が「(情報などを)提供する」の意味で好んで使われる場合もあります(桐原)。

交通インフラや電力インフラなどの公共インフラなどの提供も service です(ジーニアス)。慈善事業も service です(センチュリー)。

「兵役」(へいえき)は military service を覚えるときも、そういうのと関連づけて覚えましょう。


安売り・特売

フェア、セール、バザール

sale のみ高校英語


商店の安売りなどの「フェア」は、「お祭り」という意味の fair であり、フェアプレーの単語とは同音異義語である。ジーニアスによると、英語以外の言語に feria (フェリア?)という「祭日」を意味する単語があるらしい。商店の安売りの他、ジーニアスによれば「博覧会」や「見本市」も fair である。

なお、セールは英語でも sale で「安売り」(桐原3000、東京書籍3000)や「特売」(旺文社1200)や「バーゲンセール」(東京書籍3000)の意味がある。sell とは別に、sale (セール)「販売」という単語がある(東京書籍3000、桐原3000)。

なお、セールスポイントは英語で selling point である(旺文社1200(黄色)、ジー二アスで確認)。

セールスポイントは和製英語。


なお、単語集にはないが、セールスマン(販売員)は英語でも salesman であるが、男女平等の観点から salesperson という表現が米英では好まれるだろう(ジー二アス)。

salesman は、外交販売員(日本でいう「セールスマン」)にも使われるが、英語では単なる店員も salesman で表せる。

複数形 sales で「売り上げ高」の意味もある(桐原3000)。なお桐原では「売上高」3文字ではなく「売り上げ高」5文字の表記。


単語集にはないだろうが、バザーとの違いについて触れる。

ジーニアスによると、英語の bazaar は、慈善などの目的のために特別に催される市場である。だから教会などがバザーするわけである。しかし、イランなど中東の商店街のことも bazaar である。英語の単なる「雑貨屋」のことも bazaar という。

バザーを「安売り祭り」みたいな意味で使うのは、どうやら和製のようだ。

啓林館 Vision quest( P.62 )で、ディスカウント discount 「値引き」、バーゲン bargain 「お買い得品」などが紹介されていました。


必要不可欠


不可欠な

essential, vital, indispensable


必要な

necessary

搾る squeeze, extract


搾取する squeeze, exploit


桐原4500に vital の意味は「生命の」とあるので、まずこれで覚えよう。

また桐原4500いわく、vitality の意味は「生命力」である。

入試では vital の他の意味の「不可欠だ」「活気のある」などが問われるかも知れないが、まずはvitalの単語のイメージが生命力であることをつかもう。

vial → 「生命に必要」→「不可欠」という連想、

および

vital → 「生命力にあふれる」→「活気のある」という連想、

で覚えれば、暗鬼の負担が減るだろう。


旺文社1900の例文で、「防衛戦略が国家の安全保障にとって不可欠だ」という例文で「不可欠」を vital としている例文がある。

これだって、「国家の生存に必要」→「国防に不可欠」みたいなイメージで把握できるだろう。


なお、桐原4500は「自転車が生活に不可欠」で不可欠がvital、東京書籍4500は「外国語が教育に不可欠」で不可欠がvital、という内容。

ともかく、vital は「活気のある」という意味もあるが、「生命の」とか「不可欠な」のような意味もある。

別の単語の話をする。

もし、単に「活気のある」「元気はつらつな」と言いたい場合は、形容詞 vigorous (ビゴラス)という単語でも一応は表現できる。東京書籍は「活発な」「力強い」と紹介しており、「活発な運動」 vigorous exercise という例文がある(東京書籍4500巻末)。ただ、辞書で 名詞形 vigor (ビガー)や 形容詞 vigorous の用例を見ると、「激しい(スポーツなどの)運動」とか「猛烈な抗議」とか、やや意味合いが強い用例も多いので、注意が必要であろう。

Z会のTOEIC対策本では、同じ vigorous exercise という単語を、「激しい運動がもとで、疲労で倒れた」という内容の文章で用いている[19]

このように、vigorous exercise は、いい意味でも悪い意味でも使う。

肉体的に元気のあるだけでなく、精神的にも「精力的な」という表現でも vigorous が使える。


なお、「猛烈な抗議」などの猛烈でも vigorous あるいは名詞形 vigor を使う(ジーニアス、センチュリー)。

protest a plan with vigor 「計画に猛反対する」(センチュリー)

make a vigorous protest 「猛烈な抗議をする」(ジーニアス)

である。


essential は「不可欠な」という意味。

だが、「エッセンシャル・オイル」essential oil という芳香性の油を考えれば分かるように、なんだか抽出物みたいなイメージ。


名詞形 essence 「本質」「エキス」で覚えるほうが理解しやすいだろう。

(なお、名詞 extract にも「エキス」「抽出物」「抜粋」の意味がある。extract は動詞として「抽出する」の意味もある。(東京書籍が動詞を紹介。旺文社は名詞も紹介。桐原は紹介せず)。動詞と名詞とで発音が異なる。名詞は エキストラクト。動詞は イクストラクト。「抽出」「摘出」の行為自体は extraction という名詞である(旺文社)。)


あるいは、「必須アミノ酸」が essential amino acid である(ジーニアスで確認)。

抽出ついでに言うと、abstract も「抽出」という意味(桐原4500巻末)。abstract には「抽象的な」の意味もあるが、まずは抽出の意味で覚えよう。というか日本語でも、「抽象的」の「抽」の文字は、「抽出」の「抽」の字である。なお、冒頭のab-は、ここでは分離を意味する接頭辞。absent「欠席の」のabとabstractのabは同じ意味(桐原4500)。


なお、「具体的な」は concrete である。

エッセンシャルの話に戻ると、たとえば、生物学書の『キャンベル エッセンシャル生物学』 "Campbell Essential Biology" という500ページ以上ありそうな分厚い生物学書がある。(なお、amazon米国版では何故かこの本が18歳以上が購入禁止なのでリンクは紹介しない。)

エッセンシャルというのは、そういう感じの意味。

桐原では、「食事は不可欠だ」みたいな例文でも essential を使っている。

なお、「食事」は英語で meal (ミール)である(essential の文に合うかどうかは知らない)。

食事しないと死ぬので、生命維持の観点では vital でもあるが、しかしそういう死を防ぐためのものでも essential で言い表す場合もある。


さて、単語集によくある例文が、「~は健康に欠かせない」 be essential for good health  であり、東京書籍と桐原がそうである。

東京書籍だと「運動は健康に欠かせない」、桐原だと「食事は健康に欠かせない」的な内容である。

運動 exercise なら、

Exercise is essential for good health. 「運動は健康に欠かせない。」(東京書籍4500より引用)

である。

「搾る」の extract を squeezeのニュアンスの違いについて。

extract は「抽出する」が第一の意味のようなものである。

-tract が「引っ張る」という意味でもあることから想像できるように(センチュリー)、extractは、目的物を、自分の方向に向かってこさせるイメージである。

だからextractで果汁を「しぼる」のは、その手段にすぎない。

だから、濃縮エキスの抽出のような、搾るだけでは不可能なことも、extract なら出来る。

ほか、薬品などを使って何かの成分を抽出するのも extract である(ジーニアスで確認)。

ほか、歯科医が歯を抜くのも extract である(センチュリー、ジーニアス)。



パソコンのファイルの圧縮・展開でいう「展開」も extract です。

いっぽう、extract には「抜粋する」の意味や、抜粋して「要約する」という意味もあります(センチュリー)。

抜粋すると情報量が減るのに、圧縮ファイルを展開すると情報量は増えます。

妙に感じるかもしれません。

しかし辞書でextract を調べると、秘密などの情報を「聞き出す」「暴き出す」のような意味もあります(センチュリー)。圧縮していて読み取れない情報を「暴き出す」ようなイメージでしょうか。

もっとも、最近のパソコンでは、オペレーティングシステムが高度なので、圧縮されたままでも読み取りのできる場合もありますが。


逆に、圧縮・展開の「圧縮」は compress です。

日本でも、機械などの空気圧縮機でいうコンプレッサーなどの外来語で有名です(ただし、高校生には目にする機会(チャンス)がないかもしれません)。しかし意外なことに単語衆にはcompressはありません。

高校・中学でIT教育が必履修になるなどしてもう年月も経ってますので、どうせあと10年か20年したら「圧縮」・「展開」などIT用語も英単語に加わるでしょうから、先手を打って、このページにまとめておきます(ならないとしても、もしその場合は実務では役立たずなので未来の高校英語の単語衆に価値ないので、価値ない単語集に従う必要ないです。私たちが目指すべきは、大学合格する英単語ではなく、仕事で使える英単語です。仕事を無視した英単語学習をしても最終的に淘汰されるだけの弱肉強食です)。

英語だと、たとえばジーニアスでは、自動車エンジンにおける空気の圧縮のことを compress で表現しています。


なお、空調機のエアコンの「コン」はコンディショナーの略ですので、混同しないように。


センチュリーを見ると、コンピュータ用語のファイル圧縮も compress だと書いてあります(センチュリー、ジーニアス)。

ほか、綿(わた、めん)などを圧縮して小さくするのも compress です(センチュリー)。


ややこしいことに、compress にも、話を「要約する」という意味があります(センチュリー、ジーニアス)。


いまどき、「要約」はsummary でしょうから、compress は綿やファイルなどを「小さくする」(つまり圧縮)の意味で覚えるのが良いと思います。

まとめると、

ファイルの「圧縮」は compress です。

ファイルの「展開」は extract です。


さて、「しぼる」の話題にもどります。

squeeze は、にぎるように力を内側に押し付けるイメージである。だから squeeze で、資金を「圧迫する」なども表現できる。

では、具体的に extract と squeeze のニュアンスの違いを見ていこう。


「エキス」や「抽出する」のextract について。

extract juice from a orange で「オレンジからジュースをしぼり出す」「オレンジの果汁を搾る(しぼる)」

の意味(センチュリーや旺文社)。

文脈によっては、oranges ではなく an orange でも構わない。ジーニアスでは、レモンの複数形 lemons から果汁を搾り取っている。


「搾る」は、squeeze もある。

果物などをしぼって果汁をとるのが典型的で、

squeeze a lemon 「レモンをしぼる」

が典型的(センチュリー、旺文社)。

果汁を明示したい場合

「オレンジから果汁をしぼる」squeeze juice from an orange と言える(東京書籍4500の巻末。ジーニアスだと lemon で似た例文)。

squeeze lemon juice on ~(食品など) で「レモン果汁を~にかける」である(桐原4500、ジーニアスに似た例文)。


「労働者をしぼりとる」「労働者を搾取する」のような表現でも、squeeze を使える(桐原5500、センチュリー)。

なお、いわゆる「ブラック企業」のような会社(労働者を低賃金で長時間働かせる工場など)は、英語では sweatshop (スウェトシャプ)といい、「搾取工場」などと訳される(旺文社1900)。sweat (スウェト)は「汗」という意味の名詞である(桐原4500)。東京書籍4500は sweat および sweatshop を紹介せず。

なお、動詞 exploit 「搾取する」である(旺文社1400(緑)、桐原4500)。

典型的な例文が、

exploit one's workers 「労働者を搾取する」

であろう(ジー二アス、東京書籍、旺文社に似た例文)。

ほか、exploit には、たとえば地熱発電や自然資源などといった資源などを「開発する」の意味や(旺文社1400、桐原4500)、機会などを「利用する」という意味もある(東京書籍4500)。


家計のやりくりなど、なんらかの資金のやりくりなどで、お金をなんとか「絞り出す」というのにもsqueeze は使える(センチュリー)。

ただし、ほかの意味で squeeze には予算などを「圧迫(あっぱく)する」という意味もある(ジーニアス、センチュリー)。

資金のやりくりと、資金の圧迫では、ほぼ逆の意味になるので、読解のさいには文脈からどちらなのかを読み取ろう。

squeeze には「押し入る」「押し込む」や、人ごみや席などへの「割り込む」「割り込ませる」という意味もあり(センチュリーが押し入りと割り込み。ジーニアスは割り込み のみ)、旺文社が「押し入る」を紹介している。「圧迫する」から「押し入る」などを連想しよう。


indispensable 「不可欠な」は桐原5500巻末や旺文社1900本文と東京書籍4500巻末が紹介しているが、これを直接に覚えるよりも前に、まず、銀行などの「現金支払い機」dispenser (ディスペンサー)を覚えよう(ジーニアスで銀行の「現金支払い機が dispenser だと確認)。

動詞 dispense は、「分配する」とか、機械が「出す」という意味である(ジーニアス、センチュリー)。

なので、コーヒーなどの自動販売機も dispenser である(センチュリー)。

で、形容詞 dispensable は「それほど必要ではない」「なくても済む」の意味である。

「自分はなくても済むので(dispensable なので)、他人に分配できる(dispense できる)」→「分配する機械がデイスペンサー」とでも、こじつけて覚えよう。


で、in- はここでは否定の接頭辞なので、 indispensable 「必要なので分配するわけにはいかない」→「つまり、必要不可欠」→単に「必要不可欠」と言えば済む

のように indispensable を覚えるのが、関連の語彙も覚えられて一石二鳥だろう。


旺文社1900だけ、indispensable の項目で、派生語の dispense 「分配する」「施す」「~なしで済ませる」を紹介している。

桐原5500は、indispensable の類義語で、essential や integral を紹介している。


be indispensable for ~(ないと困る物) 「~は必要不可欠である」

のように使う(旺文社1900、東京書籍4500)が、文脈によっては for でなく別の前置詞や接続詞の場合もある(桐原4500)。



要約

summary, brief


summary (サマリー)が「要約」の一般的な語でしょう(特に出典は無い)。

要約のまとめ方や業界によって、outline (アウトライン)や brief (ブリーフ)など、別の言い回しのほうが好まれる場合もあります。


「要約する」の意味が、extract 、compress 、summarize などの単語があります。要約のことを summary (サマリー)と言います。サマリーの動詞形が summarize (サマライズ)です。

ほか、brief も、名詞では「簡潔な説明」の意味、動詞では(読みやすいように手短かに簡略化された説明にする、という意味での)「要約する」の意味です。 桐原4500が brief を「要約」の意味で紹介しています(桐原4500)。

in brief 「手短かに」

の意味です(桐原、旺文社)。


また、

keep it brief 「手短かにする」

です(東京書籍、旺文社)。it の部分は、必要に応じて適した目的語に変えます。


名詞形 briefing は、「簡潔な説明」の意味もありますいが、「事前の打ち合わせ」の意味でも使われます(旺文社)。

compress と extract は、現代ではコンピュータ上の処理で使うし、現代の商業の著作物の大半はパソコンで作られているので、やや使用の歳には注意が必要かもしれません。

summarize のほうがいいかもしれません。


一方、 summarize もまた、辞書や単語集では「要約」を名詞 summary と簡単に言いますが(桐原4500、旺文社1900)、実はサマリー summary と日本語の「要約」は微妙に違います。

英語では、1~2行ていどの短文で短くまとめることを summary と言うこともよくあります。brief だと「記者会見」など別の意味に誤解されるからか、本来なら "brief" というべき単なる1~2行ていどの事実報告でも英米では summary でそういう1行程度の事実報告を言い表す場合もあります。

brief だと、たとえば press briefing が「報道向け説明会」で使われたり(ジー二アス)、briefing session が「定例記者会見」だったり(ジー二アス)、ややニュアンスが「要約」とは異なります。全体像を理解しやすくするよりも、brief は短時間に発表することがニュアンスにあります。

summary execution で「即決処刑」である(ジーニアス)。 要約を意味する単語 summary には、形容詞として「略式の」という意味もある。execution は「処刑」の意味です。

この例のように、summary は日本の「要約」とは、ややニュアンスが違う場合もある。


さて、米英の外交官の著作した回顧録(かいころく)の出版物で読んだのですが、

外交官は、定期的に サマリー summary という1~3行ていどの事実関係の報告を本国によく送るするらしいです。

日本語では、新聞やテレビのニュースにおける「短信」(たんしん)が短いので、近いでしょうか。

大使館の職員でもありますから記者会見(ブリーフィング)とは区別する必要もあるでしょうから、brief ではなく summary でそういう短いを言うのも合理的でしょう。

なお、「回顧録」(かいころく)は英語で memoir (メモワール)です(旺文社1900、ジー二アス)。単語集では、旺文社1900にのみあり、受験英語としてではなく英検準1級対策として紹介されている語です。桐原4500・5500および東京書籍4500にはありません。

外交官とか、この手の報告では、分析は極力交えず、事実だけを報告します。分析は、別途、本国のほうで行ってもらうのです。こうすることで、外交官は情報収集にのみ専念できます。

外交官は滞在先が友好国とは限りませんし、(自国以外との)紛争当事国などの場合もあります。もし友好国でない場合、もしかしたら滞在先の警察や軍隊によって通信が盗聴されたりしているかもしれません。そういう環境で、あまり分析を外交官側で行うべきではないでしょう。


なので、ともかく summary のほか、日本語には「要約」の他に適切な表現があまりないので、summary の訳は「要約」で通じますし、辞書や単語衆にも「要約」だと書いていますし、「まとめ」でも構いません(旺文社)。

「要約」のほか、ジーニアスには「概略」や「大要」、センチュリーには「概要」や「大略」なども書いてありますが、しかし上述のように、1~2行ていどに縮めて報告する書類形式というビジネスなど実務での背景がありますので、いちばん短い感じのしそうな「要約」が無難な表現でしょう。

実際、単語集にも、名詞 summary は「要約」で紹介されています。


これから紹介するのは高校範囲外の単語ですが、英語では、1行要約ではなくて、せいぜい5~8行くらいの文章で要点を列挙して書いたのは outline (アウトライン)などと言います(※高校の範囲外)。

アウトラインを書く場合も、できえば箇条書きにするなどして(ジーにアス)、全体構造を見やすくする必要があります。

ジー二アスには行数の条件は書いてないですが、普通、箇条書きされた説明は、長くて5~8行ていどのものでしょう。1行の箇条書きとか意味不明ですし、100行の箇条書きとか論外です。

ジーニアスいわく、そういう箇条書きされたものが本来のアウトラインとのことです。ジーニアスでは「概略」「概説」、センチュリーでは「概要」「あらまし」を outline 訳にしています。

outline の訳語を覚えるよりも、『箇条書きする等して手短かにまとめたものを「アウトライン」という』と覚えたほうが応用が利くでしょう。

仕事の報告での情報のやりとりなどで、もし1行要約だと短すぎて情報不足なときに、アウトラインによる報告が役立ちます。そういう使い分けをするのが大事です。

もしかしたら英米人のなかには、そういう使い分けをしない人もいるかもしれませんが、そういう人はレポートの書き方を知らない人であり、つまり知的レベルの低い人なので、相手する必要はないです。


まとめると、summary が「要約」の一般的な語だとみなせるでしょう。

要約のまとめ方や業界によって、outline や brief など、専用の言い回しのほうが好まれる場合もあります。



重要 crucial, important

決定的な crucial , decisive


4500語レベルの単語集に crucial (クルーシャル)と言う単語があって「決定的な」「主要な」という意味である。

だが、decisive という「決定的な」の意味の単語がある。(東京書籍4500に単語だけ紹介されている。旺文社1900の巻末の章に、単語だけ「決定的な」「断固とした」と意味が紹介されている。桐原4500にはない。桐原5500にある。)

ジーニアスいわく、「決戦」は a decisive battle である。

ジーニアスの例文では、decisiveは「将来を決定する」という意味もあると説明している。


東京書籍4500の crucial 項目の例文で、「そのオーディションに合格することは私の将来にとって決定的な意味をもっている」とある。


ジーニアスでcrucialを見たら、「重要である」という意味であり、例文が「我々が決勝戦に勝つには、彼の支えが重要である。」の「とても重要である」が crucial である。なお、「決勝戦」はその項目を見る限りは the final match である。


crucial の意味で、桐原と東京書籍には「決定的な」と書いてあるが、正直、decisiveのような断固とした気迫が足りない。「決戦」で負けると死ぬが、オーディションで負けたり「決勝戦」で負けても死ぬわけでもあるまい。

あまり論理的ではないが、decisive は、おそらくスペルが同じく"d"から始まる determination 「決心」「決意」の影響を受けてきたのだろうか。

動詞 decide と動詞 determine の違いについては、別セクションで語る予定。


crucial の意味は「非常に重要な」(桐原)で十分だろう。旺文社1900に至っては、「決定的な」の意味は紹介せず、crucial では「重要な」として紹介していない。

まあ、important よりかは重要度が高いつもりのニュアンスでしかないだろう。

旺文社1900では「書類を確認する際は注意することが重要である。」でcrucial を用いている。

桐原4500では「国際貿易はこの国の発展に非常に重要だ。」で crucial を用いている。

まあ、センチュリーcrucial の例文にあるように「彼のホームランは我々の勝利を決定的にした。」でcrucial を用いているように、命をかけるほどでもない野球の試合でも決定的な瞬間はあると思うので、そういう場合は crucial を使うのも良いだろう。

桐原5500にcrucial で「命にかかわる」の意味を紹介しているが、しかしジーニアス英和およびセンチュリー英和では確認できなかった。

そもそも vital という「生命維持に必要な」の意味の形容詞がある(センチュリーで確認)。


そもそも「重要」という概念自体、言葉の割には、vital のような生命への必要不可欠さが足りない。



外国の

alien, foreign


米国の外交問題についての専門雑誌で「Foreign Affairs」というのがあるが、affair (アフェアー)とは「出来事」「関心ごと」の意味である。affair は別に恐怖とは関係ない。「Foreign Affairs」は戦争の話題が多い雑誌だが、しかし雑誌名は「恐怖」とは全く関係ないので誤解しないよう。

「Foreign Affairs」は直訳すれば「外交の関心事」みたいな意味の雑誌名であろう。


なお、日本の「外務省」も英語版ホームページでは Ministry of foreign affairs である[20]

海外旅行とか海外出張とかでは必要な単語のひとつなので、頭の片隅に入れておこう。

ministry とはイギリス英語で省庁のこと。ただしアメリカでは、省庁を department と呼んでいる。

つまり日本政府は、「省庁」についてはイギリス英語を採用。

デパートなんて百貨店っぽい。なお百貨店は英語で department store である。

なおイギリスでも、新設の省庁については department を用いることもあると、ジーニアスは説明している。

さて、「省庁」の呼び名には、あまり深入りしてほしくない。

それより重要なのは、「大臣」 minister である。


大臣のことを minister という。単語集では「大臣」minister の項目に書いてあるが、「外務大臣」は foreign minister である。


今の単語集にはあまり書いてないが、昔はよく「総理大臣」は英語で the prime minister だと高校で習ったものである。いちおう、東京書籍の例文中に「総理大臣」the prime minister がある。桐原には書いてない。

説明の都合上、先に「省庁」 ministry を紹介したが、覚えるなら先に「大臣」minister から覚えたほうが良い。

語源としても、ラテン語で「従者」とかのことをミニステルと言うので、先に「大臣」→「省庁」の順番で単語ができたと考えるほうが合理的である。ジーニアスにも、ラテン語とは買いてないが、「召使い」がminister の語源だと書いてある。


prime については、主要という意味での「第一の」という意味である。センチュリーにある訳語だが、「第一位の」というのがニュアンスに近いだろう。

primeの語源はもともと、カトリックの日課の「最初の」礼拝のこと(ジーニアスで確認)。 primeはこういう意味なので、単に一番目であるだけでなく、さらに重要性の高いものに使われるというニュアンスがある。


ただし、実際の用例では、国家一番や世界一番でなくとも、たとえば肉が美味しい場合でも「極上の肉一切れ」 a prime cut of meat という風にも使う(ジーニアスで確認)。センチュリーにも似た例文がある。

「全盛期」、「絶頂期」という意味もあり、 in prime of his life(またはcareer) 「彼の人生(またはキャリア)の全盛期」みたいにも使う。


「全盛期」には、ほかに短い類義語が無さそうである。和英辞典で「全盛」を見ると、prime のほかに pride とか summer があるが、しかし英和でそれらの項目を確認しても、ニュアンスが違う。pride のほうは、pride of place という語句で「最高位」「最上位」という意味だし、summer は人生における「壮年」などの比喩でしかない。


名詞 foreigner は「外国人」 である。ただ、英語ではこの言い方は差別的な意味合いがあるとのこと。桐原3000いわく、なるべく、たとえば「カナダ人」 Canadian など具体的に言うべきとのこと。


alien

alien (発音: エイリアン)は「宇宙人」という意味があるので、なんとなく、あまりよくないイメージを読者は持ちがちかもしれないが、しかしジーニアスで確認すると、法律上の用語で「外国の」「異国の」という用法がある。

センチュリーによると、市民権をもたない外国人のことを alien と言うとのこと。

alien は、名詞も形容詞も同じスペルの alien である。

名詞 alien は「外国人」「宇宙人」の意味。

形容詞 alien は「外国の」「外国人の」の意味と、「異質の」「なじみがない」の意味。

よくある例文が「その習慣には、なじみがない」で、習慣 custom に alien で「なじみがない」という内容の英文を東京書籍とジーニアスで見かけた。


語法は、

~(習慣など) is alien to □□(人々)

で、

「~(習慣)は□□(の人々)には、なじみがない」の意味。

たとえば、 alien to us なら「私たちにとって、なじみのない」という意味(ジーニアスおよび桐原)。


国内の

domestic, internal (※範囲外)


「国内総生産」GDPは gross domestic product のことである。domestic violence は「家庭内暴力」である。


「国内の」という意味での domestic が、「外国の」 foreign の対義語である。

domestic ⇔ foreign


さて、 「国内の」 を意味する形容詞 internal は、「国内問題」というとき internal affairs という(ジーニアス、センチュリーで確認)。

なお、数学の図形の幾何学の、「内角」も internal angle である(ジーニアスで確認)。


internal には医療などで「内服の」や「体内の」などの意味もあるが、共通の例文が確認できなかったので、説明を省略する。

なお外角は external angle または exterior angleである(ジーニアス和英で確認。英和にはない。和英)。

なお、「幾何学」は geometry (ジオメトリー)である(旺文社1900)。なお「地理学」はgeography (ジオグラフィー)である(桐原4500、東京書籍4500)。「地形」や「地勢」などもgeography である(東京書籍)。

geo- (ジオ)というのは「地球の」とか「地理の」という意味だが(ジーニアス)、幾何学にも使う。おそらく、古代のヨーロッパでは幾何学の知識を活用して、地図などを作成していたのだろう。

「ユークリッド幾何学」は英語で Euclidean geometry である(旺文社1900、)。「ユークリッド幾何学」というのは、日本では中学の数学で、図形の証明として習う、あの理論の体系のこと。「タレスの定理」とか「中心円の定理」とか、あそこら辺が「ユークリッド幾何学」。紀元前のギリシアの数学者エウクレイデスの名前にちなんで、英語読みでユークリッドになる。

なお、X-Y座標を使って計算する座標幾何学は、ユークリッドではなく「デカルト幾何学」という別の理論体系。デカルトは中世フランスの数学者。デカルトあたりが、座標幾何学の理論を整備しはじめたので。


さて、形容詞 interior は「内部の」という意味の形容詞だが(ジーニアス)、しかし普通は家や自動車の内壁に対して interior を使う(ジーニアス)。

ジーニアス英和の interior によると、幾何学の「内角」を interior angle で表してもいいとのこと。旺文社1900も東京書籍4500も、建築物の「室内の壁」を the interior walls としている。なお、東京書籍は「内部の壁」と和訳。


生産量

output, production

「生産」を意味する production に、「生産高」の意味もある(ジーニアス)。なお、単語集では、prodcution の「生産高」の意味までは説明していない(東京4500、桐原4500、旺文社1900を確認)。

increase production で 「生産量を増やす」である(ジーニアス)。センチュリーでも、文章は違って完了形などになるが、「映画製作が減少」という内容の文で production を生産量の意味で使っている。


より平易に output でも「生産高」を言える(旺文社、ジーニアス)。

工場などの生産高から(ジーニアス)、芸術などの産物まで(センチュリー)、output で表現していい。


production や produce には、「大量生産」のようなニュアンスがある(東京書籍)。

なお「大量生産」は mass production である(センチュリー)。

なお、テレビ番組や音楽作品などの生産から、その生産された作品なども production である(ジーニアス)。


output の対義語は input である。

つまり

input ⇔ output

である。

input で、名詞としtrは、仕事や活動などへの資材や労働力などの「投入量」、コンピュータへの「入力」を意味する。また動詞としては、「投入する」や「入力する」の意味である(ジーニアス、センチュリー)。

旺文社の単語集には、inputに投入量の意味がないが、しかし辞書で「投入量」を確認できる。

同様に、対義語のoutput は、仕事や活動などの「生産高」や、コンピュータからの「出力」である。動詞としても同様に「産出する」(ジーニアス)や「結果を出す」(センチュリー)や「出力する」である。

input には、仕事・活動などへの援助としての情報提供やアイディア提供などの意味もある(ジーニアス、センチュリー)。

東京書籍や桐原の単語集には input や output が見当たらなかった。だがこれからのIT時代、必要になる単語であるので、ぜひとも意味を理解しておきたい単語である。



「外国」と「海外」

外国へ abroad

海外へ overseas


「外国に」「外国へ」は abroad であり、副詞である。

「海外に」「海外へ」は overseas であり、副詞である。

overseas は字ヅラだけ見れば、海を越えて外国に行くことだが、アメリカでは実際にはヨーロッパへ行くことに使われる事が多い(ジーニアス)。

travel overseas で「海外へ旅行する」である(旺文社)。

travel abroad で「外国へ旅行する」であるが、東京書籍では「海外へ旅行する」と訳している。

from overseas で「海外から」である(旺文社)。


abroad の典型的な例文が、

「私は外国へ(一度も)行ったことがない。」 I have never been abroad.

である(東京書籍、桐原)。東京書籍と桐原で、同じ英文。桐原のほうには和訳で「一度も」がある。



結果

result, outcome, consequence


桐原4500と東京書籍4500の後半にoutcomeの単語の紹介があるが、良書とも解説を諦めている。

単に 結果のことを result だけでなく outcomeとも言うと、知っておくしかない。

consequenseは、単に「結果」を、固い言い回しにしただけであるが、東京書籍4500によると、「通例望ましく結果にconsequenceを用いる」とこのこと。

センチュリーと東京書籍に「深刻な結果」 a serious consequence と言う例文がある。

副詞 consequently は「その結果として」「したがって」の意味。


考え

concept, notion ,ほか(idea, thought ,など色々ある)


concept は、たとえば相対性理論の考えだとか、割と抽象的なことに使う。桐原4500いわく、「アインシュタインの相対性理論の概念」は Einstein's concept of relativity である。


notion は、そこまで抽象的でなく、たとえば人生観(ジーニアス)とか宗教観(センチュリー)とか。


ジーニアスでは「人生は航海だという考え」の「考え」を notion としている。


旺文社だと「概念」と言ってるが、無視していい。

概念というより「観念」だろう。

あるいは「観念」という用語をしらない高校生に向けて「概念」と書いたのかもしれないが、そんな底学力層のことは読者は気にしなくていい。


その他、ジーニアスで「意見」、センチュリーで「意向」だと言ってるが、両辞書で説明が一致しないので無視する。


「規範」と「基準」

規範 code

基準 normal

(学校などの)規律、しつけ discipline

普通 normal, ordinary


「行動」と「指導」と「行儀」、「実践」


行動 action、conduct(指導のニュアンス)、behavior (行儀のニュアンス)、

practice(理論・理念の実践)、perform


習慣・慣習 practice 、 custom、クセ habit


codeには「規範」「暗号」「法典」などの意味がある。


まず、codeの規範について。

ドレスコード dress code は「服装規程」のことである。「ドレスコード」「服装規程」とは、たとえばクラシック音楽コンサートホールとかの上流階級っぽい施設に入場しようとするとき、どんなに金を持っていても、もし服装が短パンとかジーパンとかだと入場を断られることがある。

成人男性の場合なら、背広とかのフォーマル formal な服装とかでないと、そういう場所には入場できないのである。そういうのをドレスコードと言う。


商業施設に限らず、たとえば冠婚葬祭(かんこん そうさい)とかの行事でも、その内容に見合った服装が求められる。

旺文社1900の例文が例文としてドレスコードを紹介しており、まさに大学進学を目指す階級にふさわしく、とても良い。

ダジャレだろうけど、第二次世界大戦の日本のGHQ占領期の言論統制のことをプレスコード press codeという。普通に科目「日本史B」とか「日本史探究」で、第二次世界大戦の日本のGHQ占領期の言論統制のことをプレスコードと言うと習う。ついでに覚えよう。英和辞典には press code は見当たらず、どうもGHQの造語っぽい。


ドレスコードの場合、codeは訳では「規則」や「規程」ではあるが、マナー的なニュアンスもある。

ジーニアスで確認したが「不文律」 code of silence という単語がある。

「行動規範」 は a code of conduct である。

ここら辺の表現が、上流階級に求められるマナー的な code であろうか。

その他、ビジネスライク名表現だが、「業務規程」 code of practice というのもある。


なお、「行動規範」 は a code of conduct のついでに言うと、「行動」conduct も類義語があり、behavior が類語後である。なお、旺文社ターゲット1400(中級の難度の本)が、conduct と behave を同じページで紹介している(おそらく旺文社もこれを類義語だと見なしているのだろう)。

道徳的な「行動」に conduct を使うことも多い.音楽の「指揮者」をコンダクター conductor と言うのも、これだろう。

The orchestra was conducted by Seiji Ozawa. そのオーケストラは小澤征爾によって指揮された。(東京書籍4500)

とか

conduct the orchestra オーケストを指揮する(桐原3000)

とか典型。

高校英語では出ないだろうが、物理学の電気伝導のことを conduct という事もある。conduct には、指導とか伝導とかのようなニュアンスがある。


道徳的な「行動」に conduct を使うことも多いが、必ずしもそうとは限らない

conduct interview インタビューを行う(東京書籍4500)

conduct research 調査を行う(旺文社1400)

のように調査研究を行うのに使う場合もある。


behave は、動詞「ふるまう」だが、ニュアンス的には「行儀」のニュアンス。

behave oneself で「行儀よくする」(桐原3000、旺文社1400)

I can't stand His behavior. 彼のふるまいには我慢できない. (東京書籍4500)

東京書籍の例のように、behavior そのものには、指導的なニュアンスは無く、行儀が悪い場合にも使うようである。


conduct は動詞。「行う」、「指揮する」。「指揮者」は語尾が異なり conductor である。

behavior は名詞で「ふるまい」「行動」。behaveは動詞で「ふるまう」。


単なる物理的な「行動」は action である。

旺文社1900の例文「被害者の救出には、すばやい行動を必要とする。」の、「素早い行動」 a swift action という語がある。


動詞は act 「行動する」である。だが、名詞 act 「行い」という意味もある(東京書籍3000)。

面倒なので、名詞 act とaction のニュアンスの差には触れない。


さて、桐原3000は、act「行動する」 と perform (楽器を)「演奏する」、(劇を)「演じる」などを同じページに書いている。

これだけだと、なぜ同義語か分からないが、実はperformには、(仕事などを)「実行する」という意味もある(東京書籍3000)。ジーニアスいわく、do, carry out よりも固い語。グランドセンチュリーいわく、doよりも文章語的。

perform an experiment「実験を実行する」(旺文社1900、ジーニアス)


perform live 「ライブ演奏をする」(東京書籍)、「生演奏をする」(グランドセンチュリー)


日本ではよくパフォーマンスライブと言うが、しかし辞書にその語は見当たらない(少なくとも、ジーニアスとグランドセンチュリーには無い)。

なお、名詞形 performance は存在する。

performance 「公演」「実行」「性能」の意味。

「性能」は、「機械のパフォーマンス」とか言うときのperfomance と同じ語。


さて、パフォー ムperform ではなくプラクティス practice。

practice に、理念や理論などの「実践」の意味があり、単語集にもあります(桐原4500、旺文社ターゲット1900)。

practical 「実践的な」「実用的な」という単語もあるので(東京書籍4500、)、これと関連づけましょう。ほか、思想用語ですが、プラグマティズムという語があり、米国的な実用主義のことです。なお、プラグマティズムはドイツ語やギリシア語が語源なので、高校生には深入りは不要。


熟語で put ~ into practice で「~を実践する」

put his new ideas into practice 「彼の新しいアイデアを実践する」(旺文社1900、ジーニアスに似た例文あり)

the idea to put his ideas into practice 「彼のアイデアを実行するチャンス」(桐原4500)

とか典型です。なお桐原3000にもpracticeがありますが、3000では練習の意味しか書いてません。


practice his religion 「宗教を実践する」(ジーニアス、桐原5500をもとに作成したオリジナル)

She practices vegetarianism. 彼女は菜食主義を実践している。(東京書籍3000そのまま)

ほか、

practical experience 「実地の経験」(東京書籍4500、桐原4500)

が典型です。

対義語は theoretical 「理論上の」です(東京書籍4500、桐原4500)。セオレティカルと、語尾がティカルになります。セオ「リカル」ではないです。セオ「レティカル」です。


「実用的な車」 practical car (東京書籍4500)、実地の経験ある大工 practical carpenter (三省堂グランドセンチュリー)


たぶん大工が高校範囲でないので、東京書籍が気を利かして car 「車」に置き換えたのだろうと思います。

なお、理科などの実験は experiment です(東京書籍3000、旺文社1900)。

旺文社1900だとpracticeとexperiment が同じページに書いてあり、おそらく、類義語のようなものと見なしています。


practice には「練習」の意味があります。というか、先に「練習」の意味のほうを、多くの中高生用の学校用の単語集では習います。

exercise にも「練習」の意味がありますが、上記のように practice は宗教や思想にも使うので、なんかニュアンスが少しだけ重いです。practice の場合、exerciseよりも継続的に行い、技能の習得を目的とする練習のことです(グランドセンチュリー)。

また、単語集には例文が無いですが、practiceには「慣習」の意味もあります(ないのは例文だけであり、意味紹介はある)。「練習」などの派生的に覚えましょう。

宗教とか地域文化とかそういう単語で practice が使われている場合は、宗教の実践なのか、それとも宗教の慣習なのか、どちらなのか判別が面倒です。このため、入試では要求されないでしょう。あまり特定の宗教に深入りするのも入試的にアレですし。


慣習・習慣 practice 、custom、habit

practice には、社会の「慣習」「習慣」の意味があります(旺文社1900、鉄緑)。

桐原・東京書籍には「慣習」「習慣」の意味は書いてないですが、しかし旺文社1900に書いてあるので、大学入試の出題範囲かと思われます。英検準2級にも「習慣」の意味の practice は出ます。鉄緑単語集でも、「習慣」practice を押さえています。


custom は、社会の習慣でも(東京書籍4500、旺文1900)、個人の習慣でも使う(桐原3000で個人の習慣を紹介)。

社会の慣習の意味の場合、custom と practice の区別は難しい。

custom やhabitは、意外と難度の高い単語と見なされており、東京書籍4500や旺文社1900など上級レベルの単語集でも紹介されてる。

habit は個人の習慣。個人の「癖」(くせ)が habit である。

このためか旺文社1900および東京書籍4500では対比として custom を「社会的な慣習」としているが、しかし実は個人の習慣にも custom を使う(桐原3000)。


the custom of visiting shrine on Wew Year Day 「神社を新年に参拝する風習」(旺文社1900)

the custom of giving year-end gift 「お歳暮を贈る慣習」(東京書籍4500)

もちろん日本以外の外国にも custom を使ってよく、

another country's customs 「他国の慣習」(桐原3000)


habit で入試で典型的なのが、個人の食習慣。

well-balanced eating habits 「バランスのとれた食習慣」(旺文社1900)

the habit of eating between meals 「間食の習慣」(東京書籍4500)

She has a habit of playing with her hair when she's nervous. 「彼女には緊張すると髪をいじるくせがある」(桐原3000そのまま) ※辞書を見ても他にろくな例文が無いので、そのまま紹介

habit of ~ing で「~する習慣」である(旺文社1900)。

She has a habit of speaking quickly when she is angry. 「彼女には起こったときに早口で話すくせがある」(東京書籍4500そのまま)


つまり単語集の典型例として、

He / She has a habit of ~ing ○○ when he/she is □□. 「彼/彼女には□□したときに〇〇を~するくせがある」


この桐原の例のように、無意識の「癖」にhabit を使う。

だが、他にも、喫煙とか麻薬とかそうのの悪癖にも habit を使う(ジーニアス)。この悪癖は入試には出ないだろう。辞書を見ても、麻薬とかそういうのの habit ばかりなので、桐原の髪の例文をそのまま紹介させてもらった。

しかし、良い習慣にも habit を使っても良い(東京書籍4500など)。

healthy habits 「健康的な習慣」(東京書籍4500)

habit of rising early 「早起きの習慣」(ジーニアス)、habit of getting up early 「早起きの習慣」(グランドセンチュリー)


「習慣」の意味で practice を使う場合、地域などの集団の慣習。宗教とか風土とか。 ※ 入試範囲外だが汚職などの悪風の場合も、practiceを使う(ジーニアス)。


マナー以外にも code は使い、「民法」は the civil code , 「刑法」は the criminal code である。

だが、「lawで十分じゃん?」と思ったのか、東京書籍4500ではcodeの項目を見ても「暗号」しか紹介していない。なお、桐原4500の例文が、アメリカの各州の刑法 criminal code の違いの話題(いわゆる「州法」)。

おそらく東京書籍は、マナーの話をしたいなら manner で済むだろう、という発想だろう。なお、manner も英語であり、東京書籍4500にもmannerが書いてある。


「暗号」については、典型的な例文が

「暗号を解く」 break a code

である(東京書籍4500, 桐原4500)。


normal (ノーマル)は、日常的には「普通の」「平均的な」という意味である。

だが、学問としては、労働などの「基準量」の意味を覚えておきたい。

日本では最近はすたれた言い回しだが、ソ連語の由来で「ノルマ」という、たとえば1日あたりの、しなければならない労働の最低量として「ノルマ」という語があった。

単語集にはないが、辞書で normal の意味に、数学の「直角の」という意味もある。おそらく、古代ギリシア人あたりが、角度の基準として直角(90度)を採用したのだろう。


なお、数値的な「平均の」を言いたいなら、 average である。形容詞「平均の」も名詞「平均」も average である。桐原4500では、normal のページといっしょにaverage も書いてある。

normal の対義語 abnormal は「異常の」「異常な」の意味である。

逆に考えれば、normal の意味は、「通常の」「正常の」でもある。桐原のnormal に「正常な」が書いてある。東京書籍の副詞 normally に「通常は」が書いてある。


ordinary 「ふつうの」「平凡な」は、よく「生活」と結びついて、ordinary life 「ふつうの生活」(東京書籍の訳)または「平凡な生活」(桐原の訳)

ordinary はこのように、並外れた部分がないというニュアンスがある。

逆に対義語の extraordinary は、「並外れた」の意味である。

「異常気象」は extraordinary weather である(東京書籍、ジーニアス)。

単語集にはないが、「臨時国会」も an extraordinary Diet session (ジーニアス)あるいは an extraordinary session of Diet (センチュリー)のように言えることも、覚えておきたい。なお、Diet とは、日本の「国会」のこと。外国の国会の呼び名は違っている場合も多いので、外国の国会のことを言いたい際には、その国ごとの呼び方を調べること。


そのほか、ルールに従わせるための統制や、そのための訓練のことなどを、 discipline という。

子供の「しつけ」や、学校の規律などが discipline である。

ジーニアスいわく 「学校の規律」 school discipline である。

また、センチュリーいわく「学校での規律」は discipline in school である。


子育てや教育にかぎらず、たとえば行政などの「金融統制」は financial discipline である(ジーニアス)。

そのほか、単語週では旺文社1900しか紹介していないが、大学での「学科」や「学問分野」のことも discipline という。辞書には普通に「学科」も「学問分野」も書いてある(ジーニアスで確認)。なお、実は旺文社では「学問分野」しか書いてないが、説明の都合で段落冒頭では「学科」も加えて紹介した。


通訳と翻訳

「通訳する」「解釈する」 interpret

「翻訳する」 translate


「通訳」とは、普通、口頭での翻訳のこと。


だから翻訳サイトの「グーグル翻訳」も、べつに口頭でのやりとりではないので、英語では google translate なわけである。

「通訳者」は interpreter である。

「同時通訳」は simultaneous interpretation である(旺文社 simultaneous、ジーニアス、センチュリー)。

simultaneous は「サイマルテイニアス」と読む。シミュ~とは読まない。


名詞形の「通訳」「解釈」は interpretation である(旺文社)。

東京書籍と桐原だと「解釈」の意味しか紹介していないが、しかし上述のように「同時通訳」でも interpretation は使われるので、「通訳」の意味も覚えるべきだろう。


なお、数学の「連立方程式」は simultaneous equation である(ジーニアス)。

simultaneous の部分が「連立」である。 「方程式」は equation である。


翻訳者は translator である。


関係

relation,

相対的・親戚 relative

形容詞 related , relevant など


relate は動詞「関係がある」である(桐原)。


related は形容詞「関係がある」「関連付ける」である(桐原、東京書籍)。

be related to (不定詞)~ 「~と関係がある」「~に関係している」(旺文社、桐原)


relation は名詞「関係」である(桐原、東京書籍)。


relative 形容詞「相対的な」、および名詞「親戚」


relevant 「関係がある」(旺文社、鉄緑)

鉄緑いわくグランドセンチュリーいわく、relevant は直接的な関係のこと。

なお、ジーニアスでは、「密接な関係」があるのが relevant という見解。


東京書籍。桐原は relevant を紹介せず。


対義語は irrelevant 「無関係の」「関係が無い」である。(旺文社、鉄緑)

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  3. ^ 『All aboard! English Communication I』、東京書籍、令和3年1月29日検定済、令和4年2月10日発行、P145
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