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HTML Living Standard/パルパブル・コンテンツ

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

パルパブル・コンテンツ

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パルパブル・コンテンツ(Palpable Content)は、HTMLで定義されるコンテンツの分類の一つであり、ユーザーに視覚的または物理的に「触れる」ことが可能な要素を指します。この種のコンテンツは、実際に表示されるか、ユーザーが操作できるものとして認識されます。

定義

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パルパブル・コンテンツは、視覚的または操作可能な要素を提供するために設計されています。このカテゴリに該当する要素は、ほとんどの場合、何らかの方法でページ上に「見える」もしくは「触れる」ものです。

HTML Living Standardでは、以下のように定義されています:

パルパブル・コンテンツは、何らかの形でユーザーエージェントにより描画される要素、または視覚的フィードバックを提供する要素です。

パルパブル・コンテンツに含まれる要素

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パルパブル・コンテンツとして分類される要素は以下の通りです:

  • フロー・コンテンツの一部
    多くのフロー・コンテンツの要素はパルパブル・コンテンツに該当します。
    例:<p><div><span>など。
  • セクショニング・コンテンツ
    文書の構造を示すセクション化要素もパルパブルとみなされます。
    例:<header><footer><article><section>など。
  • フォーム関連要素
    入力や送信などのインタラクティブな機能を提供する要素。
    例:<button><input><textarea><select>など。
  • 埋め込み要素(Embedded Elements)
    メディアや外部コンテンツを表示する要素。
    例:<img><video><audio><canvas><iframe>など。
  • テキストコンテンツ
    視覚的に描画されるテキスト要素。
    例:<h1><h6><strong><em>など。
  • その他の要素
    一部の非標準的な要素や、特定の条件下でパルパブルになる要素も存在します。
    例:<label><details><summary>など。

パルパブルでない要素

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以下の要素はパルパブル・コンテンツには該当しません:

  • メタデータ要素(例:<meta><base><link>
  • スクリプト関連要素(例:<script>
  • 表示には影響しない要素(例:<style>
  • 非表示の要素(例:`display: none;`が適用された要素)

使用例

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以下は、パルパブル・コンテンツの例を含むHTMLコードです:

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <title>パルパブル・コンテンツの例</title>
</head>
<body>
  <!-- 見える内容 -->
  <h1>見出しはパルパブル・コンテンツ</h1>
  <p>段落もパルパブル・コンテンツの一部です。</p>

  <!-- インタラクティブ要素 -->
  <button>クリックしてください</button>

  <!-- 埋め込みメディア -->
  <img src="example.jpg" alt="例の画像">
  <audio controls>
    <source src="example.mp3" type="audio/mpeg">
    このブラウザは音声要素をサポートしていません。
  </audio>

  <!-- 非パルパブル・コンテンツ -->
  <script>
    console.log("これはパルパブルではありません。");
  </script>
</body>
</html>

特性

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  • パルパブル・コンテンツは、ユーザーが視覚的または触覚的に認識可能なものである必要があります。
  • 一部の要素は、条件付きでパルパブルと見なされる場合があります(例:<label>は対応するフォーム要素がある場合にインタラクティブになる)。

使用上の注意

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  • パルパブル・コンテンツを使用する際は、視覚的なデザインと操作性を意識することが重要です。
  • 非パルパブル・コンテンツは、ユーザーエージェントや補助技術にどのように認識されるかを考慮し、適切に配置する必要があります。

関連項目

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関連仕様

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