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水星(すいせい)は太陽に一番近い地球型(地球のように岩石でできている)惑星です。水星の大気はガス状でないので天気がありません。惑星探査機のメッセンジャーが2008年1月に水星に到達し、2011年に周回軌道に入り、2015年に水星に着陸しました。
水星について
- 水星の公転速度は太陽系で一番速いです。
- 水星の地表の温度は-180℃から430℃と変化します。ちなみに地球での最高温度は58℃です。
水星
大きさはどのくらい?[編集]
地球と水星の比較
水星は直径が約4879kmで、地球の半径(約6378km)よりも小さいです。冥王星よりも大きく、太陽系で一番小さい惑星です(※冥王星は惑星ではありません)。地球よりも太陽にとても近いので、太陽がしずんだ直後や夜明け直前に水星を見ることができます。
地表は何でできているの?[編集]
水星の地表
水星には月のようにたくさんのクレーターがあります。最大のクレーターはカロリス盆地で、直径は約1300kmです。カロリス盆地は水星に小惑星がしょうとつしてできました。その小惑星は直径約100kmで, しょうとつが激しかったことから巨大な穴が水星にできています。
地表には巨大な崖もあります。それらははるか昔に水星が冷えた時にできたしわです。
地球と同じく氷が存在しますが、太陽からの十分な熱がないので氷はほとんど溶けません。
水星は太陽に近いので、日中は気温が400℃以上になりとても暑くなります。一方、大気がないので、夜になると日中の熱がなくなってしまい、気温は-175℃まで冷えこみとても寒いです。
水星の1日はどのくらい?[編集]
水星の1日(水星が1周自転するまで)は地球よりも非常に長く、地球の時間に換算して約88日です。赤道上で、太陽がしずんでから再び太陽が出てくるまでの時間を計ると、地球の時間に換算して176日かかります。
水星の1年はどのくらい?[編集]
水星は、太陽系で最も1年の長さが短く、地球の時間に換算して176日です。
水星は何でできているの?[編集]
水星の中心は一部がとけた鉄でできていて、中心の鉄により水星には磁場があります。太陽系の他の惑星に比べて、最も多くの鉄があります。厚い地殻はケイ酸塩という鉱物でできています。
どのくらいの重力がかかっているの?[編集]
水星では地球の半分以下(38%)の重力(ものを引っ張る力)がかかります。
(英語の名前は)だれが名付けたの?[編集]
水星は英語で「Mercury(マーキュリー)」と呼ばれます。ローマ神話に登場するMercury(マーキュリ)は、羽を持ち、帽子をかぶり、サンダルをはいた神の使者であり、世界中を急いで飛び回っていました。水星は、太陽系の中で最も早く動くことから名付けられました。水星は秒速48kmで動くことを当時のローマ人はもちろん知りませんでしたが、空を早く動くことは見えていました。