高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ15
※ 分割用タイトル
[編集]設立
constitute と establish と found
found という動詞がある。動詞「見つける」find の 過去形foundとは別に、原形で「設立する」のfoundという動詞がある。
「設立する」は活用が、
原形 found - 過去形 founded - 過去分詞 founded
と変化をする。
foundの意味は「設立する」。「創設者」を名詞 founder と言うのを記憶の土台にすると、覚えやすいだろう。名詞 foundation で「基礎・基盤」や「建設・設立」などの意味。化粧でファンデーションとあるが、あれは和製英語ではなく、れっきとして foundation cream という英単語がある(ジーニアス英和で確認)。
ちなみに金融などで「ファンド」といわれる単語は fund (原形がfund )というまったく別の単語。組織などの「資金」「基金」が名詞でfundである。動詞 fund は、組織などに「資金を出す」こと(旺文社1400)。
なお、「基金の基金を集める」は raise a fund である(旺文社1400。ジーニアス)。また、raise money で「資金を集める」である(東京書籍4500。桐原4500)。
constitute は、議会や制度などを「設立する」。
なお、センチュリー英和によると、「議会を設立する」 constitute an assembly とのこと。
establish は、組織を「設立する」。たとえば桐原4500に「早稲田大学を設立する」という例文で establish が紹介されている。
ジーニアス英和によると、政府・学校・会社などを「設立する」のが establish である。
センチュリー英和によると、国家・政府などを「樹立する」のも establish である。
だが、それよりもestablishは、単語集にはないが、評判などを「確立する」の意味で覚えるほうが良い。
たとえば、センチュリー英和やジーニアス英和にあるが、国家体制など既存の「体制側」や「支配層」のことを establishment という。
いっぽう constitute には、こういったニュアンスはないだろうから。
establish 「設立する」のstaは「立てる」の意味です。和訳にも「設立」に「立」の字が使われています。
set up
set up は「創業する」「創設する」の意味である。
このほか、set upには、テント(a tent)や看板(a sign)などを「立てる」という意味もある。
センチュリー英和にもあるが、コンピュータの初期設定のことを set up という。
主張 claim と insist と argue と contend, assert, advocate
※ assert は旺文社1900、緑鉄にある
議論する argue, discuss
討論する debate
言及する mention , refer
本・辞書などを調べる・参照する refer, consult, look up
センチュリー英和によると、claimは、当然の権利として「主張する」、あるいは事実であるとして「主張する」の意味。
日本語だと、なんか不満の表明でクレームとか言うが、上記はべつにそういう用法ではない。
たとえば鉄緑単語集で、occasionally の項目で、「母は菜食主義者だと主張しているが、時々肉を食べる」という文でclaim を使っている。
べつにこの母は、肉さんや野菜さんに不満を主張しているわけではないだろう。この用法に文句があるなら、鉄緑会さんに文句を言ってくれ。
さて、claimとinsistのどちらにも、「要求する」の意味がある。
だが、claimの要求は、権利としての要求である(東京書籍4500)。
いっぽう insistの要求は、単に強く要求しているだけである。
insistは、特に、強く「主張する」意味である。
ジーニアス英和およびセンチュリー英和では、無罪の主張でinsist on が用いられている。
insistも claim も、強めの主張なので、提案したい場合には suggest など別の動詞を使う。 suggest については別のページで解説したので省略。
日本語の、批判のような意味での「クレーム」は、和製英語であり、センチュリー英和のclaimの説明によると、英語にこの意味はない。
なお、「文句を言う」は英語で complain である。
- (※ たぶん範囲外?)海外旅行などで「荷物の受け取り」のことを baggage claim という[1]。このように、日本語の「クレーム」と英語のclaim は、だいぶニュアンスが違う。
記号「!」 のことを exclamation (イクスクラメイション)というが、これも動詞 exclaim (イクスクレイム)「さけぶ」の名詞形である。
なお、荷物 baggage は集合名詞なので たとえば複数の荷物を言うときは、 ~ pieces of baggage になる[2](桐原3000)。
発音注意であり、baggage 「バギッジ」である。
なおbaggageはアメリカ英語。イギリス英語だと luggage 「荷物」になる。
一方、「カバン」bagは具体的なカバンのことをいうので、普通に数えられるので、bagの複数形は bags である[3](桐原3000)。
さて、claim する人(主張者)のことは claimant である。
ただし、権利の主張などは、insistとclaimのどちらでも良い。
argue は、理由をあげて「主張する」の意味である(東京書籍4500)。argue that ~ で「~だと主張する」の意味である。argue with ~(人) で「~(人)と言い争う」の意味である(桐原4500および旺文社1400)。
なお、argueには、用法によっては、やや非友好的に「議論する」ニュアンスもある。ジーニアス英和にも、argue は「discussよりも非友好的」と記述がある。
たとえば検定教科書 "Standard Vision Quest I" でも、 argueは「言い争う」といった意味であると紹介する一方、discuss は「議論する」であると紹介している[4]。
ただし、実際には argue には「説得する」などの意味の用法もあるので、ニュアンスの違いはあまり明確ではない。
センチュリー英和に、弁護士の「弁論」をargueとした例文があったが、もし法廷闘争での敵対陣営同士の「弁論」ならargueのほうが、ふさわしいだろう。
なお、「口論する」は quarrel である[5]。
debate は、特定の議題について二手に分かれて意見を論じ合うことであり(東京書籍4500、辞書グランドセンチュリー)、賛否が対立している議題についてのことが比較的に多い(辞書ジーニアス、辞書グランドセンチュリー)。
なお、単語集では、debateの単語自体は旺文社も桐原も紹介しており、「討論する」の意味で紹介している。
contend は、(東京書籍4500いわく)「強く主張する」とか、(桐原5500いわく)「論争する」とかの意味。
tend は、extend 「伸ばす」と同じで、双方が共に(= con)主張の支持を伸ばそうとして、日本語でいう所の「張り合って」競争しているような状態だから、con + tend で contend という仕組み(鉄緑)。
意外にも、ジーニアスやグランドセンチュリーには、contend の語源は無い。
桐原5500の例文にあるが、contend in court で「法廷で争う」。
旺文社1900によると名詞 contention で「主張」「論点」の意味。
旺文社1900・鉄緑とセンチュリー英和が紹介しているが contend that ~ で「~だと主張する」。
旺文社1900 で熟語 an issue of contention (「議論の対象となる問題」)が紹介されてるが、しかしジーニアス英和でもセンチュリー英和でも確認できなかった。
グランドセンチュリーを見ると、contend「力説する」というのもある。
このように、必ずしも論敵がいなくても良いが、ともかく、強く主張するといった意味になる。
assert は、「断言する」「主張する」の意味。上述の他の語との区別が難しい。
advocate 「主張する」は、語源としては voc はボーカル vocal などの voc 「声の」と同じで(鉄緑)、何か声を出して主張するようなイメージなので、まあ「主張する」は分かる。
ほかに、advocate には、法定などで「代弁する」「擁護する」などの意味もある(旺文社、辞書)。
advocate の」主張内容は、必ずしも他人の擁護でなくとも構わないが、しかし辞書などの用例では、なにかの政治的な主義などの論陣を張るのに advocate が使われている事が多い。単語集でも同様です。
たとえば、
- 旺文社では「菜食主義者は動物由来のすべての食べ物を避けることを主張する」で advocate を使っている。
- 鉄緑は、「多くの専門家が経済に対する政府の統制緩和を主張している」とある。
なお、桐原4500にadvocateは無い。東京書籍4500巻末にadovocate があり、「彼は大学教育の改革を主張している」という例文。
旺文社1900では書籍の半分目あたりにadovocateがあり、意外と中盤の単語。(鉄緑では、巻末の近くで紹介されているが、べつにそれほどマニアック単語ではない)
まあ「弁舌」(べんぜつ)とか言うし、「弁護士」とか言うし、弁護士は法定に出頭して実際に口で何かを言う必要があるし。
桐原4500に advocate は無い。東京書籍は巻末送り。
- 異議を唱える
challenge
challenge には課題や競技相手などに「挑戦する」の意味もあるが、議論などで相手に「異議を唱える」の意味もある。
たとえばジーニアス英和からの抜粋だが、 I challenged her. 「私は彼女に異議を唱えた。」
旺文社1900からの抜粋だが、 He challenged the common belief. 「彼は常識に異議を唱えた。」
センチュリーからの抜粋で、 He challenged my statement. 「彼は私の言うことに異議を唱えた。」
challenging で「やりがいのある」。東京書籍3000に例文がある。辞書を見ても、あまり例文が無いので、当ページでは紹介しない。
なお単語集にはないが、ジーニアスによると、競技などで challenger 「挑戦者」 ⇔ defender 「選手権保持者」(防衛側)
である。defender の項目で調べると書いてある。
競技では、challenge は試合を「申し込む」などの意味である。
たとえば、東京書籍3000の例文だが、
Dan challenged me to a game of tennis. 「ダンは私にテニスの試合を申し込んだ。」
また、センチュリー英和に似たような例文
I challenged Betty to a game of tennis. 「私はベティにテニスの試合を申し込んだ。」
がある。
言及する mention , refer to
- ※ なお、東京書籍4500と桐原4500は、referとmentionが類義語という見解。
- 東京書籍はrefer と mention を同一ページで紹介しており、類義語という見解のようだ。桐原も、別々のページだが、それぞれ類義語としてお互いにreferとmentionを紹介している。
refer には「参照する」という意味もあるが、「言及する」という意味もある。
そして、どの単語集でも、referの第一の意味は「言及する」である(旺文社1400、桐原、東京書籍4500)。
読者はついつい、refer の第一の意味を「参照する」としたいと思うかもしれないが(mentionにはその意味はないので)、しかし、そういうわけにはいかないのである。
というのも、類義語である mention は、けっして、一般的などんな「言及」でも使える意味ではない。
mention は、話のなかで単に名前を上げるとか、話で簡単に触れる程度のことである(東京書籍4500、ジーニアス)。
なお、
not to mention ~「~は、いうまでもなく」(東京書籍4500、旺文社1400)
refer は、ふつう
refer to ~ 「~に言及する」
のように前置詞 to をつけて使う(桐原、東京書籍、旺文社)。
なお、参照するの意味でも、
refer to ~ 「~を参照する」(東京書籍、旺文社)
のように前置詞 to をつける。
consult 「参照する」「調べる」という語もある。
consult の目的語は、辞書などの本である。
辞書で単語を調べた場合、
consult の目的語は「辞書・本」
look up の目的語は「単語」
である(鉄緑)。
辞書で何かを調べた場合、
refer to the dictionary,「辞書で調べる」
consult the dictionary ,「辞書で調べる」
look up the word in the dictionary 「辞書で単語を調べる」(鉄緑ほぼそのまま、ジーニアスを改変)
のように使い分けをする。
日本の単語集だとrefer はよく「参照する」の意味で紹介されるが、しかし「調べる」と訳しても良い(グランドセンチュリー、)。
名詞形 reference は「参照」「言及」の意味。
参考文献などの意味での「参照」でも reference は使われる。
- ※ なお、東京書籍4500にはreference の掲載が無い。
参考文献などの出典にも名詞形が使われるので、なんとなく動詞 refer は堅いイメージを受けるかもしれないが、しかし「詳しくはウェブサイトを参照してください」ぐらいの文章でも refer to は使われる(東京書籍)。
なお、論文などの著作物などで何かに言及することにも refer および reference が使われる。
reference と言った場合、日本では出典の意味ばかりだが、しかし英語では言及の意味なのか出典の意味なのか、どちらなのかを文脈から判断する必要がある。
「言及する」なんてmention でも言えるが、しかしどの単語集でも refer は「言及する」の意味で先に紹介している。
ほかの単語で言える動詞形よりも名詞形 reference の「出典」の意味のほうが重要だろうが、しかし単語集では「参照」「言及」の意味しか紹介されていない。
国語や総合学習のレポート作成の授業などで「出典をつけろ」とか習う割には、reference の出典の意味も教えないのが日本の高校英語の教育だ。
防御
defend , guard , protect
まず、「ガードマン」は和製。
guard だけで「警備員」の意味がある。特に、警備員であることを強調したい場合、 a security guard という(東京書籍、旺文社)。
a security をつけずに「警備員」と使用してもいい。桐原3000の英文は銀行の「警備員」に、 a security をつけていない。
さて、defend は動詞。guardは名詞および動詞。protectは動詞。
なお、guardian とは、未成年などの「後見人」のこと。旺文社1900ではguardian を「保護者」「後見人」と紹介している。
そのほか、センチュリーでは、たとえば世界平和の「守護者」とか、そういう意味の「守護者」のことを guardian という。そのほか、ジーニアスには guardian の意味のひとつに「保護者」と書いてある。
protect は、病気などから「守る」場合にも使えるが(東京書籍3000)、ジーニアスによると人間などの相手でも使っていいようである。
辞書や単語集では「保護する」と訳される場合もある。
名詞 protection は「保護」の意味。
辞書によると、関税によって国内産業を「保護」することも protect である。また、風雨からの保護の「雨よけ」「風よけ」も 名詞 protection である。
さて、ジーニアスによると、「家族を守る」でprotect one's family である。ジーニアスでは文脈は述べていないが、普通の感覚では、病気とかではなく犯罪などから家族を守ることだろう。
日光(sunlight, sun)から目を守ったり(ジーニアス、センチュリー)、肌を守ったりするのも(桐原4500)、protectである。
たとえば、 protect one's eyes from sunlight 「日光から目を守る」
である。
protect 〜 from B で、「〜(守られる対象)をB(危険側)から守る。」である。
なお、子育てなどでいう「過保護」は英語で overprotect である(桐原5500)。
汚染
動詞「汚染する」 pollute , contaminate
違いは不明確。
数研リープと鉄緑および旺文社1900と桐原5500に contaminate (コンタミネイト)「汚染」がある。東京書籍や桐原には contaminate は無い。
旺文社1900では、放射能汚染の二語の語句があるが、辞書では確認できなかった(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
ジーニアスと旺文社1900では、石油流出によって海が汚染されるという例文で、contaminate 「汚染する」を使っている。なお、「汚染される」と言いたい場合、受け身なので、 be contaminated となる。
pollute は桐原・東京書籍の4500にもある。
一応、ジーニアス英和および桐原5500には、「毒物や放射能」による「汚染する」を contaminate としているが、彼らがそういう説を言っているだけ。クラウン英和はその説を採用していない、
実際にクラウンの例文を見ると、車の排気ガス汚染で、contaminate 「汚染する」という動詞を用いている。
- Car exhaust contaminate the air. 車の排気ガスは大気を汚染する。
という文がクラウン英和にある。
名詞形は contamination (コンタミネイション)「汚染」である。
しかし東京書籍4500では、工場の煤煙による大気汚染が pollute 「汚染する」である。
名詞形は pollution (ポリューション)「汚染」である。
クラウン英和にある大気汚染 air pollution のように、そういう用語が既にあるので、実務では業界の用語ごと覚えるしかない。
※高校生としては、不正確かもしれないが、とりあえず「汚染する」はすべてpolluteで覚えておいて、実務などで「この場合はcontaminete を使え」と修正された場合にだけ contaminate 「汚染する」を使うのが良いだろう。
傷(きず)
wound, injured, harm, hurt
動詞 wound は、刃物・銃などで「傷つける」、「負傷させる」。桐原3000だと「傷つける」、東京書籍4500だと「負傷させる」。
ジーニアス英和hurtの説明によると、戦いでの負傷には wound を使うとのこと。通常は、刃物・銃などの武器による負傷が、wound である(東京書籍(刃物・銃)、鉄緑)。
be wounded 「けがをする」(桐原3000、東京書籍4500例文)
この be wounded の用法、意外と他の単語集には書いてない。
be badly wounded 「重傷を負う」(東京書籍、鉄緑)
hurt は、感情なども含む「傷つける」。偶然か英米人のダジャレかどうか知らないが、心のheart と、心を「傷つける」 hurt とで発音が近い。関連付けて覚えよう。
センチュリー英和だと、hurtには、「傷による苦痛に重点がある」とのこと。
名詞 injury が「けが」という意味。これが「けが」の基本的な単語である。
さて、~ be injured で「~が、けがをする」の意味である。
~ be injured in ・・・ で「~(けが人)が,・・・(原因)でけがをする」である。
単語集によくある典型的な例文が、
「彼はその事故でけがをした。」 He was injured in the accident.
である。
単語集では、自動詞 hurt で「痛む」の意味があり、東京書籍4500で例文を紹介。一方、桐原4500は例文なし。
「おなかが痛い」(※東京書籍4500)とか(靴擦れで)「かかとが痛い」(※センチュリー)とかでも、hurtを使っていい。
桐原4500に名詞 hurt で、「傷」の意味が紹介されている(例文なし)。東京書籍4500にはなし。
hurt には「けが」・「傷」・「苦痛」の意味がある。
「傷」の意味では、injuryとほぼ同義だと、ジーニアス英和が言っている。
hurtとpainの違いが気になるが、あいにく辞書には書いてなかった。
ややしいことに「痛み」を意味する名詞 pain には、「苦労」の意味もある。苦痛ではなく苦労なので、いい意味でも使われる。
なお、painは名詞の用法が基本的な意味だし、名詞の意味は「痛み」。
hurt は動詞の用法が基本的な意味だし、動詞の意味は「傷つける」。
辞書を見ると、実は動詞のpainもあるが、これは「痛む」の意味である。(「傷つける」ではない)painはあくまで「痛み」に関する単語
名詞 harm は「害」の意味。なお、harmful で「有害な」の意味の形容詞[6]。
東京書籍およびジーニアスによると、日光や光によって「目をいためる」のは harm である。
飲酒や喫煙などの「害」がharm 。桐原4500に喫煙の害。センチュリー英和に飲酒の害。
このように、比較的に痛みを伴わないものにも使われる。(センチュリーにもそう書いてある。)
だが、「目をいためる」ように、実際に痛いこともある場合にも使われるので、まあ傾向の程度。
ネットでときどき「有害コンテンツ」という用語があるが、「有害コンテンツ」も英語で harmful contents である[7]。
ほか、旺文社1900のsubstance 物質)の項目が言うには、飲食物などに含まれていたら困る「有害物質」は harmful substances である。
さて、動詞 suffer が「苦しむ」という意味だが、 be suffering from ~ で、「~(原因)で、苦しい(つらい)」的な意味。
東京書籍 be suffering from a toothache 歯が痛くてつらい
桐原 be suffering from a backache 背中が痛くて苦しい
などと訳している。
ジーニアスによると、 「風邪をひいている」 be suffering a cold のように痛み以外でも使っていい。ほか、「英国はインフレで苦しんでいる」 be suffering from inflation のように使ってもいい。
やわらげる
relieve, ease
評価と評判
評価 make ~ of A (主語が目的語をどう思っているか),
評判 have a reputation (主語が世間からどう思われているか), reception (アイデアや作品などの評判)
知名度という意味での「評判」 publicity
査定する evaluate , assess (金銭的な評価)
苦痛などを「やわらげる」は動詞 relieve である。
典型的な例文で、(風邪薬などで)「頭痛をやわらげる」 relieve a headache がある(東京書籍4500およびセンチュリー)。
誰が風邪薬を飲んで誰の頭痛をやわらげるのかによって、飲んだのが「私」だったら relieve my headache になったり、教材ごとに主語による多少の違いがある。
どちらにせよ、単に柔らかいわけでもなく、単に軽減するわけでもなく、苦痛などを減らすのが relieve である。
relieve A of B(苦痛など) で、「AからBを除いて楽にする」の意味。
熟語 get rid of ~ 「~を取り除く」と関連づけて覚えよう。実際、桐原4500がそういう構成である。
- ※ 今のページでは深入りしないが、前置詞 of には「分離」の意味がある。当wikiの文法ページでも、分離のof は 『高校英語の文法/前置詞#of』で説明。上記の relieve A of B や get rid of の of は、この分離の of である。
さて、名詞形は relief であり、「安心」「緩和」「救援」などの意味である(単語集にある)。単語集にはないが、野球のリリーフも同じrelief である(センチュリーで確認)。
sigh with relief で「安堵(あんど)のため息をつく」である(旺文社sigh、東京書籍4500巻末)。sigh (発音「サイ」)は、動詞としては「ため息をつく」、名詞としては「ため息」である。
例文は、
She sighed with relief. 「彼女は安堵のため息をついた」
である(東京書籍4500 項目 sigh。旺文社1900 項目 sigh)。
日本語だと、「ため息」は、気苦労やあきれた感情の表現とされるが、そんな用法は日本かせいぜい東洋でしか通用しないローカル・ルールである。
公教育で英語を学ぶ意義は、ローカルルールを世界常識だと勘違いしている馬鹿をあぶりだすことである。そして、そういう浅知恵に限って、自分は教養人だと思ってるのでタチが悪い。やみくもに英単語だけを多く覚えても、思考回路がローカル・ルールと世界とを区別できない馬鹿のままなら、大した意義は無い。
なお、「評価する」も、英語や中国語が似たような構造である。
まず、中国語で「評価」に似た言い回しには、けっして「高く評価している」とかの意味は無く、けっして「価値が高いと評する」の意味もなく、単に価値についての評判の意味しかないと言われない。
同様、英語の「評価する」という意味の熟語
make ~ of A 「Aを~だと評価する」(鉄緑)
も、muchが入れば高評価になり、littleやnothingなどの否定語・打消し語が入れば低評価になる、という構造である。
つまり
make much of A 「Aを重視する」(鉄緑)
make nothing of A または make little of A または make light of A 「Aを軽視する」(鉄緑)
という意味である。
日本語の高く「評価する」と似た語は、英語では、 appreciate 「価値(のよさ)を認める」がある(数研リープ)。
「ため息」と「評価」に関しては、日本語が世界からズレている。
なにか古文か漢文か何かで由緒正しい言い回しでもあるならともかく、もし明治時代に作られただけの言い回しなら、ローカル・ルールの馬鹿そうな言い回しである。
make と同様、think でも
think much of A 「Aを重視する」「Aを高く評価する」(鉄緑)
の意味である。
評価と評判
評価 make ~ of A (主語が目的語をどう思っているか),
評判 have a reputation (主語が世間からどう思われているか),
査定する assess (金銭的な評価)
英語での「評判」 reputation は、世間がどう思っているか、という意味です。
自分がどう思っているかは、reputation には関係ありません。(「評価」make ~ of と混同しないように注意。)
X has a reputation for being Y 「XはYであるという評判」(東京書籍4500、旺文社1900、鉄緑)
のように、単に評判が高いか低いか以外にも、〇〇が△△だ、というような性質についての評判も reputation で扱えます。
この構文の評判のなかみは、褒める内容でも、低く評価する内容でも構いません。
たとえば旺文社では「イギリスの食べ物はおいしくないという評判がある」という、低評価の内容の例文です。
また、上記kの構文を使わずとも、単に形容詞 good や bad を加えて
has a good reputation 「評判が良い」(グランドセンチュリー)
has a bad reputation 「評判が悪い」(桐原4500)
のようにいう事も可能です。
名声 fame ,reputation
東京書籍4500が、fame と reputation を同じページで紹介しています。似たことを考える人はいる。
「名声」の一般的な語は、fame (フェイム)でしょう。
辞書によくあるのは、
his fame as a doctor 「医者としての彼の名声」(グランドセンチュリー)
his fame as an actor 「俳優としての彼の名声」(ジーニアス)
「名声を追い求める」とか言うときの名声も fame で言えます(旺文社1400(中級本))。なお、名声を追い求めるの「追い求める」の英語は seek です。著作権のため例文は省略。
形容詞 famous 「有名な」などの名詞形のような語です。
reputation だけで「名声」の意味の場合もあります(旺文社、桐原「好評」あり、東京書籍)。
ほか、
hurt one's reputation 「評判を傷つける」(旺文社1900の単語 comment の例文を参考。和訳はwiki側オリジナル)
なんて言い回しもあります。hurt は「傷つける」という意味の動詞です。
上記の例のように、文脈によっては、reputation は「高い評判」を意味する場合もあります。
「評価」と「評判」の語句で、その語自身が良い意味を持つか、それとも持たずに中立的に使われるのかが、英語は日本語とは逆です。
かなりのマニアックな単語だが、reception 「(評判という意味での)反応」「評判」がある。
著作物(旺文社1900、グランドセンチュリー)やアイデア(ジーニアス)などの評判のことを言うのに reception を使う。
メールなどの「受取人」「宛先(あてさき)」が recipient です(旺文社1900、グーグルG-mail で確認)。臓器提供を受ける人も同じ単語の recipient です。
なお、メールの「件名」は subject です(グーグル G-mail で確認)。
さて、「安心」的なのが relieve のイメージなので、be relieved to ~(動詞) で「~で安心した」という形容詞的な用法になる。
というか、辞書ではジーニアス英和でもセンチュリー英和でも、 relieved を形容詞として紹介している。
gain a reputation で「名声を得る」という意味です(東京書籍、グランドセンチュリー earn a reputation 「名声を得る」)。
gain fame 「名声を得る」でも良い(数研リープ)。
知名度という意味での「評判」 publicity です(旺文社1900 例文なし「周知」、ジーニアス「知名度」あり)。
鉄緑単語集も速読英単語・上も紹介してないので、受験英語としては省略しても平気でしょう。
「評判を集める」 get publicity または gain publicity です。
「人目を避ける」 avoid publicity が(ジーニアス、グランドセンチュリー)、語感をつかむのに分かりやすいでしょう。
ふつう、いい意味での「評判」に publicity は使いますが、どちらかというと知名度や周知に重点があります。
publicity には、「広告」「宣伝」の意味もあります(旺文社1900、辞書)。鉄緑が、advertise の次の単語に publish を置いてるあたり、まあ、publicity を分かってい、スットぼけてる。
evaluate は、能力を「評価する」や(旺文社1900)、政策や薬や治療法などの何かの効果を「評価する」の意味(桐原など)。
よくある例文は、
evaluate the effectiveness of ~ 「~の効果を評価する」(桐原4500、パス単準1)
evaluate a student's ability 「学生の能力を評価する」(旺文社1900、グランドセンチュリー)
ジーニアスには evaluate の例文が無い。ジーニアスは掲載語数や意味の紹介が多いが、代償として例文が少ないというトレード・オフ。
なお、東京書籍4500巻末は「実験結果」の評価の例文。
evaluate の訳語は基本的には「評価する」だが、「査定する」と訳す場合もある。
名詞形は evaluation 「評価」「査定」である。
evaluate はvalue「価値」が語源である(数研リープ、鉄緑)。「価値を測定する」→「評価する」みたいな意味。日本語にも「評価」の「価」は、「価値」の「価」だし、なるほど明治時代に訳語を考えた人は良く見ているなあ。
assess「査定(さてい)する」という語が、文章によっては「評価する」と和訳されることもある。だが、辞書によると、金銭的評価の例文にばかり、assess は使われている(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
単語集によると、金額意外の評価や分析などにも使うようだが(東京書籍、旺文社は成績評価)、例文が不足しており、よく分からなかった。
名詞形は assessment (アセスメント)「評価」「査定」である。
よく、社会科の公民科目などで「環境アセスメント」とかの用語を聞き、数研リープでも「環境アセスメント」で覚えろと参考に挙げているが、しかし他社の単語集や辞書では、この語を確認できなかった。
ease (イーズ)という動詞および名詞がある。これも動詞ease は「やわらげる」「取り除く」の意味である。これは形容詞の「簡単な」 easyの、名詞計および動詞形である。
名詞 ease は「容易さ」「気楽さ」「軽減」の意味である。
This medicine eases the pain. 「この薬は痛みをやわらげる。」
のように使う(東京書籍および旺文社に似た例文)。
ジーニアスによると、頭痛 headache をやわらげるのに ease を用いてよく、旺文社によると胃痛 stomach pain をやわらげるのに ease を用いている。
このような薬による「取り除く」「やわらげる」の意味での ease は、ジーニアスによると、relieve とほぼ同義語とのこと。
取り除く
remove, eliminate
(※ 別単元で説明しているので、以下は省略) 「取り除く」 get rid of ,clear
remove は、「取り外す」の意味に近い。
たとえばパソコンのUSBスティックメモリなどを「リムーバル・メディア」などというが、取り外したあとに、別に捨てるわけでもなく、消去するわけでもない。
取り外して、別の場所に移動して保管しておくのが remove である(速読英単語)。
このように、remove は単に「取り外す」「取り除く」というニュアンスである。
名詞 removal (リムーバル)「取り外し」という単語も存在しています(東京書籍4500)。
形容詞 removable(リムーバブル)「取り外し可能な」という単語もあります(東京書籍4500)。
「リムーバル」はけっして形容詞 removable(リムーバブル)「取り外し可能な」の誤記ではないです。間違えないように。
一方、eliminate は、取り除いたあとに、処分することを念頭に置いている。または、取り除いたあとに、再度の取り付けの意思がないものに使う。
なので、eliminate で取り除かれるものは、ゴミだったり、あるいは犯罪などの社会悪だったりする。
または、解決すべき問題を片付けることも eliminate である(東京書籍)。
だから eliminate の訳語は「取り除く」である。外すのではなく「除く」に、そういうニュアンスがある。
eliminate (A) from (B) で、「AからBを除去する」である。fromの後ろにあるBが、抹消されるべき対象である。
こういう単語なので、単語集にはないが、ジーニアスを見れば、敵軍などを全滅させる事も eliminate と言うこともある。
なお、生物種の「絶滅」は extinction (エクスティンクション)である。
「絶滅危惧種」は an endangered species である(数研リープ)。
熟語 get rid of ~ は、そこまであれこれと考えていない。remove的にも使われるし、eliminate 的にも使われる。あるいは、remove と eliminate の中間だと思っておけばいいかもしれない。
さて、 exclude は、「除外する」である。
これよりも、形容詞の exclusive エクスクルーシブの意味「排他的な」のほうが分かりやすいので、そちらを説明する。
exclusive 「排他的」とは、最初から内部に入れない、という意味である。
だからexclude は、最初から中に入れないように「締め出す」という意味もある(桐原で確認)。
語感の -clude は、「閉じる」close と同じ語源である。除外のために、ドアを閉じるから、まさに外に(ex)「締め出す」(clude)という仕組みの語。
excludeの「除外する」の意味については、可能性などを「除外する」という意味もあり、ジーニアスの例文だと、たとえば「明日、雨が降る可能性は除外できる」みたいな割と平和的な「除外する」にも exclude を用いることもできる。
そのほか、exclude は、見当などの際に「考慮に入れない」という意味もあり(ジーニアス、センチュリー、旺文社で確認)、たとえば旺文社の例文では「税金は価格から除外されている」という意味の英文で exclude を受身計で用いている。
なお、対義語は include であり、「含む」という意味である。
たとえば「税込み 5ドル」は
$5, tax include
である。
典型的な例文は、
「料金は税込みですか?」 Does the price include tax?
がある( ジーニアス(ただしpriceでなくrate)、 東京書籍(ただし「料金」でなく「価格」と和訳) )。
また、-clude とは「閉じる」の意味である。
だから、たとえば conclude は、話を閉じるので「結論づける」「締めくくる」の意味。conclusion は「結論」の意味。
なお、IT業界でも、たとえばGit hub などのソース公開サイトでは、議論ページなどで終わった議論には「close」などのタグがつけられる。
結論を出すとは、米英では、話を閉じるという事である。
議論において、close とは、議論が終わっている状態。conclusion とは、オワタt議論で得られている結論そのものの事。
(※ 別単元で説明しているので、以下は省略) 「取り除く」 get rid of ,clear
clear「取り除く」 は『高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ40』で説明するので、今のページでは説明を省略。
get rid of については、別単元の「relieve A of B(苦痛など) で、「AからBを除いて楽にする」の意味。」の関連知識として、別単元で説明したと思う(もし今後の編集で消えていても、知ったことではない)。
消去する
erase , delete
(※ 範囲外)火を消す extinguish
鉛筆で書いた文字を消しゴムで消すのが erase である。
また、消しゴムをアメリカ英語で eraser (イレイサー、イレイザー)という(東京書籍1800、旺文社1900)。なおイギリス英語では rubber である。
黒板ふきも eraser である(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。
コンピュータのデータを消すのは、erase も delete も使われるが(ジーニアスで確認)、しかし現代では delete でデータ消去を表すのが普通である。
実際、パソコンのキーボードにも delete キーがある。
旺文社の例文も、メールの削除を delete で表現している。
なお、東京書籍と桐原の単語集には delete は見当たらない。
昔なつかしいテープのデータを消去するのには、erase が使われるようである(ジーニアス、センチュリーにerase でテープのデータを消す用法あり)。
erase で消すのは、文字のほかにも、感情を「消す」などの表現でも使われる(ジーニアス、)。
「記憶を消せればいいのに」みたいな表現でも erase を使う(旺文社、ジーニアス)。
辞書にはないが、delete はもともと動詞で「削除する」「消去する」の意味であるが、現代ではパソコンのデリートキーを表す名詞として、delete が名詞としても使われる(旺文社1900)。辞書のほうが遅れている。旺文社1900が正しい。
なお、名詞形 deletion 「消去」「削除」という単語もある(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。
高校範囲外ですが、火を「消す」は動詞 extinguish (イクステングィッシュ)です。(ただし鉄緑単語集が extinguish を紹介しています。)
extinguish は一見すると見慣れないですが、実は高校範囲の単語「絶滅」 extinction (イクスティンクション)の動詞形です。
extinction のスペルのままでは動詞の意味は無いです(センチュリー、ジー二アス)。
消防士による「消火する」から(ジー二アス)、たばこの火を「消す」まで(センチュリー)、extinguish で表現できます。
なお、extinct は形容詞「絶滅した」「消滅した」です。
「~が絶滅する」 ~ become extinct
「~を絶滅させる」 wipe out ~ , または extinguish ~
動詞「絶滅する」は become extinct です。
なお、動詞「絶滅させる」は wipe out または extinguish です。この wipe も、受験英語です(旺文社1900、鉄緑、数研リープ)。
die out 「絶滅する」と関連づけて覚えましょう。
絶滅 wipe のよくある例文は、
The whole village was wiped out by ~ 「村は ~(災害など) で全滅した。」(ジーニアス、グランドセンチュリー)
数研リープの見解では、必ずしも絶命でなくとも、壊滅的な打撃の場合でも、 wipe out を使うという見解。なので数研リープでは、wipe は「壊滅させる」という訳後。
ほか、「(侵略国が)主権国家を地図から消滅させようとしている」みたいな国際政治の表現にも wipe out は使えます。そうアメリカ副大統領がG7サミット(2024年度、スイス開催)で言ってました。(動画)Forbes Breaking News "WATCH: VP Kamala Harris Reaffirms U.S. Support To Ukraine At Peace Summit In Switzerland" , 2024/06/16 , 13:25 あたり。"to wipe a sovereign state off the map" (地図から主権国家を消し去ろうとする(侵略国の)試み)だと。
桐原には wipe 「ふきとる」はあるが、wipe out は無い。東京書籍4500・3000には wipe 自体が無い。
なお、「ふきとる」wipe のよくある例文は、
He wiped his hand with a towel. 「彼はタオルで手をふいた。」(旺文社ほぼそのまま、グランドセンチュリーほぼそのまま)
グランドセンチュリーの例文を見る限り、 on a towel でも良さそうである。
ほか、テーブルをふく例文もよくあり、
wipe a table 「テーブルをふく」(ジーニアス)
wipe the tables 「(レストランのウェイトレスなどが)テーブルをふく」(桐原)
余談だが、ホウキなどで「掃く」sweep (スィープ)にも、敵を「一掃する」という用法もある(旺文社)。『高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ5』
旺文社がwipeとsweppを同じページで紹介しており、まあ、wipeの絶滅とsweepの一掃を、旺文社は似た発想だと思っているのだろう。
sweep のswは、swing 「揺れる」「振る」と同じ。ホウキを使うときも、往復動作をするので。
さて、絶滅の話にもどる。
ほか、生態系の「絶滅危惧種」は an endangered species である(桐原4500 species、ジー二アス endangered)。東京書籍と旺文社には、species の項目自体はあるが、絶滅危惧種はない。
ほか。「同種の」 conspecific であるが(Z速読・上)、ただし、辞書には無い単語(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
ほか植物の「種」(たね)は、seed という別の単語である(東京書籍4500、桐原3000)。
典型的な例文は、
「農場に種をまく」 plant seeds in the field
である(東京書籍4500、桐原3000)。
plant は「種をまく」という意味の動詞。
field は「農場」である。
動詞として seed 「種をまく」という用法もあるが、旺文社以外1200は紹介していない。少なくとも、桐原3000と東京書籍4500には、動詞の用法が紹介されていない。
疑い
suspect ,doubt
doubt は「ダウト」と読む。doubtの b は読まない。フランス語とラテン語に由来しており、発音はフランス語、スペルはラテン語を参考にしているので、このような食い違いが発生している。
doubt ~は、「~が信じがたい」の意味。 → don't think に近い
たとえば doubt if ~で「~かどうか疑わしい」。doubt that~で「~でないと思う」である。
suspect ~ は、「どうも~のようだ」のような意味(ジーニアス英和) → think に近い
suspect の後に来るのは、主語が真相かもと思っているものが来る。suspect~ の 目的語(~)の部分は、原因や容疑などがくる。
例文として「食中毒を疑う」 suspect food poisoning とか(東京書籍4500)、
主語は、「もしかしたら真相は食中毒じゃないかな?」と思っているわけだ。
対比として、旺文社1400にあるdoubt 例文で、
doubt ifの例文「私は神が存在するかどうか疑わしく思う」I doubt if god exists.
および
doubt that の例文 「私は神は実在しないと思う」I doubt that god exist.
が覚えやすいだろう。
I suspect that god exist. 「私は、神は存在するかもしれないと思っている」(オリジナル例文)
しかし、実際には suspect をdoubt のように否定の意味で使う用法もあるので(グランドセンチュリー、ジーニアス)、文脈から判断のこと。ただし、否定の意味の場合、(that節ではなく)名詞がsuspect の後ろに来る。
また、この事から、入試には、doubt か suspect かを問う問題は出ないだろう。
suspect A ob B で「AにBの疑いをかける」(鉄緑、旺文社、桐原、辞書)
よくある例文は、スパイ疑惑の例文で
suspect him of spy 「彼にスパイの疑いをかける」(桐原、ジーニアスに似た例文)
容疑者は名詞 suspect(サスペクト) である。「容疑者」は、アクセントの位置が、サに変わる。サ↑スペクト
suspicion 「疑惑」(鉄緑、桐原)、「疑い」(東京書籍、旺文社)
suspicious 「疑わしい」(鉄緑、桐原)、「疑い深い」(東京書籍、旺文社)
このほか dubious と言う「疑わしいと思う」(桐原5500)という単語があるが、辞書の例文が不足していてよく分からなかった。単語集では桐原5500に書いてある。
治療と回復
「治す」 heal, cure , treat
「治療する」cure, treat
「~が回復する」(自動詞)は recover
「~を回復する」(他動詞)は restore
「気分の回復」は refresh
「(健康などを)取り戻す」は regain
物を「回収する」 retrieve
医療や薬などによって、けが や病気を「治す」一般的な語は cure である。heal は外傷が治る場合に使われることが多い(ジーニアス)。
treat でも良い。
heal は、自動詞的にも他動詞的にも使われる。
他動詞として使われる場合、
The medicine will heal the sore. 「この薬が炎症を治すでしょう」(旺文社1400とジーニアスをもとに作成)
のように使われる。
自動詞として使われる場合は、外傷が治る場合に heal が好んで使われる。
The wound heals.「ケガが治る」
のように使われる。
cure ~(人) の語順である。
けが を治す場合、
cure ~(人) of □□(けが・病気)
の語順である。
典型的な例文が
「その薬が彼の病気を治すでしょう」 The medicine will cure him of his disease.
である(ジーニアスの例文を改造し、「あなたの病気」から「彼の病気」に変更)。
桐原にも似た例文があり、
This medicine will cure him of the disease. 「この薬が彼の病気を治すだろう。」
とある。
his disease か the disease などの多少の違いはあるが、まあこんな感じの英文になる。
get rid of ~ などと同様に、ofの後ろには取り除かれるべき物が来る。
heal も同様、
heal ~(人) of □□(けが)
の語順である。
だが、東京書籍4500および桐原4500いわく、 heal the wound 「けがを治す」のように、ofを使わずに使われる場合もある。
「治療する」cure, treat
cure も treat も、医者などが「治療する」というときに使ってよい(鉄緑、東京書籍4500など)。
なお、「彼の病気を治す」と言いたい場合、
cure him of ~(病名など)
のように前置詞 of を使う。
treat の場合は for +「病名」 だが、単語集を見ても例文も無いし、まあ、「なるべく cure を使え」という事だろう。
cure は基本的には治療に特化した単語だが、treat は治療以外にも「扱う」「接する」など多義語だし、治療だと分かりづらい。
「あまり、分かりづらい表現は使うな」という事だろう。
治療 cure, treatment, therapy
cure および treatment は、両方とも「治療」「治療法」を意味する一般的な語。
therapy は、pet therapy 「ペット療法」とか「音楽療法」music therapy みたいな特定の療法を言い、辞書や単語集などだと心理系の両方を言うことが多い。
ただし、グランドセンチュリーによると「ラジウム療法」radium therapy というのもある。ネットで調べたところ、前立腺がんの治療でラジウムを使うらしい。
ジーニアスいわく、薬や外科療法を用いない療法が therapy とのこと。しかし、だったら整骨院とかセラピーなのか疑問。
recover は「回復する」である。recover で回復する者は、主語である。つまり、自動詞である。他動詞としての用法だと、健康などを「取り戻す」という別の意味になる。
盗まれた財布など失ったものを「取り戻す」という用法もあるが(グランドセンチュリー)、しかし単語集はそれを紹介していない。なにか不都合でもあるのだろう。なお、「取り戻す」のは get back と平易に言える(ジーニアス)。
recover from ~ で「~から回復する」である。
recover from the injury 「ケガから回復する」(旺文社・桐原・東京書籍を参考)
recover one's health 「健康を取り戻す」(鉄緑、東京書籍、ジーニアス)、recover oneself「意識を取り戻す」(旺文社1900)
動詞 restore は、
「秩序を回復する」 restore order
のような例文が辞書で典型的(ジーニアスとセンチュリーの両方にある)。G7サミットでも、「ウクライナの主権(sovereignty)を回復する」という意味の表現で restore Ukraine's sovereignty が使われている[8]。なお、sovereignty (ソブリンティ)と読む。
restore は旺文社1900および鉄緑単語集で紹介されている。東京書籍4500巻末でも紹介されているが、巻末扱いである。桐原4500には無く、桐原5500になってしまう。
restore「回復する」「修復する」「回復させる」
「回復する」でも「回復させる」でも良い。東京書籍だと「回復する」、旺文社だと「回復させる」、である。
名詞形 restoration 「回復」(旺文社)、「復元」(鉄緑、旺文社)、「返還」(鉄緑)
さて、旺文社 store 項目によると、パソコンなどで、データをバックアップすることは store である。
そして、単語集にはないが、バックアップをもとに設定データなどを自動的に「復元する」ことを restore という事がよくある。
なお、アプリケーションなどのプログラム(word とか excel とか google chrome とかとか、ああいうのがアプリ)を修復するのは recovery という。
また、OSを修復するのもリカバリーという。
最近はどうか知らないが、一昔前のパソコンを買うと、OSの修復のためのリカバリーディスク(Recovery disc)というのの作成が必要だった。それを作ってないと、修復できない。リカバリーディスクをインストールすると、システムが工場出荷時の状態に戻る(ただし、ハードウェアが壊れてないかぎりは)。
en:e:Recovery disc にもあるように、リカバリーディスクは正式な英語。
IT業界の場合、recovery と言った場合、慣習的に、(テキストファイルや画像ファイルの復旧ではなく、)アプリケーションやOSなどのソフトウェア・プログラムの修復に重点がある。
restore で、OS丸ごと復旧するのか、それとも必要なデータだけ復旧するのか、仕事によるので、何とも言えない。
Z会・速読英単語・上は、retrieve でデータの「復旧」の例文を提示しているが、聞いたことない。ネットでも、用例が出てこない。
それよりも、retribution 「応報」「懲罰」「天罰」という単語があります(速読英単語・上「因果応報」、グランドセンチュリー、ジーニアス)。
日本でも、テロリストとかリンチ集団とかが「天誅(てんちゅう)!」とか言って裏切者とかを懲罰しますが、まあどこの国も発想は同じです。
なお、天罰としての retribution はか鳴らずしも他人に対する罰ではなく、自分の悪行に対する天罰という意味の場合もあります(グランドセンチュリー)。
さて、restore の話。辞書によると、古い建築物や美術品などを復元することも restore である。
東京書籍4500では、教会を修復するのを restore としている。その教会が古いかどうかは東京書籍4500には書いてない。
さて、次の単語 refresh
けがの回復ではなく、ちょっとした疲れやノドの渇きや気分などを、軽い飲食物や短時間の休養などで回復させるぐらいの場合は、動詞 refresh (リフレッシュ)で表せる。
旺文社1900がrefreshを紹介している。桐原・東京書籍・鉄緑は紹介せず。
鉄緑だからって何でも書いてあるわけではない。 ジーニアスいわく、冷たい水を飲むのも refresh である。
refresh は主語や述語の語順のつかいかわけが難しいので、例文を省略する。
センチュリーいわく、入浴で疲れをとるのも refresh である。また、ジーニアスでもセンチュリーでも、アルコールで気分を回復するのが refresh である。
そのほか、ジーニアスによると、コンピュータなどのディスプレイ上の画像が更新されるのも refresh である。これからのIT時代は覚えておきたい。
regain one's health で「健康を取り戻す」という慣用表現である(ジーニアス、旺文社1900)。
旺文社1900にしかなく、番号 1502 / 1900 の単語。少なくとも桐原4500・5500と東京書籍4500にはない。
He regained his health. 「彼は健康を取り戻した」
のように使う(センチュリー)。
「意識を取り戻す」 regain consciousness もよく使われる(ジーニアス、旺文社1900)。
たぶん She regained consciousness のように使う(旺文社に似た例文)。
また、この用例から分かるように、健康的なものを取り戻す場合、普通は主語が自身の健康を取り戻すのに regain を使う。
「自由を取り戻す」(センチュリー)とか「都市を取り戻す」(ジーニアス)とかの政治的なことも regain である。
retrieve は「回収する」。発音はリトリーブ。
よくある例文は
retrieve the bag 「カバンを回収する」(ジーニアス、鉄緑)
「自由を取り戻す」でも retrieve を使える(ジーニアス)。
和訳の都合で「取ってくる」「持ってくる」などと訳される場合もありますが、あくまで、意味は回収です。
つまり、元々自分のものだったものが、主に他者による理由で、自分の手元から離れたときに、自分が同じものを取り戻すのが retrieve です。
単に、ロッカーにでも置いといたりして、いま手元にないものを取ってくるのは fetch です。
fetch には「人を連れてくる」という意味もあります(旺文社、鉄緑、グランドセンチュリー)。
辞書によくある例文は、
fetch the doctor 「医者を連れてくる」
です。
入手、得る、獲得
gain, obtain
gain も、 obtain も、両方とも、努力によって欲しいものを「手に入れる」の意味がある。
東京書籍が gain 「手に入れる」としている。なお、鉄緑および桐原は gain 「得る」である。
このように単語集によって和訳は違う。
だが gain は、単に「体重が増える」 gain weight のような用法もある(東京書籍、鉄緑、数研リープ)。
なお、gain 「増す」である(桐原、東京書籍)。
他動詞なので、gain 「増える」ではなくgain 「増す」。
gain knowledge 「知識を得る」(東京書籍、鉄緑)
などの用法もある。
gain five kilos 「(体重が)5キロ増える」(数研リープ)
のようにいちいちkilogramと言わなくても良い。
obtain 「得る」(東京書籍、旺文社、桐原、)、「手に入れる」(桐原、鉄緑)
obtain は、get よりも堅い語(数研リープ)。
ほか、acquire は、努力して「獲得する」ことで能力を身に着ける、の意味。
外国語を獲得するとかの例文で、acquire を使う。すでに『高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ15』で acquire を説明済みなので、省略。
obtain も、努力が必要な場合もあるが、獲得の理由は、特に努力には限定されない。
acquire は、獲得の理由としての努力に、重点がある。
蓄え
store , stock
store は「店」という意味の名詞でもあるが、「蓄える」という意味の動詞でもあり、さらに「蓄え」「蓄積」などの意味の名詞でもある。
なお、storeを「店」の意味で使うのはアメリカ英語。イギリス英語では店はshopである。桐原3000にも東京書籍3000にも書いてある。storeは3000語レベル。
stock は「在庫」や「株式」という意味の名詞でもあるが、「蓄え」「蓄積」などの意味の名詞でもあり、さらに商品を「店に置く」「仕入れる」などの意味の動詞でもある。桐原と旺文社は、「仕入れる」の意味まで単語を紹介している(ただし例文なしで単語のみ)。
stockは4500語レベル。
ほか、inventory (インベントリ)「在庫」という語もあるZ速読・上)。
inventory には、さらに在庫などの「目録」という意味もある。なので、「在庫品の目録」と言いたい場合は、 an inventory of stock と言えとZ会は提案。
在庫品の意味では、複数形にしないで、単数形の stock を使う。
ゲームのRPGなどで、プレイヤーキャラの所持品(「薬草」とか「剣」みたいなの)のことを「アイテム」というが、海外製のゲームなどでは、そういった所持品の一覧などのことを「インベントリ」と呼んでいる作品もある。
ともかく受験英語としては、inventory は、かなりマニアック単語らしく、鉄緑にも旺文社1900にも、inventory は無い。
なお、invent 「(機械などを)発明する」である(東京書籍4500「機械などを」あり、桐原4500)。
invent と inventory の意味はまったく違う。
単語集では、stockについては、「株式」「在庫」の意味の名詞だとしてしか、紹介していない。しかし実はstockも動詞の用法があるのである。
センチュリーによると、食料の「蓄え」は、stock でも store でもよい。
たとえばセンチュリーのstockの例文は「我々の食料の蓄え」Our stock of food である。センチュリーのstoreの例文は(リスが冬に備えての)「食料を蓄える」lay in a store of food である。
このように、どっちでも食料 food を蓄えられるので、区別がつかない。
storeは別にリスのような動物限定というわけでもなく、たとえばセンチュリーで図書の「蔵書」 a book of store などの表現もある。
storeが店での商売関係というわけでもない(もし商売に限定だすると、図書の蔵書とかリスの食料とか、説明がつかない)。
なので、stock に「株式」「在庫」の意味があると覚えるしかない。
桐原および旺文社いわく、
be out of stock で「在庫が切れている」
の意味。桐原は例文も紹介。旺文社は例文なし。東京書籍は紹介せず。
例文は桐原も東京書籍も旺文社も、在庫の例文である。
単語紹介だけでが、桐原いわく「株式市場」stock market
旺文社いわく「証券取引所」the stock exchange
である。
語源を調べてみても、 stock の語源は木の「棒」stick と同じだと書いてあるだけで、stock と storeとの区別には役立たない。
さて、単語集にはないが、パソコンなどのハードディスクなどの貯蔵量のデータ記録デバイスのことをストレージ storage という。
ついで、単語集にある情報だが、 storage は、「貯蔵庫」や「保存庫」の意味で、東京書籍4500の巻末にだけ、解説なしで、単語と例文だけ書いてある。
辞書を確認のため見たが、ジーニアス英和は家具の「保管」を storage といい、センチュリー英和は単に「倉庫」を storage といい、あまり共通性はなさそうなので、深入りしない。
愚か(おろか)
形容詞 foolish, stupid, silly, ridiculous , absurd などがある。
バカげた話 nonsense
鉄緑単語集では、いちばん無難な単語として stupid をあげており、英作文で「愚かな」とか「ばかな」とか出てきたら stupid を使うのが安全だと言っている。
鉄緑単語集いわく、これらの単語の差は非常に微妙なので、それほど神経質になる必要は無いと、言っている。
さて、このうち、 foolish, stupid, silly, は、「愚かだ」「馬鹿げている」の意味。
このうち silly は口語調。
Don't be silly. で「馬鹿げたことを言わないで。」という典型的な例文があり、東京書籍4500でも紹介されている。
名詞foolが形容詞になったのが foolish である。
stupid は、辞書によると、foolish よりも、けなしの意味が強い。口頭では使わないほうが安全だろう。
ridiculous は、「不合理で馬鹿げている」という意味。センチュリーによると、ridiculousには、あざけりや物笑いの意味もあるとのこと。
単に「不合理だ」の意味なら、 absurd を使う。旺文社1900・鉄緑・桐原5500にabsurdが書いてある。なるべくabsurdを使うほうが少しはマシだろう。
センチュリーによると、absurdは、不合理さ・非常識さを強調している。
nonsense は、「ばかばかしい事/もの」(グランドセンチュリー)、「ばかげた話」(ジーニアス、旺文社1900)などの意味。
日本語だが、エログロ・ナンセンスなどを知っておこう。w:エログロナンセンス
1930年の大人向けの娯楽文化の風潮で、エロとグロテスクのまざった馬鹿馬鹿しい娯楽を楽しむ時代があった。
nonsense に、けっして1990年代の不条理マンガのような意味は無い。
nonsense は「無意味」と訳されることもあるが(桐原4500巻末、ジーニアス)、しかしその意味は「無駄」とか「バカげている」とか、文脈にもよるが、そういう意味である。
移行と移転と移動
migrate, transfer ,
移住する immigrate と emigrate
解決する settle ,solve,resolve
植民地関係 settlement, plantation(大農園), colony
議論 argument, debate, controversy
replace と exchange の違い
桐原4500に名詞形migrant (移住者)が書いてありますが、英語では動詞 migrateとは「移住する」や、渡り鳥の「渡る」のことです(Z・速読英単語・上)。
しかし単語集にはないですが、そのほかにもmigrateには、IT用語では古いシステムに入っていたデータやプログラムを新しいシステムの中へと「移す」ことや、開発環境などのシステムを新システムへと「移行する」という意味もあります[9]。
なお似た言葉にreplaceがありますが、これはサポート切れなどで古くなったりして(obsolete)使えなくなったソフトウェアなどを現在の稼働中の使えるバージョンのものに「置き換える」(replace)ことを意味します。
英語では、「『移住』にシステム環境『移行』の意味もある」と覚えることが本質的な理解でしょう。
もっと身近な replace の例をあげるなら、windows 11 の英語版でファイルの上書きをする際、 replace するかどうかダイアログで聞いてきて、replace するように指令するとファイル上書きがされます。
replace を、和訳によっては「置き換える」ではなく「交換する」と訳す場合もありますが(たとえば「新品に交換する」のような)、しかし、決して古いほうを誰かが使うわけせはありません。
円とドルの交換(exchange)なら、自分が円を手放してもドルを交換しても、金融を通して、誰かが円を使います。
しかし、古い設備は通常、処分される事も多いので、誰かが古いほうを使うわけではないのが通常なので、決して exchange ではありません。
よって、基本的には、replace を exchange に言い換えてはいけません。
なお、スペルの似ている immigrate に、(外国から)「移住する」の意味があります(桐原4500)。またなお、桐原4500にも書いてあるが、空港などの入国管理が名詞 immigration である。英会話の教材などでよく immigration が出てくる。
immigrate と migrate の意味の違いを把握するため、辞書の説明に逆らって、私たちは migrate は(環境を)「移行する」で覚えましょう。
これが、moveやtransfer と、migrate との違いです。
なお、語源的には(鉄緑単語集)、
「(外国から)移住する」 immigrate
「(外国へ)移住する」 emigrate
です(東京書籍、桐原)。
接頭辞のim- は in(内へ)みたいな意味です。
接頭辞のe- は、ex(外へ)みたいな意味です。
しかし、実際には混同して使われることもあります(ジーニアス)。
実際には、 どちらも
immigrate from Japan to the United States
emigrate to the United States from Japan
のように、前置詞 to や from を補います。
ジーニアスによると、
immigrate to the United States from Japan
のような逆の順序になっている場合もあらしいです。
私たち日本人としては、深入りする必要ないでしょう。
前置詞が補われるし、長文読解で出たときに単に immigrate も emigrate も 「移住する」と訳して読めばいいからです。
動詞のあとに来るのが出身地か目的地なのかが違いです。
immigrant 「移民」です。 emigrant 「移民」です。
immigration 「移住」です。
なお、migrant 「渡り鳥」「移住者」の意味です(Z速読英単語・上)。
日本でも、俗に、定住しない流れ者のことを「渡り鳥」とか言う場合もある。
英語の「移住者」migrant の場合、特にそういうニュアンスは確認されていない。
なお、前提として当然ながら、鳥の「渡り」migration である。鳥が季節的に「渡る」も migrate である。
ほか、transfer に「転勤する」「転勤させる」の意味があります(桐原4500)。
「転勤させる」ほうは他動詞なのでtransferでもいいのは分かりますが、「転勤する」と「移住する」の区別が難しいです。まあ、おそらく他動詞からの類推か、慣用的にtransfer が定着しただけでしょう。
なお、辞書にありますが「転校」や(プロ選手などの)「移籍」もtransferです。
高校生物の遺伝に関連する細胞物質のひとつで、トランスファーRNA (transfer RNA)というのがあります。こういうのと関連づけて覚えましょう。
また、列車・バスなどの乗り換えも transfer です。
スペルの似た単語で、transport という動詞および名詞がありますが、動詞 transport は「輸送する」です。
transfer 「乗り換え」はおそらくtransport 「輸送する」との関連で定着した表現でしょうか。
convey にも、自動車などの乗り物などで「輸送する」の意味があります(桐原3000)。
ですが、transport のほうが一般的に広い用途で使えるので、こっちを覚えるほうが良いでしょう。
transportation 「輸送」「輸送機関」「交通機関」
です。
transport にもイギリス英語で名詞として「輸送」「輸送機関」の意味があります。
public transport 「公共の交通機関」(鉄緑、ジーニアス)
単語集にも辞書にもないですが、インターネット用語で HTTP というのがありますが、これは「Hypertext Transfer Protocol 」の略です。データなどを「転送する」のも transfer です。
センチュリー英和によると、銀行口座に「振り込む」もtransfer とのことなので、おそらく「送金する」のようなニュアンスでしょう。
なお、ジーニアス英和およびセンチュリー英和によると、法律用語で、財産などを「譲渡する」もtransferです。
transition という名詞が別にあります。transition は、移行期にあるものについての「移行」のことです。桐原4500 では「議会制民主主義への移行」、旺文社1900では「自動運転車への移行」を例文にしています。
なお、人が「定住する」は settle ですが、人が「移住する」の意味もあります(東京書籍3000)。settle には「解決する」という意味もあります(桐原4500、旺文社1900)。
揉め事(もめごと)などを法的に解決するときに settle を使う。
settle the dispute 「紛争を解決する」(桐原4500、ジーニアス) ※ ジーニアスは settle a dispute 「紛争にけりをつける」
このように、和訳は少し違ってもいい。
なお、
We settled the international dispute. 「我々はその国際紛争を解決した。」(東京書籍4500)
settle in Hawaii 「ハワイに移住(定住)する」(※ 何か予備校か英検の単語集に書いてあった例)
They settled in California. 「彼らはカリフォルニアに移住した。」(東京書籍4500)
settle the legal problem 「法的問題を解決する」(旺文社1900)
名詞形は settlement で「解決」「入植」の意味。settle には「移住」の意味もあるので、settlement には「入植」の意味もある。
ジーニアスいわく、警察が「解決する」のは solve である。
settle と solve の区別が難しい。
The police solved the crime. 「警察はその犯罪を解決した」(ジーニアス)
学校の問題や学問の問題などを解くのは solve である。(ジーニアス、数研リープ)
solve the math problem 「数学の問題を解決する」(数研リープ)
教育上の注意としては、よく、problem ではなく question を使う誤答が多い(数研リープ)とのこと。
グランドセンチュリーいわく、solve は謎(なぞ)を解くのに重点がある事が多い。(しかし上記の警察の例とか微妙だが。)settle は、論争などを解決すること、との事(グランドセンチュリーがそう言っている)。solve の意味のページで、グランドセンチュリーがそう説明している。
桐原4500も例文で
settle an argument 「論争を解決する」(桐原4500)
とそのまま「論争」を使っている。
東京書籍も同様
They finally settled the argument. 「彼らはついに論争を解決した」
resolve で対立(conflict)などを解決するのに使ってもいい(旺文社、グランドセンチュリーresolve「もめごと」conflict、)。
辞書を見ても例文が少なく、よく分からなかった。
名詞形 settlement には、「入植」「植民(地)」の意味もある。
植民地関係 settlement, plantation(大農園), colony
plantation は、世間では「植民地」と訳されることもあるが、しかし、やや誤訳である。
桐原4500・東京書籍4500 いわく plantation 「大農場」 とのこと。必ずしも、歴史上の植民地でなくても良い(ジーニアス)。だから「大農園」という訳語なわけで。大農園のほか plantation 「栽培場」という訳語もある(ジーニアス)。ただし、「大農場」と訳さなくても、そのまま「プランテーション」と訳しても良いだろう(東京書籍4500が訳語「プランテーション」を紹介)。
a banana plantation 「バナナの大農園」(東京書籍)
a coffee plantation 「コーヒーの大農園」(グランドセンチュリー)
グランドセンチュリーいわく、plantation は、植民地ならぬ「植林地」であると。
つまり、植民地で植物を栽培する大農園みたいなアレが plantation 。
必ずしも殖民地が農園とは限らないので。日本の戦前の韓国や台湾の殖民地とか、農園もあったかもしれないが、工場とかもあっただろうし。東アジアは、アメリカ大陸ほどには、そんなに広くない。
旺文社の出題頻度順の「英単語ターゲット」シリーズには見当たらず、出題頻度が低いようである。だが、東京書籍4500の難関大の単語にplantationがあるので、どこかの難関大が英文でplantationを使ったのだろう。
なお、名詞 plant は「植物」「工場」の意味。
もともとplantは、「苗を足で踏む」とか「種をまく」とか農業系の用語だったらしい。おそらく、そこから生産行為として「工場」などの意味も派生したのだろう。
なお、工場の意味での例文が単語集には無いので、めったに出ないのだろう。
動詞 water「水をやる」と組み合わせて、
water the plant 「花に水をやる」(旺文社1200、桐原4500-)
桐原4500が plant で「考えを植え付ける」という高度な用法を紹介しているが、しかし例文も無いし、まして東京書籍や旺文社は紹介していないので、入試に出ないのだろう。受験生の時間には限りがあるし、何でも覚えるのは負担が重い。
colony も「植民地」。colonyは集合的なニュアンス。「集落」みたいな。実際、colonyには「集落」という意味もある(ジーニアス)。
colony も歴史用語でも使うので(桐原4500で、フランスのアルジェリア植民地)、ほかの settlement との区別は難しい。
Algeria is formerly a French colony. 「アルジェリアは以前はフランスの植民地だった。」(桐原4500)
Malaysia is formerly a British colony. 「マレージアは以前は英国の植民地だった。」(旺文社1400(緑))
とまあ、歴史的にはこのように 「西洋諸国はかつて多くの植民地を持っていた。」Western Countries once had a lot of colonies. (東京書籍3000)
東京書籍3000に、
「植民地を建設する」plant a colony
という、これまた、類義語的にややこしい例文がありやがる、
桐原4500・旺文社1900で形容詞 colonial 「植民地の」の単語紹介があるが、例文が無いので、どうせ出ないのだろう。
動詞形 colonize 「植民地化する」を旺文社1900が紹介。
東京書籍3000が「開拓者」 colonist を紹介。東京書籍しか紹介してないので、たぶん入試に出ない。
「論争」も名詞 argument のほか、形容詞 controversial 「物議をかもす」なんてのもあり、国公立をふくむ大学入試に出る(東京書籍4500の報告)。
旺文社1900いわく、controversial 「論争のまととなる」「論争好きな」は英検準1級に出てくる単語とのこと。
つまり、一部の大学は、私大だけでなく国公立大も含め、英検準1級の内容を出してくる。
「議論」もまた、argument, debate, controversy など、類義語がいくつもある。
この区別はちょっと高校生には無理そう。辞書を見ても違いが分からなかった。
argument, controversy には、特に、論争の対立などに重点が置かれてそうだが、証拠が無い。
debate は、名詞「議論」のほか、動詞「議論する」の意味もあり、政治家などが会議で議論するのも debate である(旺文社1900、桐原4500)。
単語集には無いが、「討論会」をdebate と言っても良い(ジーニアス、グランドセンチュリー)。つまり、討論会などの「ディベート」は、けっして和製英語ではなく、れっきとした正式な英語である。
a heated debate 「白熱した議論」(旺文社1900、グランドセンチュリー)
a problem under debate 「論争中の問題」(ジーニアス、旺文社1900)
東京書籍4500いわく、校則について(校内集会か何かで)議論するのも debate で良いとのこと。
国会とか校内集会とか、なんか堅苦しそうな場での議論・論争が debate な傾向がありそう。(実際の日本の国会ではヤジが飛ぶが、考えないでおく)
弁護士に解決を依頼するときは settle である。(旺文社1900)
settle down で「落ち着く」(桐原4500、旺文社1900) ※ 例文は単語集に無し
溶ける dissolve, melt
解散する
- 議会を解散する dissolve
- 集会を解散させる dismiss
ジーニアス(melt 側で書いてある)よよび鉄緑単語集および東京書籍(melt側)いわく、
dissolve は、液体に「溶ける」、および液体に「溶かす」。
melt は、熱で「溶けこむ」。
よくある例文は、下記(ジーニアス、グランドセンチュリー、東京書籍)
dissolve sugar in water 「砂糖を水で溶かす」
Sugar dissolve in water. 「砂糖は水に溶ける。」
このように、自動詞でも他動詞でも使う。
数研リープだと、砂糖ではなく「塩」salt になっている。
the snow melt 「雪が解ける」のように、溶けてしまうもののほうが主語になる。
a melting pot (金属を溶かす)「るつぼ」(東京書籍、旺文社、ジーニアス)
「人種のるつぼ」も melting pot である(旺文社、ジーニアス)。
なお、米国の多国籍な文化はかつて「人種のるつぼ」とたとえられていたが、共存はしても個性は残ってそれぞれ独立しているので、現在では「サラダボウル」(salad bawl)とたとえられている(グランドセンチュリー)。
dissolve には、議会や団体(会社など)を「解散する」の意味もある(東京書籍巻末、鉄緑)。
よくある例文は、国会の解散で
dissolve the Diet 「(日本の)国会を解散する」(東京書籍4500巻末、ジーニアス)
dissolve the parliament 「(イギリスなどの)国会を解散する」(グランドセンチュリー)
日本国憲法にも、第7条「第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」で、国事行為の一つとして
三 衆議院を解散すること。 Dissolution of the House of Representatives.
を掲げている。
範囲外の用語だが、
the House of Representatives「衆議院」
桐原4500・3000に dissolve が見当たらない。
集会を解散させるのは dismiss である(鉄緑)。「解雇する」の意味もある。東京書籍4500と旺文社1900には、「解雇する」の意味しかない。
dismiss の単語の構成は「dis 向こうへ・離れたところへ」+「miss 送る」という意味。
自動車の変速機のトランスミッションだって、力を伝達先に「送る役割」もしているわけだし、こう考えれば覚えやすいだろう。実際のトランスミッションの語源が何なのかは知らない。dismissさえ覚えられればいい。
このため、解散させて、どこか離れた場所へ行かせるというのは、比較的に分かりやすいだろう。
人間たちを dismiss したら、解散か解雇だろうし、意見を dismiss したら提案をはねのけたのだろうと、推測できる。
なお、日本国憲法の英語版では、「解散」をdissolve, (官吏の)「罷免(ひめん)」を dismiss と使い分けている。
第7状の天皇の国事行為の一つとして、
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。 Attestation of the appointment and dismissal of Ministers of State and other officials as provided for by law, and of full powers and credentials of Ambassadors and Ministers.
がある。
「認証」attestation
「大使」Ambassadors、
「大使と公使」Ambassadors and Ministers
「信任状」credential
なお、法律用語の「却下する」(ジーニアス・グランドセンチュリー)、「棄却する」(グランドセンチュリー)も、dismiss である。
桐原には、「(過失などで)解散させる」とあったが、しかし辞書では確認できなかった(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
「解散する」ではなく「解散させる」なので、警察が解散させたり、教師が解散させたりとか、権力のある人間が管理下の集団を「解散させる」という文例が多い。
一般的な「解散する」「解散させる」は、高校英語では、適した語が無い。いくつか口語で解散を意味する語があるが、受験の範囲外の語である。
さきほどトランスミッションの話をしたが。
transmit 「送る」「伝える」「(病気を)うつす」
という意味がある。
transmit は、「ニュースを伝える」とか「病気をうつす」とかにも使える(数研リープ)。
transmit eは disease 「病気をうつす」(ジーニアス、数研リープ)
著作権に配慮して、「ニュースを伝える」の英語の例文は省略。買って読もう。
調査と探検
explore, expedition
explore 調査のための「探検」
expedition 「遠征」・「探検」
He went on an expedition to the Arctic 「彼は北極へ探検に行った。」(東京書籍(主語を旺文社と入れ替え))
She went on an expedition to the South Pole 「彼女は南極へ探検に出発した。」(旺文社1900(主語を東京書籍と入れ替え))
北極は別に North Pole でも構わないと思います。実際、ジーニアスがそうです。
They went on an expedition to the North Pole. 「彼らは北極探検に出かけた」
「探検隊」の意味の場合もあります(旺文社、東京書籍、ジーニアス、グランドセンチュリー)。
「エベレスト探検隊」のように(旺文社、ジーニアス)、特に調査の目的が無くても使えるのが expedition である。
桐原4500 および鉄緑単語集は expedition を扱っていない。
決定
determine ,decide
会議などの議決 resolution (旺文社1900)
可決した法案などの取り入れ adopt
辞書にはないが、determine は、断固とした決意で「決心する」「決定する」である。
形容詞 determined がセンチュリー英和によると断固とした決意の意味なので、動詞determineのほうもそういうニュアンスである。
あと、ジーニアス英和にあるが、判決を下すのも determine である。
あと、予備知識がないと気づかないだろうが、東京書籍4500にある例文のように、専門家などが原因などを「特定する」ことや、判定するのも determine である。
実際には、あまり断固としてなくても determine が使われるような例文もちらほらとあるが、あくまで派生的な用法だと思うべきだろう。
だから名詞形 determination は、「決心」「決意」と覚えるべきだし、実際に桐原4500や東京書籍4500でそういう和訳である。
be determined to ~(動詞) で「~する決心をする」
である。受身形で「決心する」になる。
たとえば
He was determined to ~ 「彼は~する決心をしていた」
のように使う。また、完了形にせず、過去形のままで使う(桐原4500の例文、ジーニアスの例文など)。
能動形でも「決心する」の用法もあるが、普通は上述のように受身形で使う(ジーニアス)。
検定教科書で三省堂 CROWN Iを読んでいると、高校1年でもう be determine to do を扱っている。
対する decision は、和訳は「決定」である(東京書籍4500)。桐原によるとdecisionは「決定・決断」だが、しかし上述のように、どちらかというとdesicionは比較的に「決定」のニュアンスのほうに近いだろう。
resolve でも「決意する」だが、東京書籍4500だと彼女をデートにさそう「決心」という例文であり、まったくもって断固とした必死さが足りない。
そんなのよりも、会議などの「議決」のことを resolution というのを覚えたほうが良いだろう。桐原4500に「決心」「決議」と単語の和訳だけ書いてある(例文はなし)。
範囲外ですが、adopt 「採用する」には(この用法は範囲内)、議案などを「可決する」「採択する」の意味もあります(範囲外)。
ほか、範囲外ですが使用頻度の比較的に高い用語で、パソコンなどの画面の「解像度」resolution という語があります。" 1920×945 "みたいなのが「解像度」です。
減少
decrease, decline , reduce, diminish
のぼる(登る・上る・昇る など) climb , rise, ascend
飛行機が上がる ascend 飛行機が下がる descend
子孫 descendant , offspring
由来する derive , descend
静かな silent(沈黙に重点), quiet
薄暗い dim
拒否系の動詞 reject, decline(辞退する), dismiss( (提案を)はねつける)
まず、高校英語で増減を表す場合につかう典型的な単語は、increase (「増える」「増やす」の意味)および、対義語の decrease(「減る」「減らす」の意味)である。
increase および decrease は、数・量の増減のときのみに使う(東京書籍3000)。
ただし、だからといって decrease 以外は数量に使えないかというと、そうでもなく、たとえば decline は出生率の減少でも使う(グランドセンチュリー)。
しかし、decline には、どうやら「力が衰える」的なニュアンスがあるようであり、ジーニアスでは decline の意味は「減少する」という見解ではなく、decline は「(体力・健康などが)衰える」「(価値などが)低下する」という意味だという見解である。
diminish は、恐怖を「減らす」とか(桐原5500(東北大の過去問))、不安を「減らす」とか(旺文社1900)、そういう質的な意味の減らすに使う。
よって、diminish には、べつに「衰える」みたいなニュアンスは無い。
なお、diminish の語源は mini 「小さい」 である(ジーニアス)。ただ、実際のdimisnの意味は、若干ちがい、「減らす」という意味になっている。最終的には現代の意味を覚えるしかない。
また、数量の減少にも diminish は使ってよい。
なので旺文社1900は、数量の減少に使う場合は、decrease の類義語のように使ってよいという見解である(旺文社1900)。
ただし辞書および東京書籍4500だと、diminish も、なにか衰えなどのマイナスイメージのような例文ばかりであり、偶然なのか、それとも桐原・旺文社との見解の相違なのか、気になる。
dim 「薄暗い」という形容詞があるが。動詞 diminish 「減らす」とは関係ない。偶然、スペルが近いだけ。
なお、
in the dim 「薄暗い明り(の中)で」
がよくある例文(東京書籍、鉄緑)。
さて、decrease の例として、たとえば、三省堂『CROWN II』「英語表現」教科書では、パラグラフ・リーディング/ライティングの説明で、留学生に関する分析の文章を扱っているのだが、留学生の「増加/減少」にそれぞれ increase/decrease という表現を使っている[10]。
この例のように、 increase (増加)と decrease (減少)は対になって使える便利な表現であるので、まずはこれを覚えよう。
熟語というほどではないが、
~(主語) increased by □□(数値) percent.
で、「~が□□%上昇した。」である。たとえば上記のパターンで、東京書籍4500では「その商品の売り上げ」Sales of the product だし、旺文社199では「日本の実質GDP」Japan's real GDP である。桐原3000には数値上昇の例文なし。桐原は昔から単語集では定番だが、しかし桐原だけでは勉強できないこともある。
increase で増える数値はなにも百分率(パーセント)でなくてもよく、たとえばジーニアス英和では、「体重は2キロ増えて60キロになった」 increased by two kilograms to 60 kilograms.
という例文もある。
on the increase で「増大して」の意味。なお、ここでの increase は名詞。
東京書籍4500では「自動車事故が増加している。」 Bike accidents are on the increase.
センチュリー英和では「大都会における犯罪は増加しつつある。」 Crime in big city is on the increase.
ジーニアスは on the increase の例文なし。このように、ひとつの英和辞典だけでは勉強できない。
別に on the increase を使わずとも、現在増加中のものは現在完了進行形で書いてもよく、桐原3000がそうであり、
「車の台数が増え続けている」 The number of cars have been increasing.
である。
ジーニアス英和にある説明だが、よく、The number of ~ increased. で「~が増えた。」と言う例文があるが、「The number of 」を省いて直接「 ~ increased. 」のように言ってもいい。
実際、東京4500の例文「自動車事故が増加している。」 Bike accidents are on the increase.
でも、 the number of は無い。
on the increase のbe動詞が単数形(is)なのか複数形(are)なのか食い違いがあるが、英和辞典を見ても、とくに言及はされていない。
increasingly で「ますます」の意味が紹介されているが(東京書籍4500。旺文社1900、Z速読英単語上級編)、しかしZ会以外では例文は無い。
なお、more and more 「ますます」という類義語がある。
「ますます増加する」とか言いたい場合もあるだろうし、more and more のほうも馬鹿にせずに覚えよう、
さて、decline は自動詞であり、つまりdeclineは「低下する」「減少する」の意味である。
declineの典型的な例文が「出生率は低下している。」であり、東京書籍4500では
The birth date is declining. 「出生率は低下している。」
である。
似た例文が、旺文社1400にもあり、
「出生率は低下し続けている。」 The birth rate continues to decline.
である(旺文社1400)。
なお検定教科書にも decline の単語は掲載されている[11]。和訳が検定教科書に書かれてないので不明だが、その検定教科書では経済の議論の紹介で decline が使われているので、「低下する」の意味にて decline を用いているのだろう。
decline には、申し出・誘いなどを「断る」の意味もあり、桐原4500に紹介されているのはこっちの意味だけ。グランドセンチュリーではdecline「辞退する」とある。
典型的な例文が
decline the invitation to dinner 「夕食への招待を辞退する」(グランドセンチュリージーニアス、桐原 dinner なし)
dinner には、the をつけない(ジーニアス・グランドセンチュリーで確認)。
decline his invitation 「彼の招待を断る」(グランドセンチュリー)とか decline your invitation 「君の招待を断る」(桐原)のように、所有格で decline one's invitation とすることも多い。
ほか、申し出(offer)を断るとか(ジーニアス)、任命(appointment)を断るとか(グランドセンチュリー)、そういうのに decline を使う。
しかし、高校の検定教科書に、「少子化」 declining birth rate が紹介されているので、「減少」の意味のほうもキチンと覚えよう[12]。
名詞形 declination が、ていねいな断り、「辞退」の意味(ジーニアス「辞退」)。なお、辞書グランドセンチュリーには名詞形 declination が無い。
reject (計画などの「拒絶」。※却下のような意味)や refuse (拒絶)だと意味が強すぎるのだろう。
dismiss は、議論中の提案などを、馬鹿馬鹿しいとか思って、取り合わないこと。よく、nonsense とか ridiculous とか付記して
dismissed my suggestion as nonsense 「(上司などは)馬鹿馬鹿しいと、私の提案を拒否した」(旺文社、グランドセンチュリーを参考)
のように使う。as ridiculous でも良い(グランドセンチュリー)。my opinion でも良い(旺文社)。
訴訟を取り下げるのを dismiss a cause という(旺文社)。このように、そもそも議論をしないで取り下げる、議論に立ち入る前に取り下げるようなニュアンスがある。
要求を「はねのける」は repel という別の動詞になる。
解雇する dismiss, fire
dismiss「解雇する」の意味もあって、速読英単語・上にはこちらの意味が書いてある。なお、fireが類義語。
fire と言えば、本来は「解雇する」、受身形 be fired で解雇されるの意味だが、近年は「経済的独立による早期引退」 FIRE (Financial Independence, Retire Early)という意味もある。
一攫千金に成功するなどして十分な資産を手に入れた人物が、仕事をやめて、引退して暮らすことが FIRE である。
reduce は「減少させる」。3R運動のリサイクル、リユース、リデュースのあれ。
「減少」は名詞 decrease と名詞 reduction がある。
reduction は、「削減」のニュアンスで使われることが比較的に多く、桐原4500および東京書籍4500の例文が経費削減である。
reduce costs で「経費を削減する」である。
このほか、diminish や drop や fall などがあるが、やや高校範囲を超える。一応、diminishは桐原5500および東京書籍4500には書いてある。(桐原4500には書いてない。)な
一応、diminish は、検定教科書『CROWN III』で使われている[13]。
CROWN III にある例文は
But the war 1990's, the threat of war diminished.
という文章(抜粋)である。検定教科書に和訳がないので答えは不明だが、「しかし、1990年代には、戦争のおそれも少なくなった」ような意味である。
直前の文章では、「20世紀は戦争が多く」みたいなことを英語で言っているので、おそらくそういう意味だろう。
辞書で diminish を確認したところ、ジーニアスもセンチュリーも悪い意味に使う例文のほうが多いが、しかしCROWN IIIの検定教科書によると、とくにdiminish には悪い意味合いは無いようである。
桐原5500に書いてある例文も、
We can diminish our fear. 「恐怖を減らすことはできる。」(抜粋)
なので、別にdiminish に悪い意味合いはない。
なお、桐原5500の例文は東北大の過去問。ネットでは「地方国立の入試英語なんて教科書レベル」などの言説もあるが、まあ確かに教科書にはdimisihも書いてあるものの、大分、学習量は大きい。
なお、threat は「おそれ」だが、割と広い意味の「おそれ」に使う。単語集だと、
「飢饉(ききん)の おそれ」 a threat of famine (東京書籍4500、旺文社1900)
「テロリストの脅威」terrorists threat (桐原4500)
のような死に直結するような恐れが多いが、ビジネスでの競合他社の出現などによる経営的な危険性などにも threat (スレト)を使う(パス単1級・熟語「head off」)。
ビジネス系思考などで使われる志向分析のツールで SWOT分析というのがあって、この「T」がThreat の頭文字
なお、SWOTはそれぞれ
Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)
の頭文字である。
threat to(前置詞)~ 「~に対する脅威」(旺文社1900、ジーニアス)
のように使う。
threat to mankind 「人類に対する脅威」
のように使う。
threat to(不定詞) ~~ 「~するぞと脅す」という用法もある。どちらの意味かは、toの後ろに来るのが動詞(なら不定詞 to)なのか名詞(ならば前置詞 to)かで区別できる。
threat だけでも「脅威」の意味で通じるが、次の熟語
pose a threat to 「~に対する脅威となる」
という熟語もある(旺文社1900、ジーニアス)。
pose a threat to mankind 「人類に対する脅威となる」
のように使う。
descend 「下がる」が、よく飛行機の高度で使われる。
The plane began to descend.
The plane start to descend.
(東京書籍、桐原)
辞書には、
descend the stairs 「階段を下りる」(ジーニアス)
がある。(旺文社1900には、似た和訳になる文がある)
なお、語尾が複数形になって stairs である。
階段を「のぼる」「あがる」(のぼる)は ascend である。
climb は山を「登る」である。climb には山や塀(へい)などを「よじ登る」というニュアンスがある(グランドセンチュリー)。そのため、階段などに climb を使うのは本来なら不適。
なお、ascend でも山を「登る」を言っても良い(速読英単語・上、グランドセンチュリー)。
まとめると、ascend は、階段や山などを「登る」という意味である。
高い地位まで登ることも、ascend で言う。前置詞がつくかどうかは文章にも寄る。旺文社1900では ascend to で紹介しているが、グランドセンチュリーには前置詞 to は無い。
東京書籍4500および同社の3000語に、 ascend は無い。
rise は、その他の「上がる」「のぼる」など。
太陽が「昇る」から、株価が「上がる」まで、色々と使えるのが rise である。なお、太陽が「沈む」は set で言える。sink ではない。
The sun rises in the east. 「太陽は東から上る」(グランドセンチュリーそのまま、桐原)
The sun sets in the west. 「太陽は西に沈む」(桐原・グランドセンチュリーを参考)
である、
何かの数値が「上がる」など(桐原3000)、「増加している」も rise で言えることがある(鉄緑)。
raise は、高い位置に「あげる」である(東京書籍)。「手を挙げる」も raise one's hand である(東京書籍、鉄緑、桐原)。
「手を挙げなさい」 raise your hand (東京書籍、桐原)
が典型的な例文。
「資金を集める」 raise a money という用法もある(東京書籍、鉄緑)。
descend 自体は割とどうでもいいが、派生語の descendant 「子孫」がやや重要。
語源はどうか知らないが、家系図とかで見ると子孫は、下にいますので、まあそこから関連して覚えて。
割と歴史的に広い範囲での「子孫」のことを言うときに使う(ジーニアス)。
辞書の例文だと、王族などの偉い人のことを言うときに descendant を使う例文が多い(グランドセンチュリーなど)。
なお、offspring 「子孫」という類義語もある。offspring も受験英語(旺文社1900)。
offspring は比較的に、広い範囲の子孫であったり(ジーニアス)、または不特定の家族の子孫であったりして、たとえば「私たち人類の子孫」とか、「国民の子孫」みたいに使うことも多い(旺文社1900の用法)。
不特定の家族の子孫の場合は、東京書籍の例だと、「エイズは親から子に感染することがある」みたいな例文で offspring を使っている。
つまり、世間一般の親子関係の「子」や「孫」に offspring を用いてもよく、実際にそういう例文が辞書に色々ある。
「先祖」は ancestor である。
「由来する」は動詞 derive が、鉄緑「英語のアート art という語は技術を意味するラテン語のアルス ars に由来する」みたいな文で、derived が使われる。
能動形 derive from A でも、 受身形 be derived from A でも、「Aに由来する」の意味である。
旺文社1900のほうも、ギリシア語に由来する単語の例文である。
derive from Greek 「ギリシア語に由来する」(旺文社を参考。なおジーニアスもギリシア語に由来の例文)
derive from Latin word "ars" 「ラテン語のアルス ars に由来する」(鉄緑を参考。グランドセンチュリーもラテン語由来の例文)
のように使う。
さて、範囲外だが、derive の名詞形および形容詞形で derivative (デリバティヴ)「派生物」「派生の」というのがある。これ自体はどうでも良い(主観)。
そんな事よりも数学IIの、微分積分に出てくる「導関数」(どうかんすう)が、英語で derivative (デリバティブ)である。
たとえば x^3 の導関数は、3 x^2 である。
ほか、「金融派生商品」も英語で derivative である。最近の版のジーニアスを見ると、「金融派生商品」も derivative の意味のひとつとして載っている。90年代の古い版のジーニアスだと、金融派生商品
化学の「誘導体」も derivative だが、説明が難しい。よく有機化学で「誘導体」が出てくる。
なお、物理の「誘電体」は dielectric (ダイエレクトリック)という別の単語。なお誘電体とは、電圧をかけると、電気を流すのではなく、分極をする物質のことであり、また、世間の絶縁物はおおよそ誘電体になりうる。語幹をdi(2つの)+electric(電子のもの)と見ても、まったく実際の物質特性が分からない。なるほど、明治時代の日本人が、「二電子体」とか訳さなかったわけだ。まあ、元のラテン語の名前を付けた人はおそらく、誘電分極(dielectric polarization)の事を言いたかったのだろうが。もし polarizationだけだと、磁石の磁極のことだと誤解されてしまうので、区別のため「二極の電子の」みたいな形容詞をつける必要があって dielectric polarization になったのだろう。そのうち、そういう風に分極しうる絶縁体そのものが名詞で「誘電体」dielectric とでも言われるようになった的な。実際の歴史がどうかは知らない。
なお、「配達する」deliver とは、「デリ」のスペルが違う別単語。LとRの違い。
東京書籍には、「由来する」の意味が書いてない。というか、そもそも桐原も「由来する」の例文が無い。学校配布の東京書籍・桐原と、塾あたりの鉄緑・旺文社とで、傾向が違っている単語になっている。
単語集で重視されているのは、「由来する」の用法ではなく「(心地よい感覚などを)得る」(東京書「心地よい」あり)、「引き出す」(桐原)のほうである。
derive pleasure from reading 「読書から喜びを得る」(東京書籍、桐原、ジーニアス)
である。ジーニアスはさらに突っ込んで、「見出す」の意味であるとある。
derive a lot of benefit from ~ 「~から大きな恩恵を得る」(グランドセンチュリー「彼の教え」 teach から、ジーニアス「その経験」 the experience から)
descend も「由来する」である(鉄緑)。鉄緑鹿紹介していない。子孫のことを descendant というためか、親から子へ伝わった物事の「由来する」に動詞 descend が使われる例が多いが、しかし必ずしもそうでなくても良い。
たとえばジーニアスでは、「このパレードは古い儀式に由来する」という例文で descend を使っている。
なお、descent で「家系」。
階段を「降りる」の descend と同じ単語。
階段を「上がる」「のぼる」はascendである。
対義語どうしをまとめると、
ascend ⇔ descend
である。
derive の rive の部分は、「川」river である(数研リープ)。
川の支流に「由来」をなぞらえた感じか。
余談だが、rival 「競争相手」は、川 river が語源である。同じ川の水をうばいあう相手、のような語源(数研リープ)。
イス取りゲームならぬ、川の水とりゲーム。
drop やfall は、旺文社1400の巻末にある類義語の章にだけある(本編には解説なし)。
dropは数量や人口、価格などの減少で使われる「口語的」な語(旺文社が「口語的」と言っている)。ただ、ノーベル経済学者クルーグマンのツイッターを読んでたら、「インフレの減速」のような意味で普通に drop を使っていた。
価格の低下だけでなく、派生してインフレの減速にもdropが使われることから、もしかしたら経済学などでは文語的に drop という単語が使われている可能性もあるかもしれない。
急騰する soar ,
急騰 a steep price rise
なお、「急騰する」は soar である(桐原5500、旺文社1900、鉄緑「急上昇する」)。
soar をそのまま覚えるのは、かなり難しいです。
数研リープの覚え方の説ですが、oar は 「大気」air の事だろうと。
まるで鳥が空高く舞い上がるかのように(ここ「が急騰」)、空中(大気中)を移動するようなイメージで(air, oar )、なんか上手く覚えてください。
soar の最初の s は、ex(エクス)「外に」の発音の「ス」が残ったものだろう、というのがリープ説。本当かどうか知らない。
ところで、数研リープ assault 「襲撃」「暴行」を見てたら、「サケ」salmon が「上流へ跳ねて泳ぐ魚」と説明がありました。
サーモンとソアーって発音がなんとなく似ているし、 日本語でも「うなぎ上り」とか言うし、まあ、うまく語呂合わせで覚えてください。
さて、単語集の例文だと完了形で have soared だが、急騰の結果として現在でも株価が高いなら完了形にするのが無難だろう。
インフレ率の上昇でも株価の上昇でも何でもいいが、たとえば旺文社1900が株価の上昇の典型的な例文
The stock prices of the company has soared . 「その会社の株価が急上昇した。」
である。
ジーニアスは野菜の価格の急騰、桐原5500は米価の急騰である。たとえばジーニアスでは
The price of vegetables is shoring. 「野菜の価格が急騰している。」
である。この野菜の例文のように、進行形ならもちろん、現在も急騰の真っ最中になる。
ただし、名詞として「急騰」なら、 a steep price rising のように言えます(数研リープ)。
株価が「下落する」のは、単に fall で言える。過去形だと fell になる。
なお、株価が「暴落する」は tumbling down で言えるとのこと(Z速読英単語・上)。階段から転がり落ちるとか、建物が崩れ落ちるとか、そういうのが tumble down とのこと。
なお、もっと簡単に、名詞で drop 「暴落」というのもある(ジーニアス)。朝日新聞も英語版の経済ニュースで drop や tumble を使っているので大丈夫 『Nikkei plummets 3.7% as Asia stocks tumble on virus fears』February 28, 2020 at 16:10 JST
株価の世界では、2~3%でも「暴落」dropという。0.5%くらいなら「下落」fell のようだ。
木の枝につまづいて転ぶのも tumble で
tumble over the root of the tree 「木の枝につまづいて転ぶ」(ジーニアス、グランドセンチュリー)
寝返りをよくうつ程度から、痛みなどのために「のたうち回る」まで、tumble で表現できる。
なお、stumble 「(石などに)つまづく」という、もっと平易な単語があり、こっちが普通の単語集に載っている(旺文社1900)。
よくある例文は、
stumble over stone 「石につまづく」(ジーニアス、グランドセンチュリー)
over でなく on でもよく
stumble on a stone (鉄緑、ジーニアス)
なお、階段から落ちるのも、ジーニアス stumble の例文によると、もっと簡単に
fall down the stairs と言えるとのこと(ジーニアス)。
過去形だと
fell down the stairs 「階段から転げ落ちた」(ジーニアス)
stumble and fall down the stairs だと、つまづいた事が原因で階段から転げ落ちたという意味になる。
tumbling down だと、原因はかならずしも、つまづいたとは限らないわけで。気絶したのかもしれないし、突き落とされたのかもしれないし。
stumble には「よろけながら歩く」という意味もあり、単語集にはこっちの例文があるのだが、興味ないので説明しない。誰か代わりに説明して。
さて、時制ついでに桐原5500の例文を紹介すると、
Figure showed the price of rice had soared to record levels. 「数字は米価が記録的な水準にまで急騰したことを示していた。」
である。
なお「痛い」soreと同じ発音である。
ほか、雑多だが、
「体重が増える」gain weight
「体重が減る」 lose weight
である(数研リープ)。
体重にしか応用が利かないので、入試で問われる事は少ないと思う。
楽観的な optimistic, positive
前の単元で景気の増減の話をしたが、ついでに言うと、よく景気の先行きについての見通しで「悲観的」だの「楽観的」だのマスコミ用語でいうが、これは英語でもそう言い、
「悲観主義」は英語でpessimism (ペシミズム)である。
「楽観主義」は英語で optimism (オプティミズム)である。
スペルよりも、まずカタカナで『ペシミズム』『オプティミズム』と覚えてしまおう。社会評論などの書籍などを読んでいると、ときどき外来語として「ペシミズム」などの用語を使っている場合もある。
典型的な例文として
東京書籍4500で「ボブは自分の将来について楽観的だ。」 Bob is optimistic about his future.
である。断りなしで形容詞を使ったが、
形容詞 optimistic (オプティミスティック)「楽観的な」
形容詞 pessimistic (ペシミスティック)「楽観的な」
である。
似たような例文が旺文社1900にもあり、「彼女は自分の将来について楽観的な気持ちだ。」 She feels optimistic about her future.
である。
桐原4500が紹介しているが、なにも将来でなく経済に楽観や悲観を感じてもいいのである。
桐原によれば、「彼はその国の将来について楽観主義を表明した。」 He has expressed optimism about the country's economy.
である。
wikiオリジナルの例文だが「トムは経済の先行きに悲観的だ。」なら、さしずめ Tom is pessimistic about the country's economy.
とでもなろうか。
なお、英和辞典を見ても、例文が「~は将来に楽観的だ」とか「将来に悲観的になってはいけない」ばかりである。optimistic などの単語が経済予想や株価予想に使えることすら、辞書だけでの勉強では全然分からない。とはいえ、あまり良い市販の英語教材がない。
ともかく、また、これらの例文のように、 be optimistic about ~ で「~に楽観的だ」となる(東京書籍4500)。悲観の場合も pessimistic で同様。
念のため、派生語も含めて一覧にすると、
optimism (オプティミズム)「楽観主義」、
optimistic 「楽観的な」、
optimist 「楽観主義者」(旺文社1900に紹介あり)、
pessimism (ペシミズム)「悲観主義」、
pessimistic「悲観的な」、
pessimist (オエシミスト)「悲観主義者」、
である。
日本語で「ポジティブ思考」とか「ネガティブ思考」とか言う人もいるが、これも内容は、それぞれ「楽観主義」および「悲観主義」に近い。
英語の positive にも「自信満々の」という意味もある(グランドセンチュリー)。なので、「ポジティブ思考」は誤用ではない。
ジーニアスに至っては positiveの意味の一つとして「楽観的な」をあげているほどで、さらに類義語として optimistic をあげているほど。
価値や能力を「高める」場合、enhance (エンハンス)という動詞が使われることもある。だが、辞書でも例文が少なく、あまりいい例文が見当たらないので、説明は省略。旺文社1900だと、603/1900の位置でenhanceを紹介している。だが東京書籍4500では、巻末ちかくで enhance を紹介である。桐原に至っては、4500語レベルではなく桐原5500の後半ちかくでenhanceを紹介である。
なお、遺伝学の用語でエンハンサーというのがあり、サイト『脳科学辞典』によると「 エンハンサーとは、遺伝子の転写量を増加させる作用をもつDNA領域のことをいう。プロモーターからの距離や位置、方向に関係なく働く[1][2][3]。サイレンサー(遺伝子の転写を抑制するDNA領域)とともに、遺伝子の発現調節で重要な役割を果たす。」とのこと[14]。
ほか、和製かもしれないが、音楽用語でDTM用語で、「エンハンサー」という機器がある。なお、近年ではエキサイターとも言うらしい。もしかしたら微妙に機能が違うかもしれないが、特定分野なので深入りしない。
サイレンサーというのは、銃などの減温装置などもサイレンサーというので、おそらく何かしら「エンハンサー」という機械装置が欧米にもあってそれを由来にした生物学用語なのだろうが、調べきれなかった。
なお、いくら銃に持ち運びできるような装置を取り付けても、さすがに無音にできるわけではないので(消音ではない)、「サイレンサー」という表現は誇大広告。近年は、銃の消音装置は「サプレッサー」 suppressor (「抑制するもの」というような意味)という。なお生物学では、過去の間違った学説にもとづく架空の分子に「サプレッサー」と言う用語が使われたことがあって、そのため、この語の使用をひかえている。
- (※ 「サプレッサーT細胞」。存在が疑問視・否定されているので、この細胞名は覚えなくていい。なお「T細胞」自体は免疫細胞として存在するので覚えよう。)
なお、このsuppressも高校英語であり、東京書籍4500および旺文社1900に書いてある。
suppressには(人間の集団を)「鎮圧する」の意味がある。
The police suppressed the protesters. 「警察は抗議する人々を鎮圧した。」(東京書籍4500の例文を改変)
みたいに使う。
なおジーニアス、グランドセンチュリーだと
The police suppressed the revolt. 「警察は反乱を鎮圧した。」
のような例文がある。revoltは高校範囲外。
東京書籍が気を利かして、中学歴史の宗教革命で「プロテスタント」を習ってるので、抗議者 protesters の例文のほうが高校生に分かりやすいだろうという気遣い(きづかい)。
silent を辞書で調べてたら、「沈黙の抗議」a silent protest という例文がジーニアスにもグランドセンチュリーにもあった。ついでに覚えよう。silentも高校英語(東京書籍4500、桐原3000、旺文社1200(いちばん簡単な黄色本))。
名詞形は silence サイレンス。
今の中学音楽の教科書は知らないが、むかし中学音楽の教科書で、サイモン&ガーファンクル(ミュージシャンのコンビ)の サウンドオブサイレンス と言う曲が掲載されていた。なので知ってる人も多かった。
The audience became silent. 「観客は静かになった。」
みたいな例文がよくある。
さて、suppress サプレスに戻る。桐原4500および5500には suppress が見つからない。
なお、suppressor はジーニアスにはあり、suppressor 「消音装置」。グランドセンチュリーにsuppressorは無い。
The streets were silent. 「通りは静かだった。」(東京書籍4500)
ジーニアスに
a silent street
という例文があるが、street の訳が「通り」ではなく「街」。「静まり返った街」と訳している。
keep silent や remain silent で「沈黙を保つ」(東京書籍4500がremain のみ紹介。ジーニアスで両方を紹介)
silent と quiet も類義語である。(桐原3000)
silent は、物を言わないことに重点がある。(ジーニアス)。ただし、人間以外にも silent を使うことがあり(上述の silent street のように)、「静かな」の意味もある。
quiet との区別は難しい。
ジーニアスいわく、
a silent volcano 「休火山」= a dormant volcano
とのことだが、しかしネットの画像検索で silent volcano を調べると噴火の画像ばかりである。
ほか、
The audience fell silent. 「観客は静かになった。」(東京書籍4500)
ジーニアスいわく、fall silent で「急に黙り込む」とのこと。東京書籍とジーニアスの見解が微妙に一致しない。
想像
vision, imagination, image
vision は「想像」の意味があるが、「見通し」の意味もある。もっとも、見通しの意味では名詞 perspective がさらに高尚。
なお、perspective はどちらかというと「視点」の意味である。大局的な視点=見通しのようなニュアンスが perspective である。東京書籍が(大局的な)「視点」、桐原が「観点」。だが、別に大局的でなくても美術の遠近画法のことを perspective というので、東京書籍の説明はいかがなものか。
from a different perspective で、「違った視点から」
たとえばジーニアスいなる例文think about the problem from a different perspective で、「その問題を違う観点から考える」となる。ジーニアスは「観点」、東京書籍4500は「視点」と訳しているが、別にどちらでもいい。
different の部分を別の形容詞にすれば、
from ~ perspective で、「~の視点(観点)から」になる。
なお、スペルの似ているprospect は、何か良いことの起きる「見込み」、成功の可能性のこと。
たとえば形容詞 prospective は「有望な」の意味である。
ジーニアス英和によると、もともとはprospectは高いところからの「展望」のような意味だったようである。桐原4500にprospectが書いてある。
「見込み」outlook という単語もある(桐原5500 のprospect)。桐原5500では prospect の「見込み」の類義語として紹介されている。
もし、「観察力」とかを言いたい場合、observe 「観察する」である。
「洞察力」なら、penetrating 「洞察力のある」である(旺文社1900。桐原5500)。ただし、洞察力の意味での例文は単語集に無い。動詞penetrate には「浸透する」の意味もあって、そちらの例文が市販の単語集には書いてある。
語幹のpene- んちういては、男性の「おちんちん」のことを医学用語で「ペニス」と言うでしょ。あれと同じで、「半島」のことを「ペニンシュラ」 peninsula と言うのです。
チンチンやら半島やら、ああいう棒のような長いものをペニ何とかとラテン語あたりで言うのです。って、論語評論家の呉智英(くれ ともふさ)が何かの書籍で言ってた。
身近な例だと、エンピツ pencil の語源がペニスやらペニンシュラと同様、ああいう形状からペンシルと言うのだという説もあるくらい。
だから数研リープで、penetrate「貫通する」 で pencil「鉛筆」 を参考語として紹介しているわけ。
で、半島が海に入り込んでいるように見えるように、penetrate は「浸透する」「入り込む」のような意味です。
日本神話の古事記でも、槍みたいな長い天沼矛(あめのぬぼこ)を神の夫婦のイザナギ・イザナミが日本海にぶっさしてかきまぜて、日本列島をつくるでしょ。って、90年代のゲーム作家の広井王子(ひろい おうじ)が何かの書籍で言ってた。
「天は人の上に人を作らず」と福沢諭吉は言ったが、「天は女の上に男をのっけて子供を作る」ってサブカル雑誌ライターの w:村崎百郎が何かの書籍で言ってた。産めよ増やせよ地に満ちよ。
もっと簡単な単語としては insight 「洞察力」という名詞があるので、これを使って洞察力を表現する方法もある。
なお、
語法 give A insight into B で「AにBの見識を与える」
である。
名詞 vision にも、「見通し」「洞察力」などの意味があるので、これでも洞察力を表現できるだろう。ただし、単語集にその用法での例文は無い。
旺文社1900によれば、 a one's(myなど) point of view で「〜の観点から」の意味。だが、これを直接暗記するよりも、まず名詞 view には、「眺め」の意味のほかにも、「見解」の意味があることまず知るべき。
慣用的に in my view, 「私の考えでは、」(ジーニアス、センチュリー)という表現がある。「考え」と訳しているが、「私の見解ですが、」くらいに訳したほうが分かり易いだろう。ただし、英語の view には、個人的な感情も含んで見方を示しているので、そういう意味で辞書では「意見」としたのかもしれない。
だが、 in my view は、ジーニアスによれば、in my opinion よりも控え目な言い回しとして使われる。
まあ、読者の自己責任で和訳してください。
単語集にはないが、viewpoint 「観点」という単語がある。ジーニアスの例だと、
From an economic viewpoint, 「経済的な見地からすると、」(その計画には利点がない)
と続く。
センチュリーだと、
〜 from the viewpoint of employees. 「従業員からの立場からみれば」(昇給はよいことだ)
となる。
旺文社の大学入試出る順シリーズに a point of view が書いてあるから、たぶん入試に良く出るんだろうが、正直言って瑣末な単語であろう。実際、桐原も東京書籍も a point of view を紹介していない。ジーニアスやセンチュリーにすら、少なくともview の項目には書いてない。辞書でpoint で調べると point of view が書いてあるが。
たとえば、センチュリー英和では「アメリカ人の視点から見ると、」(謝罪は自分の誤りを認めたことになる) From an American point of view, 〜
ジーニアス英和では「財政的見知では、」(これは由々しき問題だ) From a financial point of view, 〜
などの例文がある。
熟語 in terms of ~ で「~の点から」。なお terms はterm の複数形。東京書籍4500と桐原4500に似た例文があって、東京書籍「その計画は費用の点から現実的ではない」The plan is not realistic in terms of cost.
なんで terms と複数形なのか不明と思うだろうが、しかし英和辞典にも in terms of と複数形で紹介されているので、受け入れてもらうしかない。
いっぽう、桐原「この計画は時間と費用の関係で現実的ではない。」 This schedule isn't realistic in terms of time and costs.
term ついでに言うと、医療の末期医寮などでターミナルなんとか terminal 〜 とかあるが、辞書で確認すると用語term と末期terminal の語源は一応は同じだが、事実上は意味のまったく違う別の単語だと思うほうが良いだろう。東京書籍4500がそういう見解であり、「用語」 term と 「末期の」「終末の」 terminal を別々の項目として紹介している。
「末期の」の典型的な例文としては、「末期ガン」 terminal cancer がある(数研リープ、東京書籍4500. ジーニアス、センチュリー)。
桐原4500 では terminate 「終わりにする」が紹介。terminateの紹介位置が巻末ちかくの付録のため、例文なし。
契約を「解除する」や、期限が来るなどして「終わる」の意味に terminate は使える。
ただし期限については、「期限が切れる」expire (イクスパイア)という類義語がある。
terminate a contract 「契約を解除する」(グランドセンチュリー)
The contract expired 「契約が切れる」(速読英単語・上)
このように、ニュアンスが違う。terminate で契約終了の場合、必ずしも、期間の満了とは限らない。
単語集では、パスポートの有効期限が「切れる」を expire で言っている例文が多い(鉄緑、旺文社1900、)。
なお、より平易に契約が「終わる」や「終了」を言いたい場合、単に end でも良い(パス単準1級)。
派生語として、米語 expiration 「満了」の意味。イギリス英語だと expiry 「満了」である(旺文社1900)。
駅や空港などの「始発」や「終点」の駅・停留所であるターミナル terminal も、同じ語である(数研リープ、ジーニアス)。
なお、駅が公共バスなどの終点である事例は多い。
そういうバスターミナルのことも、数研リープおよびジーニアス英和いわく a bus terminal であり、またはセンチュリー英和いわく単に terminal という。
センチュリー英和は、バスのターミナルを単に「終点」と訳している。
さて、term には、「用語」の意味の他にも、「期限」「期間」の意味がある。
形容詞 long-term で「長期の」という意味である(旺文社1900)。
単語集にはないが、termination 「満期」「満期の」という単語がある。term にはそういう、限度のある期間的な何かのニュアンスもある。関連づけて覚えよう。
小中高の学校の「学期」もtermであるが、普通は3学期制の「学期」のことをいう(ジーニアスsemester で確認。ほか旺文社 semester )。大学の「前期」「後期」といった2学期制の場合は semester という(旺文社、ジーニアス semester )。
なお、日本の大学は、年間で「前期」「後期」という2学期制である。少なくとも日本の大学はそうである。
英米では、「秋学期」the fall semester と、「春学期」 the spring semester という言い方をする。
普通、英米では、9月から翌年1月までが「前期」the first semester であり(センチュリーで確認)、「秋学期」the fall semester という言い方をする(センチュリー、旺文社)。
普通、英米では、2月から8月までが「後期」the second semester であり(センチュリーで確認)、「春学期」the spring semester という言い方をする(センチュリー、旺文社)。
果たして大学でもし3学期制の学校があったら何というのかは知らない。まあ、単語なんて所詮は、社会の現状に合わせて言葉が作られるので、社会に存在しない制度の呼び名を考えてもラチがあかない。
imagination は「想像する行為」または「想像力」のこと。
image は、想像によって脳内に思い浮かんだ「像」や「印象」のこと。
動詞形は imagine である。実はimageも動詞とみる場合もあるが、しかしジーニアス英和ではimageの動詞用法は不採用である(ジーニアスでimageを見ても、動詞の用法は無い)。センチュリー英和だと、imageの動詞の用法が書いてある。
形容詞 imaginary は、「想像上の」「架空の」「実在しない」である(ジーニアス英和。センチュリー英和)。 ジーニアスでもセンチュリーでも、「創造」ではなく「想像上の」である。
スペルの似た imagery という単語があり、旺文社には『(集合的に)「比喩的表現」』と書いてある。辞書を見てもジーニアスでしか見つからず、例文もなく、よく分からないので説明を省略。
単語集にはないが、理科のレンズの実像(a real image)や虚像(a virtual image)などの「像」も image である(ジーニアス英和)。
理科でいう real というと、高校理科の化学でならう「実在気体」が real gas である。高校レベルの熱力学の公式(状態方程式 PV = nRT )で扱うような「理想気体」は ideal gas (アイデアル・ガス)である。実際の気体のふるまいは、pV=nRTの式からは、ややズレるので、そのような現実の気体をいいあらわす場合は「実在気体」 real gas という。
real の対義語はこのように、virtual とか ideal とか色々とある。
「理想的な」ideal は、「理論的な」 theoretical とは違っている。工学などには、実在気体の理論とかも存在しているので、もし pV = nRT で計算した気体のことを「理論的な気体」と言ってしまうと、実在気体の理論をいいあらわす事ができなくなってしまう。
そもそも日本語の「理想」そのものが、明治時代にプラトン哲学の「イデア」を翻訳するために哲学者の西周(にしあまね)によってつくられた新語である。
「理想的な目標」an ideal goal のように(Z速読上級)、達成するのが困難・非現実的な目標のことも ideal を使う。
なお、「気体」gas である。日本で「ガス」というと、台所とかで使う可燃性のガスばかりだが、英語では気体全般をgas という。
だから「温室効果ガス」も greenhouse gas である(Z速読英単語・上)。なお、温室効果ガスは二酸化炭素 Co2である。
環境問題とか入試に出やすそうなので、温室効果ガス greenhouse gas は押さえておこう。
日本で「理論」というと、小説の影響だかマンガの影響かなんか知らないが、なんか現実性のない理屈ばかりとかそういうニュアンスでも使われるが、しかし物理の理論とかは現実そのものなんで(少なくとも高校で習うような、古典物理とかはそう。化学も同様。)。まあ、そういう小説の読者とかの読者層が馬鹿である。こういう細かい語彙力で、知能の水準が判定される。
ideal には、「うってつけ」の意味もある(数研リープ ※ 非 basic)。
an ideal place 「うってつけの場所」(数研)、「理想的な場所」(旺文社)
「浜辺は散歩に、うってつけの場所」みたいな使い方で、ideal を使える(旺文社1900「理想的な場所」)。
an ideal place for walk 「散歩にうってつけの場所」(旺文社1900「理想的な」)
an ideal place for camping 「キャンプにうってつけの場所」(数研リープ)
an ideal place for hiking 「ハイキンブにうってつけの場所」(東京書籍4500「最適な場所」)
のように使う。
さて、さきほど、
- image は、想像によって脳内に思い浮かんだ「像」や「印象」のこと。
と言った。
旺文社1900にあるが、テレビの「画像」も image である。上述のレンズとテレビを合わせて考えれば、つまり、光学の像も image であるし、実際に英和辞典ではそう紹介している。
なお、イメージダウンなどは和製英語。イメージが悪化した場合は a bad image のように言う(ジーニアスで確認)。
なお、仏像とか銅像とか、ああいったのは「塑像」(そぞう)とか「彫像」(ちょうぞう)とかいうが、「塑像」・「彫像」の英語は statue (スタチュー)である。単語集を見ると巻末の索引に statue が書いてないので一見すると高校の範囲外だが、しかし自由 liberty で東京書籍4500を見れば「自由の女神像」 the statue of liberty が書いてある。桐原の検定教科書『EMPOWER II』にも、P28に「自由の女神像」 the statue of liberty が書いてある。
このように、「自由の女神像」 the statue of liberty は事実上の高校必須の単語である。
liberty「自由」は普通、国家権力からの自由の事を言う。
だから liberal は形容詞「自由主義の」または名詞「自由主義者」の意味がある。(桐原4500が名詞「自由主義者」も紹介している。東京書籍は形容詞だけ。)
liberalism 「自由主義」である。
statue は、桐原の検定教科書『EMPOWER II』にも、P31に「ブロンズ像」 a bronze statue が書いてある。
光学ついでに言うと、「反射する」は reflect である。典型的な例文が、「日光を反射する」reflect sunlight である(東京書籍4500、センチュリー)。
ジーニアスには「鏡は光を反射する」
A mirror reflects a light.
という例文もある。
だが、桐原4500や旺文社1900では、reflectの、意見などを「反映する」の意味のほうが紹介されている。
とりあえず、ジーニアスによれば「世論を反映する」 reflect public opinion である。
センチュリーや桐原や旺文社を見ても、「反映する」は他動詞的に使うのか自動詞的に使うのか、能動形や受動形か、あまり使い方がはっきりしない。
reflect on ~で「熟考する」「回想する」の意味(旺文社1900では熟考、東京書籍では回想を紹介)。東京書籍のには例文あり。著作権のため本ページでは紹介しない。
名詞形には reflection と reflex がある。意味が微妙に違うので、必要な場合には英和辞典で確認せよ。
なお、単なる「視野」や「視界」のことは view である。だが、辞書でviewの項目を見ると、「見解」の意味が先に書いてある。少なくともジーニアス英和とセンチュリー英和はそうである。辞書よりも単語集で勉強しよう。
可能性 possibility, probability, likelihood
成功の見込み、成功の可能性 prospect
潜在能力 potential
probability (プロバビリティー)は「見込み」「確率」の意味(旺文社1900)。数学の「確率」で probability が使われるので、もし確率ではない単なる「可能性」のことをいいたい場合は、別の言い回しが必要な場合もあるだろう。
関連語として、副詞 probably「たぶん」がある(旺文社、桐原)。
形容詞 probable (プロバブル)については
It is probable that ~ 「たぶん~だ」
の意味(桐原4500、旺文社に似た和訳)。
対義語 impossible (インポッシブル)「不可能である」も覚えておきたい。
probably は、語源としては、「証明(prove)できそう」のような意味なので(数研リープ)、本来なら確率が高いことに使われるはずだが、しかし桐原4500や旺文社を見た感じ、必ずしも、それほど確率が高くなさそうなので、あまり厳密に語源から考えなくても良いだろう。
ほか、prospect は、何か良いことの起きる「見込み」、成功の可能性のこと。
「可能性」を意味する likelihood (ライクリフッド)という単語もある(旺文社1900巻末)。副詞 likely 「ありそうな」の名詞形である。
possible (ポッシブル)について、
It is possible that 人 to do
で「人が do するのは可能だ」の意味(桐原4500、東京書籍3000)。
capability (ケイパビリテイー)は「能力」である(桐原4500)。可能性は関係ない。
ability (アビリティー)は「能力」「才能」である(桐原4500)。可能性は関係ない。
「たぶん」を意味する副詞の maybe(メイビー) と perhaps(パハップス) と probably(プロバブリー) については、省略。書きたくない。
東京書籍3000が、ひとまとめで maybe や perhaps と probably を説明している。
東京書籍3000は紹介していないが、 likely (ライクリー)形容詞「ありそうな」、副詞「たぶん」という単語もある。
名詞および形容詞のpotential (ポテンシャル)は翻訳の都合で(名詞の場合なら)「可能性」と訳す場合もあるが、なるべく「潜在能力」 potential という訳で覚えましょう。
形容詞としての場合、「潜在的な」で potential を覚えましょう(桐原3000巻末)。
物理学の位置エネルギーのことを英語で potential と言いますので、科学的な専門用語でもあります。
桐原3000巻末のセンター試験特集によると、「潜在能力」などの意味ですが potential はセンター試験での出題をされた単語らしいです。
センター出題の背景事情として、ポテンシャルは物理学などで使う用語だという背景があります。
日本語でも、物理学の専門書などを見ると、普通に「ポテンシャルエネルギー」とか単に「ポテンシャル」などと言ったりもします。
計画
scheme, plan, project, schedule
~するつもり intend , plan
意図的な intentional , deliberate
- 動詞自体にすでに「意図的に」の意味が含まれている動詞、形容詞など
- 意図的に秘密を「暴く」(動詞) reveal, disclose
- 意図的に「悪い」(形容詞)wicked
- 意図的に「無視する」(動詞) ignore
- ※それぞれ別ページや別単元で説明しているので、本単元では説明を省略。右上のサイト内検索で探してください。
故意に・わざと on purpose
かなりの considerable, substantial
物質 substance, matter
桐原4500 が scheme を「たくらみ」の意味だけ例文で紹介している。勘弁してほしい。
まず、旺文社1900 が例文で、政府の「新しい住宅供給計画」を The new housing scheme といってるように、比較的にきっちりとした計画のことである。
桐原・旺文社の単語集にもあるように schemeに「体系」とかの意味もあって、だからニュアンス的には、体系だった計画のような感じがある。
念のためジーニアス英和を見ると、scheme の意味として「政府の公共計画」、「会社の事業計画」などが挙げられている。
そして、そういう派生として、「陰謀」(旺文社)、「たくらみ」(桐原)を覚えるべきだろう。語源はともかく。暗記の負担を減らす理解としては、たとえば
- 陰謀は大規模・身の程知らず → 大規模な計画は scheme という → じゃあ陰謀も scheme でいいか
的な連想とかで覚えるのがラクかと。
高校生に語源の知識はいらないし、もし語源が「たくらみ」だというなら、そういう情報を先に教えるべきだし、念のためジーニアスで語源を見てもsdhemeの語源は『「形」が原義』とのことだし、あるいはもし有名大学が入試でscheme の「計画」の意味も出題せずにschemeの「たくらみ」を出題しているならその大学が批判されるべきだろう。
なので、ジーニアスもいってるように、scheme は plan よりも固い語である。
ジーニアス英和やセンチュリー英和にあるように 大綱とか図式とか、学問などの体系とか、教育体系とかも scheme という。
たとえばセンチュリー英和が教育体系なら an educational scheme だと言っている。
plan は「計画」をあらわす一般的な語(ジーニアス)。
project は、長期の「計画」を表す(東京書籍3000)。projectを「事業」「プロジェクト」などと訳す場合もある。東京書籍では「プロジェクト」という訳語を紹介している。
辞書では特にplan と project の違いは述べられていない。だが project の用例を見ると、橋やダムなど公共インフラの建設計画などがよく project で表現される。
「ダム建設の事業」 the project ro build the dam
である(東京書籍3000。センチュリーに似た例文)。
「橋の建設の事業」なら a project to build bridges である(ジーニアス)。
別に公共インフラでなくてもよく、ビルの建設計画でも良い。
範囲外だが、IT業界では、プログラミング用語で build 「ビルド」というのがあり、ソースコードから機械語にコンパイルしたあとに、さらに付随すべきプログラムをくっつけて(「リンク」という)実行ファイルをつくることを「ビルド」build という。入門レベルのプログラミングなら、Visual studio なおdのプログラミング開発環境が自動的にコンパイル後のリンクなども自動処理してくれるので、初心者は心配しなくていい。
rebuild という単語があって、Z会の速読英単語・上では「建て直す」「再建する」と意味紹介だけしてある(例文なし)。
IT用語としては、「リビルド」は、過去にビルドした事のあるコードを、過去のビルド結果を再利用せずに、ビルドをソースコードからゼロから やり直すこと。
前提として、一般的な「ビルド」コマンドの仕組みは、じつは過去のビルド結果を再利用して変更点だけをビルドして追加するという「差分ビルド」という仕組みである。
リビルドは、この差分ビルドではなく、ゼロからビルドしなおすという事。そのため時間が掛かるが、なんらかの理由でリビルドが必要な場合もある。
なお、大規模な工事などを「計画する」という意味で動詞 project もある。アクセントが名詞と動詞とで異なる。
名詞は、プ「ラ」ジェクトの「ラ」にアクセントがある。なお、日本語では「プロジェクト」と書かれるが、英語ではどちらかというと「ロ」ではなく「ラ」であり、プロジェクトである(センチュリー、ジーニアス)。
動詞は、プロ「ジェ」クトの「ジェ」にアクセントがある。
学生などの研究課題も project という、
schedule は「予定表」「計画表」の意味(東京書籍3000、旺文社1200)。だが、「予定」「計画」の意味でも使われることがあるので、planなどとの区別は難しい。
on schedule で「予定通りに」の意味(旺文社、桐原3000)。
飛行機とか電車とかの運行が予定通りの場合は schedule を使う(東京書籍、桐原)。
ほか、忙しい場合の表現として、
I have a tight schedule next week. 「来週は予定がぎっしり詰まっている。」(東京書籍3000)
I have a busy schedule this week, 「私は今週、予定がぎっしり詰まっている。」(旺文社1200)
のように使う。
a train schedule 「列車の時刻表」(東京書籍3000、グランドセンチュリー)
他にも動詞「予定されている」 schedule の例文は単語集にあるが、著作権的に省略。単語集を買って読んで。
計画する plan , intend
動詞 intend to ~ 「~するつもり」は、計画だが、やや欲求・意思に重点を置いている。
動詞 plan は、計画性に重点を置いている。 plan to ~ は「~することを計画している」と訳すのが普通。(「~するつもり」ではなく)
plan a trip to Hawaii 「ハワイ旅行を計画する」(東書3000)
plan to go to Ireland 「アイルランドに行くことを計画する」(桐原4500)
進学などの予定は、intend も plan も使う。
Bob intends to learn karate in Japan.「ボブは日本で空手を習うつもりだ」(東書3000)
Most of these students intend to continue their education at university. 「ここの大半の生徒は大学へ進学するつもりだ」(桐原4500)
べつに進学や就職でなくても、
She intends to go to bed early tonight.「彼女は今晩早くねるつもり」(桐原1900)
Where do you intend to go to tomorrow? 「明日どこへ行くつもりだい」(ジーニアス)
のように intend は今日とか明日の予定でもいい。
名詞形は intention 「意図」である。単語集には例文は無し。高校レベルを超える。(いちおう、東書4500に「意図する」のintend の例文あり。)
ただ、どうしても「意図的」とか言いたい場合は、intentional とかintentinally みたいにその系統の語を使うのが安全そうである。
桐原5500 に deliberate 「意図的な」という語があるが(昔の上智大に出た単語らしい)、intention などとの使い分けが英和辞典を見ても言及されておらず、またネットで調べても情報が一致しない。あるサイトでは、欲求にしたがった意図だという主張もあれば、別のサイトでは熟考した上でも意図だという主張もあり、不一致である。
なお、deliberate 「故意の」「慎重な」(旺文社1900)・「意図的な」(鉄緑「意図的な」)
intentional よりも deliberate のほうが口語的(ジーニアス)。
なお、動詞としては deliberate は「熟考」(じゅっこう)の意味があり(旺文社)、類義語は consider である(ジーニアス)
名詞形は deliberation 「熟慮」「慎重さ」である(旺文社)。deliberation のほうがconsideration より慎重の度合いが強い(グランドセンチュリー)。
なお、鉄緑に名詞形 deliberation は無い。
東京書籍4500では巻末送り。桐原4500には無い。
ほか、「慎重な」を、より基礎的な単語で言いたいなら、careful で良い(鉄緑)。
careful と比べて deliberate は固い表現(ジーニアス)。
ほか、prudent 「慎重な」という単語もあるが、鉄緑しか紹介していない。
considerable は「かなりの」「相当の」と言う意味であり、まったく熟考とは関係ない。
substantial も「(数量などが)かなりの」の意味がある(旺文社1900巻末「数量などが」あり)。
ほか、辞書で確認すると、「重要な」「本質的な」「実質的な」などのいう意味もある(グランドセンチュリー、ジーニアス、旺文社1900「実質的な」)。
なので、どちらの意味なのか、文脈から判断のこと。
たとえば
substantial change
は、「大きな変化」(グランドセンチュリー)なのか「根本的な変化」(ジーニアスに似た言い回し)なのか、文脈によって同じ英単語でも和訳が別々になる。
substantial evidence 「かなりの証拠」(鉄緑、ピナクル a substantial body of evidence 「かなりしっかりした証拠」)、
何がどう「かなり」なのかは文脈による。かなりの数なのか、かなりの影響度なのか。
substance は「物質」という意味であり、material より硬い語(ジーニアス)。東京書籍はsubstance は matte とほぼ同じ意味だと言っているが(東京書籍)、ジーニアスの説明に反してそう。
単語集によくある substance の例文は、有害物質とか有毒物質の例で、
toxic substance 「有害な物質」(桐原4500がプルトニウムをそう言っている)
toxic substance 「有毒物質」(東京書籍4500)、poisonous substance 「有毒な物質」(鉄緑がタバコの煙のなかの物質について言及)
harmful substances 「有害物質」(旺文社1900)
a cancer-causing substances 「発がん性物質」(数研リープ basic)
鉄緑いわく、deliberate の「意図的な」「慎重な」も、どちらもよく考えているという点では同じだと(鉄緑)。
なお「配達」などの delivery とは語尾のvが違う。bとvの違い。
いちおう deliberate に「熟考した上での」という意味もあるが、しかし、あまり行儀のよろしくない行動にも deliberate の「意図的な」を使う例文もあるので(たとえば故意犯みたいな)。・
a deliberate insult 意図的な侮辱(ジーニアス)
the fire was stated deliberately その放火は意図的だった(グランドセンチュリー)
みたいな。
もちろん悪事だけでなく、良いことにもdeliberate を使ってよい。
a deliberate refusal よく考えた上での辞退(ジーニアス)
「故意に・わざと」 on purpose は、桐原3000と旺文社1400にあるが例文なし。東京書籍3000では、purpose 「目的」はあるが on purpose は無し。
鉄緑は、on purpose を intentionally の類義語としており、そもそも「目的」と「意図」は類義語という見解(鉄緑のpurpose のあるページの冒頭文)。
on purpose の学習には、市販の熟語集を読むことになるだろう。
陰謀(主に「共謀」)
conspiracy
たくらむ
scheme
高校英語としては、陰謀で覚えるのは conspiracy と、あとはschemeで十分だろう。
ジーニアス和英辞典によると。「たくらむ」には、plot, conspire , scheme , contrive ,hatch がある。
これらの単語には、陰謀以外の意味で使われるものあり、
比較的に簡単な単語なら、
plot は、よく数学的なグラフに「点を打つ」とかの意味で使われる。
なんと高校の単語集には plot がない(桐原3000・4500・5500と東京書籍3000・4500を調べた)。点 point とか教えてるのに「点を打つ」plot がないとは、英語教育の界隈はどういう了見か。反省を願う。中学数学レベルの簡単な英単語も教えられないくせに conspiracy とか教えているのか。
一応、「x軸」 x-axis とか「y軸」y-axis とかは、検定教科書で見かける[15]。
ジーニアス英和で plot を見ると、「(裏切りの)陰謀」「たくらみ」が最初の意味だが、なんだかなあ。いまどき plot なんて数学の座標で使うのが人生で最初だと思うが。
センチュリー英和の言うように、地図や図面などに位置を書き込むことがプロット。
なお、小説などの筋書きも plot といい、センチュリーはこの筋書きの意味をplotの名詞の項目で最初に紹介している(動詞のほうは、「たくらむ」だけ紹介)。
しかしセンチュリーのほうだと、動詞には、図面や地図に位置を書き込むことの動詞がない。
本当もう勘弁してほしい。英和辞典ともあろうものが中学校レベルの英語くらい書けないのか。
scheme は上述のような体系的な「計画」だし、
hatch は(鳥などが)「ひなからかえる」「卵からかえる」「卵をかえす」とかの意味。船などの昇降口のハッチ hatch とスペルが同じ。
contrive には、(ジーニアス英和によると)「考案する」・「うまくやりとげる」の意味もある。
conspire が、「共謀する」の意味。桐原5500でも、conspiracy の例文の主語が複数形になっているので、和訳には「陰謀」とあるが内容は「共謀」である。
ちなみに「陰謀」の名詞は、桐原5500が紹介しているのは、intrigue (イントリーグ)とconspiracy (コンスピラシー)である。
これだと意味が強すぎるので(政府転覆とか)、ちょっと何かをたくらんでいるぐらいの場合に、scheme とか plot とかを使うとよいのだろう。
ジーニアス英和で intrigue を調べてみたが、例文がなく、よくわからなかった。なお、名詞も動詞も intrigue である。
多様性
variety ,diversity
東京書籍4500は variety と diversity の違いの細かい説明をあきらめている。
diversity のほうが高尚な言い回し。
東京書籍の言うには、形容詞 variousが「いろいろ」「さまざま」。名詞 diversity が「多様性」である。
熟語 a variety of ~で「様々な」の意味(桐原4500)。
桐原4500および旺文社1900に至っては、そもそもdiversityの項目・ページではvarietyを紹介していない。
桐原4500 が「民族の多様性」 ethnic diversity という表現を使っている。
センチュリー英和がdiversityの項目で biological diversity 「生物学的多様性」という表現を使っている。
「生物多様性」のことを biodiversity または biological diversity という(旺文社1400)。
biodiversity は辞書(ジーニアス、センチュリー)に書いてある。
辞書のbio- の項目では、biological diversity は辞書では見つからなかった。
なお、ややこしいことに、diversity およびvariationには「差異」「相違」という意味もある。
和製英語のバライエティーおよにバリエーションは、やや意味が間違っている。
variation は、「差異」・「相違」・「変化」の意味(東京書籍4500および旺文社1900)。高校数学ではわかりづらいが、大学の数学で「変分法」という微分積分の発展的な分野のようなものがあって、これに variation という英語が相当している。( コトバンク『変分法』 )この変分計算では、関数中にある変数の代入値を少しだけ変化させたら関数がどう変化するかを考察しているので、英単語 variation の訳語のニュアンスに近い。
なお「微分」はdifferential、導関数はderivative なので、混同しないように(※ 大学受験に出ないので覚えなくて言い)。
桐原4500の例文にもあるが a diversity of ~ で「多種多様な~」の意味。 a diversity of wildlife で「多種多様な野生生物」と桐原4500が紹介。
余談だが、wildlife 「野生動物」について、高校入試でも、よく難関私立入試にて、
the habitat of wildlife 「野生動物の生息地」
のような内容で、habitat 「生息地」および wildlife が出る(関・難関高校)。
wildlife は、野生の動物のことを言う場合が多い。
「自然生息地」 natural habitat (受験研究社、関「自然の生息地」)
なお余談だが、近年では国籍や性別(男・女のほかにも、さらにはLGBTなど)などの多様性のこともよく「ダイバーシティ」 diversity といい、よく人権などの関係した議論でこの用語護が出てくる。今後の公民科目などの範囲になるだろうから、本・英単語集のページでは深入りしない事にする。
十分・充分
sufficient ,adequate, enough
sufficient ⇔ deficient
適切である suit, be adequate for, appropriate
状態 state , condition
十分な ample, plentiful, adequate
豊富な abundant, ample
enough は形容詞にも副詞にも使われる。
sufficient と adequate は形容詞。
ジーニアス英和に、adequate の類語が sufficient , enough だと書いてあるが、ニュアンスの違いは見当たらなかった。
形容詞 sufficient 「十分な」は enough よりも固い語である。 だが、その用法だけではない。
強制ではないが、sufficient は、質・量ともに十分な場合に好まれて使われるニュアンスがある(センチュリー)。
一方、単に量が多い場合や、特に質が問われない場合などに enough を使うという、使い分けがある。
be sufficient to ~(動詞) 「~するのに十分である」
である(桐原、東京書籍)。
sufficient の名詞形は sufficiency 「十分足りること」である(桐原)。
対義語は insufficient 「不十分な」、または deficient 「不足した」(デフシュント)である(東京書籍)。
センチュリーいわく、sufficient では質も問われるニュアンスがあることも合わせれば、対義語との関係は、
(質・量とも)「十分な」sufficient ⇔ deficient(質・量が)「不足した」
である。
センチュリーの訳語を比較した範囲では、insufficient よりも deficient のほうが絶対量の不足という意味合いが強そうであった。そのためか、deficinet は「欠乏」と訳されることもある(センチュリー)。つまり deficient 「欠乏した」「不足した」などの意味である。
名詞形 deficiency 「不足」「欠乏」「欠陥」という単語もある(旺文社 deficit 項目、センチュリー)。
ほか、貿易赤字などの「赤字」は 名詞 deficit (デフィシット)である。
つまり、「赤字」 deficit である。
「貿易赤字」は a trade deficit である(旺文社、センチュリー)。
数学用語だが、「十分条件」は sufficient condition である(旺文社1400)。なお、「必要条件」は necessary condition である(旺文社1400)。
数学だけでなく、法律でも英語では使う。日本国憲法の英語版にある、
第十条 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。 Article 10. The conditions necessary for being a Japanese national shall be determined by law.
上記の憲法の場合、関係代名詞の(which they are の)省略のように、conditions の後ろから形容詞 necessary で就職している。
数学IAの出来ないバカに’(数学IAで、「必要条件」などの数学用語を習う)、法律の研究は無理という典型。
on the condition that ~ 「~という条件で」(桐原4500、旺文社熟語1000)
アメリカ英語では、on の代わりに under でも良い(数研リープ)。また、the が抜ける場合もある(リープ)。
なので、たとえば
under condition that ~ 「~という条件で」
のようなのもアメリカ英語では可能だろう。
ほか、
bad condition 「悪条件」(数研リープ)
なので、たとえば
on bad condition 「悪条件で」
など。
なお「条件」condition は、たとえばスポーツ選手がコンディションが良いとか悪いとか言うときのコンディション(体調・状態) condition と同じ単語(グランドセンチュリー)。
健康の状態を言う場合は、condition である(辞書)。ほか、機械にコンディション condition は使う。
この「状態」も、condition とかstateとかshapeとか、類義語が色々とある(グランドセンチュリー state が類義語と主張、速読英単語 shape が類義語と主張)。
物質の「固体」 a solid state とか、「液体」 a liquid state とか、「気体」の状態、などは state である。
地位とか身分を表すのにも、state や condition を使う(ジーニアス、グランドセンチュリー)。この用法からは区別がつかない。
- (※ 範囲外)なお、日本だと、高い地位や高い身分のことをステータス status というが、英語のstatus にもその意味があるが、state にも「高い地位、高い身分」という意味がある。
- ステータス status にも、「状態」の意味もある。辞書の例文には、日米間の状態とか、紛争の状態とか、なんか政治経済っぽい話題の「状態」の例文が status を使って書かれている。
- ゲームとかで、西洋ゲームのRPGとかで「毒」とか「麻痺(まひ)」とかのあの状態をステータスというのは、けっして和製英語ではなく、status 「状態」という意味に由来する正式な英語のようである。
- 「毒とかは、condition では駄目なのか? 健康状態だし」と思ったが、まあ、文字数とかもあるし。ゲームの英語って、文字数とかの都合もあるので、必ずしも正式な英語とは限らないので、まあ参考程度に。
state も status も語源は同じ、「立っている」stand 的な古語が語源(ジーニアス)。
「州」 state と同じ語。
sufficient O(目的語) to V(動詞の原形)
で、「Vするのに十分な量のO」
~ be sufficient to V
で、「~はVするのに十分だ」
be adequate for ~ は、「~に十分な」とのことだが(東京書籍)、しかしジーニアスを見ても例文がなく、よく分からなかった。
be adequate for ~には「~するのに適している」の意味もある(桐原)。
「適切である」を言いたいなら、動詞 suit (スート)ひとつで足りるだろう。
たとえば
「このソフトウェアはプログラミングに適切です。」 This software suits programming.
のように(wikiオリジナルの例文)。
suit 自体は桐原4500・東京書籍4500・旺文社1900の3冊とも紹介しているのだが、
しかし「適切である」の例文は、東京書籍しか紹介していない。
しかも、待ち合わせの時間が「好都合である」の訳。
違う英文だが、
(待ち合わせの時間を聞かれた返事で)「金曜日が好都合です」 Friday suits me.
のような使い方(オリジナル。ジー二アスに似た例文。センチュリーに似た例文)。
桐原が紹介している例文は背広のスーツだし、旺文社のは「訴訟する」の suit である。
abundant 「豊富な」(東京書籍巻末、鉄緑)「たくさんの」(鉄緑)
There is abundant supply of food. 「食料は十分に供給されている。」(グランドセンチュリーほぼそのまま。ジーニアスを参考)
ほか、鉱物が豊富な場合も abundant や派生の名詞 abundance 「豊富さ」「豊富」「多量」や動詞abound 「たくさんある」「豊富にある」などを使う(旺文社、鉄緑)。例文はカット。辞書を見ても運悪く共通パターンが無い。
べつに鉱物資源や食料資源に限らず、家庭が愛情と笑いにあふれている、的な文でも abundant を使える(グランドセンチュリー)。
「~にあふれている」be abundant in ~ (桐原4500、グランドセンチュリーの例文、東京書籍巻末の例文)
(なお、旺文社が in abundance 「豊富に」を紹介。)
だから先ほどの「愛と笑いにあふれている」は
abundant in love and laughter
グランドセンチュリーの例文全体「彼らの家庭は愛情と笑いにあふれている」は、著作権のため英語例文は省略。気になる人は辞書を買って読もう。
plenty 「豊富さ」「十分」「多数・多量」や plentiful 「豊富な」が、意外にも桐原4500および東京書籍巻末にdかえある。
旺文社1900・1400にはplenty は無い。
鉄緑では、abundant の項目にて、類義語の一つとして plentiful をスペルだけ紹介しているだけで、例文も無い。
鉄緑だからって、必ずしも何でも書いてあるわけではない。
You have plenty of time to ~ 「あなたには~する時間はたっぷりある」(東京書籍巻末(主語がWe)および桐原を合成)
辞書を見ると、明言はされてないが、、plenty は、基本的には「たくさんの」「多量の」のような意味が基本的であり、そこから派生して「十分の」「充分の」の意味も持つ、と覚えるほうが良さげ。
なお、 plenty of 「たくさんの」(グランドセンチュリー)、「多量の」「多数の」(桐原)
受験範囲外だが、「コーヒーをいかが?」とか「お茶をいかが?」とか言われた時に断る返事で、「結構です」の意味で plenty を下記のように使う。
No thank you, I've had plenty. 「いいえ、結構です。もう十分にいただきました」(ジーニアスを、グランドセンチュリー)
こういう使い方もあるので、plenty「十分」という桐原・東京書籍の和訳のひとつも、まあ妥当。
ほかの単語
ample 「十分な」(東京書籍巻末、鉄緑)「豊富な」(東京書籍巻末)、「たっぷりの」(鉄緑)、「十分すぎるほどの」(旺文社)、「広い」(旺文社、ジーニアス)
ample time 「たっぷりの時間」
よくある例文
We have ample time for ~「私たちは~する十分な時間がある」(鉄緑は 議論 discussion する時間、グランドセンチュリーは 読書 reading の時間 )
お金や報酬が「たっぷり」の場合も ample (東京書籍巻末、グランドセンチュリー)
電気信号などの「増幅器」 amplifier (数研リープ、鉄緑(「アンプ」と訳))
adequate は、「十分な」である。
語源は ad (~に)+ equa(等しい)
イコール equal とかのequa と同じ。
語源としては「等しい」だが、しかしadequate は別にピッタリを意味しない。
辞書などの例文を見る限り、必要量よりもそこそこ多くても adequate を使うようだ。
まあ、物資が多いぶんには問題ないという欧米人のスタンスなのだろう。
対義語は inadequate 「不十分な」である。
「適切な」の意味の単語は、ほかにもある
appropriate 「適切な」
よくある例文の和訳では、服装が適切かどうかという例文(桐原、旺文社)。英文は省略。
appropriate の英語英文は、辞書・単語集を見ても、運わるく、共通パターンが無い。
不足
lack , shortage
かつて受験英語などで「欠乏」lack ,「不足」shortageのような使い分けがあったが(実際、ネット検索するとそういう説明も出てくる)、しかしこの分け方は正しくない。なぜなら、英和辞典で lack の項目を見れば、単に不足している場合でも lack を使っているからだ。
lack と shortage の違いは、たとえば「同情に欠ける」とか「常識に欠ける」がlackである。
センチュリー英和を読むと形容詞 lacking の説明で、be lacking in common sense という例文で、「その学生は常識が足りない」という例文もある。
どうも、lack は、慣用句として、配慮が欠けている場合に使うのが英米では自然なのかもしれない。また、その言い回しが、配慮を欠けている事実自体を主張するおかにも、どうも不足の現状に対して非難や批判などのニュアンスも込めてlackが使われていそうである。
おそらく、辞書にあるlackの訳語の「欠乏」が間違っている。ジーニアスにもセンチュリーにも「欠乏」が書いてあるが、正しくは「欠如」(けつじょ)である。(ジーニアスに「欠如」が書いてある。)あるいは、辞書にはないが「欠落」あたりだろうか。欠乏の「乏」とは貧乏の「ぼう」である。
ジーニアスには、lackについて「十分にはないことをいう。まったくない場合はabsence」といっている。ジーニアスはせっかくここまで説明しておいて、なぜ「欠乏」という訳語を使い続けるのか。
欠席のことを be absent from (classなど)というが、上述のabsenceはその形容詞absentの名詞形。つまり、英語では「欠乏」と「欠席」とが同じ単語だという事。
absenceは、ゼロの状態だから、「ゼロでないけれど、大幅に足りない」みたいな表現には向かない。そういう深刻な不足を言いたい場合は、たとえば a serious shortage となるだろう。実際、センチュリ-のsortageの項目に例として a serious shortage (深刻な不足)や an acute shortage (深刻な不足)や a severe shortage (深刻な不足)などが 書いてある。
さて、食料やら金銭やらが物理的に足りない場合は、どちらでもいいが、辞書を見る限り shortage のほうがそういう物資の不足での例文が多い。
たとえば東京書籍4500にあるが water shortage である。
食料不足は、東京書籍4500では The shortage of foodだが、センチュリー英和では food shortage である。
労働者不足が the shortage of labors である(旺文社1400(簡単なほう))。
医師不足が a shortage of doctors である(桐原4500)。 冠詞 a と the の違いは文脈に応じただけのものなので、読者は気にしなくていい。
なお、lack は動詞の場合もある。
単語集を見ても、lackとshrtageの違いとか、書いてない。まったく。
直観と直感
intuitive(直観),
洞察
insight
英語というより日本語の問題なのだが、「直観」と「直感」では意味が違うので注意が必要である。
「直観」には、洞察力のようなニュアンスがある。
だから 直観の intuitive は、「直観的な」「直観力のある」などと訳す(東京書籍4500)。
名詞形 intuition だが、桐原5500の例文の和訳で(なお東大の過去問例文)「動物、中でも人間は起こりそうなことに関して鋭い直観力を発達させたと考えることができるだろう。」 We coudn't expect animals, especially humans, to have developed sharp intuitions about probably. とある。
英和辞典でintuitive などを見ても、ほとんど例文がないので(センチュリーには例文がなかった)、桐原のこの例文を学ぶのが良いだろう。
あるいは英和中辞典などを見れば例文があるのかもしれないが、さすがに高校英語でそこまでする必要はないだろう。
あと、東大は辞書を見ても満足に例文のない単語を大学入試に出しているわけだが、はてさて、見識が問われますなあ。まさか高校生に中辞典を買わせるつもりでもあるまいし。
もっとも、「洞察」「洞察力」については insight という別の専用の単語があり、普通に4500語レベルの単語集にある。
いっぽう、「直感」は、単なる勘に近い。和英辞典によれば、hunch とか scent が直感である。(高校の単語集にはない)
センチュリー英和によれば hunch は「虫の知らせ」で、口語のニュアンスがある。
scent には、名詞 scent には「勘」の意味もあるが、「臭い」とか「嗅覚」とか「香水」の意味なので、動詞scent には「かぎつける」の意味もある。
hunch も scent もこういうふうに口語っぽい内容なので、まあ単語集には出ないだろう。
そのほか、名詞 instinct (本能)にも「勘」の意味があるが、どちらかというとinstinctは「本能」で覚えたほうがいいだろう。
結果
consequence , result, outcome
辞書にはconsequenceでは「結果の重要性を意識している。resultより固い語」とか書かれるが、
だが、東京書籍4500にはconsequenceは「通例望ましくない内容について用いられる」と説明がある。
実際、センチュリー英和で例文を見れば 「戦争の結果」In the consequence of the warだとか
ジーニアス英和だが「結果として戦争になった」have grave consequence (「重大な結果をもたらず」※戦争の婉曲表現)とか、
あと形容詞だが「天候不順の結果の食糧危機」food shortage consequent on bad water とか、
そんな例文ばかりである。
どうやら consequenceは、結果の深刻性を感じてほしい的なニュアンスのようだ。
なお桐原4500および旺文社1900を見ても、そういうニュアンス説明は無い。
outcome「結果」 は、桐原だと巻末の接頭辞のコーナー送り。東京書籍でも巻末送り。どうも、あまり教科書会社は、outcomeを高校英語にはしたくないようである。
なお、outbreak「ぼっ発(勃発)」、outlet「出口」
である(桐原4500)。
まあ、接頭辞の勉強としては、outocomeを教育するるのも仕方ない。
旺文社1900および鉄緑単語集だと、普通に本文中に outcome が紹介されているので、受験英語である。
income 「収入」という単語があるが、まったく outcome の意味とは関係ない。
なお、outcome はresult の類義語だという見解。だが、ややニュアンスが異なり、resultは原因に関する結果、という、一般的な「結果」である。いっぽう、outcome は、最終的な結末という意味である(東京書籍、旺文社、グランドセンチュリー)。グランドセンチュリーは、outcomeを「最終結果」としている。
よくある例文は、
outcome of the erection 「選挙の(最終)結果」(旺文社、グランドセンチュリー)
つまり、中間結果とか、そういうのはoutcome は含まない。
なお、outlet は「直売店」という意味もある(旺文社1900、グランドセンチュリー)。ただし、日本の郊外のショッピングセンターとかで「アウトレット」と言われている店や商品が、果たして直売かどうかは知らない。
というか、いま wikipedia で調べたら、日本の「アウトレット」とは、しばしば在庫処分品の安売りをする専門店だったりする。( w:アウトレットモール )
旺文社1900に、outletの別の意味で「特売店」とあるが、しかし辞書で確認できなかった。なお、旺文社にアウトレットモール an outlet mall の紹介があり、安売りのショッピングセンターだとしている。
outlet には、感情の「はけ口」という意味もある。
旺文社だと、「想像力のはけ口」という例文もある。
日本語で「はけ口」というと、なんか悪い意味ばかりで、たとえば「性欲のはけ口で、女を抱く」とか言ったりするが、しかし英語の outlet は良い意味でも使うようだ。
なお、「在庫品」 stock である(旺文社1900)。ちょうど、旺文社の outcome の次のページに stockがあった。なんたる偶然。
out- ついでに言うと
outsider は「部外者」「よそもの」の意味です(グランドセンチュリー)。
外道とか極道(ヤクザ)とかの意味は無いです。
旺文社1900のleak の例文に outsiders がある。部外者に機密情報が漏れてどうのこうの、という例文。
なお、「情報漏洩」(じょうほうろいえい)という語彙がある。leak は「漏洩」と訳してよい(旺文社1900)。
ただし、入試では、漢字を覚えるのが面倒だし、誤字で減点されるのも面倒。なので、leak「漏れ」と訳しても良い(旺文社1900)だろう。
取得・獲得
acquire
acquire は、(技術・知識などを)(努力して)「得る」の意味。(東京書籍4500など)
典型的な例文で、
acquire a new skill 「新しいスキルを身につける」
がある(東京書籍4500。旺文社1400にも近い例文)。
「外国語を習得する」acquire foreign languages
という例文もよくある。(桐原4500。センチュリー英和aquireの項目)
辞書にはよくaquireの用法で「(知識などを)身につける」とあるが、しかし語学のようなレベルの「知識」である。
acquire には「習得」以外の用法もあって、
努力して大金や土地などを「獲得する」ことも acquire というが、単語集には例文がないので、説明を省略。桐原の単語集に「(努力して)獲得する」とだけ説明してあって、技術の習得の話をしてないのは、土地などの獲得を意識したものだろう。
「異国風」
exotic
形容詞 exotic (イグザティック)は、通例では、欧米人の目からみて「異国風」という意味であり(旺文社)、けっして単に異国風なだけでなく、加えて、めずらしくて面白かったり興味をひかれる性質のことである(ジーニアス、センチュリー)。
具体的にいうと、日本国内で言うなら、京都などの寺社は exotic だろう(特に出典は無い)。日本に存在していても、東京の高層ビル群などは exotic には写らないだろう。
日本語でもローマ字読みで「エキゾチック」と言う。日本でも、よく文学評論とか芸術評論とかで使われる単語なので、覚えておきたい。もっとも日本で「エキゾチック」と言う場合、東南アジアや中東やアフリカなどの観光的な光景なので、英語とは微妙にニュアンスが違うが。
さて英語では、動物や植物が「外来種」や「外国産」などの場合も exotic という。農産物だけでなく、言葉が外国由来の場合も exotic という。
旺文社の単語集で、動物園の例で exotic と言っているのは、そういうニュアンスもあるだろう。
桐原と東京書籍の単語集では、exotic が見当たらない。
辞書によると、「外国の」・「外国人」という意味もあるとのこと。言葉が外国由来の場合も exotic というので、それと関連づけて「外国人」なども覚えよう。
広さ
broad, vast
範囲 range, scope
巨大・莫大 huge ,immense
broad は、幅が「広い」。
典型的な例文が 「(道幅の)広い通り」 a broad street である(東京書籍4500および桐原4500)。
幅広い知識 a broad knowledge とか(ジーニアス)、「幅広い趣味」 a broad range of hobby とか(東京書籍4500)のように、物体以外の知的興味の広範さにもbroadを使う。
インターネットのブロードバンド broadband のブロードと同じ単語(東京書籍4500)。
vastは、面積が「広大な」である(東京書籍4500)。だが実際はセンチュリー英和では、ビル(建築物)や宇宙などもvastだとする例文を提示している。
broad の対義語は narrow 「狭い」。
体積が大きいのは huge 「巨大な」。(桐原4500。ジーニアス英和)
なお、「体積」は英語で volume である(旺文社1400、桐原4500)。volumeの意味は、「体積。容積。音のボリューム。本などの一巻。」の意味である。
turn the volume up で「音のボリュームを上げる」である(旺文社、東京)。
「音量を下げる」なら turn the volume down である(東京)。
コンテナの「容積」とかも、volume である(旺文社)。 the volume of the container 「コンテナの容積」である。
科学や工業などの「容積」「体積」でなくとも、たとえば「交通量」the volume of the traffic とか(東京書籍)、「ごみの量」the volume of garbage とかにも volume は使われる。
immense 「巨大な・膨大な」(鉄緑)、「巨大な・非常に大きな」(東京書籍巻末)、「膨大な」(旺文社)
日本では immense はあまり聞かないが、語源を調べると、意外と分かりやすく 「測定」measure メジャー ができないという語源である(ジーニアス)。
仏教の念仏の「南無阿弥陀仏」(なむあみだぶつ)が、語源がサンスクリット語で、「唱えよ、計り知れないもの(=神仏のこと)を」みたいなけったいな内容らしく、発音がナモー・アミターバなのだが、このアミターバのミターバがmesureの語源と同じ。なお、ナモーは、英語のname ネーム「名乗る」の語源と同じ。
南無阿弥陀仏の元ネタみたいな語源の immense と覚えよう。大仏様みたいに大きいとか覚えよう。
なお、範囲外だが immeasurable 「計り知れない」「広大な」という単語があり、immense と同じような意味(パス単準1)。
そもそも日本語の「計り知れない」が、おそらく英語の immense を元ネタにしているのか、日本語の「計り知れない」は「程度がとても大きい」という意味である。
日本では immense はあまり聞かない単語だが、単語集には、鉄緑だけでなく、桐原以外の、東京書籍4500巻末や旺文社にも一応は書いてある
辞書だと、immense は良い意味で褒めて使うことが多いとある。
しかし、東京書籍は、「オリンピック選手に係る重圧は非常に大きなものだろう」という例文で immense を使っている。
旺文社のimmenseも、「メキシコには膨大な種類のトウガラシがある」という、褒めてるのかどうか分からない例文である。
scope は、活動などの「範囲」の意味がある。
「活動範囲」や「理解の範囲」や調査や操作の「範囲」の意味がある。
beyond my scope 「私の能力を超えて」(旺文社)、「私の手に負えない」(ジーニアス)
顕微鏡 microscope や telescope などのscope と同じ単語である。そのためか、視野などのことを scope と言う場合もある(グランドセンチュリー)。
なお、桐原4500・3000と東京書籍4500・3000には scope は無い。range で済むだろ~、という見解か。
銃とか弓矢とかの場合、range は「射程距離」(旺文社1900)、scope は見える範囲。
だから
out of range 「射程範囲外の」(鉄緑)
ああ、よく軍事用語で、アウトレンジ戦法ってあるでしょう。相手の攻撃の届かない遠方から、飛距離の長い弾丸で遠距離攻撃する攻撃。
なお、「射程内」の場合は within the range のようになる(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
さて、よくある語法
a wide range of ~「幅広い~」
a wide range of products 「幅広い商品」(東京書籍、旺文社)
娯楽
amuse , entertain
センチュリー英和によれば amuse は笑わせる事などのような意味での「楽しませる」。
entertain は、知的な面白さに重点がある。
entertain でよくある例文が、話や音楽で聴衆を楽しませる系の例文(東京書籍4500およびセンチュリー英和)。
たとえば entertain the audience で「聴衆を楽しませる」(東京書籍)。
また、熟語 entertain A with B で「AをBで楽しませる」。
センチュリー英和によれば Now let me entertain you with music. で「それでは音楽でお楽しみください」。
entertain には、自宅で客を「もてなす」の意味もある。
よくある例文が、ホームパーティなどで友人をもてなす系。
entertain their friends at their home 「友人をパーティでもてなす」(東京書籍)
entertain our friends at a party 「自宅で友人をもてなす」(旺文社1400)
ただし、実際の例文を見ると、あまり違いは明確ではない。
名詞形のamusement もentertainment も、それぞれ「娯楽」の意味で使われる。
殺害
murder , kill
murder (マーダー)は「殺害する」の意味の動詞、および名詞としての用法では「殺人」一般の意味である。「殺人犯」はスペルが murderer (マーダラー)であり、スペルが微妙に違う。混同しないように。
「殺人未遂」は an attempt murder である(東京4500)。
「殺人事件」は a case of murder である。
なお、attempt は、困難なことを「試みる」という意味の動詞および名詞(東京書籍)。ジーニアスは、入念な計画と実施の必要な試みが attempt だと説明している。
名詞としての attempt は「試み」などと訳す。
典型的な例文で、
attempt to escape 「逃げようと試みる」
がある(東京書籍3000、桐原4500)。
脱走計画だとかそんなのだけでなく、ジーニアスいわく、エベレスト登頂の「試み」でも attempt とのこと。
90年代、かつて英語単語集に「massacre」(マサカ)という「大虐殺する」の意味の単語がよく載っていが、現代の単語州には無い。「まさか、人を殺すとは!?」という語呂合わせでよく紹介されてたものである。昔の単語集には、ちょくちょくコラム的にゴロ合わせなどが紹介されていた。
英和辞典(ジーニアス、センチュリー)で確認したところ、massacre に「大虐殺」の意味はあるが、一個人の「殺害する」のような意味は紹介されていない。語呂が不正確である。
しかし、近年に「虐殺」でよく目にするのは genocide である。ルワンダ虐殺とか、歴史的に名前が残っている事件の虐殺は genocide が普通であろう。検定教科書でもルワンダの虐殺について genocide という表記を行っている[16]。
kill や killerとの違いは、killは人間以外のものにも使う。人だけでなく、動物や植物、虫、植物なども、それらを殺したり、あるいはそれらに殺されたりする場合に、killである。
たとえば「魚を殺す」 kill fish である(東京書籍1800)。
それどころか、交通事故などで「死ぬ」場合も kill である。
be killed in ~(戦争や事故など)で「~で死ぬ」の意味。典型的な例文が「大勢の人がその戦争で死んだ。」 Many people are killed in the war. である。(桐原3000と旺文社1200に似た例文あり)
killer については単語集にはないが、名詞として「殺人犯」や「殺すもの」の意味のほかにも、形容詞として「致命的な」の意味もあり、たとえば「致死的な病気」 a killer disease などの例文が典型的。
奪う・盗むなど
奪う
deprive
wikiオリジナルの例文だが、
The war deprived the children of the liberty. 「戦争が子供たちから自由を奪った。」
のように言う。
桐原4500に「戦争が、この子供たちからふつうの家庭生活を奪った。」 The war deprived these children of a normal home life.
とある。
旺文社1900では「軍隊が国民から自由を奪った。」 The military deprived the citizen of their liberty.
である。、
自由は別にliberty でなく freedom でもよく、たとえば東京書籍4500では、
「多くの子供たちが自由を奪われている」 A lot of children are deprived their freedom.
とある。
熟語 be deprived of~ で「~を奪われている」である(東京書籍4500)。
また、deprive A(人) of B で「A(人)からBを奪う」である(旺文社1900。桐原4500)。
日本国憲法
第31条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。 Article 31. No person shall be deprived of life or liberty, nor shall any other criminal penalty be imposed, except according to procedure established by law.
盗む
rob , steal
動詞 rob は、ふつう、強盗とか 引ったくり とかスリに使う。スリかと思われる例文については、たとえば旺文社1900にある(電車で女性から財布を奪う例文)。
rob A(人) of B で「A(人)からBを奪う」である(桐原4500。東京書籍4500)。
東京書籍に典型的な例文「彼らは銀行強盗をした。」 They robbed the bank.
である。
派生語として、「強盗」 robber がある。「強盗事件」は robbery である(桐原4500。東京書籍4500)。
「泥棒」は thief (シーフ)である(東京書籍4500巻末、桐原4500、旺文社1900)。なお、名詞形 theft(セフト) は「窃盗」(せっとう)または「窃盗罪」(旺文社)または「盗み」(桐原4500)の意味である。
thief は本来なら、おそらく「泥棒」一般をあらわす語だろうが、しかしrobが「強盗」を意味するためか、辞書ではthief は「泥棒」ではなく「こそ泥」「かっぱらい」の意味だとされている(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
theft は「盗み」の意味では最も一般的な語である(グランドセンチュリー)。
2020年代の現代、中学英語の単語集の一部でも、thief 「泥棒」を紹介している(学研の高校受験用の単語集)。thief は、1990年代のむかしは3000語レベルでも教えたりしていたのだが、あまり入試では使わないので 4500語レベルの巻末おくりになってきた。
鉄緑には thief は無いし。
複数形は thieves になる。
中学で、steal 「盗む」を教えるので、もしかしたら、見出し語 steal のほうで
The thief stole 〇〇 . 「その泥棒が、〇〇を盗んだ」
と教えているかもしれない。
なお、
steal - stole(過去形) - stolen(過去分詞)
thief はあくまで名詞である。なので動詞「盗む」の意味は無い。よって、「泥棒が〇〇を盗んだ」と言いたい場合は、
A thief stole 〇〇 「泥棒が〇〇を盗んだ」(東京書籍巻末)
のようになる
rob と スペルの似ている rid という名詞・動詞があるが、「取り除く」の意味である。
熟語で get rid of ~ で「~を取り除く」である。
rob と rid は意味がまったく違うので、混同しないように注意。
なお、こっそりと者を盗む「泥棒」はthief (シーフ)である(桐原4500)。桐原3000を読めば、こっそり盗む者がthief であるし、ジーニアス英和の thief の項目にもそう書いてある。
なお、複数形は thieves である。ナイフの複数形の活用と同様。さすがにthiefの複数形を筆記で入試に出すのは瑣末すぎるので出題されないだろうが、まあ参考に。
こっそり「盗む」は steal である。桐原3000を読めば、stealの意味は「こっそりと」盗む、と書いてある。
なお、スペルの似ているsteel は「鋼」(はがね)。
さて、「盗む」stealの活用は、 steal - stole (過去形)- stolen (過去分詞)
である。
東京書籍4500の例文「泥棒が私のコンピュータを盗んだ。」 A thief stole my computer.
が典型的な例文であろう。
主語が被害者の場合、have ~ stolen になり、「~を盗まれる」の意味である。
典型的な例文
「私は自転車を盗まれた。」 I had my bicycle stolen.
がある。東京書籍4500と旺文社1400に、ほぼ同じ例文がある。
腕時計が盗まれるのも典型的で、センチュリー英和の桐原3000がそうであり、
「私は腕時計を盗まれた。」 I had my watch stolen.
である。
範囲外だが、バーグラー burglar は「押し込みの夜盗」(ジーニアス)。センチュリ-によると、burglar は「(押し入り)強盗」。英検1級あたりになると出てくるので、今のうちに紹介しておく。さすがにここまでは大学入試には普通なら出ないだろう。念のため桐原4500・5500と東京書籍4500を読んだが、もちろんバーグラー burglar は無い。
気づく
notice, realize, recognize, perceive
「きびしい」
harsh, strict, severe, rigid, brutal
fierce , savage
環境 environment, surrounding , condition
囲む enclose, surround
surround が、「囲む」の一般的な動詞。
enclose は、柵(さく)や塀(へい)や壁(かべ)などで、基本的には土地を「囲む」こと(東京書籍巻末「柵」、ジーニアス)。
surround は、意味が広く、警察や軍などが敵などの人を「取り囲む」「包囲する」とかの意味でも使えるし(ジーニアス、鉄緑、グランドセンチュリー)、あるいは壁で砦(とりで)を囲んだり(ジーニアス)、木々などが周囲にいくつか存在しているという意味での「囲む」である。
Japan is surrounded by the sea. 「日本は海に囲まれている」(ジーニアス「四方を海に囲まれている」、グランドセンチュリー)
が典型的。
桐原に enclose は無し。
realize は、和訳では「気づく」などと訳される場合もあるが、どちらかというと realize の意味は「認識を改める」である。
典型的な例文で、「彼は自身の過ちに気づいた。」 He realized his mistake.
みたいなのがある。
いっぽう、notice は単に、物事が目について「気づいた」という意味である。
なお、realize は英国では realise である。
なお、realize には(計画や夢などを)「実現する」という、まったく別の意味の用法もある。
たとえば「私の夢を実現する」なら realize my dream である(東京書籍4500)。あるいは realize my ambition である(旺文社1900)。
リアリティ reality という単語があるが、日本では小説や英語など創作物などの迫真性などのことをいうが、英語でもそのような創作物の評価における reality の用法はあるが(センチュリー英和で確認)、しかしもっと一般に「警官は彼が述べたことが真実かどうか疑った。」のような文章における「真実性」にも reality が使われる(センチュリー永和で確認)。
reality はけっして創作物に限った表現ではない。
旺文社1900では reality の意味を「現実(性)」としている。 実際、ジーニアス英和を確認すれば、そういう用法もあり、「人生のきびしい現実」みたいな例文でrality をジーニアスは使っている。
旺文社1900にも、harsh の項目で、a harsh reality 「厳しい現実」を紹介している。
なお、real と true の違いで、
true は主に話が「本当の」という意味で使う(東京書籍3000)。
いっぽう、real には、材質などが「本物の」という意味がある。
だから、real money 「本物のお金」とか、real diamond (本物のダイアモンド)などで使われる。
harsh「きびしい」(発音は「ハーシュ」)も、単語集に普通に書いてある。
気候が「きびしい」とか、批判や対応が「きびしい」などのことを harsh という。
東京書籍4500に a harsh winter 「寒さのきびしい冬」という例文がある。
旺文社1900に、harsh environment 「きびしい環境」と言う例文がある。
(桐原4500語レベルではなく、)桐原3000いわく、天候の場合は severe(シビア) でも「きびしい」を表現できる。東京書籍4500で確認したところ、批判の過酷な場合の「きびしい」でも severe を使うこともある。
harsh と severe のニュアンスの違いについては、特に書かれていない。
ほか、よく攻撃などに使う fierce 「どう猛な」「猛烈な」や savage 「どう猛な」などを「批判」の掲揚に使うこともあります。
a fierce criticism や a savage criticism など。
この場合、「はげしい批判」とか、そういった訳になります。文脈に合わせて訳してください。、
savage 「どう猛な」を覚えるために、教頭として、人形「シルバニアファミリー」の森の動物たちの人形を思い浮かべましょう(数研リープ)。
語幹の sav は、ラテン語のシルバ silva が語源です(数研リープ)。
リープは説明していないですが、今でこそ警察が発達したので森も治安は良いですが、中世などでは、森は村外れなどの人のいない場所にある事も多く、クマやオオカミなどの猛獣などがいたりする事もある、治安の悪い場所だったのです。
って、アニメ評論家の岡田斗司夫がむかし1990年代、ドラクエとかのRPGゲームで、森の中でモンスター遭遇率が上がる現象の文化的背景を、なにかの著作で説明していた。
なので、savage は、獣のように「野蛮な」で、「どう猛な」のような意味もあるのです。
また、森の獣さんのように野蛮だからか、savage には brutal 「残忍な」のような意味の場合もあります(ジーニアス)。
まあ、要するに、森のクマさんやオオカミさんのように、人を食うこともある きびしい動物さんのようなアレです。
なお、「野蛮人」はバーバリアン barbarian です。
外人どもは「バーバー」となんか意味わかんねえ言葉を言ってるからババーリアンです(数研リープ)。本当です。数研リープに「赤ん坊」baby と一緒にbabyの語源としてバーバーどうこう書いてあるし、他にも、論語評論家の呉知英(くれ ともふさ)の何かの著作にもバーバリアンの語源がバーバー言ってる連中だって書いてありました。
野蛮人のことを、ギリシア語で「バルバロイ」と言うと、カッコいい。
桐原3000のコラムにある気象災害の一覧(コラムなので、竜巻や吹雪、ハリケーンなどのスペルは覚える必要は無いだろう)
嵐(あらし) storm
洪水 flood
竜巻 tornado
大吹雪(大ふぶき) blizzard
台風 typhoon
ハリケーン hurricane
ほか、「地震」 earthquake
桐原300には同じページに「火事」fire という災害もあるが、しかしこれは気象災害なので、本ページでは省略する。
4500語などにある「干ばつ(かんばつ)」 drought (ドラウト)
も忘れないようにしよう。
なお、範囲外だが、「コップの中の嵐」a storm in a teacup (ジーニアス)
ブルータル brutal 「(事実などが)容赦ない」なんていうのもあると、BBC が翻訳している[17]。もちろん、批判的な「野蛮な」くらいの意味でも brutal は使い、実際にG7サミット(2024年度のスイス)でアメリカ副大統領が brutal aggression (「野蛮な侵略戦争」くらいの意味)と使ってた[18]。aggression は「積極的」とか良い意味でも使うので、「攻撃」とかの悪い意味で言いたい場合は brutal とか補うという、英作文のテクニックにもなる。
単語集では、brutal は「残忍な」(速読英単語・上級編)・「野蛮な・残忍な」(鉄緑会)とある。
発音は、古代ローマのカエサルの最後のセリフの「ブルータス、お前もか」のブルータスと、だいたい同じ。最後がスじゃなくてルになる。
ジーニアスで、brutal の意味のひとつに事実などが「冷厳な」とある。
brutal truth 「冷厳な真実」とでも、なろうか。
単に「残酷な・野蛮な」と言いたい場合なら brute でも言える(ジーニアス)。
ただし、brute だと、けなして言う場合があるので(ジーニアス)、けなすつもりでない場合は brutal というのも良いかもしれない。
なお、規則などが厳格で「きびしい」と言いたい場合は strict である。
グランドセンチュリー brutal weather 「きびしい気候」とある。
ジーニアス brutal 「無慈悲な(cruel)」とある。
ところで、SF小説で、『月は無慈悲な夜の女王』(The Moon Is a Harsh Mistress)というのがあって、月に移住した人類が独立戦争をおこす小説。
ここでも harsh がある。
どうも、brutal は harsh に意味が近そうである。
strict には、説明などが「厳密な」の意味もある。高校の分詞構文の単元で、
「厳密に言えば」 strictly speaking,
などを習うだろう。
ほか、形容詞 rigid (リジッド)でも「厳格な」を言える。単語集(旺文社1900、東京書籍4500、桐原5500)には、この厳格の用例が書いてある。
だが、それよりも物理学の「剛体」が rigid body として覚えたほうがいい。ジーニアスに、rigid は「剛体の」だと書いてある。
単に、「変形しづらい」みたいな意味での「固い」「堅い」のような意味が rigid である。
ジーニアスには、「変形しやすい」flexible の対義語であると紹介している。
規則の融通がきかないのが rigid だと、ジーニアスに書いてある。そういう意味である。
ほか、rigid には「顔がこわばった」「手足がこわばった」などの意味もある。
なお、rigid は発音注意の単語(旺文社)。
ほか、名詞形 rigidity 「厳格」「硬直」などの意味がある(旺文社、桐原5500、ジーニアス、センチュリー)。桐原だと「硬直」の意味が書いてないが、ジーニアスとセンチュリーの rigidity にしっかりと「硬直」が書いてある。
頑固オヤジみたいに「頑固な」「頑固である」と言いたい場合は stubborn (スタボーン)である(桐原、旺文社)。東京書籍は紹介してない。単語集にはないが、辞書で典型的な、「断固とした拒否(拒絶)」a stubborn refusal がある(ジーニアス、センチュリー)。そのほか、stubborn には軍隊などの(または軍隊などへの)抵抗が「不屈(ふくつ)の」という意味もある(ジーニアス)。
(厳格ではなく)「厳粛な」と言いたい場合は solemn だが(桐原5500)、あまり平易な例文が無い。
法律的な宣誓などが厳粛なことや、音楽などが荘厳なことまで、 solemn で表現できる(ジ-ニアス、センチュリー)。
「誓う」(ちかう)という意味の動詞 pledges(プレッジ)も、単なる約束 promise とは違い、厳粛 solemn に約束することであり、たとえば外交などの約束で使われる(旺文社1900の例文もそう、ジー二アスにもそういう例文あり)。G7サミット(2024年度、スイス)でも pledge が使われているのを確認[19]。「国連憲章(UN Charter)を支持することを誓う」みたいな。「誓約(せいやく)する」などと pledge を訳しても良いだろう。
その他、公約などで pledge 「約束する」を使う。または名詞として pledge には「公約」の意味もある。
※ ほか、批評が低評価で「厳しい」は damning (ダムニング)だが(センチュリー)、範囲外。
さて、virtual の話題。
ジーニアスを見れば、「仮想現実」 a virtual reality などの例文もある。
旺文社1900を見ると virtualの項目で、副詞 virtually 「事実上の」などもあるが、例文はない。東京書籍4500および桐原4500には例文は無い。桐原5500に副詞 virtually の例文あり、早大の過去問。
なお、桐原5500のviatually の項目いわく、「実質的には(≒practically)」「ほとんど(≒almost, as good as)」である。
念のため桐原3000および東京書籍3000を見たが、virtual などの紹介なし。
practical は「練習」 practiceの派生語。practice には「練習」のほか、理念・理論などの「実践」という意味がある。よって形容詞 practical には「実践的な」「実用的な」「現実的な」などの意味があり、よって副詞 practically には「実質的には」「実際的には」などのような意味がある。
余談だが、昨今、日本の芸能界では「リアリティ・ショー」などが問題になっているが、しかし英和辞典で見ると該当する単語は reality TV である(ジーニアス英和、センチュリー英和、の両方で確認)。
recognize は「気づく」などと訳される場合もあるが、どちらかというとrecognizeは「見分けがつく」という意味である。
「足音でジムだと気づいた」とか(ジーニアス英和)、「帽子でジェーンだと気づいた」(センチュリー英和)とか、そういうのがrecgnizeである。
センチュリーから例文を抜粋すると、
I recognized Jane by ~ で、「~でジェーンだと気づいた」
のようになる。
一応、recognize には、新政権の「承認」などの意味もある。
辞書によくあるのは、新政権やイスラエルなどが周辺諸国から承認 recognize を拒まれるという内容の例文。
自分の間違いを認めたり認めないのも recognize である。
ジーニアスの例文では間違いを認め、
「彼は自分の間違いを認めた」He recognized that he was wrong.
である。
センチュリーの例文では間違いを認めず、
「彼は自分の間違いをどうしても認めようとしなかった。」 He wouldn't recognize his mistake.
である。
桐原4500ではrecognize を「認識する」、旺文社1900ではrecognizeを「識別する」とあるが、上述のようなそういう意味である。
perceive 「気づく」について。
名詞形 perception が「知覚」の意味である。この名詞形を覚えるべきである。
「知覚」とは、たとえば桐原のperceive の例文に「ネコは色を知覚することができない」とあるように、そういう意味である。
旺文社と東京書籍は「気づく」の意味の perceive 例文を紹介しているが、桐原は「知覚する」の perceive 例文を紹介するスタンスである。
perception については「認識」の意味もあり、桐原・旺文社にも書いてあるが、しかし「知覚」を覚えれば連想できるだろう。一方、認識から知覚を連想するのは難しいだろう。東京書籍では、perceptionの「認識」は紹介しておらず、「知覚」だけしか紹介していない。このように、知覚のほうが、この語 perception の本質であろう。
- cognitive 「認知の」
cognitive という形容詞があり、旺文社では「認知の」と紹介され、東京書籍では「認識の」「認知の」と紹介されるが、しかし辞書を見ても説明が少なく、よく分からない。桐原に至っては、cognitiveを紹介していない(桐原5500,桐原4500,桐原3000で確認)。
東京書籍でも、巻末で解説なしで、単語と例文だけの紹介である。しかし、旺文社1900での番号は 279/1900 と、かなり前半のほうである。
旺文社1900いわく「脳の認知機能」 the cognitive function of the brain
東京書籍4500いわく「認知能力」cognitive ability
らしい。
(※ 範囲外 : function 「関数」)
function 「機能」、「関数」(※範囲外)
「機能」function である。
なお、数学の「関数」も function である。プログラミングの「関数」も function である。
もし数学やプログラミングなどの分野で、(「関数」ではなく)「機能」と言いたい場合、区別のため、functionality 「機能」というようである[20]。
さて、cognitive はどうやら心理学または脳科学などの専門用語っぽいニュアンスのようだが、しかし英和辞典では確認できなかった(ジーニアス英和とセンチュリー英和を見た上で)。
旺文社いわく、「軽度認知障害」が、mild cognitive impairment (MCI)とのこと。
環境
周囲・社会的な環境 surrounding , 生活の場・自然環境 environment
surrounding は、「環境」とも訳される場合もあるが、「取り囲むもの」みたいなニュアンスがある(鉄緑)。
「取り囲むもの」→「周囲の状況」→「環境」
と surrounding を連想しよう。
そもそも動詞 surround は「取り囲む」「囲む」や(敵などを)「包囲する」の意味(鉄緑「取り囲む」、東京書籍「囲む」、桐原「包囲する」「囲む」)。敵などを「包囲」は、ジーニアスに明記あり、グランドセンチュリーの例文もそう。
「 be surrounded ~」で「~に取り囲まれている」の意味(鉄緑、旺文社)。
よくある例文は、
Japan is surrounded by the sea/ 「日本は四方を海に囲まれている。」(ジーニアス、グランドセンチュリー)
日本自体は海の環境ではない。水上都市ではない。
「環境問題」とかいうときは environmental problem である。
「自然環境」のことは environment で言う事が多い(桐原4500 environment)。
だから環境保護などは、environment を使う。
それに「環境ホルモン」も environmental hormone である(桐原5500)。
比較的に社会的な「環境」が、surrounding
グランドセンチュリーいわく、
environment は、その環境の人の思想・感情などへの影響を考慮している(グランドセンチュリー environment)。
surrounding は、単に周囲の状況の意味。
ほか、「生活環境」を、living condition という(中学・受験研究社)。
「家庭環境」は family background である(数研リープ)。
過酷な
terrible, severe, harsh
ひどい terrible, awful
とても大きい enormous(とても大きい)、huge(巨大な)
terrible (テリブル)は翻訳の都合でときには「過酷な」と訳される場合もあるが(ジーニアス)、たとえば暑さがterribleなら「過酷な暑さ」と訳される場合もあるが、
しかし、very bad くらいが terrible のニュアンスである(ジーニアス)。
なので、 terrible は(程度が)「ひどい」と覚えるべきである。
実際、東京書籍4500も桐原3000も、 terrible の意味を「ひどい」としている。
東京書籍3000は「ひどい体験」をterrible な体験としている(著作権のため、本ページでは「体験」は和訳せず)。
こういうふうに使う。
ほか、副詞 terribly は、
たとえば
「とても疲れたよ」 I'm terribly tired.
のように(ジーニアスに同じ例文)、強調するのに使う。
実はよい方向を強調するのにも terribly は使う(ジーニアス、センチュリー)。 (著作権のため、本ページでは例文は紹介せず)
terrible は語そのものにveryのような強調の意味を含むので、terribleをveryで修飾できない。
同様に、delicious(とてもおいしい)、enormous(とても大きい)、huge(巨大な)、marvelous(すばらしい)、terrible(ひどい)、tremendous(ものすごい)、などの形容詞はveryでは修飾できない。これらの語を修飾するには、reallyやcompletelyなどを使う、
enormous 「とても大きい」は、スペルが一見すると煩雑だが、これの e-はexなどと同じで「超える」の意味、
eの次の -norm- は基準の意味。(ノーマル normal とかの語源と同じ)。
だから、「規格外の大きさ」のような語源。
なお、実際の用法では、物理的な大きさ以外にも、質的な程度の強さでも enormous を使う。
huge は、物理的な大きさに使う傾向がある。
なお、旺文社と鉄緑に名詞 norm「規範」はある。normはノームと読む。
rules an norms 「規則と規範」[21]のような意味。
規則 rule だけだと、明文化されてないと抜け穴を探すようなヤツがいるからね。
大学の数学の線形代数でノルム norm とか習うが、頭のいい我々wikibooks読者だったら知ってて当然だよね。なお、線形代数の「ノルム」の読むは、ドイツ語風に読んでいるので、そういう読むになっている。
e + norm の後のous は単に形容詞を表す語尾。
ex norm で「基準を超える」→「基準よりも大きい」→「とても大きい」と、やや語源と意味に飛躍があるが、そんなに飛躍は大きくない。
日本語で最近「規格外に大きい」とか言う表現があるが、それに近い構造の語である。
さて、marvel が、素晴らしさに「驚く」という意味なので(鉄緑)、marvelous は、驚くほどに「素晴らしい」という意味。
なお、旺文社1900と桐原4500には、 marvelous は、未掲載。東京書籍4500と鉄緑が marvelous を紹介している。
名詞形 terror (テラー)は「恐怖」「テロ行為」という意味がある。
なので、terrible には「恐怖の」という意味もあるが、この場合は horrible (ホリブル)で表現するほうが誤解のおそれなく無難だろう。
派生語の名詞「テロリスト」terrorists を覚えるのが良いだろう。
なお、ほか、名詞 territory (テリトリー)「領土」「なわばり」は、恐怖とは別の由来である。
テリトリーの語源は、ラテン語で大地を意味する「テラ」terra である。テリトリーも、(桐原4500、東京書籍4500)。三省堂 CROWN I を見ると、もう高校1年で territory を教えている。動物などの「なわばり」も territory で表せる。
なお、「国境」は単に border で通じる。 American border みたいに、国名の形容詞のあとに border を言えば、それでアメリカ国境の意味になる。
severe と harsh は他の節で紹介したので省略。
「過酷な」と言いたい場合、まずは severe (シビア)の使用を検討するのがよいだろう。
痛みが「ひどい」場合は severe を使うほうが無難だろう。
a severe pain 「ひどい痛み」(ジーニアス和英)
である。
形容詞 awful (オーフル)「ひどい」は、悪い意味だけでなく、よい意味でも使われる(センチュリーで確認)。桐原3000語レベル、東京書籍4500語レベル。
よって、awful は terrible とほぼ同じ意味。
もともと名詞 awe が「畏敬」(いけい)の意味である。
だが、awful は、なんだか口語的に「ひどい」「すごい」「おそろしい」みたいな意味になってしまっている。
全体の
whole,total
思う
think, suppose
think は「思う」と中学で習うが、辞書で調べてみると、意外とthinkは確信の度合いが高い。
センチュリー英和なども解説しているが、「推測する」といいたい場合は、think ではなく suppose を使うのが適切である。
つまり、「推測する」は suppose である。
推測よりも、やや確信の度合いが高い程度の場合に think を使うのが適切である。
名詞 supposition で「仮定」の意味。
まったく意味の違う用法だが、熟語 be supposed to do で、「~(do)することになっている」の意味。
よくある例文は、「彼は7時にここに来ることになっていた。」の類。
He was supposed to come here at 7 o'clock.
である。だが、この過去形での「was supposed 」の文は、実際には彼は7時に来なかったことを含意している(ジーニアス英和より)。東京書籍4500に似たような例文があるが、しかし東京書籍4500では含意の件には触れていない。
センチュリー英和によると、be supposed to do は、「(慣習や法律などによって)...するものと考えられている。」とあるので、表面的な言い回しこそ控えめだが、実際の意図はやや強制的・義務的な主張のニュアンスが高そうである。
否定形 be not supposed to do にいたっては「~してはいけない」の意味である(東京書籍4500)。
証明・証拠
証明・証拠 proof ,demonstration
evidence 証拠
役所などの証明書 certificate
(裁判所などで)証言する testify (※高校必修範囲外だと思ったら、三省堂 CROWN I にあった。旺文社1900巻末にもある)
- 証言 testimony(名詞)、
遺言 will, testament(範囲外)
proof には、「証明」「証拠」の2つの意味があるが、なるべく「証明」のほうで覚えるべきである。
なぜなら、数学の「証明」のことを proof というからである(ジーニアスで確認)。
私たちは、高校卒業後もなるべく教育レベルの高い外国人の英文を読むべきであろう。そして教育レベルの高い人ならば、外国の中学高校の数学は習得しているはずなので、よって外国人の彼らには証明を proof という習慣がついているはずである。外国の中学高校レベルの数学の用語も知らない頭の悪い外国人の英文なぞ、読むに値しない。
なお、動詞 prove は「証明する」の意味である。
evidence が、証拠のひとつひとつのことである。ジーニアスによれば、proofは「evidence を積み重ねた最終的な証拠」のことであるとされる。
だが、それよりも、proofは「証明」であると覚える方がよいだろう。
また、少なくとも日本の学問の世界では、個々の実験事実や個別の統計のような、個々の証拠のことは evidence というのが普通である。英語でどういうのか知らないが。
桐原の単語集にあるが、裁判などの「証拠」も「証言」も evidence である。英語では、「証言」と「証拠」を分けずに evidence という。
単語集にはないが、どうしても発言による「証言」であることを強調したい場合は verbal evidence という(ジーニアス英和で確認)。
ジーニアス英和辞典で確認すれば、「証人」すらも evidence である。
prove to be ~ で「~だと分かる。」「~となる。」「~と判明する。」である。
辞書の例文が、事業などが prove to be a success 「成功となる」またはprove to be successful 「成功となる」である(ジーニアスとセンチュリーの両方)。東京書籍4500の例文もこの類。
桐原4500だけ He was proved to be innocent 「彼は無実だと判明した」である。
旺文社1900には、 prove to be ~ の例文は無い。
「証言」 testimony(名詞)、が、旺文社1900巻末および、鉄緑単語集の correspond にある。
「証言」(testimony)が証拠(evidence)と一致(correspond)」という内容の例文で、鉄緑は使っている。
test- という語幹には、「証言する」の意味もある。中学歴史の世界史の宗教革命で「プロテスタント」protestant というのを習ったと思うが、あれも「人前で(pro) 証言する(test)」という構成の語(パス単準1)。
なお、範囲外だが、 testament 「遺言」、「信条表明」である(ジーニアス「信条表明」あり)。グランドセンチュリーには遺言の意味しか書いてない。なお、公式声明などの一般的な「声明」は statement です(旺文社、桐原)。statement は、公式に何かを表明することです(東京書籍)。
make a statement 「声明を出す」(旺文社、桐原)
testimony や testify などに共通する test の語源は「土製の壺 testum」であり、まったく発言とは関係ないが、
testimony といい testament といい、なんか現代英語では語幹としての test には、公的な発言のような意味もある。ジーニアス testify 「証言する」いわく、語幹の test は「証拠」の意味。
testament は「信条表明」として覚えるべきであり、政治家などの「信条表明」でも testament は使えるし、遺言の意味のほうも故人の財産相続の方針の「表明」として解釈すれば、暗記の負担が減る。
なお、ジーニアスいわく、「立証」がtestament の語源とのこと。
だから testify も、単語集には無いが、実は「公言する」の意味もある(ジーニアス)。
なにより、キリスト教の「聖書」のことを Testament ともいう。テスタメントと言った場合、ネット情報では、神との契約の側面を重視していると考えられている。だから旧約聖書とか新約聖書とか言うわけで。旧約・新約の「約」は、約束の「約」。Bible と言った場合、キリスト教・ユダヤ教以外の聖典のことも表す場合もある。
警察などの「捜査する」を investigate と言ったり、証言を testimony と言ったりするが、ちょうど、日本国憲法でも、この2語を使っている。国会の両院の国勢調査権で
第六十二条 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。 Article 62. Each House may conduct investigations in relation to government, and may demand the presence and testimony of witnesses, and the production of records.
(※ 範囲外 )証拠の「提示」などでは production を使う(ジーニアス)。production は公的書類の「提示」「提出」という意味(グランドセンチュリー)。
will「遺言」という名詞もあり、普通に高校英語である(桐原、旺文社、)。助動詞の未来表現のwillとスペルも発音も同じ単語である(桐原)。
名詞の will には、その他の意味として「意欲」「意志」と言う意味もある(旺文社、)。
単語集を見ても、遺言のwillの例文は無いので、説明を省略する。
さて、デモンストレーション demonstration 「証明」の意味がある。
一般的には、英語では、行動によって意志を表したり、あるいは、たとえば新製品の実演販売みたいに「実演」などによって説明すること等を demonstration という。
単語集でも、demonstration「実演」の意味を、東京書籍以外の鉄緑・旺文社・桐原が紹介。
集団などの「デモ行進」も、同じ demonstration である(鉄緑以外。つまり東京書籍・桐原・旺文社1900)。
センチュリーの例文だが、戦争反対のデモなら demonstration against the war である。
一般に、demonstration against ~で「~反対のデモ」である。
だから東京書籍にある「新空港に反対するデモ」なら
demonstration against the new airport
である。
能力の証明なども demonstrate であり、東京書籍に紹介されている。
何かに反対するデモを紹介する場合、上述のように against ~(反対内容)を使って説明するか、あるいはdemonstraition ではなくprotest 「抗議」を使って説明とかをしないと、意味が伝わらない。
欧米での demonstration は必ずしも抗議とは限らない。なにかの意思表示の場合もある。
説明した上でなら、単に demonstration の一言で省略しても可能。
旺文社1900でしか説明していないが、感情をあらわにすることも demonstrate である。だが、感情のデモは例文もないので、深入りする必要はないだろう。
動詞形は demonstrate である。
ジーニアス和英を見ると、実はdemonstraite やdemonstration には「論証する」などの意味もあり、旺文社1900が紹介しているが、しかし桐原も東京書籍も「論証する」の意味は紹介していない。
センチュリーは、証明についてのdemonstration の意味は、論証ではなく「実証する」であると説明している。
ジーニアスの例文を見ると、「哲学的論理」の論証の例文である。
demonstrate が「論証する」と言っても、どうやら、数学のような論証ではないようだ。
proof には、「防ぐ」「耐える」という意味があります。
waterproof で防水です(数研リープ)。
a waterproof 「防水時計」です(数研リープ、ジーニアス)。
〇〇プルーフとか、製造業やIT企業など技術系企業でよく使う表現なので覚えておきましょう。
鉄緑や旺文社ターゲット1900には無い表現ですので、入試には出ないと思います。
よく、「馬鹿よけ」 foolproof が使われます。
(「馬鹿よけ」こと)「フールプルーフ」とは、たとえば、情報Iの教科書(東京書籍)にある例だと、たとえば、電池を入れる電池ボックスは、もし電池の向きを間違えて入れた場合、電極に電池が接触しないような構造になっており、これがフールプルーフの例(※東京書籍 I)。
教科書にない例だと、たとえばコンピュータ機器などで、電源ケーブルと通信ケーブルを間違えて混同して指し間違えないように、最初から端子の形状が違っていたりするような設計。
当然、デメリットとして互換性は下がるが(製造に必要な部品の種類が増える)、しかし、製造コストが上がってでも、それをはるかに上回る利点がある場合で、事故防止などの利点がある場合、導入される。
「人間が操作ミスを起こさないように最初から自動化をして設計する」とか、そういうのです。
日本では「馬鹿」が差別用語として「ポカヨケ」などと訳されますが、情報の教科書でも「フールプルーフ」と訳されますが、元の和訳は「馬鹿よけ」です。
「きちがい」は差別用語とかで置き換えされても crazy は置き換えされないアレと同じ。
「めくら」は駄目で、blind は良いとするアレと同じ。
キチガイ系の単語には、受験英語だと、
insane (インセイン)「正気でない」(数研リープ、鉄緑 sane)
もあります。
「ばかげた」から「精神異常」まで、insane は広く意味があります。
桐原、旺文社、東京書籍には、insane が見当たらない。
ですが、 insane は、できれば知っておいたほうが良いと思います。
mad とか crazy だと、あまりに直接的すぎて「キチガイ」みたいなニュアンスです。なので、「精神異常」のようなニュアンスの insane のほうが、なんつうか高校英語として、ふさわしい。
go mad 「おかしくなる」というSVC文型の用法と同じように、
go insane 「正気を失う」という用法もあります(辞書、数研リープ)。
よく、
have gone insane 「正気を失う」(辞書、数研リープ)
のように完了形で使われます。
範囲外ですが、 lunatic ルナティックも、「気がふれた」「馬鹿馬鹿しい」という意味であり(ジーニアス)、insane と少し似ています(数研リープ)。ただし、最近は「気がふれた」の意味では、lunatic は あまり使わなくなっているとの事です(グランドセンチュリー)。
対義語で、
sane (セイン)は「正気の」です(数研リープ、鉄緑 sane)。
さて、proof には耐久試験などの「試験」の意味もありますが、test のほうが普通です(ジーニアス)。
仮定や論理的思考など
仮定する assume, suppose
当然と思う assume
仮定 assumption, supposition
仮説 hypothesis
前提 premise
推測 supposition
「推論する」 infer
仮説 hypothesis
動詞 assume は、「仮定する」「想定する」「決め付ける」などの意味。
共通するニュアンスは、ジーニアスいわく、明確な証拠がなくても想定すること。
名詞形が assumption である。
assume that ~ で「~だと思い込む」(桐原)または「~を当然のことだと思う」(旺文社)である。
たとえば、旺文社の例文「私たちは日本の列車がいつも定刻どおりに運行することを当然と思う」が assume that の例である。
ジーニアスによると、三段論法の「前提」などで、assumption が使われるとのこと。
このため論理的な議論ではassume や assumption が使われると思われるので、覚えておきたい単語である。
しかし、suppose にも「仮定する」の意味がある。
だが名詞形 supposition が「推測」の意味である。なので、suppose はどちらかというと「推測する」のニュアンスが強い。
桐原の単語集にはsuppose は「推測する」の意味しか書いてないが(東京書籍に至っては「思う」しかない)、しかしセンチュリーを見ればsupposeの意味として「推測する」のほかにも「仮定する」も書いてあるのが実態である。なお、旺文社1900でだけ、例文なしで「仮定する」の意味も紹介してえる。
「仮説」と「仮定」は違う。
「仮定」とは、たとえば「仮に○○だとしたら、□□は××になるはずだ」の前半「仮に○○だとしたら」のこと。仮に定めるので「仮定」というわけである。
一方、「仮説」とは、「~の原因は、□□が××だからだ。なぜならば(以下略)」という原因をとなえる主張のうち、まだ真実かどうかの評価が確定してない主張のこと。
「仮説」は英語で hypothesis である。
単語集の例文によると、科学者が立てたりするのが「仮説」である(旺文社、桐原、※ 東京書籍は少し特殊)。
辞書だと「仮定」の意味もあるが(ジーニアス、センチュリーで確認)、しかし単語集はどれも、それを採用していない。なんらかの事情があるのだろう。
「仮定」を言いたいなら assumption で済むし、高度な学問をするなら「仮定」と「仮説」は分離すべきであるし。
ともかく「仮説」は証明あるいは検証するためのものである。
「仮説を証明する」は prove a hypothesis である(旺文社、ジーニアス)。
hypothesis のついでに、thesis (シーシス)「論文」「命題」「テーゼ」も知っておきたい(旺文社1900)。発音注意で、末尾のsは、にごらずに「ス」になる。
「テーゼ」とは、もともとは哲学に由来するドイツ語の単語だが、政治などの分野では「綱領」などの意味で使われるようになった。ロシア革命の4月テーゼなど( 高等学校世界史B/ロシア革命 )
もともとはロシア語の表記だが、英語訳でも April Theses という。( en:w:April Theses )
「命題」とは、論理学の用語としては、「〇〇は△△である」のように真偽を判定できるものの事。
まあ、おそらく実際には、上記の政治と論理学の2つの意味が混ざったような用法でも使われるのかもしれまに。
アンチテーゼは、英語で antithesis (アンティセシス)。
アンチテーゼとは、もともとは哲学の用語らしいが、現代日本語としての「アンチテーゼ」はやや意味が異なり、おおむね現代日本語としてはアンチテーゼは「既存のある理論や価値観にもとづく主張を否定するために出された、反対の価値観にもとづくような反対意見」のことを指す。
ネットで日本語の「テーゼ」を調べると、単に国語辞典や外来語辞典などを引いただけの、哲学用語でヘーゲルの修辞法が~~みたいな説明ばかりある。しかし実際の用例は、ロシア革命の4月テーゼにもあるように、なにかの価値観の宣言のような意味合いもある。少なくとも日本での用例はそうである。アンチテーゼも同様、そういう反対の価値観にもとづく宣言などのような意味合いでも使われるのが日本である。
ロシア革命などの話は、国語辞典を見ても書いてないので、そういう辞書に書いてない話は書かない手抜きサイトなのが、ネットの低品質なサイトである。
とりあえず、4月テーゼなど政治用語について言及してないwebサイトは、まあゴミだと思ってよいだろう。ロシア革命の4月テーゼも知らない無教養な人が、哲学の教材にでもあった単語だけを丸暗記してテーゼを騙るのが、日本のひどい人文系である。
なお、数学IAなどの集合とか必要十分条件あたりの単元でいう「命題」は英語で proposition である。テーゼとは異なる。
なお「前提」 premise である(旺文社1900、鉄緑、辞書ジーニアス、辞書グランドセンチュリー)
東京書籍4500と桐原4500には載ってない。辞書を見ても例文は少ないので、説明は省略。
語幹の pre- は「前の」という意味。そもそも日本語の「前提」という熟語自体、明治時代につくられた造語であり、哲学者の西周(にし あまね)が作ったと見られている[22]。おそらく「前提」という日本語の成り立ちは、英語の premise の影響を受けてるのだろう。
なお、mise は、トランスミッションとかのmit と同じで、「送る」の意味(鉄緑)。
infer という動詞があり、事実や根拠などをもとに「推論する」という単語である。
infer that ◯◯(文節) from ~ で「~を根拠に◯◯だと推論する」という意味である。
桐原5500も旺文社も、infer の例文では from で根拠を提示している。
そもそも日本語の「推論する」というのは、事実や根拠をもとに推理・推測することだと、広辞苑(1992年)にも書いてある。
広辞苑の例文にも「事実から推論する。」とある。
ともかく、このように「推論」は根拠とともに使うべき単語である。
infer で推論する内容は、べつに学問的な内容である必要はなく、たとえば「彼女の沈黙から怒っているのだと察した」とか(ジーニアス)、そういうのでも構わない。
infer にはこのほか、「暗示する」(= imply )という単語もあるが、imply という「暗示する」の意味の単語で代用できるので、説明を省略する。
名詞形は inference 「推論」「推理」であり(旺文社)、推論するという行為(旺文社、ジーニアス)または推論の結果によって得られた結論のことを言う(センチュリー)。
by inference で「推論によって」(旺文社)、「推測によって」(センチュリー)である。
扱う
deal with ~, treat
対処する address, deal with
処理する cope with, handle
乗り切る cope with, 克服する overcome
treat は普通、厚遇する「扱う」の場合に使う。つまり、treatは「厚遇する」である。
ただし、和訳の都合で、「厚遇する」だと表現が硬くなる場合によく「扱う」と訳される。
だが、「扱う」で覚えてしまうと類似語とのニュアンスの違いが覚えづらくなってしまうので、treat は「厚遇する」で覚えよう。
「治療する」の場合にも treat を使う。治療については、別の単元で cure , treatment, therapy などをまとめて扱う。
deal , cope , handle が類義語として紹介される事も多い。
意味の違いは、deal は、あまり解決のニュアンスが無い(数研リープ)。とりあえずの対処のような感じ。
handle は、解決しようという意味合いが強い。
cope は、よくストレスの対処に使われる。
cope with the stress 「ストレスに対処する」「ストレスを乗り切る」(東京書籍4500、鉄緑)
deal with ~は、「~を処理する」「~を契約する」などの意味である。
典型的な例文が「苦情を処理する」 deal with complaints である(東京書籍4500。旺文社1900)。
ジーニアスで確認したところ、 deal with にも厚遇の用法もあるが、本ページでは触れないとする。
deal は「分配する」「配る」の意味である(東京書籍4500でも紹介)。
トランプなどの札を「配る」のが dealである。
だからトランプの札を配る人をディーラー dealer とも言う。
deal には「商取引」の意味もある。だから、ある種の商品の「販売人」「販売業者」のことを dealer とも言う。桐原4500が「販売業者」としている。ジーニアスは「販売人」。
同じスペル deal で 「量」の意味がある。
a good deal of ~ で「かなり多量の~」である(桐原4500)。
a great deal of ~ で「かなり多量の~」である(桐原4500)。東京書籍4500では、 a great deal of ~ で「非常にたくさんの~」としており、数えられない名詞に用いるとしている。
桐原の例文では、 a good deal of snow 「かなり多量の雪」、東京書籍の例文では a great deal of time 「たくさんの時間」、と訳している。
address には「対処する」の意味がある。だが単語集では、旺文社1900しか紹介していない。
address a problem 「問題に対処する」(旺文社)、「課題に対処する」(グランドセンチュリー)
ほか、addressには「演説する」の意味があり、桐原4500でしか紹介されていない。しかし、海外ニュースで address「演説する」は普通に使われているので、覚えましょう[23]。
address the nation 「国民に演説する」(桐原、ジーニアス)
cope withe は、(問題を)「処理する」、(難局などを)「乗り切る」の意味。
deal with と比べて、あまり cope with は聞かないが、しかしどの単語集にも書いてある、高校4500語レベルの単語である。
overcome 「打ち勝つ」「克服する」と比べて、cope with は、問題を片づける的なニュアンスが強い。
overcome は、片づけたことよりも、それを乗り越えた自分の心の成長に重点がある的なニュアンス。
典型的な cope の例文は、
cope with the problem 「問題を処理する」(東京書籍、旺文社、)
deal にはdeal with 「対処する」のほかにも、deal 「分配する」の意味もある。
下記で説明する。
分配・配分
distribute, deal
食料や出版物などを分配する場合、普通は distribute を使う(東京書籍4500)。東京書籍では「出版物」では「印刷物」としているが(例文でリーフレット leaflet を想定)、しかしトランプの札も印刷物であるので、このページでは「出版物」と表現した。
典型的な例文が
distribute food to the ~で「~に食料を配る」である。
辞書によっては「金を配る」場合もあり、その場合は
distribute money to the poor 「まずしい人に金を配る」である。(センチュリーを参考)
「子供たちにリーフレットを配る」なら、 distribute leaflets to the children となろうか(wikiオリジナル。東京書籍およびジーニアスの例文を参考に組み合わせ)。
東京書籍4500だけでなくセンチュリー英和でもリーフレット leaflets を配る例文である。
単語集にはないが、電気屋などで買えるテレビ信号などの分配器をよくよく見ると、ディストリビューターと言ったりしている。実際、ジーニアスで分配器 distributor である。
単語集にあるが、生物学などでの植物の「分布」も distribution である(数研リープ、ジーニアス)。
ほか、数学でいう確率分布などの「分布」も distribution である。しかし高校生に「確率分布」と言って通じづらい。
高校生は植物の分布のほうが覚えやすいだろう。
語源的な事を言うと、 tribute は「与える」である(鉄緑)。
distribute「分配する」 は 「バラバラに与える」→「分配する」、
contribute 「貢献する」は 「共に con(対象に自分を)与える」→「貢献する」
と考えれば、覚えやすい。
Linux界隈では、ディストリビューションもコントリビューションも、よく聞く単語である。
さて、deal については「扱う」の項目で説明したとおり。トランプの札などを配ったりするのが deal である。
20世紀前半のアメリカの大不況についての「ニューディール政策」は、この配りなおしの意味だというのが辞書グランドセンチュリーの見解。
単語集には無いが、日本語で「自動車のディーラー」と言うが、その deal と同じ意味。辞書には、dealer のほうに書いてある(グランドセンチュリー)。ジーニアスだと dealership で調べれば書いてある。
自動車に限らず、dealer は「販売業者」のような意味。
比例
ratio, rate, proportion
3:2とか 4:7 とか、とにかく個別の比や比率のことは ratio (レイショウ)という。
そういった個別の比ではなく、たとえば数学で「AとBとは比例関係にある」のような「比例関係にある」のことを形容詞で proportional と言う。
名詞 proportion は比例関係。
なお「比例する」は形容詞で、be proportional to ~ または be relative to ~ である。(速読英単語上級編が relative to を紹介)
名詞 proportion や形容詞 proportional のほうが数学的な言い方。
副詞句の熟語で、
in proportion to ~ 「~に比例して」(旺文社熟語1000)
というのがある。結構難しい熟語らしく、旺文社熟語1000では、巻末ちかくの959番にある。
なお、旺文社熟語1000の巻末にある熟語は入試過去問なのだが、どこの理系大学が proportion の熟語を出したのかと思えば、出題したのは文系の麗澤(れいたく)大。
次は、利子率などの話題。
数学的な比例関係のことを言いたいではなく、たとえば利子率など何かの比率のことは rate (レイト)という。
なお、利子率や金利は interest rate という。ここでいうinterest は、「興味」の interest と同じスペル。
桐原4500によると、「失業率」は the unemployment rate である。
東京書籍4500によると、「出生率」は the birth rate である。
proportion には、全体の中で占める「割合」という意味もある。
桐原4500および旺文社1400に熟語 at any rate 「とにかく」が紹介されているが、例文は無い。
実際には ratio にも比例関係の意味があったり、proportion で個別の比に言及することもあるが、ニュアンス的には上記の感じのはず。
例文は省略。著作権的な問題をクリアできそうな典型的な例文が見つからなかったので、読者が単語集などで読者が自身で調べてほしい。
やや範囲外だが、統計学で「相関関係」 correlation という語がある。
これは、情報Iで習う相関関係の単元を見てもらいたい。
英検準1~1級で correlation が出てくるが、それよりもまず、統計学を知らないと話にならない。
統計学で、「相関係数」(correlation coefficient)というパラメータがあるので、その使い方を学んでほしい。
「英語だけが出来ても仕事にならない」という典型。
- 合理的
rational,
値段が手ごろな reasonable, affordable
「合理的な」は英語で rational である。これ単独だと覚えづらいが、実は比率 ratio と冒頭のスペルが同じだし、発音も「レイショウ」と「レショナル」でほぼ同じである。
なお、数学の「有理数」も rational number であり、同じスペルの rational である。
だからか和訳も気をきかしてか、有「理」数となっているわけであろう。(ここら辺の話題は、数学英語の専門書に書いてある、有名な話である。)明治時代あたりの数学者に感謝しよう。
そして、「有理数」とは、整数の比例で表される数のことである。(数学的な厳密性は置いておく。)
つまり欧米人の数学のできる人は、「合理的な」=「整数の比例の」が同じ単語であると認識しているわけである。
こうやって考えると、「比例」ratioさえ知っておけば、そこから「合理的」 rational も普通に覚えられる。
なお、「非合理な」は irrational である。
さて、rational でよくある例文は、「合理的な決断」a rational decision である。東京書籍4500と桐原4500の両方に、「合理的な決断」 a rational decision が書かれている。
ついでに、「自然数」は a natural number である。単語集には「自然数」は書かれていないが。
「実数」は a real number である。
「自然数」も「実数」も、英語または対応するドイツ語あたりを、日本語に直訳しただけである。
なお、「論理的な」は logical (ロジカル)である。「論理」が logic なので、それから覚えよう。
reasonable (リースナブル)と言う形容詞には、「理にかなった」という意味があるが、しかし「値段が手ごろな」という意味もあるので、使いどころが難しそうである。
よくある例文
a reasonable price 「手頃な値段」(東京書籍4500 複数形 reasonable prices、鉄緑)
動詞 afford 「余裕がある」の形容詞形 affordable にも、値段の「手ごろな」という意味があります(旺文社1900、桐原「手頃な価格の」)。
つまり、
affordable 「値段の手ごろな」、「手頃な価格の」(旺文社、桐原)
ジーニアスを見ても、そもそも affordable の単語そのものが無いほどの難単語です。
当ページでの説明を省略します。
出席
動詞 attend,
形容詞 present
形容詞 present は、「出席している」の意味もあるが、名詞形 presence に「存在感」の意味がある。
動詞 attend が、会議や授業などに「出席する」である。
典型的な例文が、attend the meeting 「会議に出席する」である(センチュリー、東京書籍4500)。
だが、attend school で、毎日規則的に「学校に通っている」の意味である(センチュリー、東京書籍4500)。
attend のあとの出席場所に、前置詞はつけない。
attend の接頭辞 at そのものに、前置詞 to 的な意味がある。前置詞の at とは別物。
これを知っていれば、暗記の必要が無い。もっとも、 pan attention to ~ 「~に注意を払う」だが、
学校や教会に規則的に通うのは attend を使う。「教会に通う」の例文なら attend church である(センチュリー)。
授業の出席のattendの例文が、辞書でも単語集でも見つからない。
授業の出席については、present を使うのが安全だろう。
なので、辞書にはないが、どちらかというとattend は、出席するために「~に出ている」の意味ぐらいで解釈したほうがよいかもしれない。
名詞 attention が「注意」の意味である。attention が「注意」なのも、「注意を向かわせる」みたいな意味ぐらいで解釈したほうが、出席の「~に出ている」くらい
旺文社1900いわく、pay attention to ~で「~に注意を払う」である(なお、ここでのtoは(不定詞ではなく)前置詞の用法)。桐原によれば、attend to ~ともいう(toは前置詞としての用法)。
あまり attend と present の概念の違いがハッキリしていない。実務の際は、勤務先の業界の慣習などに任せて使い分けのが良いだろう。
寄付
donate, contribute
原因となる cause ,一因となる contribute
単語集を見てたら、「勘弁してほしいなあ」とあきれたが、contributeには「寄付」の意味もあるが、現代のIT社会では普通はcontributeは「貢献する」の意味である。
「寄付する」はdonateである。
しかも、単語集には、contributeの項目を見ても、donateについては書いてない。donateの項目を見ても、contributeについては書いてない。
たとえばwebサーバなどのよく使われるOSのLinux(リナックス)の場合、寄付以外にも多くの協力活動があって(テストに参加するとか)、そういう諸々の協力活動の全体のことを contribute と言っているのが普通である。
そして、その協力活動の中のひとつに寄付もあって、その寄付が donate という言い回しである。
実際、debian(デビアン) というLinuxの一種のwebサイトはそうである[24]。
ページ"Contribute: How you can help Debian"の中に、下記のようにいくつも項目があって、
Contribute: How you can help Debian Coding and Maintaining Packages Testing and Bug Squashing Writing Documentation and Tagging Packages Translating and Localizing Helping other Users Organizing Events Donate Money, Hardware, or Bandwidth Use Debian How your Organization can support Debian
その項目のひとつとして"Donate Money, Hardware, or Bandwidth"があるという構成である。
もっとも、wikipediaのサーバを動かしているOSはDebianではなく Ubuntu(ウブントゥ)というイギリス製OSであるのだが、このUbunutの本家イギリス語版のwebサイトのページで寄付のページには contribute と書いてあるので[25]、contributeで寄付を意味しても間違いではない。
よく、医療で「血液ドナー」とか何かの提供者のことをドナーdonorというが(旺文社1900)、これもdonateの派生である。
なお、donor の発音はドウナーである。旺文社1900では発音の注意をしている。
なお、ジーニアスとセンチュリーで確認したところ、blood donor とは単なる「献血者」のこと。クルマの「献血車」にあらず。
ジーニアス英和によれば、ドナーカード donor card も英語でそのまま通じる。
なお、桐原3000の donor 項目いわく、「血液バンク」は a blood bank とのこと(桐原3000)。
なお、名詞形は donation 「寄付」である。
単語集によると、make a donation で「寄付する」である(東京書籍、桐原)。
make a donation to our school で「学校に寄付する」。
make a donation to church で「教会に寄付する」
donate で使う場合、ジーニアス英和に donate a money to Red cross 「赤十字に寄付する」という例文があった。
debianのサイトでも donate a money と言っているように、普通は 「donate a 金または金額」のパターンである。
実際、センチュリー英和では donate $1,000 to a charity 「慈善事業に千ドル寄付する」である。
contribute で金銭を寄付する場合でも同様、 「contribute 金額 to 相手」のパターンである(桐原、東京書籍)。
contributeの単語集が金額の例ばかりであるが、センチュリーによれば a money で寄付してもいい。
センチュリーいわく contribute a lot of money to church 「教会に多額の寄付をする」である。
contribute には、なにか望ましくないことの「一因になる」という意味もあり、たとえば「二酸化炭素は温暖化の一因になる」とか(旺文社)、「砂糖は虫歯の一因になる」とか(センチュリー)、「喫煙がガンの一因になる」とか(ジーニアス)。
良いことの一因になった場合にもcontributeを使うが、ただし和訳の際、普通は「寄与した」と訳すだろう。
cause と contribute の違いは、contribute の場合、ほかの原因の影響もありうる事を想定してい事だろうか。
contribute には「一因となる」の訳のほかにも、「一助となる」となるという訳もある(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
「助」という字の通り、べつにその contribute の主語が無くても出来事は起きたかもしれないが、主語があったせいで、さらに出来事の程度が大きくなった的な。良い事にも悪い事にも使う。
闘争と努力 struggle, strive
努力する endeavor , make an effort , struggle , strive
不和と摩擦
strife, friction, conflict, discord
紛争 conflict, strife, dispute
口論 quarrel, dispute
意見を戦わす dispute, tackle
「努力する」には、struggle と strive と endeavor があるが、高校生はまず struggle を覚えるのが良い。
strive だと、後述のように闘争の意味合いに解釈される可能性がある。
実際、単語集でも、struggle を先に紹介しており、strive はかなり後半で紹介する。
動詞 struggle は「もがく」「あがく」などの意味だが、「努力する」「奮闘する」のような意味もある。
病気や苦痛などから逃れるために「戦う」のような意味もある。
struggle to ~(動詞) で、「~するために努力する」である(東京書籍)。
struggle with ~ で「~と闘う」である。
struggle for ~で「~を求めて闘う」である。ジーニアスによれば、struggle for independence で「独立を求めて闘う」。旺文社によればstruggle for equal right で「平等権を求めて闘う」
名詞も struggle であり、「闘い」「努力」の意味である。
だが、生存競争を a struggle for existence という(旺文社1900にあり。ジーニアス、センチュリーで確認)。
あまり使い分け方ははっきりしないので、慣習に合わせるしかない。
単語集にはないが、権力闘争は a power struggle といったり(ジーニアス)、a struggle for power という(センチュリー)。
範囲外だが、生活の糧をかせぐために苦労する・努力する程度のことでも、struggle を使う(グランドセンチュリー、ジーニアス)。
東京書籍4500にある「彼女は家族を養うために努力した」という struggle の例文も、東京書籍はスットぼけて「努力した」と訳しているが、そういう意味。家族を養うための収入を稼ぐのに苦労した的なニュアンス。
鉄緑も「シングルマザーは不十分な収入で奮闘した」と struggle 例文を訳しているが、まあそういう収入を稼ぐのに苦労している的な意味。
endeavor (エンデバー)は動詞で「~しようと努力する」、名詞では「(真剣で継続的な)努力」の意味だが(ジーニアス、センチュリー)、なぜか単語集には、あまり積極的に紹介されてない。endeavor は東京書籍では巻末おくりだし、桐原では5500おくりである。
かつて、アメリカの宇宙船の名前でエンデバーというのが昔あったので(数研リープ)、特に悪い意味は無いだろう。
しかし、なぜだか、数研リープ・鉄緑の以外の単語集はあまり本文ではエンデバーという単語を紹介していない(東書では巻末送りなどになる)。
endeavor の場合、「努力」的な意味のほかにも、少しtry 「やってみる」的なニュアンスや用法もある。
たぶん、創意工夫の努力、的な。
動詞として使うときは endeavor to ~(動詞) 「~しようと努力する」
である(東京書籍4500巻末、数研リープ、ジーニアス、センチュリー)。
この動詞の、(決して数研出版だけが紹介するマニアック用法ではなく)東京書籍も紹介している用法なので、覚えざるを得ない。
さて、熟語で make an effort 「努力する」というのがある。
名詞 effort が「努力」を意味する、平易で一般的な語だろう。effort 「努力」「骨折り」は中学英語である(受験研究社)。
strive という単語があり、これも「努力する」や「闘う」の意味である。桐原だと闘争の意味が書いてないが、東京書籍にきちんとstriveの「奮闘する」が書かれている。
これは比喩的な奮闘ではなく、後述するように名詞形で実際の戦争を扱う。
strive for ~で「~を目指して努力する」または「~を求めて努力する」の意味である。
strife 「不和」「闘争」は、旺文社1900とZ会速読英単語・上だけが紹介しており、両方とも例文なし。
旺文社1900には動詞 strive の項に、派生の名詞形 strife がスペルと和訳「争い」「不和」だけ紹介されている。
他の単語集には名詞形が書かれていないが、strive には実は派生の名詞形が2つあり、striving と strife である。
辞書にも、strife と strive の関係が書いてないが、明らかにstrife と strive はお互いに派生であろう。少なくとも旺文社1900は 名詞 strife は 動詞 strive の派生だという見解である。辞書のほうが頭悪い。
striving が「努力」の意味。 strife は「紛争」や「不和」など、ぶっそうな意味である。
辞書によると、政治闘争は a political strife である(ジーニアス、センチュリー)。
しかし、ジーニアスによれば、民族紛争などは conflict を使う場合もある。
また、実際にBBCニュースを見ても、スーダン内戦で conflict を使っているのを確認しました[26]。
殺人などの横行する深刻な紛争でも conflict を使います。単語集でも、桐原・東京書籍に、conflict の意味の一つとして「紛争」があります。
山川出版の英語版・詳説世界史では自衛隊PKO派遣先の、いわば「紛争地帯」に相当する場所を conflict zone と言っている[27]。
一方、センチュリーだと、「その二国間には紛争がある。」There is strife between the two countries.
とある。
ジーニアスによれば、家族紛争を a family strife という。
dispute には、「紛争」「口論」「議論」「意義を唱える」などの広い意味がある(桐原)。「意義を唱える」は旺文社の解釈。
「議論」を訳す場合でも、「議論を戦わす」のように(東京書籍、センチュリー)、意見の対立に主眼が置かれている。センチュリーにいたっては、感情的な対立があるとのニュアンスがあるとまで述べている。
だからか労働争議を a labor dispute ともいう(ジーニアス、センチュリー)。
いっぽう、単に意見や議論を戦わせるだけなら、動詞 tackle である(センチュリー、桐原)。ジーニアスにいたっては、tackle の意味で「戦う」の言葉は使わず、tackle は意見を「論じ合う」だとしている。
センチュリーは、「賃上げ(on a raise)をボスにかけあう」を動詞 tackle としている。文脈は違うが、旺文社でも「予算」がどうのこうのと、tackle で金を話をしている。
動詞としては tackle には「問題に取り組む」という用法もある(桐原、東京、鉄緑に似た文)。
典型的な例文は、
tackle the problem 「その問題に取り組む」
である(桐原、東京書籍、鉄緑に似た文)。
なお、tackle は、ラグビーなどの名詞「タックル」、動詞「タックルする」と同じ単語でもある。
肉体的な単なる「闘い」「闘う」は fight とか battle で良いだろう。
「不和」については friction 「摩擦」を使う言い換えもある。物理学の「摩擦」 friction と同じ単語である(数研リープ、旺文社1900)。鉄緑だと、物理学のほうの「摩擦」の意味が書いてない(なお、friction 自体は鉄緑にも紹介されている)。
「静止摩擦」は static friction である(旺文社1900の static 項目)。ジーニアス・センチュリーのstatic 項目では見つからなかったが、たしかに静止摩擦は static friction だったはずである。
なお、「静電気」は static electricity である(旺文社1900、ジーニアス static 項目、センチュリー static 項目)。
さて、friction の話題に戻る。東京書籍4500と桐原4500・5500には、friction が載っていない。数研リープと旺文社190と鉄緑0にだけ friction がある。
外交の「不和」には、friction を使える(ジーニアス、センチュリー)。というか、英語で「貿易摩擦」を trade friction と言う(鉄緑、旺文社)。ジーニアス英和やセンチュリー英和で貿易摩擦を確認したかったが、見つからなかった。辞書でfriction で調べてもtradeで調べても、ジーニアスとセンチュリーでは見当たらない。
和英のほうでジーニアス和英を調べると、「貿易摩擦」は trade friction または trade conflict というとのこと。
外交の不和で strife を使うと戦争の恐れの高い不和だと誤解されかねないだろうから、貿易摩擦のようなお金の問題では friction で十分だろう。
discord 「不和」という単語があり、速読英単語・上級編に載っている。
通話アプリで discord というのがあるが、元々は「不和」という意味。
鉄緑単語集ですら discord は紹介していない。
ジーニアスおよびピナクル単語集によると、国家間の不仲から、家庭内の不仲まで、広く「不仲」の意味で使えるのが discord とのこと。
ピナクル単語集は、紛争の意味でも使えると主張しているが、しかしジーニアスおよびグランドセンチュリーでは確認できなかった。もっと分厚い単語集なら、そういう用法も紹介されているのかもしれないが、少なくともジーニアス・グランドセンチュリーではこういう結果だった。
さて、努力について、 effort という名詞があるが、しかしこれは名詞である。
なのでeffortで「努力する」と言いたい場合、東京書籍やジーニアスによれば make an effort のようになる。意外と難しい。
effort to ~(動詞)で「~するための努力」である。
東京書籍にあるが、make a great effort 「大変な努力をする」のように、great などの形容詞がつくこともある。
傾向 tendency, trend, inclination
角度が「傾く」 lean
流れ current , flow
「傾向がある」 tend(動詞), inclined (形容詞),
ミスなど好ましくないことをする傾向がある be liable to ~
(好ましくないことを)~しがちである be apt to do , be prone to do(不定詞)
その他、好ましくない傾向がある be prone to ~(名詞)
傾倒する・している lean , be too committed to ~(不定詞)
下水と排水 drain, sewage
apt 「~しがちである」「~の傾向がある」 の典型的な例文は、
A careless person is apt to make mistakes.「不注意な人は間違いをおかしやすい。」(ジーニアスそのまま、旺文社 same the mistakes 「不注意な人は同じ間違いをする傾向がある」)
make と mistake の間に the あってもなくもいい。旺文社には the があるし、ジーニアスには the が無い。
さて、tend の話。
センチュリー英和を見ると、trend と tendency の違いが説明されている。
tendencyは、たとえばセンチュリーにある「赤ん坊は空腹になると泣くものだ」とか「弱い母音は消失する傾向がある」のように、本来的に、何かのおきる傾向のあること。
trend は、基本的には社会や業界の「流行」や「動向」、現在の「趨勢」(すうせい)や「風潮」などの傾向。ジーニアスを見れば「趨勢」や「風潮」の意味も書いてある。
なお、衣服の流行は fashion である(東京書籍3000、桐原3000)。一応、ジーニアスには、衣服だけでなく文学や芸術の流行も fashion ということもあると書いてあるが、しかしセンチュリーは採用していない。
なお、mode も衣服の「流行」の意味であるが、現代では廃れている表現だとジーニアスはいっているし、桐原と東京書籍の単語集に mode は無い。
しかし、旺文社1900にmode があり、「方式」「形態」などの意味である。後述の「携帯」の誤字ではなく、確かに旺文社1900のmodeの項目に「形態」と書いてある。
旺文社1900の単語集は入試準拠なので、おそらく教科書にはないが入試によくある表現なのだろう。総数1900のうちの844番目にmodeがあった。
旺文社1900のいうmode関連の派生表現のひとつで、携帯電話の「マナーモード」は silent mode である。
ほか、物理学の弦の振動などの「モード」もこの単語だったと思うが、辞書には無いので不明(ジーニアスとセンチュリーの両方とも確認したが見つからなかった)。
さて、tendency の話題に戻る。
さきほど trend は「趨勢」や「風潮」だと言ったが、だがジーニアスによると、現在の株価の傾向などで(トレンド trend ではなく) tendency を用いている例文もあり、実際には使い分けは明確ではない。
tendency の動詞形は tend であり、「傾向がある」の意味。というか、動詞 tend の名詞形が tendency である。
tendの意味も、本来的に "~をする傾向がある" という意味での「傾向がある」である。
tend to ~(動詞)「~する傾向がある」の形でよく使われる。
ほかにも、 tendに「世話をする」という意味もあるが、だがこれは、名詞 tender「やさしさ」の動詞形だとみなすべきだろう。
ややこしいことに、動詞 tender は「提出する」「支払う」の意味である。だが単語集に動詞 tender がないので、無視しよう。
一方、trendについて。
センチュリーによれば、「新しい流行」 a new trend とか使う。
東京書籍に the current trend 「現在の流行」という例文もある。
東京書籍によれば、「最近は小型車が売れている」的な意味の流行も trend である。
また、旺文社によれば、「最近は高齢者には運転をやめさせるのが傾向である」というのも trend である。
旺文社の例文を考えれば、和訳が「傾向」であろうが、内容が最近の風潮なので、trendを使うのが正しいわけだ。
形容詞 trendy 「流行の先端を行く」の意味である。
角度が傾くのは lean 「傾く」です。
lean forward 「前方に傾く」(東京書籍4500、)、「前かがみになる」(旺文社1900)
The tower leaned a little to the west. 「その塔は西にすこし傾いている」(東京書籍およびグランドセンチュリーの文を改変)
いちおうlean にも傾向の意味もありますが、例文を紹介していません(桐原4500、旺文社)。なお、桐原は、tend と lean を類義語と考えており、同じページで紹介しています。
入試には出ないが、ジーニアスいわく、「共産主義に傾倒する」 lean toward communism とかの「傾倒する」も lean とのこと・
「傾倒する」という日本語を知っていると、なんか頭が良さそうですね。
なお、
be too committed to ~(不定詞)「傾倒している」(Z速読英単語・必)
「傾斜が急な」はsteep です。
a steep hill 「急な丘」(旺文社1900、グランドセンチュリー steep)
a steep slope 「急な坂」(桐原4500、グランドセンチュリー slope、ジーニアス slope、緑鉄、パス単準1)
なお、slope の単語としての項目紹介は、旺文社1200でしか見つかりませんでした。
数学のグラフなどの「傾き」「傾斜」も slope です(グランドセンチュリー、ジーニアス)。
こういう、slope は結構、数学では基本的な単語なのですが、しかし他の数学用語も日本の英語教育ではロクに紹介されません。
- 「流れ」
current, flow
flow は「流れる」と言う意味の動詞だが、名詞では川などの「流れ」を言う。
current は、「流れている」という意味の形容詞だが、名詞では「海流」や「電流」などの「流れ」も言う。
川も海流も同じ水の流れなのに、なぜか使い分けをするのである。
東京書籍3000でも桐原3000でも、flowの例文で、川の流れを扱っているので、そういう単語だと納得してもらうしかない。
英語というのは、あまり論理的ではなく、慣習などで使い分けが決まっている部分もある。
東京書籍に書いてあるが、気体の流れも液体の流れも flow である。
普通科高校では習わないが、工業高校などで流量計などの機器を扱う際、その流量計を英語で「フローメータ」などという。また、その計器で測定する流れのことは普通は「フロー」flow と読んでいる。
風の流れや川の流れという言い方ではなく、わざわざ「気体」「液体」と東京書籍が言ってるのは、たぶん、そういう流量計などを見越しての表記だろう。
実際、ジーニアスを見てると、「液体・気体の流出量(流入量)」という意味もかかれている。東京書籍はおそらく英和辞典のflowのこういう意味を参考にしたと思われる。
さらっと「流量計」と言ってしまったが、流体力学では流出量も流入量も区別せず、まとめて「流量」(りゅうりょう)と呼び、それ(つまり「流量」)を flow と言うのである。
実際、ジーニアスでは、たとえば人口の「流入」もflow であるし、センチュリーでは(石油らしき)ガロン単位の液体の「流出」もflow である。
そのほか、お金の「流れ」については、経済学ではカレントもフローもどちらとも使う表現なので、深入りしない。
さらに、たとえば流体力学で、理論値と実測値との違いの比率のことを discharge coefficient といい、よく「流量係数」とか「流量係数」とか言う。分野によって和訳が違うので、和訳は気にしなくていい。証拠に英語版ウィキペディアの記事 en:w:discharge coefficient (流出係数)があります。このように、専門用語などで flow と区別したい場合、discharge を使うこともある。
煙などの排出も discharge です(数研リープ)。
discharge 「解放する」・「釈放する」、「解雇する」「解任する」の意味の単語(東京書籍の巻末、数研リープ)にも、実は「流れる」の意味がある(ジーニアス)。「アマゾン川が大西洋に注いでいる」という例文で、discharge を使っており、ここでは flow into と同じだと、ジーニアスは言っている。discharge は、いったい流出なのか流入なのか、はっきりしない。
あと、discharge には名詞の用法もある(ジーニアス)。東京書籍には動詞の用法「解放する」以下略しか書いてない。
そんなことよりも、「解放」「釈放」の意味を、液体の排出などと関連づけて覚えよう。なんか解き放たれて自由に動ける的なイメージが discharge である。
なお、日本でも、よく、解雇や解任のことを、比喩的に「自由の身」みたいとか「長い夏休み」みたいに言います。なので、そこから派生的に、discharge の複数の意味を把握できます。
洋の東西を問わず、人間の言語センスは似たようなもんです。(あるいは、もしかしたら日本人が英語discharge を真似たのかもしれません。)
「頭脳流出」は a brain drain という(旺文社1900、ジーニアス、センチュリー)。ややダジャレっぽい語感もするので真に受けるわけにはいかないが、drainの基本的な意味は「流出する」である。(なお、このように brain には「脳」の意味のほかにも「頭脳」の意味もある(桐原3000)。)
だが drain には、体力などを「消耗させる」という意味もある(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。
drain my strength 「体力を消耗させる」
である(センチュリー。ジーニアスに似た例文)。
体力が流出していくイメージか。
台所の「排水口」(グランドセンチュリー)とか、その他の排水溝(ジーニアス)も名詞 drain である。屋内の下水などに向かって流出させる側の台所の排水口が drain である。
つまり、「排水溝」も「排水口」も発音は同じ「ハイスイコウ」だが、両方とも drain で良い。
その他、排水管が drain である(ジーニアス)。
下水道や湾岸(最終的に海などに流れ出る)にあるような、液体としての下水そのものは sewage である(鉄緑、旺文社、速読英単語・必)。
「下水道」は sewer である(旺文社)。
ガスの「放出」には、release が使われる事もあります(数研リープ)。
release CO2 「二酸化炭素を放出する」(数研リープ)
- 傾向 tend, inclined
まず、tend は動詞。
inclined (インクラインド)は形容詞。
なので
be inclined to ~(動詞) で「~する傾向がある」
のように使う(旺文社1900、東京書籍4500)。
She is inclined to ~ 「彼女は ~ する傾向がある」
inclined to do を使いたい場合、be動詞が必要。
一方、tend は動詞なので、be動詞なしで、
tend to ~(動詞) 「~する傾向がある」
である。名詞形はtendency 「傾向」である。
実は動詞 incline (インクライン)「傾ける」という単語があって、「傾ける」「その気にさせる」の意味である(東京書籍)。
坂(slope)などの物理的な「傾き」やその角度なども 名詞 incline である(ジーニアス)。
桐原は inclined などは紹介していない(桐原4500および桐原5500を確認)。
単語集にはないが、「話を聞こうと耳を傾ける」incline my ear to ~ 、みたいな表現にも incline を使う(センチュリー)。というか、おそらくこの英語表現が先にあって、それに合わせて日本で「傾聴」みたいな表現が生まれた可能性。
また、このように incline には、好意などによって、「関心を向ける」のような意味もある。
このためか、名詞形 inclination (インクリネイション)には「傾向」の意味のほかにも、「好み」の意味もある(旺文社)。
ただし、必ずしも inclination は「好み」とは限らず、たとえば「彼は太りやすい」のような体質や(ジーニアス)、「この車は横滑りしやすい」とか(センチュリー)、そのほか性質や、性向なども inclination である(ジーニアス)。
どちらにせよ、とりあえず inclination の中心的な意味は「傾向」だと覚えておけば問題ないだろう。
単語集にはないが、坂や屋根などの物理的な「傾き」やその傾斜の角度なども inclination という(ジーニアス、センチュリー)。
liable (ライアブル)は、好ましくないことをする傾向や、好ましくない状態になりがちな傾向のある場合に使う(ジーニアス、センチュリーで確認)。なお旺文社では発音注意している。
和訳では liable は単に「~しがちである」と訳す場合があるが(桐原4500、旺文社1900)、「好ましくないことをする傾向」だという条件をしっかりと理解しておこう。、
be liable to ~(動詞の原型)で「~(ミスなどの行動)をしがちである」
のように訳す。
ほか、典型的な例文
be liable to illness 「病気にかかりがちである」(旺文社、ジーニアス)
がある。なおこの場合、to が不定詞ではなく名詞に対する前置詞に変わっている。
なお、「ミスをする」make a mistake
または
make mistakes
である。なお、桐原3000およびジーニアスでは、make a mistake 「間違える」と訳している。
なので、ともかく
be liable to make mistakes 「ミスをする傾向がある」
である(旺文社)。
形容詞 prone (プロウン)は、望ましくないことについて「~の傾向がある」の意味(ジーニアス、センチュリー)。
病気になりやすいとか、怒りやすいとか、そういうのも prone を使える。例文は辞書を見て(著作権の都合)。
単語集には、なぜか、望ましくないことに使う前提が書かれていない(旺文社、東京書籍の巻末)。なお、鉄緑単語集だと、ちゃんと『通例「悪い傾向・性質を示す』と書いてある(鉄緑)。
単語集にある典型的な例文は、
be prone to error 「間違いを起こしやすい」
である(旺文社、東京書籍の巻末)。
「病気になりがち」みたいなのも prone を使える(ジーニアス、鉄緑)。
She is prone to cold in the summer. 「彼女は夏でも風邪を引きがちだ」
みたいな。なお、ほかの病気でも prone を使い、鉄緑は「女性は男性よりも心の病にかかりやすいと言われている。」という例文。著作権のため例文の英語は省略。
旺文社は、
「病気にかかりやすい」 be prone to disease
を紹介(旺文社1900)。
なお、病気などに「感染しやすい」 susceptible という単語もあり、受験英語(旺文社、鉄緑)。東京書籍4500・桐原4500は susceptible の掲載を拒否。
なお、語幹の cept 「受ける」の意味。susceptible 「(影響を)受けやすい」という意味もある。「影響を受けやすい」→「病気の影響を受けやすい」→「感染しやすい」のように覚えよう。
細胞などにある「受容体」のことを receptor (レセプター)というが、cept はあれと同じ。高校生物でレセプターを習ってるかどうか、当ページ編集者は知らない。当wikiでは受容体は常識なので、いま覚えて。
- ※ なお、高校生物の受容体をあつかった単元『高等学校生物/生物I/生物の体内環境の維持#ホルモンの受容体』がある。
She is susceptible to colds. 「彼女は風を引きやすい。」(ジーニアスを改変)
She is susceptible to disease. 「彼女は病気にかかりやすい」(鉄緑を改変)
のように使う。
to は前置詞でもよく、動名詞 to でもよい。つまり、prone to の後ろにくるのは、名詞 でも 動詞の原型 でも良い。
earthquake-prone 「事故多発地域」の意味である(センチュリー、旺文社)。
mistake と error
ジーニアスによると、
mistake は不注意や勘違いによる間違い。
error は、計算の誤りや、裁判の誤審など。
・・・とのこと。
また、センチュリーいわく
「不注意な間違いをする」make a careless mistake
とのこと。
だから mistake は、「勘違い」とか(ジーニアス)、「誤解」「思い違い」とかで(ジーニアス、センチュリー)覚えたほうがいいかもしれない。
mistake を「誤り」「間違い」と訳しても間違いではない(ジーニアス、センチュリー)。そういう訳がジーニアスにもセンチュリーにもある。
上記の「しがちである」と合わせて、
She is prone to error when she has a cold. 「彼女は風邪をひいているときはマチガイを犯す傾向がある。」(東京書籍4500巻末を改変。元は「私」 I)
現在の
current , present, modern
Z会速読英単語の例文「現在の交通状況」で current を使っているように、刻一刻と変わる物事の現時点での状況を言っている事を強調したい場合に使うことが多そうだ(ただし、辞書では、特にそうは明言されていない)。
いっぽう、それほど変化が急でなければ、present と使い分けると覚えれば良い(理由は下記)。
なぜなら、current には名詞で「流れ」という意味もあるので、形容詞は「流動的な変化の多い状況下での、現在の状況」という感じの意味だろうか。
英米人が必ずしもそう使い分けるとは限らないが、しかし、そう使わない英米人はどうせ頭が良くないので、相手しなくていいだろう。
「現在の政権」とか言う場合は、the present administration である(速読上級)。
modern などと言った場合、後述するが、もっと歴史的なスパンでの「現代」という意味である。modernは「現代の」という意味だが、和訳の都合でときには「現在の」と訳されることもある
current は、形容詞「現在の」が入試ではよく出るが、しかし名詞では「流れ」の意味である。
海流とか電流とかの流れにcurrentを使う。
東京書籍およびジーニアスが紹介しているが、「暖流」は a warm current である。
ついでにジーニアスが紹介している「寒流」は a cold current である。
current は、まず名詞「流れ」を覚えるべきであり、形容詞「現在の」はその派生として覚えるのが良いだろう。
ジーニアスで調べた語源でも、「走っている」→「流れている」→「現在通用している」というような意味の変遷らしい。
さて、current 関連の名詞として、単語集にはないが、電流の直流 D.C. とは direct current の略である。
交流 A.C. も Alternating current である(ジーニアスで確認)。
通貨はcurency (カレンシー)である。
単語集にはないが、国際的に安全な通貨のことを経済学ではハードカレンシーといい hard currency と書く。)
「現在の」を意味する形容詞には、current のほかにも present がある。
present は、たとえば英文法の「現在形」や「現在進行形」などの「現在」も present である。
「現在」のpresent と 「贈り物」の present とスペルも発音も同じである。また、「出席している」の形容詞 present と同じ単語である。
present と current のニュアンスの違いは、辞書では特に言及されてないが、current には「流通」や「通用」のような意味合いもあるというところだろうか。
- 現代
modern と contemporary
なお、modern は、「近代の」「現代の」という意味であり、歴史的なニュアンスで使う。
modern も単語集にあるので、覚えよう。
中学の単語集だが、明治時代の日本について
modern country 「近代国家」(中学・学研・200例文)
という例文を使っている単語集がある。これは、modern の使い方の良い例である。
明治時代とかの明治維新のあとの、ああいうのみたいなのが「近代国家」 modern country である。
ほか、単語集にないが、たとえば「近代文学」modern literature のように(センチュリーで確認)。なお、「現代」はmodern times という。
桐原4500にあるが、(科目名ではない意味での)「現代社会」は、modern society である。
動詞 modernize は「近代化する」「現代化する」の意味である(東京書籍4500および桐原4500)。
しかし、contemporary という単語も存在し「現代の」という意味であり、しかも、旺文社いわく「現代日本文学」は contemporary Japanese literature である。
ただし contemporary には「同時代の」と言う意味もあり、東京書籍いわく、「ピカソとダリは同時代の人」という内容で、語法 be contemporary with ~ を使っている。
Z会速読英単語上級編でも、「バッハとヘンデルは同時代」の人で、 be contemporaries と名詞形の複数形を使っている。
暗記法としては、contemporary は「同時代の」という意味で覚えるほうが良い。
「読者と同時代の」→「現代の」
と連想して覚えるほうが良いだろう。
なお、語幹の temporary には、「時代の」という意味は無く、後述するように「一時的な」という意味である。
東京書籍4500いわく、contemporary と modern の違いは単に、芸術様式の話題では contemporaryが「現代の」の意味で使われるとのこと。
だからか、東京書籍・桐原・旺文社の3つともすべてに単語 contemporary art 「現代美術」がある。
- 「現代」modern, contemporary と「現在」 present
特に出典は無いが、
「現代」modern , contemporaryと言った場合、歴史的な観点がある。
いっぽう、present と言った場合、基本的にあまり歴史的な観点は無い。結果的に歴史的な考察につながる文だとしても、比較的に現在の今この一瞬か、せいぜい、ここ最近、というくらいのニュアンス。
「出席」present と「現在の」present は同じ単語。
- temporary
temporary は「一時的な」の意味の形容詞。
典型的な例文が
「一時的な仕事」 a temporary job
である(東京書籍、旺文社、数研リープ basic)。
なお、ジーニアスとセンチュリーでは、同じ a temporary job を「臨時の仕事」と訳している。
対義語は permanent 「永久的な」である。
東京書籍いわく、「終身雇用」を a permanent job というとの事だが、しかしジーニアス英和やセンチュリー英和では確認できなかった。
鉄緑いわく、 a permanent job を「定職」と訳しているが、辞書では確認できなかった。
とりあえず、
temporary ⇔ permanent
である。
なお、いわゆる「アルバイト」は、英語で part-time job である(ジーニアス和英「アルバイト」で確認)。side job ともいう(ジーニアス和英)。
日本語の「パート主婦」のような、勤務時間の短い意味合いは、英語のpart time jobには無い。
そもそもアルバイトはドイツ語に由来する言い回しだし、しかもドイツ語では「仕事」という意味らしい(本書は英語の教科書なのでドイツ語には深入りしない)。
「永久歯」を permanent teeth という(ジーニアス、東京書籍)。
permanent peace 「永久的な平和」(数研リープbasic)、「恒久平和」(ジーニアス)
a permanent members of the U.N. Security Council 「国連安全保障理事会の常任理事国」(数研リープ)
辞書では常任理事国は確認できなかったが、wikiで確認できる。 w:Permanent members of the United Nations Security Council
ほか、数研リープ(非basic)が temporary license を「仮免許」 としているが、しかし辞書ジーニアスおよびグランドセンチュリーでは、確認できなかった。
強制
force, enforce, compel , oblige
(束縛して) 強制 or 抑制 constrain
義務
duty
抵抗と反逆 resist, rebel
引き渡す deliver, surrender, hand over
降伏と屈服
全面降伏する surrender, submit
屈する yield
「~の要求に屈する」 yield to one's demands , give way to one's demands
辞書によくあるcompel の典型的な例文が「病気のため仕方なく~せざるを得なかった」的な例文。こういうときにcompelを使うようである。
辞書によると、compel はforce よりも意味が弱く、oblige (オブライジ)よりも意味が強い、
compelling で「説得力のある」の意味(旺文社1900 例文なし、ピナクル)。ただし、辞書にはこの用法の紹介が無い(ジーニアス・グランドセンチュリーで無いのを確認)。
compelling evidence 「説得力のある証拠」(ピナクル、旺文社パス単1級 も例文中に evidence あり)
普通、oblige (オブライジ)は「義務づける」と訳す。
単語集にはないが、思想の用語で「高貴たる者の義務と責任」と言う(英語ではなく)フランス語で noblesse oblige ノブレス・オブリジュ という単語があり、社会的エリートが兼ね備えるべき義務感のことを言う。
- ※ 範囲外だが、国語の教科書にも掲載されている現代文の論説文か何かで、「ノブレス・オブリジュ」(または「オブリージュ」など伸ばしたり)という語が出た事があります。
- このため、もしかしたら英語科目でも、この語を構成する oblige などは入試で狙われる可能性がやや高いかもしれない。
さて、英語では、名詞形 obligation が「義務」の意味。センチュリー英和で確認したが、法律的な「義務」も、道徳的な「義務」も obligation である。
旺文社1900では、 obligationの意味に「責任」を加えて、「義務」「責任」がobligation だとしている。数研リープでは obligation の意味は「責務」としている。まあ、「高貴なる者の義務と責任」が世界各国エリートの基礎教養なので、知的な英文ではそういうニュアンスで obligation が使われることも多いのだろう。
桐原4500では obligationの意味に「義理」を加えて、「義務」「義理」がobligation だとしている。
東京書籍4500 には、oblige の紹介は無い。
force は「強制する」の意味。
さて、「軍隊」「武力」も force である。
軍隊によって「~が強制された」という場合、どうすればいいのだろうか?
桐原4500では、force「強制する」の例文での「軍隊」を troop という単語で表現して、forceの同音意義語の問題をうまく回避している。
桐原の例文が「政府軍が反乱軍に降伏することを強制した。」と言う例文である。
なお「政府軍」は the government troops である。
反乱軍は the rebels である。なお、旺文社と鉄緑単語集が「反逆者」rebel として紹介(旺文社1900、鉄緑)。
桐原4500と東京書籍は rebel の掲載の拒否。おそらく resist で足りるという見解だろう。
なお、鉄緑単語集が、 rebel と resist のニュアンスの区別をつけるようなページ構成で、同一ページで紹介。
resist は、病気に対する抵抗力など、そういう場合にも使う(鉄緑)。
いっぽう rebel は、政府に対する反逆など、政治的・社会的な反逆のこと(旺文社、鉄緑、グランドセンチュリー)。
なお、protest「抗議する」である。混同しないように。
さて、単語集・辞書などで、よく反乱される対象は「政府」the government
rebel against the government 「政府に対して反乱を起こす」(ジーニアス、旺文社1900の語順を改変)
ほか、名詞形で「反乱」「謀反(むほん)」 rebellion である(旺文社、鉄緑)。
「降伏する」は動詞 surrender である(旺文社1900、東京書籍4500巻末)。なお、桐原4500は掲載の拒否。鉄緑では例文が無し。
surrender には(武器や陣地(要塞や城)などを)「引き渡す」という意味もある。
surrender the weapons to the police 「警察に武器を引き渡す」
surrender to the police 「警察に降伏する」
のように、to の先が降伏対象になる。
受験英語としては、先に「降伏する」を覚えたほうが、語法の前置詞 to の使い方を覚えやすいだろう。
降伏対象は必ずしも警察や軍隊などの公権力でなくてもよく、単に「敵」enemy に降伏する場合でも surrender を使う(旺文社、グランドセンチュリー)。
surrender to the enemy 「敵に降伏する」(旺文社1900、グランドセンチュリー)
辞書によくある例文では、降伏対象が「当局」authorities というのもある(ジーニアス、東京書籍)。
surrender to the authorities 「当局に降伏する」(東京書籍、ジーニアスに似た例文)
語源的な事を言うと、suppress 「鎮圧する」という動詞がある。
この冒頭のsuと、surrender「降伏する」 の su は 、ともに「下に」という意味である。
「降伏しないと『鎮圧』するぞ」とか、「鎮圧して、降伏させる」とか、どっちでも良いが、なんか相手を押さえつける的なイメージ。
なお、suppress の後半 press は、まさに「押す」なので、押さえつけるである。
これを知らなくても、そのまま surrender は覚えられるし、そのほうが暗記も早いだろうが、しかし、せっかくの機会だから「 su - 」 には「下に」の意味がある事も、覚えてしまおう。
yield も、降伏するの意味がある、ニュアンスが違う。
ジーニアスだと、一時的な屈服が yield だと書いてあるが、グランドセンチュリーでは確認できなかった。軍隊にも yield を使う。
- 「~の要求に屈する」 yield to one's demands , give way to one's demands
yield to his demands 「彼の要求に屈する」(グランドセンチュリー)
give way to their demands 「彼らの要求に屈する」(グランドセンチュリー)
- 「誘惑に負ける」 yield to temptation , give way temptation
yield to temptation 「誘惑に負ける」(グランドセンチュリー、ジーニアス)
give way to temptation 「誘惑に負ける」(旺文社熟語1000)
書類などを「提出する」submit には、「降参する」の意味もある。
submit to ~「~に降参する」
格闘技の「サブミッション」を知っていると、覚えややすいだろう。関節技をつかうレスリングの一種で、サブミッションというのがある。en:w:Submission wrestling
おそらく、関節技で、相手を降参させる格闘技。本当にそうか走らないが、「提出」よりかは服従の意味を覚えやすい。
「配達する」などの意味をもつ動詞 deliver にも、受験範囲外だが「引き渡す」の用法がある。
これを覚えておくと、ほかの受験範囲の用法も覚えやすいので知ってもらいたい。
deliver で引き渡す相手は、降伏対象に城などを引き渡すのでも良いし、子などに財産を「引き渡す」のでも良い。
deliver the property to ~ 「~に財産を引き渡す」(ジーニアスを改変)
のようになる。(※ 著作権のため、末尾を改変。~の部分に息子なり娘なりの英単語を入れて使う)
hand over は、権力や責任を「引き渡す」の意味である(旺文社熟語1000 例文が「権力」(工場の経営権b)の引き渡し、ジーニアス、グランドセンチュリー)。ほか、書類の「返還」や、基地・捕虜の「返還」などの意味もあるが、さすがに返還までは、範囲外だろう。
hand over は、使える場面が限られているので、基本的には「引き渡す」は deliver で覚えるのが無難だろう。surrender だと、「警察に武器を引き渡す」のように降伏っぽいニュアンスがある。
deliver について、辞書にある典型的な例文は、
deliver the message to him 「彼に伝言を伝える」(ジーニアス、グランドセンチュリーにそれぞれ似た例文)
ほか、deliver には「演説をする」の意味もあり、入試範囲である(桐原4500)。
deliver the speech 「スピーチをする」(桐原4500)
deliver the lecture 「講義をする」(グランドセンチュリー)
語感の -liver は、「自由にする」とかの意味で、
- 「手元から離れていく」→「配達、引き渡し」
- 「口元から離れていく」→「演説」
などのようにすると覚えやすいだろう。
なお、「配達する」の用法については、意外と例文を掲載している辞書・単語集が少ない。グランドセンチュリーしか、郵便配達の例文が無かった。
deliver the mail 「郵便を配達する」(グランドセンチュリー)
主語が配達員などで、配達先が不特定多数の場合、定冠詞 the を使わない用例も多い。
He delivers newspapers 「彼は新聞を配達する」(東京書籍4500を改変)
He delivers packages 「彼は小包を配達する」(旺文社1900)
なお、上記のように主語が三人称な事が多いので、動詞の末尾の三人称単数現在のsを忘れないように。
troop とか rebel とか、索引に無い単語ばかりである。
enforce は、強制一般の意味もあるが、法律によって強制する、というニュアンスがあり、例文もそういうのが多い。だがラグビーでエンフォースという用語がある。ラグビーの説明はしたくないので説明は省略。
センチュリーの英語によると、警察が市民に法を強制したりするのが enforce である。
桐原4500によると、法律を施行するのが enforce である。警官が法律を守らせる場合も、the police enforces the law のように、目的語は法律になる。
旺文社1900および東京書籍4500にも、似たような警官と法律の enforce 例文がある。
こういう事情もあってか、旺文社は1900はenforceの意味を「施行する」「実施する」としている。
桐原は、enforceの意味を「施行する」「遵守させる」としている。
なお、死刑執行で誰かを「処刑する」のは英語で execute (イクセキュート)である。
「死刑執行」「処刑」は execution である(数研リープ、桐原5500で「死刑執行」、旺文社1900)。
execute には、計画・命令などを実行したり(数研リープ、ほか辞書)、仕事を「成し遂げる」などの意味もある(ジーニアス、センチュリー)。ジーニアスによると「最後までやる」が原義のほうの意味とのこと。
処刑の意味は、処刑で「片付ける」的なニュアンスだろうか(特に言及されてはいない)。
summary execution で「即決処刑」である(ジーニアス)。 要約を意味する単語 summary には、形容詞として「略式の」という意味もある。
計画などの実行で使われるといっても、ただし、こういう固い語なので、技術の必要な難しい計画などの実行で使われるのが普通である(ジーニアス)。
また、このことからか、企業の重役のことをエグゼクティブ executive ともいう(旺文社、桐原5500)。executive には名詞「重役」の意味のほか、形容詞「経営上の」「行政杖の」などの意味もある(旺文社、桐原5500、ジーニアス、センチュリー)。
さて、「義務」「強制」概念の話にもどる。
義務教育も法律で強制されているが、しかし旺文社の例文によると、義務教育には oblige を使っている。
センチュリーを読んでたら、未成年の子供が起こした事故の弁償も oblige である。
桐原だと「大臣は半年に一度、報告書を提出することを義務づけられていた。」の義務づけが was obliged to send in a report である。
まあ、大臣はエリートだからだろう。
センチュリーで「世論の批判のため引退を余儀なくされた」の「余儀なく」もoblige である。まあ政治家という、国家権力者の一員たるものの義務と責任的な意味合いだろう。
しかし東京書籍4500は、compel の例文で「世論が大臣を辞職に追い込んだ。」を 使っており、センチュリーに反している。 まあ、とくに統一的な用法は無いのだろう。
なお桐原は、「その法律が雇い主に、(※ 社員の)健康保険を掛けることを強いる」をcompel としている。「(※ )」内はwikiでの追記。
単語集にはないが辞書によくある典型的な例文が、病気で「~を余儀なくされる」をcompelで表現することである。
センチュリー風に He was compelled by illness to ~なら「彼は病気で~を余儀なくされた」である。
ジーニアス風に His illness compelled him to ~ なら、直訳すれば「病気が彼に~することを余儀なくさせた」だが、無生物主語の和訳が高校の授業で嫌われるので、「彼は病気で」と訳す。英文学とかだと無生物の主語とか普通にあると思うし、普通の日本語でも文学・文芸でなくとも「病気が彼に~を余儀なくさせた」とか通じると思うし、なのに、かたくなに無生物主語の和訳を認めない高校英語教師や塾講師などはどういう了見なのだろうか。理解しがたい。
語感 pel の意味については 高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ5 で説明済み。プロペラとかと関係。
compel は受身形で、
be compelled to ~(不定詞)「~せざるを得ない」(桐原compel紹介ページの脚注、鉄緑)
という用法でも使われる。
なお、force も同様、受身形で「~せざるを得ない」で使われる(桐原)。
以外にも、旺文社1900には、この受け身の用法は書いてない。
ジーニアスは、本人の納得の上で余儀なくされる場合を oblige といい、そうでない場合つまり「本人の意思に反してさせる場合はforce や make を用いる」としている。
しかし、ジーニアスの例文では、税金を払う義務も oblige としている。
判断基準が不明である。
やはり、高貴たる者の義務と責任を基準に考えるのが良いだろう。
日本国憲法 第20条 の後半部
何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。 No person shall be compelled to take part in any religious act, celebration, rite or practice.
constrain 「(強制して)~させる」、「抑制する」という単語があり、旺文社1900とZ会・上が紹介している。
だが、2つの用法の意味がほぼ逆である。
Z会は、「束縛する」と覚えるように提唱している。自分自身を束縛しているなら「抑制する」だし、他人を束縛しているなら「(強制して)~させる」という事。
『高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ10』でも constrain を紹介。スペルの似ている restrain なども、こちらで紹介。
- 義務
duty, obligation
「義務」「義理」は英語で duty である。ジーニアスで確認したところ「義理」の意味もある。
on duty で「勤務時間中で」。
off duty で「勤務時間外で」
duty は、職務上の義務でも使われるが、道徳的な義務でも使われる。
その他、duty に「関税」の意味あり。桐原4500によれば、「ワインの関税」 duty on wine である。「免税店」は duty-off shop である。
obligation との違いとして、ジーニアスは obligation は「外的な事情から生じる義務」としているが、どうだろうか。ノブレス・オブリジとか、そうではないと思うが。
そう覚えるよりも do one's(myなど) duty で「~の義務を果たす」などの慣用表現で覚えるほうがよいと思う。なお、東京書籍4500と旺文社1900に、例文中に do one's duty がある。
obligation にはそういう平易な慣用表現は無いと思うので。
「分類する」
sort, classify
秘密を漏らす leak, betray
sort は、情報Iで習う、数値データなどの整列の「ソート」と同じ語であるが、しかし数研リープと旺文社1900以外では、sortの「整列」の意味を紹介していない。また、例文も無い。辞書ですら、ジーニアスもグランドセンチュリーも、整列を紹介していない。所持しているジーニアスの版が古く1990年代のものなので最近の版ではどうか知らないが、グランドセンチュリーのほうは2017年の版なのに紹介していない。
辞書よりも単語集のほうが進んでいる、という、珍しい例。
- ※ なお、当の「情報I」科目のソート自体、実教出版の『情報I』でしか紹介されていない(他社の東京書籍や数研出版や日本文教出版などは紹介していない)。
- ※ あまり英語教育の界隈では、データの整列は出題されづらいのだろう。(ただし、理系の大学はどうか知らない。)大学入試の単語集を見ても、文科系の大学ばかり出題の過去例文を扱うので(東京理科大とか芝浦工大とかああいう私大の過去例文は、英単語集で紹介されづらい)、理系の出題傾向がどうなっているか分かりづらい。
さて、上記の「分類する」の使い分けは、あまりハッキリしない。
単語集の例文などを見ると、どうやら書店や図書館などで書籍を「分類する」は classify を使っているようだ。
旺文社では「本は作家の名前によって分類されている。」 The books are classified according to the author's name.
東京書籍では「本はテーマによって分類されている。」 The books are classified according to subject.
である。
ジーニアスでも、受動形でなく能動形でだが図書館での本の分類に classify を用いている。
なお、(英和ではなく和英辞典の)ジーニアス和英によると、ごみの「分別」は separate である。
sort には名詞で「種類」という意味もあり、ほぼ、「種類」の意味での kind と似た意味である。
a kind of ~ 「~の一種」の代わりに、a sort of ~ で「~の一種」と言う場合もある。
しかし、別の用法で sort of で「多少の」「いくらかの」という意味もあるので、文脈から判断すること。
class には「等級」と言う意味もあるので、「等級づけをする」なら classify のほうが望ましいだろう。
余談だが、classify には「機密の」の意味があって、旺文社1900で document を見ると、
leak classified document 「機密文書を漏洩する」
という例文もある。
動詞 leak は、液体や秘密などが「漏れる」とか「漏らす」の意味。旺文社1900にある高校英語。東京書籍と桐原の3000語レベルにも4500語レベルにも書いてない。桐原5500に書いてある。 桐原5500の例文は秘密を「漏らす」ほうの内容。
なお、文書ではなく情報の「機密情報」については旺文社 leak を見ると、 a secret information と言っている。
桐原4500では、「機密情報」を confidential information と言っている(桐原4500のmake関係の熟語のmake use of ~ の項目)。
なお、ジーニアスによれば、「秘密文書」は confidential documents と言っている。このように、若干の表記のゆれはある。なお、ピナクル単語集では、日本語のほうが「機密文書」で、 a confidential document である。
このように、べつに「秘密」文書でも「機密」文書でも、どちらでも良い。
2010年にWikiリークという、各国政府などの機密情報をネット公開する海外サイトが世界的に話題になったからか、単語集では leak の例文が機密の漏洩ばかり。だが、もちろん液体などが漏れる場合にも普通に leak は使われる。
なお、wikibooksなど当wikiプロジェクトは、wikiリークとは全く別の組織。「wiki」とはソフト名の一種なので、まったく別の組織でも、wikiソフトを使っていると組織名がwikiなんとかと、似たような名称になることもある。
なおleakの名詞形は leakage であり、「漏れ」「漏出」「漏洩」の意味(旺文社1900)。だが、単語 leak 自体でも名詞の意味もあり、同じような「漏れ」という意味(桐原5500)。
betray は「裏切る」の意味だが、「秘密を漏らす」の意味もあり(桐原4500、旺文社1900)、しかもsらに2つの漏らし方の用法がある。
betray の一つは、裏切って「秘密を漏らす」(密告など)の用法である。
betrayのもうひとつは、うっかり「自分の本心などの秘密を漏らす」の用法である(旺文社1900)。
betray の秘密を漏らす用法の場合、目的語に来るのは、秘密のほうである。この用法の場合、たとえ裏切られた人がいても、その人は betray の目的語には来ない。
She betrayed his secret. 「彼女は彼の秘密をもらした。」(ジーニアス)
「秘密」については、secret や classify の他に、confidence (カーンフィデンス)という単語もある。
betray fear (表情などが)「恐怖を表す」(ジーニアス、グランドセンチュリー)
betray anger (表情などが)「怒りを表す」
といった用法もある。
辞書によくある例文は
Her face betrayed her fear. 「彼女の顔は恐怖を表していた。」(ジーニアス、グランドセンチュリー)
である。
さて、confidence は意味が「信頼」「自信」「確信」「秘密」と幅広い。
「信頼」と「自信」と「確信」については和訳でも同じ「信」の文字があるから、まあ連想できるとして(信頼の対象が自己になれば「自信」。「確信」とは、信じている自分への自信。など)、問題は「秘密」である。
信頼しあっている間柄での秘密、的なイメージで覚えるのが良いだろう。
形容詞 confidential の意味なら「内密の」というのがセンチュリー和英にもある。
だが、名詞の「秘密」のことを「内密」とは言わないので、confidence は「秘密」と訳すしかない。辞書もそうなっている。
ジーニアスによれば、「秘密文書」は confidential documents とのこと。
(※ 範囲外)暗号 crypt, cipher
コンピュータ業界では、「暗号化」の動詞には encrypt (エンクリプト)という動詞が使われている。
crypt (クリプト)で「暗号」の意味である。
暗号の「解読」はdecryption である。
もしかしたら、デコード decode でも通じるかもしれない。
なお、元素の希ガスのクリプトンの語源もこれで、ギリシア語で「隠されたもの」の意味。
インターネット通信などで、暗号化する前の文章を「平文」(ひらぶん)といい、英語でも plain text である。
他にも cipher (サイファ)「暗号」という語もあるが、しかしこちらは、あまりコンピュータ業界では用いられていない。コンピュータ以外の業界はどうか知らない。アラビア数字のゼロが、サイファの語源。
確認
check, confirm , confident
check が「チェックする」である。
身元を確認する verify one's identity, confirm one's identity
硬い態度など
firm「確固たる」, rigid「厳格な」, stubborn 「頑固な」、stiff(肩などが)「硬直した」、
穀物 cereal (シアリアル), grain
英語のチェック check はいろんな意味で使われ、意外と難しいので、日本語でそのまま「チェックする」と意味を覚えてしまうのが良い。東京書籍1800の単語集を見ても、checkの意味の説明で「チェックする」とそのまま書いてある。
check は「確認する」ことにも使われるし、確認したことを証拠に残すためのチェックマーク( ✓ )の記述にも使われるし、「点検する」ことにも使われるし、「照合する」にも使われるし、チェスの王手(いわゆるチェックメイト)にも使われる。このように意外と難しいからか、桐原4500では4500レベルとしてcheckを紹介している。
confirm が「確認する」「身元を証明する」である。(東京書籍4500)
なお、別の語で firm という語には「断固とした」「確固たる」の意味がある(旺文社1900、東京書籍4500)。
比較的に悪い意味は無く、
firm muscles 「引き締まった筋肉」(東京書籍4500、ジーニアス)
のように、形を変える柔軟さをもった場合にも使います(グランドセンチュリー、東京書籍4500)。
ほか、
a firm belief 「硬い信念」(東京書籍4500、ジーニアス)
a firm decision 「ゆるぎなき決定」「確固たる決定」(旺文社1900、ジーニアス)
です。
公式な場でも使えます。
範囲外ですが、reaffirm 「再び断言(宣言)する」という動詞もあるくらいです。国際政治のG7サミットの場でも、「世界の民主主義を守るために侵略国に抵抗することを、わがアメリカ合衆国は再宣言する」(意訳)みたいな意味でも使われているくらい、firm や reaffirm は公的にも使える語です[28]。
英検1級の教材にすら reaffirm は無いですが(パス単1級およびキクタン1級には無い)、しかしこう説明すれば、高校生でも分かるよね。
reaffirm は「固い信念で、ゆるぎなき決定で、引き締まった思いで、再宣言として断言する」という意味合いなのが、上記 firm の用例からも分かるでしょう。
reaffirm 自体は範囲外なので(英検1級すらも超えている)覚えなくても良いのですが、これを知っておくと、上記の東京書籍や旺文社の firm の例文が覚えやすくなる。数学の勉強や物理の勉強などでも、上級の理論を習得すると、ひとつ前の学年でならった理論が、理解しやすくなるという経験則があります。数学IIの三角関数を習得すると、数学Iの三角比の理解も深まる、的な。
reassure 「安心させる」
頭3文字だけ同じの別の単語で、高校英語では、reassure 「安心させる」という語があります(東京書籍4500巻末、鉄緑、旺文社1900)。桐原4500には無い。
なんとなく上記の説明を聞いた後だと、ついつい re(as) + sure と考えてしまいがちですが、しかし鉄緑が言うには re 「何度も」+assure「保証する」と覚えるべきとの事です。
何度も保証して安心させる、と覚えようと、鉄緑は言っている。
単語集で reassure のよくある例文は、母親が子供を安心させる例文で
My mother reassured me that ~ 「母親は~だと言って私を安心させた」(旺文社1900、鉄緑)
辞書だと、警察が安心させる例文がよくあり、
The police reassured her that ~「警察は~と言って彼女を安心させた」(ジーニアス・グランドセンチュリーを参考)
のような例文があります。
ensure という単語が鉄緑では紹介されているが、類義語と関係ないので本書では省略。
「頑固な」 stubborn (スタボーン)とか、(肩などが)「硬直した」stiff とはニュアンスが違います。
形容詞 rigid (リジッド)は「厳格な」です。
別のまとめで、「きびしい」harsh, strict, severe, rigid を説明しているので、そちらも参考にしてください。
「会社」や「商店」などの名詞 firm と同じ発音の語です(旺文社、桐原4500)。
a law firm 「法律事務所」(旺文社、グランドセンチュリー、)
なお、a law firm は米語です。
チェックについては、チェックリスト check list が英語にもあることを知るべきだろうか。
工場労働など屋内での社会人の点検業務では、可能なかぎり、忘れのないように点検内容を一覧表の list リストにして、それにチェックマーク( ✓ )を入れることで漏らさずにチェックをするという方法がある。
なお、チェックマークを入れるための視覚欄(大きめな □ )のことを、チェックボックス check box といい、これも英語にある(ジーニアスで確認)。
こういうチェックリストやチェックボックスの存在を知っていれば、check の「点検する」や「照合する」の意味も覚えやすいだろう。 語学の勉強というのは、こういうふうに英語以外のビジネス知識なども必要なのである。
checkを「チェックする」と覚えればいいと言ったものの、ただし上述のチェックボックスやチェックリストのように、仕事でも知的な仕事なら check という英語は使うので、覚えておく必要があるだろう。
桐原4500では、「医者が患者の血圧を調べる」という内容の例文でチェック check を使っている。check はそういう専門性の高い用途にも耐えうる単語でもある。
ほか、小切手も check といい、同じスペルだが、説明を省略する。ホテルなどのチェックイン check in , チェックアウト check out も同じ単語だが、説明を省略する。
IT系でも、よく会員制webサイトの登録画面などで説明書きを読んだか確認するためのチェックボックスが、海外サイトではよく使われる。
社会人になって就職するなどして、品質検査の方法などを習っていないので、あまり「チェックとは何か?」とか深入りしても、埒(らち)が あかない。
confirm は、高校生には馴染みがないかもしれないが、IT系では意外とよく、会員制webサイトのパスワード登録の画面などとして、海外サイトではよく使われる。
タイプミスが無いように、同じパスワードを再入力することが求められる(つまり、合計で2回、パスワードを手入力する)。その際の2回目のパスワードで「confirm 」などと項目欄に表示されていたりする。
グランドセンチュリーいわく、電話などの際、時間や依頼などの内容に間違いがないように確認することを confirm という。
パスワードの confirm も、まあ電話のそれと似たような用法だろう。
他の理由としては、「チェック」 check だと、IT業界では既に別の意味で、色々と使われていたりするから。
ほか、単語集には無いが、confirm には「決意や信念を強固にする」「決意や信念などを固める」という用法もある。なお、必ずしも良い感情を固めるとは限らず、疑念が強まった場合にも confirm は使う(ジーニアス)。
身元証明の典型的な例文で、誰々の「身元を証明する」という例文があり、
たとえば東京書籍4500では
「彼女の身元を証明する」confirm her identity
がある。
旺文社の例文を少し改造して(「郵便局員が私の身元を確認した」という内容)、「彼が私の身元を確認した」なら He confirmed my identity
となるだろう。
confirm でなくとも verify でも、「身元を確認する」のは言える。
verify his identity 「彼の身元を確認する」(旺文社1900 verify を改変)
IT用語で、verify は、ダウンロードしたファイルなどが改ざん(改竄、「かいざん」と読む)されていないかを確認するための事を言ったりする。confirm はニュアンスが違う。
「裏づける」の典型な例文が、裁判などでの「新たな証拠が彼の話を裏づけた」であり、東京書籍によれば、
「新たな証拠が彼の話を裏づけた」 The new evidence confirmed his story. である。
桐原4500にも、現在完了形であるが、ほぼ同じ英文がある。
confirm の名詞形は confirmation である。旺文社1900にだけ紹介されている(桐原4500と東京書籍4500はconfirmationを紹介していない)。
confident については、別の項目で説明した。confidence は意味が「信頼」「自信」「確信」「秘密」と幅広い。
単語集に共通の例文が見当たらないので、辞書などを購入して読んでほしい。
- 検査
なお、和英辞典で「検査」を見ると、testやinspectなど色々な単語がある。
testはどちらかというと「試験」である。
血液検査が blood test であり、聴力検査が hearing test だし、日本語では「検査」でも英語では test だったりする場合もある。
「テスト」と聞いて、日本の学校の学力試験しか思いつかないのなら、改めよう。英語では普通に、医療や工業などの検査でも test は使われるからである。
inspect は、査察官や検閲官をinsepector と言うので、そういうニュアンスもあるので、検閲・査察のニュアンスが強く、日本の「検査」には1対1には対応しない。
辞書によると、inspect とは、欠陥がないかと詳しく調べる、という意味である(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
東京書籍と桐原の単語集には inspect がないので、気にしなくていい。米英の行政の事情を知らないと inspector などは理解できないだろう。日本の高校生には不要な知識であろう。inspector という、そういう高校で習わない行政用語があるという事だけを知っておけば十分だろう。
なお、実は旺文社1900に inspect と inspector がある。inspector には「検査官」の意味のほか、「警部」の意味もあるとのこと。
だが、そもそも、英語の文脈においける「警部」とは何かという問題がある。ジーニアスでinspectorを見ると、米では「警視正」、英では「警部」とのこと。まあ、警察組織の現場職での上のほうの人、ぐらいの意味だろうか。
なお、語幹の -spect 「見る」という意味。暗記としては「内側を見る」→「詳しく調べる」→「検査」というふうに連想しよう。
なお、内視鏡とは関係ない。念のため辞書で inspect の前後を見たが、内視鏡は発見できなかった。
「視点」 perspective とか「見通し」prospect などの語幹のひとつの -spect と同じ。prospect などは別の単元で紹介済み。
なお、「捜査員」は investigator である。これだけだと難しそうだが、米国のFBIこと「連邦捜査局」が the Federal Bureau Investigation である(数研リープ、旺文社)。緑鉄も略語だけだが「FBI」を例文で使っている。「FBIくらい、知っておいてよ」という受験業界の意志がありそう。
「捜査する」は investigate である。
典型的な例文が
「警察がその殺人事件を捜査している。」 The police are investigating the murder.
である(桐原、ジーニアス)。緑鉄も殺人事件の捜査の例文。
なお
serial murder 「連続殺人」(緑鉄単語集)
である。
形容詞 serial 「連続した」 シリアル、またはシアリアルと読む。
名詞 murder 「殺人」「事件」 マーダーと読む
である。
なお、case 「事件」という単語もある。
受験範囲外だが、murderer (マーダラ)「殺人者」
つまり、murder (マーダー)に殺人者の意味は無い。
「調べる」の一般的な語は、 search で良いと思います。
probe 「精査する」は、よく科学調査などで、最先端の調査などに使われます。
また、「宇宙探査機」を名詞で probe と言います(旺文社、鉄緑)。
もともと、由来が、「短針」「探り針」というものです。
しかし、「そのジャーナリストは事件を徹底的に調査した」(東京書籍)のように probe を使う事もできます。ジーニアスいわく、新聞の見出しに probe が investigate などの代わりに使われるらしいです。おそらく字数が短いから見出しにしやすいのでしょう。
警察が事件を調査するのに probe を用いても構いません(キクタン1級)。
また、範囲外ですが、原子間力顕微鏡についている針も、 probe と言います。速読英単語の90年代の初期バージョンに、原子間力顕微鏡の話題があった。
工業高校とかで表面粗さ計(ひょうめん あらさけい)を使うと思いますが、表面粗さ計の先端のあの棒もプローブです。
さて、「穀物」 cereal (シアリアル)
とは別の単語(緑鉄単語集、旺文社1900)。
「穀物」とは、小麦(wheat)、大麦(barley)、カラスムギ(oats)、米(rice)など
「穀物加工食品」いわゆる「シリアル」)も同じ cereal である(旺文社1900、緑鉄)。
コーンフレーク cornflakes やオートミール oatmeal などのアレ(辞書ジーニアス、辞書グランドセンチュリーで確認)。
grain も「穀物」。
cereal も grain も両方とも食物なので、食べるかどうかでの区別はできない。というか、そもそも、そういう炭水化物の補給源となる食べられる食物のことを「穀物」と呼んでいる。
旺文社1900でも、grain を食べ物としている例文もある。なので、コーンフレークみたいなのを cereal というからって、grain が決して料理ではないという事にはならない。
grain には、「穀物の粒」という用法や(桐原、グランドセンチュリー)、砂糖や塩などの「粒」(グランドセンチュリー、ジーニアス)という用法もある、
a grain of wheat 「小麦の一粒」(Z速読・上)、「一粒の小麦」(グランドセンチュリー、)、
a grain of rice 「米の粒」(桐原、)
桐原は、高校生に気を使って、wheat を習っていない高校生でも分かるように wheat ではなく rice を使った例文にしてくれている。高校1年生くらいだったら、桐原さんの例文のほうが勉強しやすいわけで。さすがに日本人なら rice は知っているだろう。カレーライスとか知っているはずだし(小学校の給食でカレーライスも出ているはず)。
なお、カレーライスは英語で curry and rice である(ジーニアス)。curried rice だと、ドライカレーになってしまう(ジーニアス)。
どうも、ドライカレーという単語が、米英には無いようだ。また、注文のさいに rice をつけないと、コメ無しのが来てしまったりする。
カレー料理は個別に確認する必要があり、高校英語の範囲を超えるので、説明は省略。
cereal と grain の区別は、ネットには色々な説があるが、しかし辞書では確認できなかった。
なお、デンプン(でん粉)は starch (スターチ)である(教学社「医歯薬系の英単語」)。
さて、federal (フェデラル)は形容詞としては「連邦の」という意味であり、名詞としては「連邦」の意味である(ジー二アス)。
もうひとつの典型的な例文が、
「警察がその自動車事故の原因を調査している。」 The police are investigating the cause of the car accident.
である(東京書籍、センチュリー)。事故なので、捜査ではなく「調査」。東京書籍でも「調査」になっているし、センチュリーでは「調べている」としている。
なお、「探偵」と「刑事」は同じ detective という名詞である(旺文社1900)。英語では、「探偵」と「刑事」が同じ単語なのである。
detective を覚えたいなら、マンガの『名探偵コナン』の英語版タイトルが Detective Conan だと覚えるのが早い。
なお、名探偵ホームズや刑事コロンボなどの原作タイトルや映像版タイトルを見ても、 detective は使われていない。
なお、「コナン」だけだと、海外では1980年代前半のアメリカのファンタジー系アクション映画のコナン・ザ・グレートあたりと混同されかねない。
日本の推理小説とかで、民間人の探偵をわざわざ「私立探偵」a private detective(ジーニアスで確認)とか言うのは、英語の「刑事」 detective との区別から来ている。英語にすると、推理小説に出てくる刑事も探偵も同じ detective なので、区別のために民間人のほうは「私立探偵」と呼ぶわけだ。
もともと日本では江戸時代から「探偵」という語が治安部署で使われており、そのため明治時代の初期も刑事のことを「探偵」と呼んでいた。そのため、民間人のほうを区別のため私立探偵と呼ぶようになった。やがて、警察のほうの役職の名が「刑事」に変わり、令和のいまでは私立探偵のほうだけが日本語として残った。
動詞 detect の意味は、東京書籍いわく、何か見つけづらいものを「探知」「発見する」などの意味である。センチュリーいわく、隠されているものや悪事などを見つける場合に使うことが多いとのこと。
単語集にはないが、「探知機」が detector である(ジーニアスで確認できる)。ジーニアスいわく、金属探知機は a metal detector である。
この例のように、 detect で発見するのは別に犯罪事件の犯人でなくてもよく、たとえば桐原の例文では病院でのガン(癌) cancer を「発見する」ことを detect としている。
センチュリーいわく「ガス漏れを見つける」は detect a gas leak である。
センチュリーいわく、嘘を見破るのも detect である。東京書籍いわく、「スパイを見破る」は detect a spy とのこと。
locate という「位置する」と言う意味の動詞がある。名詞形 location が「位置」 の意味である。
この locate には、なにかの場所を「突き止める」という意味もある。
東京書籍が detect の単語の次に、locateの例文で「アジトを突き止める」を紹介しているが、著作権の都合があるので本ページでは紹介しない。
なお、アジトは a safe house である(東京書籍)。またアジトとは、犯罪組織や反乱組織などの「隠れ家」のこと。
なお、「隠れる」は hide である。
太陽が雲に「隠れる」みたいな平和的な「隠れる」も、犯人が「隠れる」も、 hide である(センチュリーで確認)。
「太陽が雲に隠れる」 The sun is hidden by clouds
である(ジーニアスとセンチュリーに、ほぼ同じ例文)。
なお、「隠れ家」「隠れ場所」には、hide-out という言い方もある(ジーニアスいわく「隠れ場所」)。旺文社では hide-out を「隠れ家」「潜伏場所」と紹介。
hide の活用は
hide - hid - hidden/hid
である。
さて、conceal という、「隠す」という意味の単語があり、物や秘密を「隠す」場合に使われる。
辞書を見た限り、conceal には、人が隠れるような用法はない。
単語集を見ると、conceal の例文で、感情を「隠す」ような例文もあれば(旺文社)、爆弾が「隠されていた」という例文もある(桐原)。
隠された秘密を「暴く」のは
reveal や uncover がある。
暴露(ばくろ)
reveal, uncover, disclose
reveal と disclose の違いは、reveal のほうが、くだけた語(ジーニアス reveal)。
reveal は、意図的に秘密を暴いた場合のほかにも、不注意などで秘密が漏れた場合にも用いる。旺文社の例文も秘密が漏れた場合である。
名詞形 revelation である。
よくある例文は、
「真相を明らかにする」 reveal the truth
である(東京書籍に和訳・英文とも同じ文。センチュリーでは「真相を漏らす」と訳)。
「秘密をもらす」reveal a secret(ジーニアス、鉄緑)
そのほか、単語集にはないが、物理的に隠れているなどして見えなかったものが見えるよう現れる事も reveal というが、単語集にないので無視する。
なお、光や危険などに「暴露する」ことは expose である(桐原)。
暴露(ばくろ)は「ばくろ」と読む。「ぼうろ」(×)ではない。
disclose
意図的に秘密を暴いたり、あるいは自分や自組織の秘密を公表したりする場合は、 disclose のほうが適切かもしれない。
固い言い回しなので、暴露や公表や自白などの対象となる秘密は、たとえばセンチュリーでは「彼はスパイであったこと」だとか、「その男の正体」だとか、 あるいはジーニアスでは「真実を新聞に暴露する」とか、なんかそんな感じの秘密ばかりである。
名詞形「公開」「暴露」は disclosure である。
「情報公開」は disclosure of information である(ジーニアス、旺文社)。
東京書籍4500および桐原4500には disclose が無い。
uncover
遺跡 ruin , (※範囲外)remain
「真相を明らかにする」 uncover the truth
のように使う(東京書籍)。桐原4500には例文なし。東京書籍は巻末おくりなので、解説なし。
uncover の語源は、見れば分かると思うが「カバーを取る」である(ジーニアスで確認)。
なので、単語集にはないが、容器などの「フタを取る」も uncover である(ジーニアス、センチュリーで確認)。
そして単語集(旺文社)にあるが、遺跡(いせき)などを発掘するのも uncover である(旺文社)。遺跡を埋めている土などをフタに見立てて覚えよう。
なお、「遺跡」は名詞で ruin (ルーイン)である。
日本語の話だが、「遺跡」と「遺産」は意味が違う。
ruin は「廃墟」(はいきょ)・「荒廃」(こうはい)という意味もある。このため、歴史的な「遺跡」は、現代は人が住んでいないような、歴史的な場所に使われる。、
「遺産」heritage は、必ずしも無人とは限らず、いまも人が住み続けていたり、観光以外で人が活用しつづけていても良い。
範囲外だが、名詞 remain 「遺跡」というのもある。だが。単語集を見ても remain は無いので、教育的な意義を remain は感じられてないようである。まあ、やや大げさだが heritage で言うほうが無難という事か。
ruin には動詞で「台無し」にするという意味もある。台無しのダイは台形の台である。
よくある例文は、大雨で休日が台無しになる文で、
The heavy rain ruined my holiday 「大雨で休日が台無しになった」(東京書籍4500ほぼそのまま、旺文社1900を参考)
The holiday was ruined by the heavy rain. 「休日は、大雨で台無しになった」
古代ローマ遺跡も ruin である(東京書籍、ジーニアス)。
ancient Roman ruins (東京書籍、)
the ruins of Rome
(※範囲外)英語の「廃墟」ruin というのは、遺跡のように、かなりボロボロになった建物や街並みのこと。
いっぽう、単に人並みの少ない町は、「ゴーストタウン」 ghost townという。
日本語の話だが、遺跡や遺産などは、基本的に建物や町などであり、規模が大きい。いっぽう、それほど大きくない場合は(たとえば設備の一部などなら)、「遺構」(いこう)という。
不安
anxiety, alarm, dread
恐怖 fear、 horror, terror, dread
? nightmare
料金 fare , fee ,charge
入場料 entrance fee , admission
保険料 premium
経費 expense
警報 alarm
警戒 alert
警告 warning, caution
複製する copy, duplicate, (※範囲外)replicate
旺文社1900によると、alarm の出題番号が549 で、alarm が「不安」「恐れ」を第一義で紹介されており、anxiety (「不安」「心配」)の形容詞 anxious の583番よりも alarm のほうが早い。
勘弁してほしい。
まずalarm は普通、警報器のことである。実際、東京書籍3000では、alarm は「警報器」「目覚まし時計」の意味でしか紹介していない。
桐原4500ですら、「驚き」「恐怖」の意味を紹介しているが、しかしalarmの第一義はあくまで「警報(器)」というのが桐原のスタンスである。
とはいえ、旺文社は大学入試の出題順に紹介しているだけである。つまり、日本の大学入試がロクでもないのだろう。
なお、ジーニアスによると、alarm の第一義は「驚き」「恐怖」である。なお、語源はイタリア語の「武器を取れ」all'armeである。
なるほど、alarm アラームの語尾 -arm が「武器」 arm と同じわけである。
現代では、普通、「驚いた」は be surprised at などを使うだろう。
どうしても「驚き」「恐怖」の意味で使いたいなら、死の恐怖のある文脈で使うと、頭良さそうに見えると思う。
ジーニアスの例文でも、「シカは驚いて逃げていった」の例文で in alarm という用法を使っている。狩人や肉食動物などによる死の恐怖を感じたシカ的な用法。
しかし、ジーニアスによれば、恐怖の意味での alarm は「fear より固い語」である。
fear (フィエア)は「恐怖」「不安」である。まずfear は「恐怖」で覚えよう。4500語レベルではなく、桐原3000と旺文社1400にfearはある。あと東京書籍4500。
典型的な例文が、「高所恐怖症です」であり、ジーニアスと東京書籍にそういう例文がある。
I have a fear of heights. 「私は高所恐怖症だ。」
である。
単語集にはないが、辞書によくある例文が「恐怖で顔が真っ青になる」であり、
turn pale with fear 「恐怖で顔が真っ青になる」
である。センチュリーが pale (ぺイル)である。
ジーニアスだと、white を使い、
turn white with fear 「恐怖で顔が真っ青になる」
である。
なお、形容詞 fearful で「恐ろしい」「恐れている」の意味。
なお、horror で、戦場での死の恐怖も表現できる。日本語の「ホラー」のような幽霊やら悪魔などのオカルト限定のような制限は無い。
名詞形 terror (テラー)は「恐怖」「テロ行為」という意味がある。
なので、terrible には「恐怖の」という意味もある。
派生語の名詞「テロリスト」terrorists を覚えるのが良いだろう。
ほか、名詞 territory (テリトリー)「領土」「なわばり」も覚えておきたい(桐原4500、東京書籍4500)。三省堂 CROWN I を見ると、もう高校1年で territory を教えている。動物などの「なわばり」も territory で表せる。
なお、「国境」は単に border で通じる。 American border みたいに、国名の形容詞のあとに border を言えば、それでアメリカ国境の意味になる。
ほか、難単語だが、 deteriorate 「悪化する」がある。よく見ると、内部にある terior が、恐怖 teroor の変形である(数研出リープ)。
なお、平易な熟語で become worse 「悪化する」 または get worse 「悪化する」 でも通用するし(数研リープ)、米英の日常ではこちらのほうが多いとの事(数研リープ)。
dread (ドレッド)は、「ひどく怖がる」「ひどく恐れる」のような意味。fearよりも、dread は恐れる度合いが強い(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
旺文社いわく、発音注意。「ドレッド」である。
- (※ 範囲外)発音およびスペル的には、髪型のドレッドヘア dreadlocks とか、戦艦のドレッドノート級 (弩級戦艦) dreadnought ,dreadnaught とかのdreadと同じスペル(語源がどうかは知らない)。
形容詞 dreadful 「ひどい」「おそろしい」の意味。
horrible などとの類義語であり(グランドセンチュリー)、区別は難しそうである。
なお、鉄緑は fearful を類義語としている。
ほか、apprehension 「懸念・不安」という単語もあるが、鉄緑しか紹介していない。辞書ではジーニアスにしかない。つまりグランドセンチュリーのapprehensionに「不安」の用法は無く、「逮捕」の意味しかない。
「悪夢」を意味するnightmare (ナイトメア)という単語があり、旺文社・鉄緑が紹介している。nightmare の別の用法に旺文社が「不安感」の意味があると紹介しており、ジーニアスが「恐怖感」の意味があると主張しているが、例文が見当たらない。
なお、グランドセンチュりーが「悪夢のような経験」「ひどい状態」というような意味があると主張しており、例文もある。
「被災地にたどりつくのは、大変な苦労だった」で nightmare を使っている。
「ひどい経験」みたいな「大変な苦労」でも nightmare を使ってよいらしい。
料金 fare , fee ,charge
入場料 entrance fee , admission
fear とスペルの似ている fare(フェア) は「運賃」「なりゆき」であり、意味がまったく違う。
「運賃」、言い換えれば「乗り物の料金」が fare である。いっぽう、医師や弁護士などの料金は(乗り物ではないので) fee である(旺文社1400)。
fare は、乗り物のフェリー ferry と語源は同じ(数研リープ basic)。なので、fare は「運賃」と覚えやすいだろう。フェリーも乗り物なので。
伝達手段 vehicle , media
なお、陸上のエンジンついた「乗り物」はまとめて vehicle (ビークル)という(数研リープ「エンジン」あり、東京書籍、桐原)。自動車からトラクターまで、ビークルである。
vehicle には「伝達手段」という意味もある。
「詩は私の思想を伝達する手段です」(数研リープ)のように使う。
旺文社1900だと、巻末のTEAP対策の単語になってしまう。旺文社1900だからといって、何でも解説しているわけではない。
数学II B あたりで「ベクトル」( vector )という分野を習うが、これも語源が同じで、「運ぶもの」と言う意味(数研リープ)。
vector は、英語では「ベクター」と読む。「ベクトル」とはドイツ語風の読み方。
単語集には無い話題だが、生物学などで、なにかの菌・ウイルスとか遺伝子とかを運ぶ微生物などを「ベクター」と呼ぶ。
なお、医師でも弁護士でもない施設の「入場料」も an entrance fee である(中学・受験研究社、東京書籍3000巻末、旺文社1400)。
医者・弁護士の料金と、入場料とが、同じ単語だと覚えよう。あとは「入場料」entrance fee を覚えれば、そこから連想で、医者・弁護士も fee だと思い出せる。
ほか、「授業料」(旺文社1400)や「受講料」(桐原4500)も fee である。school fee のように明示する場合もある(鉄緑)。
「授業料」には tuition (チューイション)という言い回しもある(数研リープ)。
tuition を直接的に覚えるのは難しいので、まず「チュートリアル」tutorial を覚えよう。元の意味は教育用語だが、現代では、その元の意味とは別に、よくソフトウェア業界などで、ソフトの使い方をビデオなどで紹介したものをチュートリアルと言う。en:w:tutorial
ほか、ソフトウェアの使い方を教えるためのプログラムおよびメニューがソフトウェア内部に組み込まれている場合もあり、そういうのもチュートリアルといい、ユーザーの操作に応じて解説や指示などが表示されたりして、操作方法の入門がしやすいようになっている。
ついでに、「チューター」 tutor を覚えよう。「家庭教師」や(旺文社1900、数研リープ)、大学では、演習科目などで、(教授の管理のもと)同じ学科の後輩の指導をする上級生のことを tutor という。
よく、研究室の4年生や院生が、1~2年生の実験科目や演習科目などの面倒を見たりする。
ただし、大学のほうは、最近は、ティーチング・アシスタント(TA)ともいう。
なので、「家庭教師」のほうを覚えれば tutor は充分だろう。
よく、大学の授業料のことを、単語集では college tuition (旺文社1900、鉄緑)または university tuition (Z速読英単語・上)と言う。
なお、入場料について、entrance の代わりに admission を使う場合もある。つまり、
an admission fee「入場料」ともいう。(桐原4500 admission の項目、旺文社1400 admission の項目)。
「電車の運賃」a train fare である(旺文社1400、桐原4500、東京書籍4500巻末)。「電車賃」と和訳しても良い(桐原4500)。「列車の運賃」でも良い(東京書籍4500巻末)。なお、文脈に応じて複数形 train fares にしても良い(東京書籍4500巻末)。
単語集だと「電車」ばかりだが、別にバス料金でもタクシー料金でも良い。「料金」でなく「運賃」で訳してもいい。つまり、
- a bus fare 「バス料金」「バス運賃」(旺文社1400、ジーニアス、グランドセンチュリー)
- a taxi fare 「タクシー料金」「タクシー運賃」(旺文社1400、ジーニアス、グランドセンチュリー)
である。
なお、「運賃」fare は、形容詞「公平な」 fair と同音である(旺文社1400、ジーニアス)。
charge は「サービスに対する料金」(旺文社1400、桐原4500)
なお
in charge of ~ 「~の担当で」(旺文社1400、桐原4500)
「罰金」は a fine である。
expense は、「人件費」とか「医療費」とか「学費」とか(旺文社「人件費」、グランドセンチュリーがその他)、経費をいうときの「費用」(旺文社)。
おそらく、帳簿的というか、家庭内のことでも家計簿的なのが expense かと。
「保険料」 premium は、旺文社1900しか紹介していない。鉄緑、桐原4500、東京書籍4500は紹介していない。
なお、辞書で見ると、premium には「割り増し料金」の意味がある。
これをもとに考えれば、「保険料」も、たとえば「日常生活では不要だけど、非常時のためにそなえて割増料金を払って保険で対応してもらう」のように暗記しやすいのでは。
「褒賞金」(ほうしょうきん)もpremium 。なお、ここでいう「褒賞金」とは文字通り、褒美や賞金と言う意味。
なお、日本語の問題だが「報奨金」「報償金」「褒賞金」と同音異義語が多い。意味はそれぞれ文字通り。「報償金」だと、弁償や賠償のお金になってしまい、意味が大きく違うので注意。
premium には、形容詞「高品質な」「高給の」の意味もある(旺文社1900、グランドセンチュリー)。
- 「高品質なものは値段が高い」→「値段が高いから、割り増し料金だ」→「割増料金だからプレミアムだ」
みたいに連想すると、覚えやすい良いだろう。
なお、日本語では「プレミアム」「プレミア」と外来語になっているが、 premium の英語の発音はプリーミアムのほうが近い(旺文社1900 発音注意)。
さて、「フェア」の話。スポーツの「フェアプレーの精神」などの意味の「フェア」は fair であり、スペルがまったく違う。なお、この形容詞 fairは「公平な」の意味である(桐原4500など)。
商店の安売りなどの「フェア」は、「お祭り」という意味の 名詞 fair であり、フェアプレーの単語とは同音異義語である(桐原4500)。ジーニアスによると、英語以外の言語に feria (フェリア?)という「祭日」を意味する単語があるらしい。商店の安売りの他、ジーニアスによれば「博覧会」や「見本市」も fair である。
関心事 affair , concern
米国の外交問題についての専門雑誌で「Foreign Affairs」というのがあるが、affair (アフェアー)とは「出来事」「関心ごと」の意味である。affair は別に恐怖とは関係ない。「Foreign Affairs」は戦争の話題が多い雑誌だが、しかし雑誌名は「恐怖」とは全く関係ないので誤解しないよう。
なお、Foreign Affairsを直訳すると「外交問題」になる(鉄緑)。鉄緑単語集に、雑誌名としての紹介は無いが、Foreign Affairs 「外交問題」という語句の紹介がある。
日本国憲法にも、
第73条内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。 一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。 二 外交関係を処理すること。 三 条約を締結すること。 Article 73. The Cabinet, in addition to other general administrative functions, shall perform the following functions: Administer the law faithfully; conduct affairs of state. Manage foreign affairs.
と「外交関係」と訳している。
外務省のような意味での「外交」そのものの英語は diplomacy (ディプロオマシー、※発音注意) といい(桐原4500、東京書籍、ほか)、「外交術」(東京書籍巻末)・「外交手腕」(速読英単語・上)の意味もある。「外交官」が diplomat である。形容詞 diplomatic (ディプロマティック)は「外交の」である。
なお、範囲外だが、diploma (ディプロウマ)は「(大学や高校などの)卒業証書」という、まったく別の意味である。
high school diploma 「高校の卒業証書」(グランドセンチュリー、パス単準1)
ほか、「時事問題」は current affairs である(Z会速読英単語上級編、ジーニアス和英 affair)。
「大使」は ambassador (アンバサダー)である(数研リープ、鉄緑)。
an American ambassador to Japan 「駐日アメリカ大使」(鉄緑)
an Japanese ambassador to America 「駐米日本大使」(数研リープ)
のように使う。
大使を紹介している英単語集は少ないが、しかし、よくニュースなどで見かける使う語なので、覚えておこう。
なお、「大使館」は embassy である(数研リープ、鉄緑)。さすがに embassy まで覚える必要は無いだろう。
the U.S. Embassy 「アメリカ大使館」(鉄緑)
the British Embassy 「英国大使館」(数研リープ)
さて、「浮気」とか「不倫」とかも affair と言う。恋愛雑誌やらで時々「アフェア」とか言う単語があるのは、この意味だろう。
単語集にも、実は鉄緑単語集の項目 reveal 「暴露する」(ばくろする)の例文中に love affair があり、「情事」と和訳している。高校生は「情事」と聞いても知らないだろうか補足すると、性的ないわゆる「肉体関係」のこと。
もちろん、夫婦とか未婚動詞の恋愛関係の性的関係を暴露しても何の問題もないので、鉄緑の例文は、そういう関係でない不倫とか何かそういうのの曝露だろう。
「心配している」という be concerned という動詞だか形容詞もある。名詞で、同じスペル・発音で、「関心事」「心配事」 concern という名詞もある。
日本語だと「心配している」と能動系だが、英語だと be concerned と受身形になる。「驚く」 be surprised などと同様。
よく、
be concerned about ~ 「~について心配している」
と、前置詞 about が用いられる。
be concerned wit ~ 「~と関係している」「~に関心がある」
のように、with だと意味が変わる(鉄緑、旺文社1900)。
よくある例文は、「計画に関与している」というヤツで、
He is concerned with hte project. 「彼は計画に関与している」(速読英単語・必 および グランドセンチュリーを参考)
as far as A is concerned 「Aに関する限りは」(鉄緑、グランドセンチュリー)
のような熟語もある。なお、A の次に来るのは be 動詞なので、もし「私に関する限りは」と言いたい場合は
as far as I'm concerned (グランドセンチュリー)
である。
東京書籍3000がすすめているが、「(重大な)関心事」と concern を覚えるのが良いだろう。
心配事は、重要性が高いから心配するわけで。
なお、「不安」の意味で concern を使う事もあり、その場合は anxiety 「不安」が類義語になる(ジーニアス)。ただ、ジーニアスは言及していないが、anxiety とはニュアンスはやや違うだろう。
concern よりも anxiety のほうが、不安のニュアンスが強いだろう(特に出典は無い)。
anxiety は、たとえば「ダメなんじゃないか・・・不安だ」くらいなニュアンス。
concern は、「どうなるのかしら・・・とても気になる」くらいなニュアンス。
どちらとも失敗に終わる可能性も想定しているが、anxiety は、失敗の場合の不安にニュアンスがある。concern は、関心事としてのニュアンスが強い(特に出典は無い)。
なんと前置詞で、concerning 「~についての」「~に難する」と言うのがあり(鉄緑、速読英単語・必、旺文社1900)、about (ジーニアス)や regarding(鉄緑) に近い意味がある。ただし、単語集には例文が無いので、入試には、めったに出ないだろう。
さて、「警報器」alarm の典型的な例文が
「火災警報器」 a fire alarm
である。これは東京書籍も桐原も紹介している。
なお、スペルの似ているアラート alert は、alert は名詞では「警報」「警戒」の意味だが、形容詞では「警戒している」の意味がある。(桐原5500、旺文社1900)
また、形容詞でalert は「油断しない」の意味もある(東京書籍4500)。
単語集の「警戒している」の例文では、よく警察官や兵士などの警戒が出てくる。
警察官の場合なら、
The police officer is alert ・・・
で、「警察官は警戒している」の意味になる。
つまり、
~(人) be alert
の語順になる。
warning は「警告」である。翻訳の都合で「警報」と訳したほうが自然な場合もあるが、warning の意味としてまず第一に覚えるべきは「警告」である。
東京書籍で「洪水」 flood を見ると、「洪水警報」 flood warning がある。辞書 warning では確認できなかったが(ジーニアスとセンチュリーで、warningとfloodの両方を確認)、しかしセンチュリーいわく「空襲警報」が air-raid warning なので、たぶん洪水警報も合っているのだろう。
warn は「警告する」であり、医師が患者に「酒を飲みすぎないように警告する」とか(センチュリー)、嵐の接近を警告するとか(センチュリーとか)、そういうニュアンスである。
warn ◯◯(人) of ~ で「◯◯(人)に~を警告する」である。
記法を変えれば、
warn A of B 「BについてAに警告する」
です(桐原、旺文社、東京書籍)。
東京書籍が紹介していますが、
warn me of the enemy 「敵がいるぞと私に警告する」
です。
なお桐原は、喫煙の危険性(risk)を警告する例文です。ジーニアスは、旅路か何かの危険(danger )を警告する例文です。危険という概念で統一的に説明できそうですが、直接的に言い回しを覚えたほうが早いでしょう。
of はよく「~の」と中学で教わりますが、それだと意味が通りません。
さて、inform 「(情報などを)知らせる」という単語にも、
inform A of B 「BについてAに知らせる」
という語法があります。
桐原が
inform him of the result 「彼に結果を知らせる」
のような例文を紹介しています。
なお、典型例の言い回しは、
Please inform me of the change in ~ 「~の変更を私に知らせてくれ」
です(旺文社、センチュリー)。
ともかく、warn A of B は inform A of B と関連づけて覚えましょう。
桐原がそういう覚え方を進めています(warn と inform を同一ページで教えている)。
ただし、東京書籍のようなcrisis (危機)など関連語の紹介は、桐原では同一ページにないですが。どの単語集も、一長一短です。
なお、東京書籍3000には、なんと inform の項目がありません。information はあるのですが。
なお、information は数えられない名詞なので複数形が無いので、「2つの情報」は two pieces of information と表す。「ひとつの情報」は a piece of information です(東京書籍3000)。
桐原は、remind A of B(思い出させる) や convince A of B(納得させる、確信させる) や inform A of B と warn A of B や suspect A of B (疑う)などをまとめて、
「関連の of」という概念を提唱しています。
ただ、そう解釈しなくても、
このうち、「警告する」warn と「思い出させる」remind も情報提供の一種ですので、
「情報提供の of 」とでも言える概念で、
remind A of B と inform A of B と warn A of B をまとめられます。
だとすると、暗記するのは残りの
convince A of B (Bを納得/確信させる)と suspect A of B (B(容疑など)の疑いをかける)だけに減らせます。
このうち、 convince は、他人に何かの納得をさせる際に、説得などの情報提供が行われるでしょうから、広い意味での「情報提供の of 」と言えるかもしれません。暗記の負担がこれで減ります。
だとすると、残りは suspect A of B 「AにBの疑いをかける」です。
この場合、なんの情報提供もしていません。
また、of B の部分は形容詞的な意味です。
made of ~ で、「~を材料に作る」とかの意味であり、完成品を一目で見て材料が分かるなら made of です。
材料が、完成品を一目みてもわからない場合は made from ~ です。
この suspect A of B と made of B の共通する「of B」で、「性質の of」とかの概念を考えてもいいかもしれません(英語学でどうかは知りません。自己責任で)。
ほか、英文法で、「It is 形容詞 of 人」と「It is 形容詞 for 人」の使い分けなどがあります。人の性質を言う場合は「of 人」です。これから類推する方法もあるかもしれません。
まあ、最終的には suspect A of B 「AにBの疑いをかける」を直接的に覚えるしかありません。
warn ◯◯(人) against ~ing で「◯◯(人)に~しないように警告する」である。
たとえば、よくある例文が、「彼は道路を横断しないように私に警告した」(ジーニアス)あるいは川を渡らないように私に警告した(東京書籍)、であり、
He warned me of against crossing the river. 「彼は川を渡らないように私に警告した」
である。
動詞および名詞の caution は、動詞としては、たとえば医者などが肝硬変の患者に「酒を飲むな」と注意・警告するときの「注意する」「警告する」が caution である(桐原5500)。東京書籍4500の例文も、薬の取扱いの注意を caution としている例文。
ただし、辞書では、警察などの警告・注意もcautionである。このため、warningとの区別は、なかなか難しい。
ジーニアスが言うには、cautionのほうがwarningよりも軽いとのこと。
形容詞 anxious (アンクシャス)は「心配している」「不安に思っている」である。
be anxious about ~ で「~を心配している」である。
He is anxious about ~ なら「彼は~を心配している」である。
よくある例文が、「彼は試験の結果を心配している」であり、東京書籍とジーニアスにそれに似た例文がある、
He was anxious about the result of exam. 「彼は試験の結果を心配している。」
となろう。(wikiオリジナル)
ジーニアスだと、母親視点の「息子のテスト」だが、まあこういう例文がよくある。
be anxious for ~ は「~を切望している」である。
桐原の「新しいコピー機が欲しくてたまらない」なら be anxious for new copy machine である。
ジーニアスだと(私は)「新しいコンピュータが欲しかった」なので、
I was anxious for a new computer. 「新しいコンピュータが欲しかった。」(※ ジーニアスanxious例文から引用)
である。
コピー機は、duplicating machine 「複写機」ともいう。
これは英検を批判しなければいけないのだが、duplicate は単に「複製する」ではなく、「重複」という意味である(ジーニアス)。
IT業界では、たとえばプログラムなどが重複しているときに、 duplicate などが言われる。 remove duplicates みたいな感じのコマンドがある。
たとえば、コマンドで「重複しているプログラムを消せ」みたいな事を命令するとき、あるOS では duplicated を remove しろと指定する事もある[29]。たとえば「重複しているデータのうち、古いほうを消せ」みたいな時、 remove duplicate みたいな語句のコマンドを入力することも、ITではよくある。
IT系での他の事例としては、あるソフトウェアをインストールしたい時に、すでにバージョンの微妙に異なる旧バージョンの同種のソフトウェアがあると、そのようなときに「重複」duplicate という。ソフトウェアによっては、旧バージョンが干渉して最新版をインストールできない場合があり(必ずしも出来ないとは限らない)、そのような場合、先に、重複している旧バージョンのプログラムを削除してから、最新版をインストールする事がある。
このような場合、何らかの方法で、重複(duplicate)を解決する(resolve)必要があって、Resolving duplicate などとも言ったりする[30][31]。
単にコピーするだけなら copy でも言えるわけで。そんなのよりも、「重複」のほうが重要な使い方である。
なお、大学入試では、医学部などで、遺伝子の「複製する」などで duplicate が出てくる。この場合は、DNAの複製はその遺伝子の数が一時的に2倍になるので、そのことからダブル的な意味で duplicate を使っていると思われる(まあ、外人さんの語感の問題だろうが)。
範囲外の単語だが、replicate 「複製する」という動詞がある。これは、実験を「繰り返す」場合や、ウイルスが「自己複製する」ときに使われる。
美術品の、原作でない精巧な模造品を「レプリカ」replica というが、これも派生語である。
おそらく、実験を繰り返すほうの replicate は、repeat を固くした表現だろう。ウイルスの自己複製のほうは、reproduce 「生殖する」あたりが混ざっていると思われる。外人さんの語感の問題なので、深入りしない。
高校の単語集は扱わないし、replicate はあまり教育的だと思われてないのだろう。
まあ、これを知っていると、duplicate「複製する」と reproduce「生殖する」を覚えやすくなるので、まあ参考程度に。
DNAの複製が duplicate なのに、ウイルスの自己複製が replicate とか、英米人の考えることは複雑怪奇(ふくざつ かいき)。
名詞形 anxiety で「不安」「心配」「切望」である。東京書籍4500には「切望」が書いてないが、しかし桐原4500と旺文社1900には切望が書いてある。
なお、 eager (イーガー) は「熱望している」である。切望 anxious とは、ややニュアンスが違う。
nervous は「神経質」と訳されるが(語源がnerve「神経」なので)、実は多義語であり、「いらいらしやすい」みたいな意味の他にも、nervous には「緊張しやすい」「不安な」の意味もある(旺文社1900、ジーニアス「緊張して」「心配して」、鉄緑「緊張している」)。
- ※ 動詞 irritate 「いらいらさせる」 については 『高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ30』
思い出関係
remind ,recall
,remember
動詞 「remind <人> of ~」は、「<人>に ~ を思い出させる」である。
典型的な例文は、
That song remind me of ~ 「あの歌は私に ~ を思い出させる」
さらに、
That song remind me of my school days. 「あの歌は私に学生時代(の日々)を思い出させる」(東京書籍3000)
とか
That song remind me of the old days. 「あの歌は私に古き日々を思い出させる」(旺文社1900に似た例文)
とか、古き良き日々を思い出す例文が典型的。歌は記憶のスイッチ。
動詞 recall は、主語が「思い出す」である(東京書籍、桐原4500、旺文社)。
典型的な例文は、
I can't recall the name of ~ 「~の名前を思い出せない」
のような例文。このように、意識的に思い出そうとするときに recall を使うことが多い。グランドセンチュリーいわく、「忘れたことを思い出そうとことさら努力する」のが recall である。
いちおう、recall にも実は「思い出させる」の用法もあるが(ジーニアス、グランドセンチュリー)、しかし単語集ではこの用法は触れていない。
なお、商品を「回収する」 recall と同じ単語である(規律4500)。
remember は、「覚えている」の意味が基本だが、実は「思いだす」の用法もある。
いっぽう、「思い出させる」の用法は無い。
remember me ~ing の意味は「私が~したことを思い出す」の意味である。
けっして、私「に」思い出させるわけではない。
なお、過去に「~したことを覚えている」場合は remember ~ing (動名詞)
これからする予定を「忘れずに~する」のは remember to do (不定詞)
である。
武器・兵器
weapon, arm
大量破壊兵器は weapons of mass destruction であり、略称は WMD である(桐原4500、旺文社1900、鉄緑、ジー二アス、グランドセンチュリー)。
また、核兵器は nuclear weapons である(桐原4500、旺文社1900、東京書籍、ジー二アス、グランドセンチュリー)。
だいたい、arms だと、「腕」(うで)と まぎらわしい。
兵器には、なるべく weapon を使うのが無難だろう。
なお、動植物の角(つの)や爪(つめ)や刺(とげ)なども、weapon である(ジー二アス)。
weapon は、日本では「兵器」と訳される場合が多いが、しかし英語では weapon は広く攻撃のための道具を表す用語である。
単語集にはないが、山川の英語版・世界史にあった単語で、
rearmament が「再軍備」である(ジーニアス)。ナチスによるドイツの「再軍備」みたいな文脈で rearmament を使える。
ほか、disarmament が「軍縮」である。啓林館 Vision Quest I(P.111) が「軍縮」disarmament を紹介しています。
なお、名詞 army は「陸軍」「軍隊」の意味です(桐原3000、旺文社1400(緑)、東京書籍4500、数研リープ)。
「海軍」は navy (ネイビー)です(東京書籍、桐原、数研リープ)。
「空軍」は air force です(東京書籍、桐原、数研リープ)。
「軍事の」は military です(東京書籍、桐原、数研リープ)。
数研リープだと army やnavy や air force は military の「参考」とされていますが、しかし上記のように桐原や東京書籍などにも普通に書かれている頻出語ですので、navy なども覚えておきましょう。
陸軍と海軍も空軍もまとめて「軍隊」と言いたい場合、army だと陸軍とまぎらわしいので、military force という場合もあります(東京書籍)。
ただし、「軍事力」も military force です(桐原)。
このため、翻訳などの際は、文脈にあわせて、うまく訳してください。
軍「隊」との混同を嫌ってか、単語を power を使って「軍事力」は military power という用法もある(ジーニアス military、センチュリー power)。
ほか、「軍隊」を the armed forces と言ってもいい(桐原、forces )
「兵士」は soldier (ソルジャー)です(東京書籍、桐原)。
東京書籍いわく、さらに「将校」(しょうこう)は officer (オフィサー)です。
とはいえ、「将校」(しょうこう)と言っても、何のことだか分からないのが普通の高校生でしょう。
軍隊の上層部や、将来的にそうなる見込みの高い軍隊の大学を出た軍人や、あるいは同程度に一定以上の階級の高い指揮官のことを、将校と言います。
最下級の階級である兵士は当然、将校ではないです。
「兵士長」とか「軍曹」とかの現場の下の方の中間管理職も、ふつうは将校とは言わないです。ただし、文脈によっては、「軍曹」なども将校という場合があるかもしれません。
『「将校」という単語くらい知っとけや。日本史の勉強すれば出てくるんだからさ~』というのが、東京書籍の心のさけびでしょうか。
戦後の自衛隊ではあまり「将校」とは聞かなくなりましたが、海外の軍隊の説明だと今でも使います。
戦前でも、よく二・二六事件とかで「青年将校」がどうのこうの、という解説を読みます。こういう英語を知っていると、英語力だけでなく日本史などの知識も披露できて、頭よさそうに見えます。
桐原いわく「兵役」(へいえき)は military service です。
「英語を勉強するなら、こんくらい知っておけや」という桐原の心のさけびです。
まず、諸外国でもヨーロッパなどで今でも徴兵制、つまり兵役があります。2020年代でも、スイス、オーストリアは徴兵制があります。
ここでいう service とは、公共の下僕のような意味もあるかと思います。
たとえば「召使い」は英語で servant (サーバント)ですが、なんと旺文社1400とZ会速読英単語・必修編の以外の単語集に書いていません(旺文社1400、Z速読・必修編)。
桐原の単語周いわく、serve は「仕える」とか「提供する」とかの意味です(桐原4500)。
今ではネットのサーバー server とか、派生の名詞が使われています(ジーニアス、センチュリー)。
なんとネットのサーバーの意味は、単語集を見ても、全く見当たらない(東京書籍・桐原・旺文社の4500語レベルおよび3000語レベルを確認)。
こりゃ、大学入試の新共通テストに『情報I』を加えるのを文科省が命令するのも当然だわ。
英語は、いまどきサーバーも知らない科目だとは。
旺文社1400で、serve の上に publish があるのですが、おそらく「公務員」 a public servant (グランドセンチュリー、ジーニアスは複数形 public servants)の事でも言いたいのでしょう。
servant の対義語は master (マスター)「(使用人に対する)主人」「熟練者」です。
なんと旺文社1900巻末にしか、master は書いていません。
「師匠」のことです。
ラテン語で、「先生」を意味するマギステル magister という単語があって、それがフランス語などを経由して英語のマスターになったという語源です。
英語のミスターも、マスターが語源です。
世界史で、ノルマン・コンクエストという、中世にフランスがイギリスを支配した時代があったので、支配関係を表すフランス語が、英語に取り入れられました[32]。
master の対義語のservant も、フランス語が語源です。フランス語でそのまま servant というスペルです。
ほか、電子工学の用語で、w:マスタースレーブというのがあり、指令どおりに機器が動作する原理を表す用語です。これについて、奴隷制度を想起して良くないという批判もありますが、批判について、馬鹿馬鹿しい屁理屈だとする反論もあります。
なお、マスターを意味するフランス語は maitre (マートレ)「(男性の)主人」です。
英語の婦人につける Mrs. ミセスも、英語のミストレス mistress 「女主人」「女教師」が語源で(実は鉄緑の divine に mistress 「愛人」がある)、これは maitresse 「女主人」が語源です。
もともと女主人を意味する英語でしたが、なぜか現代では mistress は、不倫や恋愛関係などの「愛人」を意味する言葉になっています(鉄緑 divine で紹介しているのは、この用法)。
ノルマン・コンクエストついでに言うと、受験範囲外ですが、「恋愛で口説き落とされた人」も conquest と言います(ジーニアス、グランドセンチュリー)。
なお、conquest 「征服」は普通に高校英語であり、動詞形 conquer(コンカー)「征服」が桐原4500や東京書籍4500にふつうに載っています。
イタリアの港湾都市ベネチアのことを「アドリア海の女王」と言いますが、これもミストレスであり、 the Mistress of the Adriatic です。
ほか、裁判所を意味する court や、裁判の判決を意味する judgment もフランス語由来です[33]。これは、フランスがイギリスを統治してた時代に、司法もフランスが支配していたからです。
欧米のSF小説で『月は無慈悲な夜の女王』The Moon Is a Harsh Mistress という1960年代のアメリカの小説があるのですが、harsh 「無慈悲」という受験英語も覚えられて一石二鳥です。なお、ジーニアスで harsh を調べると、harsh「無情な」という用法があります。なお小説の内容は。月面移住した未来の人類が、地球の既得権益に反発して革命戦争をする話です。なお、ジーニアスに、「月」を「夜の女王」 the mistress of the night というと普通に書いてあります。
フランス小説で「ああ無情」(レ・ミザラブル)という1860年代の近代小説があります。フランス語の意味はともかく、英語での miserable の意味は、貧乏・病気などで「みじめな」という意味です(ジーニアス、グランドセンチュリーで確認)。東京書籍4500・桐原4500とかにも普通に miserable があり、受験英語です。
なお、べつに文学作品になるような貧苦でなくとも、ちょっと風邪をひいたくらいの気持ちでも、miserable を使います(桐原4500)。
このような普通に東京書籍や桐原の単語集にもある miserable ですが、しかし旺文社1900によると大学入試では出題しづらいようであり、旺文社1900では巻末送りになっており英検準1級の単語の扱いです(旺文社1900巻末)。
さて、ネットの情報提供については、「プロバイダー業者」などというように provide が「(情報などを)提供する」の意味で好んで使われる場合もあります(桐原)。
交通インフラや電力インフラなどの公共インフラなどの提供も service です(ジーニアス)。慈善事業も service です(センチュリー)。
「兵役」(へいえき)は military service を覚えるときも、そういうのと関連づけて覚えましょう。
なお、servant は、さらに語源をたどっていくと、「奴隷」を意味する英語 slave に相当するラテン語などとも関係あります。slave の語源は、中世にスラブ人が奴隷にされたからです(数研リープ)。
グランドセンチュリー serve に書いてある語源は、こっちのほうに関係があります。
安売り・特売
フェア、セール、バザール
sale のみ高校英語
商店の安売りなどの「フェア」は、「お祭り」という意味の fair であり、フェアプレーの単語とは同音異義語である。ジーニアスによると、英語以外の言語に feria (フェリア?)という「祭日」を意味する単語があるらしい。商店の安売りの他、ジーニアスによれば「博覧会」や「見本市」も fair である。
なお、セールは英語でも sale で「安売り」(桐原3000、東京書籍3000)や「特売」(旺文社1200)や「バーゲンセール」(東京書籍3000)の意味がある。sell とは別に、sale (セール)「販売」という単語がある(東京書籍3000、桐原3000)。
なお、bargain(バーギン)「お買い得品」という意味である(旺文社1900)。東京書籍4500・桐原4500・鉄緑には無く、bargain は受験英語のようである。
セールスポイントは英語で selling point である(旺文社1200(黄色)、ジー二アスで確認)。
セールスポイントは和製英語。
なお、単語集にはないが、セールスマン(販売員)は英語でも salesman であるが、男女平等の観点から salesperson という表現が米英では好まれるだろう(ジー二アス)。
salesman は、外交販売員(日本でいう「セールスマン」)にも使われるが、英語では単なる店員も salesman で表せる。
複数形 sales で「売り上げ高」の意味もある(桐原3000)。なお桐原では「売上高」3文字ではなく「売り上げ高」5文字の表記。
単語集にはないだろうが、バザーとの違いについて触れる。
ジーニアスによると、英語の bazaar は、慈善などの目的のために特別に催される市場である。だから教会などがバザーするわけである。しかし、イランなど中東の商店街のことも bazaar である。英語の単なる「雑貨屋」のことも bazaar という。
バザーを「安売り祭り」みたいな意味で使うのは、どうやら和製のようだ。
啓林館 Vision quest( P.62 )で、ディスカウント discount 「値引き」、バーゲン bargain 「お買い得品」などが紹介されていました。
受験英語かどうか分からないけど、フリーマーケットという言葉があるが、実はこれの直訳は「蚤(のみ)の市」(のみのいち)であり、フリーマーケットとは flea market である(鉄緑)。flea はノミ(漢字で「蚤」)という意味。
のみの市は、なんと、実は英語由来の表現だった。
旺文社1900、を見ても、 flea は見当たらないので、受験英語ではないだろう。
なお、日本でいうノミの市は、庶民が古物を売る市場のことです。
なお、自由 freeの free market だと、経済学で使われている「自由市場」free market の事になってしまい、「資本主義社会における経済」みたいな別の意味になってしまう。
なお、旺文社1900の単語 policy の例文に、「自由市場」free market の例文がある。こういう中学レベルの経済用語の英語は、例文とかで結構出たりするので、余裕があったら勉強しておこう。
なお、「朝市」は morning market である(中学・受験研究社)。
商人と商売
商人 merchant, vendor
商品 merchandise, commodity, goods
vendor は、2つの意味がある。
ひとつは、vendor 「行商人」。
「自動販売機」を vending machine という(桐原3000、旺文社1900)。なお、vendor 「自動販売機」だけでも、自動販売機の意味がある(旺文社1900、ジーニアス、グランドセンチュリー)。
自動販売機のためか、旺文社では「行商人」の意味で vendor を習う。なお、vend「売り歩く」である(旺文社1900)。
辞書を見ても vendor の例文(完全文)が無い(ジーニアス、グランドセンチュリー)。単語集でないと勉強できない単語になっている。
自動販売機の例文については、辞書にあり、
buy a drink from vending machine 「自動販売機でドリンクを買う」(wikiオリジナル)
のように使う。
だが、もう一つの意味も、とても重要である。
それは、vendor「納入業者」の意味である。
IT業界に就職したら、この納入業者の意味をよく使う。
IT用語で「ベンダー・ロックイン」( vendor lock-in )というのがあって、なんらかの理由で、特定のソフトメーカーの製品を、今も、これからも、ずっと使い続けないといけない状況のこと。
たとえば、マイクロソフト社のwindowsでしか実行できないソフトを作ったら、今後もマイクロソフトの製品を使わないといけない。こういう感じの状況を、ベンダーロックインという。
なるべくベンダーロックインを避けるのが良いとされるが、しかし現実的には、すべてを避けるのは無理である。
ほか、日本の建築の分野では、あまりベンダーとか言わないが、建築なんかも、ベンダーロックインを避けるのは、ほぼ無理である。
たとえば、積水ハウス住宅を買ったら、この家をあとからダイワハウスとかに改造するのは、基本的には無理である。(無理やり変える場合は、壊して立て替える羽目になる。)
ただし、英語では、不動産や家の売り手は vendor という(ジーニアス)。
merchant は、「商人」(旺文社)、「貿易商」「小売商」「商店主」(東京書籍4500巻末)のこと。
東京書籍のほうが詳しい。というか、旺文社では merchandise「商品」のほうを項目にしている。
この「商品」もグッズ goods とか類義語がありそうだが(ジーニアス merchandise が類義語あつかい)、とりあえず省略して、マーチャントの話題に戻る。
merchant は、イギリス英語かアメリカ英語かで、「貿易商」「小売商」「商店主」のどの意味でよく使われるかが違うが、専門的すぎるので、気にしなくていいだろう。入試に出ないし、出してきたらバカ大学あつかいで良い。
こういう背景が分かると、旺文社1900が「商品」merchandise のほうを項目にした理由も察せる。イギリス英語・アメリカ英語の問題を避けたかったのだろう。
merchandise は、個々の商品ではなく、集合的な「商品」の意味(旺文社1900、辞書)。
なお、べつに会社全体の商品とかでなくても、一店舗の商品の集合とかでも良い(グランドセンチュリー)。たとえばグランドセンチュリーでは「店の商品は火事でひどい損害を受けた」という例文。(英語は著作権のため省略。)
なお、「小売の」retail である(鉄緑、速読上級)。
a retail price 「小売り価格」(鉄緑、速読上級)
commodity 「日用品」だが、「商品」の意味もある(鉄緑)。
必要不可欠
不可欠な
essential, vital, indispensable
必要な
necessary
搾る squeeze, extract
搾取する squeeze, exploit
利用する utilize, exploit
利用可能な available
桐原4500に vital の意味は「生命の」とあるので、まずこれで覚えよう。
また桐原4500いわく、vitality の意味は「生命力」である。
入試では vital の他の意味の「不可欠だ」「活気のある」などが問われるかも知れないが、まずはvitalの単語のイメージが生命力であることをつかもう。
vial → 「生命に必要」→「不可欠」という連想、
および
vital → 「生命力にあふれる」→「活気のある」という連想、
で覚えれば、暗鬼の負担が減るだろう。
旺文社1900の例文で、「防衛戦略が国家の安全保障にとって不可欠だ」という例文で「不可欠」を vital としている例文がある。
これだって、「国家の生存に必要」→「国防に不可欠」みたいなイメージで把握できるだろう。
なお、桐原4500は「自転車が生活に不可欠」で不可欠がvital、東京書籍4500は「外国語が教育に不可欠」で不可欠がvital、という内容。
ともかく、vital は「活気のある」という意味もあるが、「生命の」とか「不可欠な」のような意味もある。
別の単語の話をする。
もし、単に「活気のある」「元気はつらつな」と言いたい場合は、形容詞 vigorous (ビゴラス)という単語でも一応は表現できる。東京書籍は「活発な」「力強い」と紹介しており、「活発な運動」 vigorous exercise という例文がある(東京書籍4500巻末)。ただ、辞書で 名詞形 vigor (ビガー)や 形容詞 vigorous の用例を見ると、「激しい(スポーツなどの)運動」とか「猛烈な抗議」とか、やや意味合いが強い用例も多いので、注意が必要であろう。
Z会のTOEIC対策本では、同じ vigorous exercise という単語を、「激しい運動がもとで、疲労で倒れた」という内容の文章で用いている[34]。
このように、vigorous exercise は、いい意味でも悪い意味でも使う。
肉体的に元気のあるだけでなく、精神的にも「精力的な」という表現でも vigorous が使える。
なお、「猛烈な抗議」などの猛烈でも vigorous あるいは名詞形 vigor を使う(ジーニアス、センチュリー)。
protest a plan with vigor 「計画に猛反対する」(センチュリー)
make a vigorous protest 「猛烈な抗議をする」(ジーニアス)
である。
essential は「不可欠な」という意味。
だが、「エッセンシャル・オイル」essential oil という芳香性の油を考えれば分かるように、なんだか抽出物みたいなイメージ。
名詞形 essence 「本質」「エキス」で覚えるほうが理解しやすいだろう。
(なお、名詞 extract にも「エキス」「抽出物」「抜粋」の意味がある。extract は動詞として「抽出する」の意味もある。(東京書籍が動詞を紹介。旺文社は名詞も紹介。桐原は紹介せず)。動詞と名詞とで発音が異なる。名詞は エキストラクト。動詞は イクストラクト。「抽出」「摘出」の行為自体は extraction という名詞である(旺文社)。)
抜粋と引用(quote)の違いが分かりづらい。
それよりも、引用と違って extract では、作品のテーマを「抽出する」など、引用以外の抽出も可能な、より広い表現である(鉄緑)。ただし、辞書では確認できなかった。
また、人間から
「情報を引き出す」 extract information from ~ (旺文社1900)
にも使える。ただし、辞書によると、しばしば、無理じい して情報を引き出す、ようなニュアンスがあるとの事。
なるほど、桐原が紹介したがらない理由も、それなりに合理的である。桐原4500に extract は無い。東京書籍4500巻末に extract はある。
このように、extract は情報において、広い用法で、なにか情報を引き出す用法に使えるが、しかし、使い方が難しい。
さて、あるいは、「必須アミノ酸」が essential amino acid である(ジーニアスで確認)。
抽出ついでに言うと、abstract も「抽出」という意味(桐原4500巻末)。abstract には「抽象的な」の意味もあるが、まずは抽出の意味で覚えよう。というか日本語でも、「抽象的」の「抽」の文字は、「抽出」の「抽」の字である。なお、冒頭のab-は、ここでは分離を意味する接頭辞。absent「欠席の」のabとabstractのabは同じ意味(桐原4500)。
論文の冒頭にある概要のことをアブストラクト abstract と言うが、数研リープにも「論文の要旨」abstract として紹介される受験英語である。いまどきアブストラクトは高校生の教養。
なお、「具体的な」は concrete である。
エッセンシャルの話に戻ると、たとえば、生物学書の『キャンベル エッセンシャル生物学』 "Campbell Essential Biology" という500ページ以上ありそうな分厚い生物学書がある。(なお、amazon米国版では何故かこの本が18歳以上が購入禁止なのでリンクは紹介しない。)
エッセンシャルというのは、そういう感じの意味。
桐原では、「食事は不可欠だ」みたいな例文でも essential を使っている。
なお、「食事」は英語で meal (ミール)である(essential の文に合うかどうかは知らない)。
食事しないと死ぬので、生命維持の観点では vital でもあるが、しかしそういう死を防ぐためのものでも essential で言い表す場合もある。
さて、単語集によくある例文が、「~は健康に欠かせない」 be essential for good health であり、東京書籍と桐原がそうである。
東京書籍だと「運動は健康に欠かせない」、桐原だと「食事は健康に欠かせない」的な内容である。
運動 exercise なら、
Exercise is essential for good health. 「運動は健康に欠かせない。」(東京書籍4500より引用)
である。
「搾る」の extract を squeezeのニュアンスの違いについて。
extract は「抽出する」が第一の意味のようなものである。
-tract が「引っ張る」という意味でもあることから想像できるように(センチュリー)、extractは、目的物を、自分の方向に向かってこさせるイメージである。
だからextractで果汁を「しぼる」のは、その手段にすぎない。
だから、濃縮エキスの抽出のような、搾るだけでは不可能なことも、extract なら出来る。
ほか、薬品などを使って何かの成分を抽出するのも extract である(ジーニアスで確認)。
ほか、歯科医が歯を抜くのも extract である(センチュリー、ジーニアス)。
パソコンのファイルの圧縮・展開でいう「展開」も extract です。
いっぽう、extract には「抜粋する」の意味や、抜粋して「要約する」という意味もあります(センチュリー)。
抜粋すると情報量が減るのに、圧縮ファイルを展開すると情報量は増えます。
妙に感じるかもしれません。
しかし辞書でextract を調べると、秘密などの情報を「聞き出す」「暴き出す」のような意味もあります(センチュリー)。圧縮していて読み取れない情報を「暴き出す」ようなイメージでしょうか。
もっとも、最近のパソコンでは、オペレーティングシステムが高度なので、圧縮されたままでも読み取りのできる場合もありますが。
逆に、圧縮・展開の「圧縮」は compress です。
日本でも、機械などの空気圧縮機でいうコンプレッサーなどの外来語で有名です(ただし、高校生には目にする機会(チャンス)がないかもしれません)。しかし意外なことに単語集にはcompressはありません。
高校・中学でIT教育が必履修になるなどしてもう年月も経ってますので、どうせあと10年か20年したら「圧縮」・「展開」などIT用語も英単語に加わるでしょうから、先手を打って、このページにまとめておきます(ならないとしても、もしその場合は実務では役立たずなので未来の高校英語の単語集に価値ないので、価値ない単語集に従う必要ないです。私たちが目指すべきは、大学合格する英単語ではなく、仕事で使える英単語です。仕事を無視した英単語学習をしても最終的に淘汰されるだけの弱肉強食です)。
英語だと、たとえばジーニアスでは、自動車エンジンにおける空気の圧縮のことを compress で表現しています。
なお、空調機のエアコンの「コン」はコンディショナーの略ですので、混同しないように。
センチュリーを見ると、コンピュータ用語のファイル圧縮も compress だと書いてあります(センチュリー、ジーニアス)。
ほか、綿(わた、めん)などを圧縮して小さくするのも compress です(センチュリー)。
ややこしいことに、compress にも、話を「要約する」という意味があります(センチュリー、ジーニアス)。
いまどき、「要約」はsummary でしょうから、compress は綿やファイルなどを「小さくする」(つまり圧縮)の意味で覚えるのが良いと思います。
まとめると、
ファイルの「圧縮」は compress です。
ファイルの「展開」は extract です。
さて、「しぼる」の話題にもどります。
squeeze は、にぎるように力を内側に押し付けるイメージである。だから squeeze で、資金を「圧迫する」なども表現できる。
では、具体的に extract と squeeze のニュアンスの違いを見ていこう。
「エキス」や「抽出する」のextract について。
extract juice from a orange で「オレンジからジュースをしぼり出す」「オレンジの果汁を搾る(しぼる)」
の意味(センチュリーや旺文社)。
文脈によっては、oranges ではなく an orange でも構わない。ジーニアスでは、レモンの複数形 lemons から果汁を搾り取っている。
「搾る」は、squeeze もある。
果物などをしぼって果汁をとるのが典型的で、
squeeze a lemon 「レモンをしぼる」
が典型的(センチュリー、旺文社)。
果汁を明示したい場合
「オレンジから果汁をしぼる」squeeze juice from an orange と言える(東京書籍4500の巻末。ジーニアスだと lemon で似た例文)。
squeeze lemon juice on ~(食品など) で「レモン果汁を~にかける」である(桐原4500、ジーニアスに似た例文)。
「労働者をしぼりとる」「労働者を搾取する」のような表現でも、squeeze を使える(桐原5500、センチュリー)。
なお、いわゆる「ブラック企業」のような会社(労働者を低賃金で長時間働かせる工場など)は、英語では sweatshop (スウェトシャプ)といい、「搾取工場」などと訳される(旺文社1900)。sweat (スウェト)は「汗」という意味の名詞である(桐原4500)。東京書籍4500は sweat および sweatshop を紹介せず。
なお、動詞 exploit 「搾取する」である(旺文社1400(緑)、桐原4500)。
典型的な例文が、
exploit one's workers 「労働者を搾取する」
であろう(ジー二アス、東京書籍、旺文社に似た例文)。
なお、「搾取工場」sweatshop (スウェットシャップ)である(旺文社1900)。搾取工場とは、日本でいうブラック企業のこと。英語でブラックを悪い意味で使うと、黒人差別に当たるので、そういう言い方は英語では厳禁である。
野球の「スクイズ」も、squeeze play である(数研リープ)。3塁に走者がいる場合に、バントを使って得点する方法がスクイズである。点を絞り出す、的なニュアンス。3塁走者を「送りバント」で送って得点する戦術。
最近はどうか知らないが、20世紀の昔のアメリカの野球では、あまりバントをしなかったのである。日経新聞『メジャーはなぜバントをしないのか 日米野球比較(1)』2010年12月6日 7:00
迫力が無い、というか。一説には、統計的にも、あまり得点に役立ってないというか。
だから、日本の野球と違って、「Sacrifice Hits(犠牲ヒット)」というか「Sacrifice bunt(犠牲バント)」という概念が、用語そのものはルール上はあっても、あまりアメリカ野球には普及していなかった。
得点を得るための「犠牲」がサクリファイス、なるほど、分かりやすい。
なお、日本の政治家の元・民主党の元・内閣総理大臣の鳩山由紀夫(はとやまゆ きお)は、もともと統計数学・統計工学の研究者で、野球の戦術の検証に統計学をもちこんだ科学者の一人で、その分野では、鳩山はかなり先駆的な人。現在のセイバーメトリクスを切り開いた人のうちの一人。
ほか、exploit には、たとえば地熱発電や自然資源などといった資源などを「開発する」の意味や(旺文社1400、桐原4500)、機会などを「利用する」という意味もある(東京書籍4500)。
utilize 「利用する」も(旺文社1900)、資源などの利用から(グランドセンチュリ-)、学校の体育館の利用まで(旺文社)、いろいろな「利用する」を言えます。
utilize の資源などの「利用する」の意味は、「役立たせる」という意味です(グランドセンチュリー、ジーニアス)。和訳だと「利用する」ですが、単に自分 use したという意味とはニュアンスが異なります。結果的にuse もしますが、それだけではなく、加えて「役立たせる」というニュアンスがあります。
このためジーニアスいわく「スープを作るために骨を利用する」とか「ごみを埋め立てに利用する」とか、そういうのも utilize です。
グランドセンチュリーの例文「核エネルギーを平和目的に利用する」も、これでしょう。実際の政治的な意図はともかく。
鉄緑・東京書籍・桐原には、動詞形 utilize がありません。
なお、名詞形 utility は「公共料金」です(桐原4500、東京書籍4500巻末)。utility だけでも公共料金の意味がありますが、より確実に公共料金であることを明言したい場合、utility bills のようにも言えます(東京書籍4500巻末)。
鉄緑に utility や utilize などは無いです。
家計のやりくりなど、なんらかの資金のやりくりなどで、お金をなんとか「絞り出す」というのにもsqueeze は使える(センチュリー)。
ただし、ほかの意味で squeeze には予算などを「圧迫(あっぱく)する」という意味もある(ジーニアス、センチュリー)。
資金のやりくりと、資金の圧迫では、ほぼ逆の意味になるので、読解のさいには文脈からどちらなのかを読み取ろう。
squeeze には「押し入る」「押し込む」や、人ごみや席などへの「割り込む」「割り込ませる」という意味もあり(センチュリーが押し入りと割り込み。ジーニアスは割り込み のみ)、旺文社が「押し入る」を紹介している。「圧迫する」から「押し入る」などを連想しよう。
indispensable 「不可欠な」は桐原5500巻末や旺文社1900本文と東京書籍4500巻末が紹介しているが、これを直接に覚えるよりも前に、まず、銀行などの「現金支払い機」dispenser (ディスペンサー)を覚えよう(ジーニアスで銀行の「現金支払い機が dispenser だと確認)。
動詞 dispense は、「分配する」とか、機械が「出す」という意味である(ジーニアス、センチュリー)。なので、コーヒーなどの自動販売機も dispenser である(センチュリー)。
速読英単語・上が、dispense には「配給する」の意味もあるとしているが、しかし辞書では確認できなかった。
「薬を投与する」「調剤する」の意味もある(ジーニアス、センチュリー、速読英単語・上)。
よく、薬剤師の規制緩和の議論とかがあって、「薬は機械が出せばいい」とかいう意見があえうが、dispense には「機械が出す」、「人間が調剤する」という別々の意味があるので、もし英語を知らないと、海外の情報が正しく理解できず、ピント外れの議論をしてしまいかねない。やはり、医療系の大学に英語力は必要。
なお、海外の薬剤の機械化の状況をネット検索で調べたい場合は、machine とかの語をそえて調べれば済む。
で、形容詞 dispensable は「それほど必要ではない」「なくても済む」の意味である。
「自分はなくても済むので(dispensable なので)、他人に分配できる(dispense できる)」→「分配する機械がデイスペンサー」とでも、こじつけて覚えよう。
で、in- はここでは否定の接頭辞なので、
indispensable 「必要なので分配するわけにはいかない」→「つまり、必要不可欠」→単に「必要不可欠」と言えば済む
のように indispensable を覚えるのが、関連の語彙も覚えられて一石二鳥だろう。
旺文社1900だけ、indispensable の項目で、派生語の dispense 「分配する」「施す」「~なしで済ませる」を紹介している。
桐原5500は、indispensable の類義語で、essential や integral を紹介している。
be indispensable for ~(ないと困る物) 「~は必要不可欠である」
のように使う(旺文社1900、東京書籍4500)が、文脈によっては for でなく別の前置詞や接続詞の場合もある(桐原4500)。
要約
summary, brief, outline
summary (サマリー)が「要約」の一般的な語でしょう(特に出典は無い)。
要約のまとめ方や業界によって、outline (アウトライン)や brief (ブリーフ)など、別の言い回しのほうが好まれる場合もあります。
「要約する」の意味が、extract 、compress 、summarize などの単語があります。要約のことを summary (サマリー)と言います。サマリーの動詞形が summarize (サマライズ)です。
ほか、brief も、名詞では「簡潔な説明」の意味、動詞では(読みやすいように手短かに簡略化された説明にする、という意味での)「要約する」の意味です。 桐原4500が brief を「要約」の意味で紹介しています(桐原4500)。
in brief 「手短かに」
の意味です(桐原、旺文社)。
また、
keep it brief 「手短かにする」
です(東京書籍、旺文社)。it の部分は、必要に応じて適した目的語に変えます。
名詞形 briefing は、「簡潔な説明」の意味もありますいが、「事前の打ち合わせ」の意味でも使われます(旺文社)。
compress と extract は、現代ではコンピュータ上の処理で使うし、現代の商業の著作物の大半はパソコンで作られているので、やや使用の歳には注意が必要かもしれません。
summarize のほうがいいかもしれません。
一方、 summarize もまた、辞書や単語集では「要約」を名詞 summary と簡単に言いますが(桐原4500、旺文社1900)、実はサマリー summary と日本語の「要約」は微妙に違います。
英語では、1~2行ていどの短文で短くまとめることを summary と言うこともよくあります。brief だと「記者会見」など別の意味に誤解されるからか、本来なら "brief" というべき単なる1~2行ていどの事実報告でも英米では summary でそういう1行程度の事実報告を言い表す場合もあります。
brief だと、たとえば press briefing が「報道向け説明会」で使われたり(ジー二アス)、briefing session が「定例記者会見」だったり(ジー二アス)、ややニュアンスが「要約」とは異なります。全体像を理解しやすくするよりも、brief は短時間に発表することがニュアンスにあります。
summary execution で「即決処刑」である(ジーニアス)。 要約を意味する単語 summary には、形容詞として「略式の」という意味もある。execution は「処刑」の意味です。
この例のように、summary は日本の「要約」とは、ややニュアンスが違う場合もある。
さて、米英の外交官の著作した回顧録(かいころく)の出版物で読んだのですが、
外交官は、定期的に サマリー summary という1~3行ていどの事実関係の報告を本国によく送るするらしいです。
日本語では、新聞やテレビのニュースにおける「短信」(たんしん)が短いので、近いでしょうか。
大使館の職員でもありますから記者会見(ブリーフィング)とは区別する必要もあるでしょうから、brief ではなく summary でそういう短いを言うのも合理的でしょう。
なお、「回顧録」(かいころく)は英語で memoir (メモワール)です(旺文社1900、ジー二アス)。単語集では、旺文社1900にのみあり、受験英語としてではなく英検準1級対策として紹介されている語です。桐原4500・5500および東京書籍4500にはありません。
外交官とか、この手の報告では、分析は極力交えず、事実だけを報告します。分析は、別途、本国のほうで行ってもらうのです。こうすることで、外交官は情報収集にのみ専念できます。
外交官は滞在先が友好国とは限りませんし、(自国以外との)紛争当事国などの場合もあります。もし友好国でない場合、もしかしたら滞在先の警察や軍隊によって通信が盗聴されたりしているかもしれません。そういう環境で、あまり分析を外交官側で行うべきではないでしょう。
なので、ともかく summary のほか、日本語には「要約」の他に適切な表現があまりないので、summary の訳は「要約」で通じますし、辞書や単語集にも「要約」だと書いていますし、「まとめ」でも構いません(旺文社)。
「要約」のほか、ジーニアスには「概略」や「大要」、センチュリーには「概要」や「大略」なども書いてありますが、しかし上述のように、1~2行ていどに縮めて報告する書類形式というビジネスなど実務での背景がありますので、いちばん短い感じのしそうな「要約」が無難な表現でしょう。
実際、単語集にも、名詞 summary は「要約」で紹介されています。
outline は、旺文社1900が紹介しています。
旺文社はとくにアウトラインとは何かは述べていませんが、英語では、たしか、1行要約ではなくて、せいぜい5~8行くらいの文章で要点を列挙して書いたのは outline (アウトライン)などと言います(うろ覚えですし、業界によって違うかもしれないので、アウトラインとは何かは暗記しなくても大丈夫です)。
アウトラインを書く場合も、できえば箇条書きにするなどして(ジーニアス)、全体構造を見やすくする必要があります。
ジー二アスには行数の条件は書いてないですが、普通、箇条書きされた説明は、長くて5~8行ていどのものでしょう。1行の箇条書きとか意味不明ですし、100行の箇条書きとか論外です。
ジーニアスいわく、そういう箇条書きされたものが本来のアウトラインとのことです。ジーニアスでは「概略」「概説」、センチュリーでは「概要」「あらまし」を outline 訳にしています。
outline の訳語を覚えるよりも、『箇条書きする等して手短かにまとめたものを「アウトライン」という』と覚えたほうが応用が利くでしょう。
仕事の報告での情報のやりとりなどで、もし1行要約だと短すぎて情報不足なときに、アウトラインによる報告が役立ちます。そういう使い分けをするのが大事です。
もしかしたら英米人のなかには、そういう使い分けをしない人もいるかもしれませんが、そういう人はレポートの書き方を知らない人であり、つまり知的レベルの低い人なので、相手する必要はないです。
まとめると、summary が「要約」の一般的な語だとみなせるでしょう。
要約のまとめ方や業界によって、outline や brief など、専用の言い回しのほうが好まれる場合もあります。
重要 crucial, important
決定的な crucial , decisive
4500語レベルの単語集に crucial (クルーシャル)と言う単語があって「決定的な」「主要な」という意味である。
だが、decisive という「決定的な」の意味の単語がある。(東京書籍4500に単語だけ紹介されている。旺文社1900の巻末の章に、単語だけ「決定的な」「断固とした」と意味が紹介されている。桐原4500にはない。桐原5500にある。)
ジーニアスいわく、「決戦」は a decisive battle である。
ジーニアスの例文では、decisiveは「将来を決定する」という意味もあると説明している。
東京書籍4500の crucial 項目の例文で、「そのオーディションに合格することは私の将来にとって決定的な意味をもっている」とある。
ジーニアスでcrucialを見たら、「重要である」という意味であり、例文が「我々が決勝戦に勝つには、彼の支えが重要である。」の「とても重要である」が crucial である。なお、「決勝戦」はその項目を見る限りは the final match である。
crucial の意味で、桐原と東京書籍には「決定的な」と書いてあるが、正直、decisiveのような断固とした気迫が足りない。「決戦」で負けると死ぬが、オーディションで負けたり「決勝戦」で負けても死ぬわけでもあるまい。
あまり論理的ではないが、decisive は、おそらくスペルが同じく"d"から始まる determination 「決心」「決意」の影響を受けてきたのだろうか。
動詞 decide と動詞 determine の違いについては、別セクションで語る予定。
crucial の意味は「非常に重要な」(桐原)で十分だろう。旺文社1900に至っては、「決定的な」の意味は紹介せず、crucial では「重要な」として紹介していない。
まあ、important よりかは重要度が高いつもりのニュアンスでしかないだろう。
旺文社1900では「書類を確認する際は注意することが重要である。」でcrucial を用いている。
桐原4500では「国際貿易はこの国の発展に非常に重要だ。」で crucial を用いている。
まあ、センチュリーcrucial の例文にあるように「彼のホームランは我々の勝利を決定的にした。」でcrucial を用いているように、命をかけるほどでもない野球の試合でも決定的な瞬間はあると思うので、そういう場合は crucial を使うのも良いだろう。
桐原5500にcrucial で「命にかかわる」の意味を紹介しているが、しかしジーニアス英和およびセンチュリー英和では確認できなかった。
そもそも vital という「生命維持に必要な」の意味の形容詞がある(センチュリーで確認)。
そもそも「重要」という概念自体、言葉の割には、vital のような生命への必要不可欠さが足りない。
外国の
alien, foreign
米国の外交問題についての専門雑誌で「Foreign Affairs」というのがあるが、affair (アフェアー)とは「出来事」「関心ごと」の意味である。affair は別に恐怖とは関係ない。「Foreign Affairs」は戦争の話題が多い雑誌だが、しかし雑誌名は「恐怖」とは全く関係ないので誤解しないよう。
「Foreign Affairs」は直訳すれば「外交の関心事」みたいな意味の雑誌名であろう。
なお、日本の「外務省」も英語版ホームページでは Ministry of foreign affairs である[35]。
海外旅行とか海外出張とかでは必要な単語のひとつなので、頭の片隅に入れておこう。
ministry とはイギリス英語で省庁のこと。ただしアメリカでは、省庁を department と呼んでいる。
つまり日本政府は、「省庁」についてはイギリス英語を採用。
デパートなんて百貨店っぽい。なお百貨店は英語で department store である。
なおイギリスでも、新設の省庁については department を用いることもあると、ジーニアスは説明している。
さて、「省庁」の呼び名には、あまり深入りしてほしくない。
それより重要なのは、「大臣」 minister である。
大臣のことを minister という。単語集では「大臣」minister の項目に書いてあるが、「外務大臣」は foreign minister である。
今の単語集にはあまり書いてないが、昔はよく「総理大臣」は英語で the prime minister だと高校で習ったものである。いちおう、東京書籍の例文中に「総理大臣」the prime minister がある。桐原には書いてない。
説明の都合上、先に「省庁」 ministry を紹介したが、覚えるなら先に「大臣」minister から覚えたほうが良い。
語源としても、ラテン語で「従者」とかのことをミニステルと言うので、先に「大臣」→「省庁」の順番で単語ができたと考えるほうが合理的である。ジーニアスにも、ラテン語とは買いてないが、「召使い」がminister の語源だと書いてある。
prime については、主要という意味での「第一の」という意味である。センチュリーにある訳語だが、「第一位の」というのがニュアンスに近いだろう。
primeの語源はもともと、カトリックの日課の「最初の」礼拝のこと(ジーニアスで確認)。 primeはこういう意味なので、単に一番目であるだけでなく、さらに重要性の高いものに使われるというニュアンスがある。
ただし、実際の用例では、国家一番や世界一番でなくとも、たとえば肉が美味しい場合でも「極上の肉一切れ」 a prime cut of meat という風にも使う(ジーニアスで確認)。センチュリーにも似た例文がある。
「全盛期」、「絶頂期」という意味もあり、 in prime of his life(またはcareer) 「彼の人生(またはキャリア)の全盛期」みたいにも使う。
「全盛期」には、ほかに短い類義語が無さそうである。和英辞典で「全盛」を見ると、prime のほかに pride とか summer があるが、しかし英和でそれらの項目を確認しても、ニュアンスが違う。pride のほうは、pride of place という語句で「最高位」「最上位」という意味だし、summer は人生における「壮年」などの比喩でしかない。
名詞 foreigner は「外国人」 である。ただ、英語ではこの言い方は差別的な意味合いがあるとのこと。桐原3000いわく、なるべく、たとえば「カナダ人」 Canadian など具体的に言うべきとのこと。
なお、foreigner 「外国人」は中学英語である(受験研究社)。
alien
alien (発音: エイリアン)は「宇宙人」という意味があるので、なんとなく、あまりよくないイメージを読者は持ちがちかもしれないが、しかしジーニアスで確認すると、法律上の用語で「外国の」「異国の」という用法がある。
センチュリーによると、市民権をもたない外国人のことを alien と言うとのこと。
alien は、名詞も形容詞も同じスペルの alien である。
名詞 alien は「外国人」「宇宙人」の意味。
形容詞 alien は「外国の」「外国人の」の意味と、「異質の」「なじみがない」の意味。
よくある例文が「その習慣には、なじみがない」で、習慣 custom に alien で「なじみがない」という内容の英文を東京書籍とジーニアスで見かけた。
語法は、
~(習慣など) is alien to □□(人々)
で、
「~(習慣)は□□(の人々)には、なじみがない」の意味。
たとえば、 alien to us なら「私たちにとって、なじみのない」という意味(ジーニアスおよび桐原)。
国内の
domestic, internal (※範囲外)
「国内総生産」GDPは gross domestic product のことである。domestic violence は「家庭内暴力」である。
「国内の」という意味での domestic が、「外国の」 foreign の対義語である。
domestic ⇔ foreign
さて、 「国内の」 を意味する形容詞 internal は、「国内問題」というとき internal affairs という(ジーニアス、センチュリーで確認)。
なお、数学の図形の幾何学の、「内角」も internal angle である(ジーニアスで確認)。
internal には医療などで「内服の」や「体内の」などの意味もあるが、共通の例文が確認できなかったので、説明を省略する。
なお外角は external angle または exterior angleである(ジーニアス和英で確認。英和にはない。和英)。
なお、「幾何学」は geometry (ジオメトリー)である(旺文社1900)。なお「地理学」はgeography (ジオグラフィー)である(桐原4500、東京書籍4500)。「地形」や「地勢」などもgeography である(東京書籍)。
geo- (ジオ)というのは「地球の」とか「地理の」という意味だが(ジーニアス)、幾何学にも使う。おそらく、古代のヨーロッパでは幾何学の知識を活用して、地図などを作成していたのだろう。
「ユークリッド幾何学」は英語で Euclidean geometry である(旺文社1900、)。「ユークリッド幾何学」というのは、日本では中学の数学で、図形の証明として習う、あの理論の体系のこと。「タレスの定理」とか「中心円の定理」とか、あそこら辺が「ユークリッド幾何学」。紀元前のギリシアの数学者エウクレイデスの名前にちなんで、英語読みでユークリッドになる。
なお、X-Y座標を使って計算する座標幾何学は、ユークリッドではなく「デカルト幾何学」という別の理論体系。デカルトは中世フランスの数学者。デカルトあたりが、座標幾何学の理論を整備しはじめたので。
さて、形容詞 interior は「内部の」という意味の形容詞だが(ジーニアス)、しかし普通は家や自動車の内壁に対して interior を使う(ジーニアス)。
ジーニアス英和の interior によると、幾何学の「内角」を interior angle で表してもいいとのこと。旺文社1900も東京書籍4500も、建築物の「室内の壁」を the interior walls としている。なお、東京書籍は「内部の壁」と和訳。
生産量
output, production
「生産」を意味する production に、「生産高」の意味もある(ジーニアス)。なお、単語集では、prodcution の「生産高」の意味までは説明していない(東京4500、桐原4500、旺文社1900を確認)。
increase production で 「生産量を増やす」である(ジーニアス)。センチュリーでも、文章は違って完了形などになるが、「映画製作が減少」という内容の文で production を生産量の意味で使っている。
より平易に output でも「生産高」を言える(旺文社、ジーニアス)。
工場などの生産高から(ジーニアス)、芸術などの産物まで(センチュリー)、output で表現していい。
production や produce には、「大量生産」のようなニュアンスがある(東京書籍)。
なお「大量生産」は mass production である(センチュリー)。
なお、テレビ番組や音楽作品などの生産から、その生産された作品なども production である(ジーニアス)。
output の対義語は input である。
つまり
input ⇔ output
である。
input で、名詞としtrは、仕事や活動などへの資材や労働力などの「投入量」、コンピュータへの「入力」を意味する。また動詞としては、「投入する」や「入力する」の意味である(ジーニアス、センチュリー)。
旺文社の単語集には、inputに投入量の意味がないが、しかし辞書で「投入量」を確認できる。
同様に、対義語のoutput は、仕事や活動などの「生産高」や、コンピュータからの「出力」である。動詞としても同様に「産出する」(ジーニアス)や「結果を出す」(センチュリー)や「出力する」である。
input には、仕事・活動などへの援助としての情報提供やアイディア提供などの意味もある(ジーニアス、センチュリー)。
東京書籍や桐原の単語集には input や output が見当たらなかった。だがこれからのIT時代、必要になる単語であるので、ぜひとも意味を理解しておきたい単語である。
「外国」と「海外」
外国へ abroad
海外へ overseas
「外国に」「外国へ」は abroad であり、副詞である。
「海外に」「海外へ」は overseas であり、副詞である。
overseas は字ヅラだけ見れば、海を越えて外国に行くことだが、アメリカでは実際にはヨーロッパへ行くことに使われる事が多い(ジーニアス)。
travel overseas で「海外へ旅行する」である(旺文社)。
travel abroad で「外国へ旅行する」であるが、東京書籍では「海外へ旅行する」と訳している。
from overseas で「海外から」である(旺文社)。
abroad の典型的な例文が、
「私は外国へ(一度も)行ったことがない。」 I have never been abroad.
である(東京書籍、桐原)。東京書籍と桐原で、同じ英文。桐原のほうには和訳で「一度も」がある。
結果
result, outcome, consequence
桐原4500と東京書籍4500の後半にoutcomeの単語の紹介があるが、良書とも解説を諦めている。
単に 結果のことを result だけでなく outcomeとも言うと、知っておくしかない。
consequenseは、単に「結果」を、固い言い回しにしただけであるが、東京書籍4500によると、「通例望ましく結果にconsequenceを用いる」とこのこと。
センチュリーと東京書籍に「深刻な結果」 a serious consequence と言う例文がある。
副詞 consequently は「その結果として」「したがって」の意味。
考え
concept, notion ,ほか(idea, thought ,など色々ある)
concept は、たとえば相対性理論の考えだとか、割と抽象的なことに使う。桐原4500いわく、「アインシュタインの相対性理論の概念」は Einstein's concept of relativity である。
notion は、そこまで抽象的でなく、たとえば人生観(ジーニアス)とか宗教観(センチュリー)とか。だからか東京書籍4500では、notion を「(根拠のない漠然とした)考え、見解」としている。
ジーニアスでは「人生は航海だという考え」の「考え」を notion としている。
旺文社だと「概念」と言ってるが、無視していい。
概念というより「観念」だろう。
あるいは「観念」という用語をしらない高校生に向けて「概念」と書いたのかもしれないが、そんな底学力層のことは読者は気にしなくていい。
その他、ジーニアスで「意見」、センチュリーで「意向」だと言ってるが、両辞書で説明が一致しないので無視する。
「規範」と「基準」
規範 code
基準 normal
(学校などの)規律、しつけ discipline
普通 normal, ordinary
「行動」と「指導」と「行儀」、「実践」
行動 action、conduct(指導のニュアンス)、behavior (行儀のニュアンス)、
practice(理論・理念の実践)、perform
政策などを「実行する」 implement
命令や処刑などを実行する execute
色々な道具
tool, implement, instrument, equipment
習慣・慣習 practice 、 custom、クセ habit
集会 convention
codeには「規範」「暗号」「法典」などの意味がある。
まず、codeの規範について。
ドレスコード dress code は「服装規程」のことである(旺文社1900、数研リープ)。「ドレスコード」「服装規程」とは、たとえばクラシック音楽コンサートホールとかの上流階級っぽい施設に入場しようとするとき、どんなに金を持っていても、もし服装が短パンとかジーパンとかだと入場を断られることがある。
成人男性の場合なら、背広とかのフォーマル formal な服装とかでないと、そういう場所には入場できないのである。そういうのをドレスコードと言う。
商業施設に限らず、たとえば冠婚葬祭(かんこん そうさい)とかの行事でも、その内容に見合った服装が求められる。
旺文社1900および数研リープの例文が例文としてドレスコードを紹介しており、まさに大学進学を目指す階級にふさわしく、とても良い。
ダジャレだろうけど、第二次世界大戦の日本のGHQ占領期の言論統制のことをプレスコード press codeという。普通に科目「日本史B」とか「日本史探究」で、第二次世界大戦の日本のGHQ占領期の言論統制のことをプレスコードと言うと習う。ついでに覚えよう。英和辞典には press code は見当たらず、どうもGHQの造語っぽい。
なお、「検閲」(けんえつ)は censorship (センサシップ)である(鉄緑)。鉄緑以外、単語集では紹介しておらず(旺文社1900にすらない)、どうも受験英語ではないようだ。
編集の現状、今のところは類義語と関係ないので censorship には深入りしない。
ドレスコードの場合、codeは訳では「規則」や「規程」ではあるが、マナー的なニュアンスもある。
ジーニアスで確認したが「不文律」 code of silence という単語がある。
「行動規範」 は a code of conduct である(数研リープ)。
ここら辺の表現が、上流階級に求められるマナー的な code であろうか。
その他、ビジネスライクな表現だが、「業務規程」 code of practice というのもある。
なお、「行動規範」 は a code of conduct のついでに言うと、「行動」conduct も類義語があり、behavior が類語後である。なお、旺文社ターゲット1400(中級の難度の本)が、conduct と behave を同じページで紹介している(おそらく旺文社もこれを類義語だと見なしているのだろう)。
道徳的な「行動」に conduct を使うことも多い.音楽の「指揮者」をコンダクター conductor と言うのも、これだろう。
The orchestra was conducted by Seiji Ozawa. 「そのオーケストラは小澤征爾によって指揮された。」(東京書籍4500)
とか
conduct the orchestra 「オーケストラを指揮する」(桐原3000)
とか典型。
あまり高校英語では出ないだろうが、物理学の電気伝導のことを conduct という事もある。なお、なんと数研リープに、「伝導体」conduct が書いてある。伝導だけならまだしも、「伝導(体)」と書いてあるので、物理の伝導のことである。
数研リープが、いちばん化学英語に詳しい。なるほど、高偏差値の高校では学校配布の単語集で数研リープが使われるのも当然である。
conduct には、指導とか伝導とかのようなニュアンスがある。
ほか、道徳的な「行動」に conduct を使うことも多いが、必ずしもそうとは限らない
conduct interview 「インタビューを行う」(東京書籍4500)
conduct research 「調査を行う」(旺文社1400)
のように調査研究を行うのに使う場合もある。
conduct a survey 「調査を行う」というのもある(旺文社1900 survey)。
survey については、別単元で扱う。
behave は、動詞「ふるまう」だが、ニュアンス的には「行儀」のニュアンス。
behave oneself で「行儀よくする」(桐原3000、旺文社1400)
I can't stand His behavior. 彼のふるまいには我慢できない. (東京書籍4500)
東京書籍の例のように、behavior そのものには、指導的なニュアンスは無く、行儀が悪い場合にも使うようである。
conduct は動詞。「行う」、「指揮する」。「指揮者」は語尾が異なり conductor である。
behavior は名詞で「ふるまい」「行動」。behaveは動詞で「ふるまう」。
単なる物理的な「行動」は action である。
旺文社1900の例文「被害者の救出には、すばやい行動を必要とする。」の、「素早い行動」 a swift action という語がある。
動詞は act 「行動する」である。だが、名詞 act 「行い」という意味もある(東京書籍3000)。
面倒なので、名詞 act とaction のニュアンスの差には触れない。
さて、桐原3000は、act「行動する」 と perform (楽器を)「演奏する」、(劇を)「演じる」などを同じページに書いている。
これだけだと、なぜ同義語か分からないが、実はperformには、(仕事などを)「実行する」という意味もある(東京書籍3000)。ジーニアスいわく、do, carry out よりも固い語。グランドセンチュリーいわく、doよりも文章語的。
perform an experiment「実験を実行する」(旺文社1900、ジーニアス)
perform live 「ライブ演奏をする」(東京書籍)、「生演奏をする」(グランドセンチュリー)
日本ではよくパフォーマンスライブと言うが、しかし辞書にその語は見当たらない(少なくとも、ジーニアスとグランドセンチュリーには無い)。
なお、名詞形 performance は存在する。
performance 「公演」「実行」「性能」の意味。
「性能」は、「機械のパフォーマンス」とか言うときのperfomance と同じ語。
perform を政治方針の実行に使う用例もある。日本国憲法の第7条にある、
Article 7. The Emperor, with the advice and approval of the Cabinet, shall perform the following acts in matters of state on behalf of the people: 第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
on behalf of 「~のために」
は、熟語集(旺文社熟語1000)には例文が無いが、ついでに覚えておこう。なお、on behalf of「代表して」の例文が旺文社本にある。
さて、パフォー ムperform ではなくプラクティス practice。
practice に、理念や理論などの「実践」の意味があり、単語集にもあります(桐原4500、旺文社ターゲット1900)。
practical 「実践的な」「実用的な」という単語もあるので(東京書籍4500、)、これと関連づけましょう。ほか、思想用語ですが、プラグマティズムという語があり、米国的な実用主義のことです。なお、プラグマティズムはドイツ語やギリシア語が語源なので、高校生には深入りは不要。
熟語で put ~ into practice で「~を実践する」
put his new ideas into practice 「彼の新しいアイデアを実践する」(旺文社1900、ジーニアスに似た例文あり)
the idea to put his ideas into practice 「彼のアイデアを実行するチャンス」(桐原4500)
とか典型です。なお桐原3000にもpracticeがありますが、3000では練習の意味しか書いてません。
practice his religion 「宗教を実践する」(ジーニアス、桐原5500をもとに作成したオリジナル)
She practices vegetarianism. 彼女は菜食主義を実践している。(東京書籍3000そのまま)
ほか、
practical experience 「実地の経験」(東京書籍4500、桐原4500)
が典型です。
対義語は theoretical 「理論上の」です(東京書籍4500、桐原4500)。セオレティカルと、語尾がティカルになります。セオ「リカル」ではないです。セオ「レティカル」です。
「実用的な車」 practical car (東京書籍4500)、実地の経験ある大工 practical carpenter (三省堂グランドセンチュリー)
たぶん大工が高校範囲でないので、東京書籍が気を利かして car 「車」に置き換えたのだろうと思います。
なお、理科などの実験は experiment です(東京書籍3000、旺文社1900)。
ほか、核実験は nuclear test です(数研リープ)。
旺文社1900だとpracticeとexperiment が同じページに書いてあり、おそらく、類義語のようなものと見なしています。
practice には「練習」の意味があります。というか、先に「練習」の意味のほうを、多くの中高生用の学校用の単語集では習います。
exercise にも「練習」の意味がありますが、上記のように practice は宗教や思想にも使うので、なんかニュアンスが少しだけ重いです。practice の場合、exerciseよりも継続的に行い、技能の習得を目的とする練習のことです(グランドセンチュリー)。
また、単語集には例文が無いですが、practiceには「慣習」の意味もあります(ないのは例文だけであり、意味紹介はある)。「練習」などの派生的に覚えましょう。
宗教とか地域文化とかそういう単語で practice が使われている場合は、宗教の実践なのか、それとも宗教の慣習なのか、どちらなのか判別が面倒です。このため、入試では要求されないでしょう。あまり特定の宗教に深入りするのも入試的にアレですし。
conventional は、方式などが「従来の」「月並みな」「慣習的な」の意味(東京書籍4500「月並みな」、数研リープ「慣習的な」)。
convention には下記のように色々な意味があるが、「会議・総会」→「会議で決まった協定、条約など」と考えると、暗記の負担が減る。
条約については、the Geneva Convention 「ジュネーブ条約」がある(数研リープ、グランドセンチュリー Geneva)。
名詞形 convention には、「学会」から、アニメやSFなどの「大会」まで、色々な意味がある(数研リープ「アニメの大会」あり)。
「大会」と言っても、べつに運動会をするわけではなく、上記のような意味。
語源的にも、con=ともに、 ven=来る、なので(数研リープ)、一緒に集まって何かを話し合ったり決めたり等をするための「大会」のこと。
アメリカの政党の「党大会」のことを convention と言う(グランドセンチュリー)。
だから、政党のファンが集まる党大会と同じように、アニメファンが集まる「大会」、Sfファンが集まる大会、そういう意味であろう。
なお、会議や集会には、conference 「会議」や、 assembly 「集会」など他にも類義語があるので、あまり深入りしなくていい。
カンファレンス conference については、「記者会見」a press conference などの語がある(数研リープ)。
さて、コンベンションに戻る。
名詞形 convention 「慣習」「伝統的手法」「大会」「会議」(旺文社1900、数研リープ)など。「代表者会議」「総会」も convention である(桐原4500)。
「協定」「合意」「社会のしきたり」「因習」と、convention には色々な意味がある(桐原4500)。
辞書を見ても、convention と類義語に区別については、特に説明は無いので、文脈から判断するしかないだろう。
辞書や鉄緑だと、しばしば けなして使う場合もあるとの事だが、しかし英単語集の例文では、必ずしも悪い意味ばかりではない。
旺文社1900「この製品は従来型よりはるかに優れている」の従来型 conventional model は、別にそれほど従来型を批判しているわけではないだろう。
東京書籍だと、「電気自動車は従来の自動車よりも静かだ」とあるが、これもそれほど従来型を批判しているわけではないだろう。
a conventional weapon 「(核兵器でない)通常兵器」(数研リープ、ジーニアス、グランドセンチュリー)
a conventional war「在来型の戦争」(ジーニアス)
a conventional way「伝統的な方法」(東京書籍)
語幹の ven には「来る」の意味があるとのこと(数研リープ)。advent 「到来」のvenと同じ意味の語幹との事だが、しかし高校1年生くらいだと advent そのものを知らない。
結局、最終的には、どこかで丸暗記的に覚えるしかない。
さて、implement は、名詞と動詞で意味が大きく異なる。
動詞は、政策などを「実行する」 implement の意味。
implement a policy 「政策を実行する」
implement a reform 「改革を遂行する」(旺文社)
のように使う。
ジーニアスいわく「履行する」と訳すこともある。
なんか、約束事を遂行するイメージかと。
政治家にも、選挙の「公約」という約束がありますし。まあ、法案のすべてが公約とも限りませんが。
名詞 implement は、「道具」などの意味。農機具や(ジーニアス、グランドセンチュリー)、台所の器具のこと(鉄緑、グランドセンチュリー)を言う。
よくある例文は
farm implement 「農機具」(グランドセンチュリー)、「農具」(ジーニアス)
implement は受験英語であり、旺文社1900や鉄緑にある。
なお、スペルの似ている名詞 instrument (インストゥルメント)は、実験などで用いる「機器」や、楽器などの意味。
日本では知名度のひくい米国企業だが、電子回路をつくっている米国の大企業でテキサスインスツルメンツというのがあって、アップル社のスマホの中核の回路部品とかも作ってた会社がある。
ほか、ナショナルインスツルメンツなんていう米国企業もあり、ラボビューの会社。w:LabVIEW
その他、普通の「道具」を言いたい場合は tool で良いだろう。
ただ、tool も本来は、職人の使う「工具」など、手仕事に使うものである。つまり、ツール単独では成果を果たせないのが tool である。
その tool を用いると、何かをするのが効率的になるだけである。
carpenter tools 「大工道具」(グランドセンチュリーおよび東京書籍3000 は 所有格ありの carpenter's tools 、鉄緑 は所有格なし )
キャンプ「用具」などは equipment である(桐原3000)。
「事務用品」は office equipment である(鉄緑、ジーニアス)。
東京書籍4500には動詞 equip 「備え付ける」があるが、しかし名詞形 equipment が無い。
そのほか、execute (エグゼキュート)「実行する」「遂行する」「処刑する」という語がある。
windowsの「実行ファイル」のexeファイルは、この語が由来(数研リープ)。
名詞形は execution 「実行」「遂行」「処刑」である。
慣習・習慣 practice 、custom、habit
practice には、社会の「慣習」「習慣」の意味があります(旺文社1900、鉄緑)。
桐原・東京書籍には「慣習」「習慣」の意味は書いてないですが、しかし旺文社1900に書いてあるので、大学入試の出題範囲かと思われます。英検準2級にも「習慣」の意味の practice は出ます。鉄緑単語集でも、「習慣」practice を押さえています。
custom は、社会の習慣でも(東京書籍4500、旺文1900)、個人の習慣でも使う(桐原3000で個人の習慣を紹介)。
社会の慣習の意味の場合、custom と practice の区別は難しい。
custom やhabitは、意外と難度の高い単語と見なされており、東京書籍4500や旺文社1900など上級レベルの単語集でも紹介されてる。
habit は個人の習慣。個人の「癖」(くせ)が habit である。
このためか旺文社1900および東京書籍4500では対比として custom を「社会的な慣習」としているが、しかし実は個人の習慣にも custom を使う(桐原3000)。
the custom of visiting shrine on few Year Day 「神社を新年に参拝する風習」(旺文社1900)
the custom of giving year-end gift 「お歳暮を贈る慣習」(東京書籍4500)
もちろん日本以外の外国にも custom を使ってよく、
another country's customs 「他国の慣習」(桐原3000)
habit で入試で典型的なのが、個人の食習慣。
well-balanced eating habits 「バランスのとれた食習慣」(旺文社1900)
the habit of eating between meals 「間食の習慣」(東京書籍4500)
She has a habit of playing with her hair when she's nervous. 「彼女には緊張すると髪をいじるくせがある」(桐原3000そのまま) ※辞書を見ても他にろくな例文が無いので、そのまま紹介
habit of ~ing で「~する習慣」である(旺文社1900)。
She has a habit of speaking quickly when she is angry. 「彼女には起こったときに早口で話すくせがある」(東京書籍4500そのまま)
よく、
have a habit of ~ing 「する癖がある」(桐原4500、旺文社1900、数研リープ basic、速読英単語・上級)
で使われる。
桐原は、例文ではこの語法を使っているが、語法としては紹介していない。受験問題が難しくすぎないように、桐原は歯止めをかけているのだろう。
a ではなく the の
have the habit of ~ing 「する癖がある」
の場合もある。
be in the habit of ~ing (旺文社、速読英単語。上級)
の場合もある。
単語集の典型例として、
He / She has a habit of ~ing ○○ when he/she is □□. 「彼/彼女には□□したときに〇〇を~するくせがある」
この桐原の例のように、無意識の「癖」にhabit を使う。
だが、他にも、喫煙とか麻薬とかそうのの悪癖にも habit を使う(ジーニアス)。この悪癖は入試には出ないだろう。辞書を見ても、麻薬とかそういうのの habit ばかりなので、桐原の髪の例文をそのまま紹介させてもらった。
しかし、良い習慣にも habit を使っても良い(東京書籍4500など)。
healthy habits 「健康的な習慣」(東京書籍4500)
habit of rising early 「早起きの習慣」(ジーニアス)、habit of getting up early 「早起きの習慣」(グランドセンチュリー)
「習慣」の意味で practice を使う場合、地域などの集団の慣習。宗教とか風土とか。 ※ 入試範囲外だが汚職などの悪風の場合も、practiceを使う(ジーニアス)。
マナー以外にも code は使い、「民法」は the civil code , 「刑法」は the criminal code である。
だが、「lawで十分じゃん?」と思ったのか、東京書籍4500ではcodeの項目を見ても「暗号」しか紹介していない。なお、桐原4500の例文が、アメリカの各州の刑法 criminal code の違いの話題(いわゆる「州法」)。
おそらく東京書籍は、マナーの話をしたいなら manner で済むだろう、という発想だろう。なお、manner も英語であり、東京書籍4500にもmannerが書いてある。
「暗号」については、典型的な例文が
「暗号を解く」 break a code
である(東京書籍4500, 桐原4500)。
normal (ノーマル)は、日常的には「普通の」「平均的な」という意味である。
だが、学問としては、労働などの「基準量」の意味を覚えておきたい。
日本では最近はすたれた言い回しだが、ソ連語の由来で「ノルマ」という、たとえば1日あたりの、しなければならない労働の最低量として「ノルマ」という語があった。
単語集にはないが、辞書で normal の意味に、数学の「直角の」という意味もある。おそらく、古代ギリシア人あたりが、角度の基準として直角(90度)を採用したのだろう。
なお、数値的な「平均の」を言いたいなら、 average である。形容詞「平均の」も名詞「平均」も average である。桐原4500では、normal のページといっしょにaverage も書いてある。
normal の対義語 abnormal は「異常の」「異常な」の意味である。
逆に考えれば、normal の意味は、「通常の」「正常の」でもある。桐原のnormal に「正常な」が書いてある。東京書籍の副詞 normally に「通常は」が書いてある。
ordinary 「ふつうの」「平凡な」は、よく「生活」と結びついて、ordinary life 「ふつうの生活」(東京書籍の訳)または「平凡な生活」(桐原の訳)
ordinary はこのように、並外れた部分がないというニュアンスがある。
逆に対義語の extraordinary は、「並外れた」の意味である。
「異常気象」は extraordinary weather である(東京書籍、ジーニアス)。
単語集にはないが、「臨時国会」も an extraordinary Diet session (ジーニアス)あるいは an extraordinary session of Diet (センチュリー)のように言えることも、覚えておきたい。なお、Diet とは、日本の「国会」のこと。外国の国会の呼び名は違っている場合も多いので、外国の国会のことを言いたい際には、その国ごとの呼び方を調べること。
そのほか、ルールに従わせるための統制や、そのための訓練のことなどを、 discipline という。
子供の「しつけ」や、学校の規律などが discipline である。
ジーニアスいわく 「学校の規律」 school discipline である。
また、センチュリーいわく「学校での規律」は discipline in school である。
国会の規律も discipline である。日本国憲法より、
第58条 2 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。 Each House shall establish its rules pertaining to meetings, proceedings and internal discipline, and may punish members for disorderly conduct.
子育てや教育にかぎらず、たとえば行政などの「金融統制」は financial discipline である(ジーニアス)。
そのほか、単語週では旺文社1900しか紹介していないが、大学での「学科」や「学問分野」のことも discipline という。辞書には普通に「学科」も「学問分野」も書いてある(ジーニアスで確認)。なお、実は旺文社では「学問分野」しか書いてないが、説明の都合で段落冒頭では「学科」も加えて紹介した。
調査・研究 research, investigate, survey, inquire
上記の単語について、鉄緑単語集は、「調査する」の意味をもつと主張している。
鉄緑以外の単語集でも、investigate 以外は「調査する」を確認できた。
鉄緑単語集だと、 investigate に警察などの「捜査する」のほかにも「研究する」の意味もあるとあるが、しかしグランドセンチュリーでは確認できなかった。
ジーニアスには「調査する」「研究する」の意味もあるとあるが、例文が無い。
research は「研究する」の一般的な単語。
survey は「ざっと見渡す」「概観する」という意味だが(ジーニアス、旺文社が「概観する」、桐原が「ざっと見渡す」)、「調査する」の意味もある(桐原、鉄緑)。
なお、名詞形「調査」「ざっと見渡すこと」も動詞形「調査する」「ざっと見渡す」も同じスペルで survey になる。
名詞としての survey については、
conduct a(またはthe) survey で「調査を実施する」(旺文社1900、東京書籍4500)
なお
conduct research 「調査を行う」(旺文社1400 conduct)
熟語 carry out 「実行する」を用いてもよく、
carry out research 「調査を行う」(鉄緑)
carry out survey 「調査を行う」(グランドセンチュリー)
ほか、
make a survey や do a survey 「調査する」(ジーニアス)、「調査を行う」(旺文社)。
鉄緑だと、take a survey で「調査する」としている(鉄緑)。
なお、派生語の名詞 surveillance (囚人などの)「監視」の意味(旺文社)。
ここでも警察関係の語。
動詞と名詞でアクセントが違う。発音注意(東京書籍、旺文社、桐原)。
動詞「サーベイ↑」
名詞「サー↑ベイ」
investigate 「捜査」といい、surveillance 「監視」といい。
inquire は「尋ねる」の意味だが、和訳によっては「調査する」と訳す場合もある(旺文社1900、鉄緑)。
桐原には inquire は無い。
inquire about A 「Aについて尋ねる」(東京書籍4500巻末、鉄緑)
ただし、
inquire the way 「道を尋ねる」(旺文社、グランドセンチュリー、ジーニアス)
のように前置詞 about を用いない場合もある。
ジーニアスいわく、about はあっても無くても良い。(直接話法がどうこうと辞書では言っている。)
inquire way of him 「彼に道を聞く」(ジーニアス、旺文社に似た文翔)
のように、of の後ろには、質問相手が来る。
名詞形 inquiry は「質問」や「調査」の意味。
inquiry は、ジーニアスによると事件などの調査の意味とあるが、しかしグランドセンチュリーで確認できなかった。
とりあえず「調査」とだけ覚えておけば、高校レベルでは充分だろう。
通訳と翻訳
「通訳する」「解釈する」 interpret
「翻訳する」 translate
同時に起こる simultaneous(形容詞), coincide(動詞)
事件や事故 incident, accident
「通訳」とは、普通、口頭での翻訳のこと。
だから翻訳サイトの「グーグル翻訳」も、べつに口頭でのやりとりではないので、英語では google translate なわけである。
「通訳者」は interpreter である。
「同時通訳」は simultaneous interpretation である(旺文社 simultaneous、鉄緑、ジーニアス、センチュリー)。
simultaneous は「サイマルテイニアス」と読む。シミュ~とは読まない。
名詞形の「通訳」「解釈」は interpretation である(旺文社)。
東京書籍と桐原だと「解釈」の意味しか紹介していないが、しかし上述のように「同時通訳」でも interpretation は使われるので、「通訳」の意味も覚えるべきだろう。
なお、数学の「連立方程式」は simultaneous equation である(ジーニアス)。
simultaneous の部分が「連立」である。 「方程式」は equation である。
Z会速読英単語上級編が、equal の派生語として、equation 「方程式」を紹介。
翻訳者は translator である。
coincide は動詞であり「同時に起こ」の意味。
なので、形容詞である simultaneous 「同時の」「同時に起こる」との区別は容易。
鉄緑では「同じ時、同じ場所で起こる」とあるが、しかしジーニアスやグランドセンチュリーでは確認できなかった。
名詞形 coincidence は「偶然の一致」である(旺文社、鉄緑)。普通、同じ時、同じ場所で、物事が起きる時に使う(鉄緑、グランドセンチュリー)。
日本語だと「偶然の一致」という言葉があるので、それに合わせて訳すが、どちらかというと「偶然の巡り合わせ(めぐりあわせ)」とでも訳すほうが coincidence の意味合いには近い。
ただし、場所は少し違っていても、同じ時間に起きることに coincidence を使うこともある(グランドセンチュリー)。
なお、動詞形 coincide は上述したように、特に場所が同じという意味合いは無い。coincide は、単に時間が「同時に起こる」である。
incident 「事件」が語源のひとつだという説もある(グランドセンチュリー)。
「出来事が同時に起こる」的な。
incident は、犯罪や病気などの「事件」「出来事」や「普通でない出来事」(グランドセンチュリー)の意味。
だから典型的な例文は、
a strange incident 「奇妙な出来事」(旺文社1900、ジーニアス、グランドセンチュリー)
incidence は、事件や病気などの発生率(旺文社1900)。
このように、incident は、なにか不愉快な出来事を指すことが多い(グランドセンチュリー)。
東京書籍は、incident は異常または暴力事件などを指すことが多いとまで言っている。
なお、辞書には、紛争の遠回し語として incident があると紹介。日本語でいう、やや古いが「事変」という表現に相当(ジーニアス)。
accident は、偶然性の高い「事故」(鉄緑)。
単なる一般的な「出来事」は、event や(ジーニアス)、occur 「起こる」の名詞形 occurrence 「出来事」でも言える(速読英単語・必修)。
incidental 「付随的な」というのもあるが(旺文社、鉄緑 incident )、例文も無いので、受験対策としては省略していいかと。
coincide には、意見が「一致する」の意味もあるが、agree で済む(ジーニアス)。
関係
relation,
相対的・親戚 relative
形容詞 related , relevant など
relate は動詞「関係がある」である(桐原)。
related は形容詞「関係がある」「関連付ける」である(桐原、東京書籍)。
be related to (不定詞)~ 「~と関係がある」「~に関係している」(旺文社、桐原)
relation は名詞「関係」である(桐原、東京書籍)。
relative 形容詞「相対的な」、および名詞「親戚」
なお、「親戚」と言う意味での relative は、英語では、家族から親戚まで含めた範囲。つまり、relative には家族 family も含む(数研リープ)。
relevant 「関係がある」(旺文社、鉄緑)
鉄緑いわくグランドセンチュリーいわく、relevant は直接的な関係のこと。
なお、ジーニアスでは、「密接な関係」があるのが relevant という見解。
東京書籍。桐原は relevant を紹介せず。
対義語は irrelevant 「無関係の」「関係が無い」である。(旺文社、鉄緑)
参考文献
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- ^ マイグレーション | IT用語辞典 | 大塚商会
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- ^ 佐藤 達也、斎藤 哲一郎、『エンハンサー』、原稿受付日:2013年3月25日 原稿完成日:2015年1月15日
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- ^ (動画)Forbes Breaking News "WATCH: VP Kamala Harris Reaffirms U.S. Support To Ukraine At Peace Summit In Switzerland" , 2024/06/16 , 20:50 あたり
- ^ Dan Maksimovich『Don't DRY Your Code Prematurely』Tuesday, May 28, 2024
- ^ (動画)Forbes Breaking News "WATCH: VP Kamala Harris Reaffirms U.S. Support To Ukraine At Peace Summit In Switzerland" , 2024/06/16 , 15:17 あたり
- ^ 朱 京偉 著『明治期における近代哲学用語の成立』, 『日本言吾科学』12(20G2年10月)96-127 , P.115
- ^ (動画)Forbes Breaking News "WATCH: VP Kamala Harris Reaffirms U.S. Support To Ukraine At Peace Summit In Switzerland" , 2024/06/16 , 13:27 ほか数か所
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- ^ Thank you for your contribution | Ubuntu
- ^ BBC NEWS JAPAN『内戦続くスーダンで相次ぐ性暴力被害、背景にはかつての民族紛争も』 、2024/03/21、3:30 あたり
- ^ 橋場弦 ほか監修『WORLD HISTORY for HighScool 英文詳説世界史』、2019年10月15日 第1版 第3刷発行、P.412
- ^ (動画)Forbes Breaking News "WATCH: VP Kamala Harris Reaffirms U.S. Support To Ukraine At Peace Summit In Switzerland" , 2024/06/16 , 14:10 あたり
- ^ IBM『Remove Duplicates ステージ』
- ^ Microsoft『Resolve or delete duplicate contacts』
- ^ IBM 『Resolving duplicate users before upgrade on Cloud Pak for Integration』Last Updated: 2024-04-15
- ^ 乾輝雄 著『中世英語におけるフランス語からの借用語』P19
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