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刑事訴訟法第239条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学コンメンタールコンメンタール刑事訴訟法=コンメンタール刑事訴訟法/改訂

条文

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(告発)

第239条
  1. 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
  2. 官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

解説

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第1項は「何人でも」であるから、告発者は国籍人種性別に制限されない。告発(To file an accusation)の方法は、行政に対するもの、司法に対するもの、あるいは立法機関に対するもの(裁判官訴追請求等)、自治機関に対するもの(弁護士懲戒請求等)が存在する。

第2項は公務員不作為懈怠に関する規定。

英米法の準則である衡平法においては、自らの権利を行使しようとせず、「権利の上にあぐらをかく」ことで適切な時期に権利を行使しなかった者については救済しないというラチェス法理(doctrine of laches)が適用される。この法理は米国ベビー・バー司法試験(First-Year Law Students' Examination)の課題のひとつ。

参照条文

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判例による補足・改正

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抄「刑事訴訟法239条2項は,『官吏又は公吏は,その職務を行うことにより ,犯罪があると思料するときは,告発をしなければならない』と規定している。同条項は,単なる訓示規定ではなく,法的義務として公務員の告発義務を定めたものである。/もっとも,同条項による公務員の告発義務は,公務員が国ないし公共団体に対して負担するものであって,各公務員において告発を行うことが個別の国民との関係で法的に義務付けられるものではないので,告発義務の不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法と評価される余地はない。」
被告京都市には、建築基準法所定の使用制限命令の発令等を怠った違法があるとは認められないとして,被告京都市に対する国家賠償法上の損害賠償請求を棄却した事例。
憲法訴訟
  • 特別抗告提起事件(基本事件 同裁判所令和元年(ワ)第1099号及び第1673号交通事故に関する債務不存在確認事件)


前条:
第238条
(告訴の不可分)
刑事訴訟法
第2編 第一審
第1章 捜査
次条:
第240条
(告訴の代理)


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