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- 基本公式
- 累乗(二項定理)
-
- 記号:は「組合せ(参照)」、記号:は「総和(シグマ 参照)」を表す。
- 特に、とすると、
- 応用
- 2変数
- , の一般的な形
-
-
- が奇数である時、
- (参考) が4の倍数である時(とおいて)、
- 3変数
- の展開式の一般項(多項定理):
- (ただし、)
- 4変数
- ※1
- ※1
- ※1
- ※1
- ※2
- ※1
- ※1
- ※1
- (ブラーマグプタの二平方恒等式)
- ラグランジュの恒等式
- 対称式とは、どの変数を入れ替えても、値が変わらない式、交代式とはいずれか2個の変数を入れ替えると、元の式の−1倍となる式をいう。
- (上記の変形式で※1は対称式であり、※2は交代式である。)
- 変数が2個の場合、対称式はと表され、交代式はと表される。
- 変数が3個の場合、
- 対称式は
- 交代式は
- となる。なお、3変数を全て入れ替えた場合が成立している。
- 変数が4個以上にも一般化できるが、初等数学では取り扱わない。また、3変数の場合も参考の位置付けとしてのみ取り扱う。
- 対称式の性質
- 2変数の対称式は、2変数の和:、積:を組み合わせることにより表される。, を基本対称式という。
- 3変数の基本対称式は、, , であり、この性質を有する。
- (例)
- 公式
-
-
- 基本対称式を, 、と表現すると、
- と表されることとなり、, が与えられていれば、隣接三項間漸化式を解く問題に帰結される。
- 数列未履修であっても出題される形式であるが、一般に次数が小さいものの値を求める問題となるため、次数の低いものから順に求めることが可能である。一般式ではなく、極端に次数が大きい場合は、循環性に着目した問題である場合が多い(交代式の例題①参照)。
- 応用問題
- (定数)であるとき、の値を求めよ。
-
- (解法)
- とおくと、与式はの形となる、ここで、, であるので、
- とおいた漸化式;を解く問題に帰結する。
- 交代式の性質
- 2変数の交代式は、2変数の差:を因数に持ち、で割った商は対称式である。
- 3変数の交代式は、を因数に持ち、で割った商は対称式である。
- 変数が同一である、2つの交代式(、等)の積は対称式となる。
多項式における除法の原理
- 多項式を、それより次数の少ない多項式で割るとき、次式を満たす多項式 , が一意に存在する。
-
-
- このときの を商、 を剰余と呼ぶ。なお、を除数、除式または除多項式、を被除数、被除式または被除多項式ともいう。
- 除式 が次式であるとき、は、高々 次式である。
多項式 を で割った余りは である。(剰余の定理)
- 除法の原理より、であり、除多項式は1次式なので、は定数。とすると、
とくに のとき、多項式 は を因数に持つ。(因数定理)
- 上の式で、となる場合である。
-
- 剰余定理の応用
- 除多項式が2次式の場合
- を で割った余りが ()、 で割った余りが ()であるとき(ただし、)、を で割った余り;
-
-
- (解法)とおき、, を剰余式の係数について解く。
-
- を2次式 で割った余り;
- の実数解が()であるとき、
-
-
- を2次式 で割った余り;
-
-
- なお、が で割り切れる必要十分条件は、
-
- (解法)
- とおくと、となり、
- を代入すると、, を得るので、これらを剰余式の係数について解く。
-
- 除多項式が3次式の場合
- 2次式における解法を拡張する。3元一次方程式の公式等は省略する。
- を で割った余りが ()、 で割った余りが ()、 で割った余りが ()であるとき(ただし、は各々異なるものとする)、を で割った余り;
-
- (解法)
- とおき、, , を剰余式の係数について解く。
-
- を3次式 で割った余り;
- の実数解が(は、互いに異なる)であるとき、に関してを代入しできた連立方程式;, , を解いて、剰余式の係数を求める。
- (コメント)
- 大学入試等に出題される場合、は基本的に因数分解により解は簡単に求められ(であることが多い)、また、もなどであって簡単に求められるよう設定されている。除多項式が簡単に因数分解できない場合などは、この方法での解答は求められていない。
-
- を3次式 で割った余り;
-
-
- なお、が で割り切れる必要十分条件は、
-
- (解法)
- とおくと、
- となり、
- を代入すると、, , を得るので、これらを剰余式の係数について解く。
上記で見られるように、除多項式が次であれば、剰余式は(高々)次であり、剰余式を求める計算において、各項の係数と定数を合わせた未知数は個ともなる。個の未知数を求めるには、個の方程式(元1次方程式)を解くことになるが、初等数学(高校までの数学)においては、4元以上の連立方程式を解く問題が出題されることはごく稀なので(未知数を1個ずつ減らすプロセスなので、無理な出題ではないが、労力の割に教育的意義は低い)、除多項式が3次以上のものが出題された場合、解法には上記の剰余定理以外を用いると考えた方がいい。
- 例. を次式(ただし、)で割った剰余。(例題・特殊な剰余計算参照)
- (解法)
- にある関数をかけると、 ( は定数、は、で、 []とする)と変形できる場合がある。
- これを、と変形し、に代入。
- 二項定理より、
- したがって、をで割った剰余は、となる。
- 1次方程式 の解の公式:
-
- 2次方程式 の解の公式:
-
- の場合:
- ( において ) の場合 :
- ※上記の3つの公式の根号の中の式は、各方程式の判別式Dとなる。
-
- (但し、)
- の解、
-
- 行列を用いた表現
-
- 右から、逆行列をかけると、
- 2次方程式 の2つの解をとすると:
- であり、このは次の関係式を満たす。
- ( において ) の2つの解をとすると:
- であり、このは次の関係式を満たす。
- 零点の和 :
- 零点の積 :
-
- 3次方程式 の3つの解をとすると:
- であり、このは次の関係式を満たす。
- 2次方程式及び3次方程式においては、方程式の係数から、方程式の解を要素とする基本対称式の値を得ることができる。
- 次方程式の解の個数は、高々個である。
- が奇数である時、少なくとも1個の実数解を有する。
- 2次方程式 に関して、
- (判別式)とする時、
- この2次方程式は2個の異なる実数解を持つ。
- この2次方程式は1個の実数解(重解/重根)を持つ。
- この2次方程式は2個の異なる虚数解を持つ(実数解を持たない)。
- 3次方程式 ()に関して、
- 実数解をとして、と因数分解できる場合
- (判別式)として、
- この3次方程式は1個の実数解と2個の異なる虚数解を持つ(有する実数解は1個である)。
- である時、
- かつ、この3次方程式は実数解(重解/重根)のみを持つ。
- かつ、 但し、この3次方程式はと(重解/重根)の2個の異なる実数解を持つ。
- である時、
- かつ、 但し、この3次方程式は(重解/重根)との2個の異なる実数解を持つ。
- かつ、この3次方程式は3個の異なる実数解を持つ。
- 微分を用いる解法。
- に対して、。
- 2次方程式の判別式、この2次方程式に実数解がある場合の解を各々(但し、)とする。
- この3次方程式は1個の実数解と2個の異なる虚数解を持つ(有する実数解は1個である)。
- この3次方程式は1個の実数解を持つ。
- かつこの3次方程式は1個の実数解と2個の異なる虚数解を持つ。
- かつこの3次方程式は1個の実数解(重解/重根)のみを持つ。
- である時、
- かつこの3次方程式は実数解(重解/重根)ととなる別の解の2個の実数解を持つ。
- かつこの3次方程式は実数解(重解/重根)ととなる別の解の2個の実数解を持つ。
- かつこの3次方程式は3個の実数解を持ち、となる。
基本形 ;は、正の実数である場合。
-
- 等号成立は のときのみ。
- ∵
-
- 等号成立は のときのみ。
- ∵
拡張
- 正の実数からのみ成る数列 に対し、
- 等号成立は … のときのみ。(相加平均と相乗平均の関係式)
- 複素数から成る数列 に対し、
- 等号成立はすべての数の偏角が等しいときのみ。(三角不等式)
- 二つの数列 , に対し、
- 等号成立は、複素数 で , , ..., が全て成り立つようなものが存在するときに限る。(コーシー・シュワルツの不等式)
- 2次不等式 の解法:
- であり※、の解を(但し、は実数であり※2、)とする。
- ※:ならば、とし、をとして評価。
- であるので、
-
- 解の公式を用いると、であるので、
-
-
-
- ※2:が異なる2個の実数解を持たない場合の の評価
- が重解を持つ()とき。
- の解はであって、不等式を成立させるは存在しない。
- が虚数解を持つ()とき。
- ならば、
- は、全ての実数で成立する。
- を成立させるは存在しない。
- ならば、
- は、全ての実数で成立する。
- を成立させるは存在しない。
- 3次不等式 の解法:
- であり※、の解が(但し、は実数であり、)とする。が、この関係にない場合は後述する。
- ※:ならば、とし、をとして評価。
- とすると、である。
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- この時、各要素の正負とそれをかけ合わせた式全体の正負は、以下のとおりとなる。
各要素の正負と式全体の正負
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①
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②
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③
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④
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- 以上から、
- , (表①③)
- , (表②④)
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- 3次不等式 と3次方程式 の関係
- ※「方程式の解の存在条件 3次方程式」も参照。
- 3次方程式 (とする。の場合、大小・増減を入れ替え考察)に関して、実数解を各々,,()とする。条件によっては、,は存在しない場合もある。
- さらに、微分の知識を用いて、に対して、、ここで、2次方程式の判別式、この2次方程式に実数解がある場合の解を各々(但し、)とする。
- なお以下において、条件に、など、等号成立の場合、存在条件が付加されうるが、場合分けが煩雑になるため割愛する。上記3次方程式の解の存在条件と組み合わせて考察する。
- であるとき、は単調に増加する。したがって、
-
-
- であるとき、はで極大値を、で極小値をとる。したがって、
- であるとき、
- なお、この時、
-
-
- であるとき、
- なお、この時、
-
-
- であるとき、
- なお、この時、
-
-
ここでは行列はすべて2次正方行列とする。をすべての元がである行列 (零行列)とし、を任意の2次正方行列に対してとなる行列 (2次単位行列)とする。任意の2次正方行列 に対し、次が成り立つ。
- となる行列を逆行列といい、(ただし、) で与えられる。
- (ケイリー・ハミルトンの定理)
平面座標上の点を、以下の式によって点に移す操作を一次変換という。
-
- (但し、)
これを行列を用いて表現する。
- 以下に、代表的な変換行列を示す。
- 原点を中心とする回転
- 原点に関する対称移動
- 直線に関する対称移動(※証明)
- 軸に関する対称移動
- 軸に関する対称移動
- 直線に関する対称移動
- 直線に関する対称移動
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- ※証明
- 直線に関する対称移動の操作は、
- 回転させることにより、対称軸を軸に一致させる(操作1)。
- 軸に関する対称移動を行う(操作2)。
- 回転させることにより、対称軸を元にもどす(操作3)。
- ことによって実現できる。
- これを、平面上の点に対して行うと、
- 操作1
- 操作2
- 操作3
- 倍角公式より