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刑法第207条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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(同時傷害の特例)

第207条
2人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

解説

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共犯にない数人が、同時に暴行を加えて傷害を負わせた場合において、各自の暴行と傷害との因果関係を立証することは事実上困難である。そのため、同時に暴行を加えた場合には、行為者側でその傷害が自己の暴行によるものではないことを立証しない限り、意思の連絡がなくても共同正犯として扱い、傷害の結果全体について責任を負うとしたものである。

参照条文

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判例

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  1. 強姦致傷、不法第監禁(最高裁判決 昭和24年07月12日)
    二人以上共謀して暴行傷害を為した場合と刑法第207条の適用の有無
    刑法第207条は数人が共謀することなくして暴行をなし人を傷害した場合に関する規定であつて二人以上共謀して暴行をなし人を傷害した場合に適用はない、従って被告人等が共謀して強姦をなし且つ傷害を与えた本件に同条の適用のないことは明白である。
  2. 傷害致死(最高裁判例 昭和26年9月20日)刑法第205条1項,旧刑訴法第360条1項(刑事訴訟法第335条)
    二人以上の者が共謀しないで他人に暴行を加え傷害致死の結果を生じその傷害を生ぜしめた者を知ることができない場合の罪責
    二人以上の者が共謀しないで、他人に暴行を加え傷害致死の結果を生ぜしめた者を知ることができない場合は、共同暴行者はいずれも傷害致死の責任を負う。

前条:
刑法第206条
(現場助勢)
刑法
第2編 罪
第27章 傷害の罪
次条:
刑法第208条
(暴行)
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