刑法第110条
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条文
[編集](建造物等以外放火)
- 第110条
- 放火して、前二条【第108条、第109条】に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処する。
- 前項の物が自己の所有に係るときは、1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。
改正経緯
[編集]2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。
- (改正前)懲役
- (改正後)拘禁刑
解説
[編集]- 具体的危険犯であり、同罪の成立に当たっては、不特定又は多数の人の生命・身体又は財産に対する危険である「公共の危険」が発生したことが条文上の要件とされている。
- 放火しても公共の危険が生じない場合、本罪には未遂処罰規定がないため器物損壊罪を検討することになる。
参照条文
[編集]判例
[編集]- 建造物等以外放火(最高裁判所第一小法廷判決昭和60年3月28日)
- 刑法110条1項の罪と公共の危険発生の認識の要否
- 刑法110条1項の罪の成立には、公共の危険発生の認識は必要でない。
- 刑法110条1項の放火罪が成立するためには、火を放つて同条所定の物を焼燬する認識のあることが必要であるが、焼燬の結果公共の危険を発生させることまでを認識する必要はないものと解すべきである。
- 建造物等以外放火,暴行被告事件(最高裁判所第三小法廷決定平成15年4月14日)
- 刑法110条1項にいう「公共の危険」の意義
- 刑法110条1項にいう「公共の危険」は,同法108条及び109条1項に規定する建造物等に対する延焼の危険に限られるものではなく,不特定又は多数の人の生命,身体又は前記建造物等以外の財産に対する危険も含まれる。
- 市街地の駐車場において放火された自動車から付近の2台の自動車に延焼の危険が及んだことなどをもって刑法110条1項にいう「公共の危険」の発生が認められた事例
- 市街地の駐車場において,放火された自動車から付近の2台の自動車に延焼の危険が及んだことなど判示の事実関係の下では,刑法110条1項にいう「公共の危険」の発生が認められる。
- 刑法110条1項にいう「公共の危険」の意義
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