刑法第26条の2
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条文
[編集](刑の全部の執行猶予の裁量的取消し)
- 第26条の2
- 次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
- 猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
- 第25条の2第1項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき。
- 猶予の言渡し前に他の罪について拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部の執行を猶予されたことが発覚したとき。
改正経緯
[編集]2022年改正
[編集]以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。
- (改正前)禁錮以上の刑
- (改正後)拘禁刑以上の刑
2013年改正
[編集]「刑の一部の執行猶予」制度が導入され、改正前の「執行猶予」は「刑の全部の執行猶予」と概念されることとなったことに伴い、以下のとおり改正。
- 見出し
- (改正前)執行猶予の裁量的取消し
- (改正後)刑の全部の執行猶予の裁量的取消し
- 本文
- (改正前)刑の執行猶予の言渡しを
- (改正後)刑の全部の執行猶予の言渡しを
- 第3号
- (改正前)その執行を
- (改正後)その刑の全部の執行を
解説
[編集]本条は、執行猶予を取り消すことができる場合について定めている。
判例
[編集]- 刑執行猶予言渡取消請求事件についてした請求棄却の原決定の取消、刑執行猶予言渡の取消決定に対する特別抗告(最高裁判決 昭和53年11月22日)刑訴法第349条
- 刑法第26条の2第3号による刑の執行猶予取消の要件
- 刑法第26条の2第3号にいう「執行ヲ猶予セラレタルコト発覚シタルトキ」とは、検察官において新たに執行猶予を言渡した裁判に対し上訴してこれを是正するみちがとざされたのちに同条同号所定の執行猶予の前科の存在する事実を覚知したことをいい、検察官が右事実をすでに覚知しながら上訴申立をすることなく執行猶予の裁判を確定させたときは、右執行猶予を取り消すことはできない。
- 刑の執行猶予を取り消すことができないとされた事例
- 検察庁の犯歴票に執行猶予の障害となる前科がすでに登載されており、検察官において前科照会をするなどの方法で右前科の存在する事実を容易に知ることができたのに前科の存在に気付かないまま新たに執行猶予を言渡した裁判を確定させた場合には、検察官が右前科の存在する事実を現実に知つていた場合と同様に、刑法第26条の2第3号により右執行猶予を取り消すことはできない。
- 刑法第26条の2第3号による刑の執行猶予取消の要件
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