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初等数学公式集/初等代数

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

単項式

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指数の計算

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累乗の計算・指数法則

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本節では、a,bは正の実数、m,n,p,qは、1ではない正の整数とする。
乗算・累乗
  • am×an=am+n
  • (am)n=amn
  • (ab)n=anbn

 

除算
ap×aq=ap+qから、ap+q÷aq=apとなる。ここで、p+q を m に q を n に置き換えると、p=m−n となり、
 
  • am÷an=aman={am−n(m>n)1(m=n)1an−m(m<n)
     
    となる。したがって、
    a0=1、a−n=1an
 
以上をまとめると、a,bは正の実数、m,nは整数として、以下のとおり整理することができる(指数法則)。
  1. a0=1,a1=a
  2. am×an=am+n
  3. am÷an=am−n
    特に a−n=1an
  4. (am)n=amn
  5. (ab)n=anbn

累乗根の計算

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本節では、a,bは正の実数、m,n,kは、1ではない正の整数とする。
累乗根の計算においては以下の式が成立する。
  1. (an)n=a
  2. (an)m=amn
  3. amn=amknk
  4. amn=anm=amn
  5. anbn=abn
  6. anbn=abn

指数の拡張

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本節では、m,nを、有理数に拡張する。
  • (am)n=amn および (an)n=a より、
    ((an)n)m=(an)mn=am
    ここで、m=1nとすると、
    (an)1nn=(an)1=an=a1n となり、累乗根も累乗同様、指数を用いて表現できることが分かる。
 
この表現を上記累乗根の計算に当てはめると以下のとおりとなる。
  1. (an)n=ann=a1=a
  2. (an)m=(a1n)m=amn=amn(指数法則4より)
  3. amn=amn=amknk=amknk
  4. amn=a1mn=(a1m)1n=a1mn=amn(指数法則4より)
    anm=a1nm=(a1n)1m=a1mn=amn
  5. anbn=a1nb1n=(ab)1n=abn (指数法則5より)
  6. anbn=a1nb1n=(ab)1n=abn(指数法則5より)
となって、累乗根の計算は指数で表現しても同様に成立している。このように、累乗根を指数の分母とすることで指数は有理数に拡張できる。
なお、厳密な証明は高校の範囲を超えるので省略するが、指数は有理数のみならず、実数全体に拡張できる。

多項式

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展開公式

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解説はこちらのページをご覧ください

  • 基本公式
    • (a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd
    • (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
    • (ax+b)(cx+d)=acx2+(ad+bc)x+bd
    • (x+a)(x+b)(x+c)=x3+(a+b+c)x2+(ab+bc+ca)x+abc
  • 累乗(二項定理)
    パスカルの三角形
    • (a±b)2=a2±2ab+b2
    • (a±b)3=a3±3a2b+3ab2±b3
    • (a±b)4=a4±4a3b+6a2b2±4ab3+b4
    • (a±b)5=a5±5a4b+10a3b2±10a2b3+5ab4±b5
    • (a+b)n=an+nan−1b+n(n−1)2an−2b2+⋯+nCkan−kbk+⋯+n(n−1)2a2bn−2+nabn−1+bn=∑r=0nnCran−rbr
      記号:nCrは「組合せ(参照)」、記号:∑は「総和(シグマ 参照)」を表す。
      • 特に、a=b=1とすると、
        1+n+n(n−1)2+⋯+nCk+⋯+n(n−1)2+n+1=∑r=0nnCr=2n
        (この式が意味するもの)
        n個のものから、k個取り出す(0≤k≤n)取り出し方(組み合わせ)の総計は 2n となる。
  • 応用
    2変数
    • (a+b)(a−b)=a2−b2
    • (a±b)(a2∓ab+b2)=a3±b3
    • an−bn, an+bnの一般的な形
      • an−bn
        an−bn=(a−b)(an−1+an−2b+an−3b2+⋯+bn−1)
      • an+bn
        • nが奇数である時、
          an+bn=(a+b)(an−1−an−2b+an−3b2+⋯+(−1)kan−1−kbk+⋯−abn−2+bn−1)
        • (参考) nが4の倍数である時(n=4mとおいて)、
          an+bn=a4m+b4m=(a2m+b2m)2−2a2mb2m=(a2m+2ambm+b2m)(a2m−2ambm+b2m)
    • a4+a2b2+b4=(a2+ab+b2)(a2−ab+b2)
    3変数
    • (a+b+c)2=a2+b2+c2+2ab+2bc+2ca
    • (a+b+c)3=a3+b3+c3+3ab2+3ac2+3ba2+3ca2+6abc+3bc2+3cb2
    • (a+b+c)4=a4+b4+c4+4ab3+4ac3+4ba3+4ca3+4bc3+4cb3+6a2b2+6a2c2+6b2c2+12a2bc+12ab2c+12abc2
    • (a+b+c)nの展開式の一般項(多項定理):
      • n!p!q!r!apbqcr (ただし、n=p+q+r)
    • (a+b+c)(a2+b2+c2−ab−bc−ca)=12(a+b+c)((a−b)2+(b−c)2+(c−a)2)=a3+b3+c3−3abc
    • (ab+c)(bc+a)(ca+b)=(cab)2+cab3+bca3+(ab)2+abc3+(bc)2+(ac)2+abc
    4変数
    • (a+b+c+d)2=a2+b2+c2+d2+2ab+2ac+2ad+2bc+2bd+2cd
    • (a+b+c+d)3=a3+b3+c3+d3+3ab2+3ac2+3ad2+3ba2+3ca2+3da2+6abc+6abd+6acd+3ac2+3cb2+3db2+6bcd+3cd2+3dc2

式の変形

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  • a2+b2=(a+b)2−2ab ※1
  • (a−b)2=(a+b)2−4ab ※1
  • (a+b)2+(a−b)2=2(a2+b2) ※1
  • a3+b3=(a+b)3−3ab(a+b)=(a+b){(a+b)2−3ab} ※1
  • a3−b3=(a−b)3+3ab(a−b)=(a−b){(a−b)2+3ab} ※2
    上の2式を合わせて、
    • a6−b6=(a3+b3)(a3−b3)=(a+b)(a2−ab+b2)(a−b)(a2+ab+b2)
      =(a+b){(a+b)2−3ab}(a−b){(a−b)2+3ab}=(a+b)(a−b)(a4+a2b2+b4) ※2
  • x3+y3+z3−3xyz=(x+y+z)(x2+y2+z2−xy−yz−zx)=(x+y+z){(x+y+z)2−3(xy+yz+zx)} ※1
    • x3+y3+z3=(x+y+z)3−3(x+y+z)(xy+yz+zx)+3xyz ※1
  • x2+y2+z2−xy−yz−zx=12{(x−y)2+(y−z)2+(z−x)2}※1
  • (a2+b2)(c2+d2)=(ac+bd)2+(ad−bc)2=(ac−bd)2+(ad+bc)2(ブラーマグプタの二平方恒等式)
  • ラグランジュの恒等式
    • (a2+b2)(x2+y2)−(ax+by)2=(ay−bx)2
    • (a2+b2+c2)(x2+y2+z2)−(ax+by+cz)2=(ay−bx)2+(bz−cy)2+(cx−az)2

対称式・交代式

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ウィキペディアに対称式の記事があります。
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ウィキペディアに交代式の記事があります。
  • 対称式とは、どの変数を入れ替えても、値が変わらない式、交代式とはいずれか2個の変数を入れ替えると、元の式の−1倍となる式をいう。
    (上記の変形式で※1は対称式であり、※2は交代式である。)
    • 変数が2個の場合、対称式はf(a,b)=f(b,a)と表され、交代式はf(a,b)=−f(b,a)と表される。
    • 変数が3個の場合、
      • 対称式はf(a,b,c)=f(a,c,b)=f(b,a,c)=f(b,c,a)=f(c,a,b)=f(c,b,a)
      • 交代式はf(a,b,c)=−f(a,c,b)=−f(b,a,c)=−f(c,b,a)
      となる。なお、3変数を全て入れ替えた場合f(a,b,c)=f(c,a,b)=f(b,c,a)が成立している。
    • 変数が4個以上にも一般化できるが、初等数学では取り扱わない。また、3変数の場合も参考の位置付けとしてのみ取り扱う。
対称式の性質
  • 2変数の対称式は、2変数の和:a+b、積:abを組み合わせることにより表される。a+b, abを基本対称式という。
    3変数の基本対称式は、a+b+c, ab+bc+ca, abcであり、この性質を有する。
    (例) a3+b3+c3=(a+b+c)3−3(a+b+c)(ab+bc+ca)+3abc
  • 公式
    • an+bn=(a+b)(an−1+bn−1)−ab(an−2+bn−2)
       
      基本対称式をa+b=α, ab=β、an+bn=Tnと表現すると、
      Tn=αTn−1−βTn−2と表されることとなり、a+b=α, ab=βが与えられていれば、隣接三項間漸化式を解く問題に帰結される。
      数列未履修であっても出題される形式であるが、一般に次数が小さいものの値を求める問題となるため、次数の低いものから順に求めることが可能である。一般式ではなく、極端に次数が大きい場合は、循環性に着目した問題である場合が多い(交代式の例題①参照)。
    応用問題
    x+1x=k(定数)であるとき、xn+1xnの値を求めよ。
     
    (解法)
    x=a,1x=bとおくと、与式はan+bnの形となる、ここで、a+b=x+1x=k, ab=x1x=1であるので、
    xn+1xn=Tnとおいた漸化式;Tn=kTn−1−Tn−2,T1=kを解く問題に帰結する。
交代式の性質
  • 2変数の交代式は、2変数の差:a−bを因数に持ち、a−bで割った商は対称式である。
    3変数の交代式は、(a−b)(b−c)(c−a)を因数に持ち、(a−b)(b−c)(c−a)で割った商は対称式である。
  • 変数が同一である、2つの交代式(f(a,b),g(a,b)、f(a,b,c),g(a,b,c)等)の積は対称式となる。

多項式の除法

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ウィキペディアに除法の原理の記事があります。

多項式における除法の原理

多項式f(x)を、それより次数の少ない多項式d(x)で割るとき、次式を満たす多項式 q(x), r(x)が一意に存在する。
 
f(x)=q(x)d(x)+r(x)
 
このときの q(x) を商、r(x) を剰余と呼ぶ。なお、d(x)を除数、除式または除多項式、f(x)を被除数、被除式または被除多項式ともいう。
除式d(x) がn次式であるとき、r(x)は、高々 (n−1)次式である。

剰余の定理と因数定理

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ウィキペディアに剰余の定理の記事があります。
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多項式 f(x) を x−c で割った余りは f(c) である。(剰余の定理)

∵ 除法の原理より、f(x)=q(x)(x−c)+r(x)であり、除多項式x−cは1次式なので、r(x)は定数r。x=cとすると、r=f(c)

とくに f(c)=0 のとき、多項式 f(x) は x−c を因数に持つ。(因数定理)

上の式で、r=0となる場合である。
 
剰余定理の応用
  1. 除多項式が2次式の場合
    f(x)をx−a で割った余りが s(=f(a))、x−b で割った余りが t(=f(b))であるとき(ただし、a≠b)、f(x)を(x−a)(x−b) で割った余りr(x);
     
    r(x)=s−ta−bx+at−bsa−b(=f(a)−f(b)a−bx+af(b)−bf(a)a−b)
     
    (解法)f(x)=(x−a)(x−b)Q(x)+px+qとおき、f(a)=pa+q=s, f(b)=pb+q=tを剰余式の係数p,qについて解く。
     
    • f(x)を2次式ax2+bx+c で割った余りr(x);
      ax2+bx+c=0の実数解がα,β(α≠β)であるとき、
       
      r(x)=f(α)−f(β)α−βx+αf(β)−βf(α)α−β
     
  2. 除多項式が3次式の場合
    2次式における解法を拡張する。3元一次方程式の公式等は省略する。
    f(x)をx−a で割った余りが s(=f(a))、x−b で割った余りが t(=f(b))、x−c で割った余りが u(=f(c))であるとき(ただし、a,b,cは各々異なるものとする)、f(x)を(x−a)(x−b)(x−c) で割った余りr(x);
     
    (解法)
    f(x)=(x−a)(x−b)(x−c)Q(x)+px2+qx+rとおき、f(a)=pa2+qa+r=s, f(b)=pb2+qb+r=t, f(c)=pc2+qc+r=uを剰余式の係数p,q,uについて解く。
     
    • f(x)を3次式ax3+bx2+cx+d で割った余りr(x);
      ax3+bx2+cx+d=0の実数解がα,β,γ(α,β,γは、互いに異なる)であるとき、r(x)=px2+qx+rに関してx=α,β,γを代入しできた連立方程式;f(α)=pα2+qα+r, f(β)=pβ2+qβ+r, f(γ)=pγ2+qγ+rを解いて、剰余式の係数p,q,rを求める。
      (コメント)
      大学入試等に出題される場合、ax3+bx2+cx+d=0は基本的に因数分解により解は簡単に求められ(x=0,±1,±2,±12であることが多い)、また、f(α),f(β),f(γ)もf(x)=xnなどであって簡単に求められるよう設定されている。除多項式が簡単に因数分解できない場合などは、この方法での解答は求められていない。
     

特殊な剰余の計算

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上記で見られるように、除多項式がn次であれば、剰余式は(高々)n−1次であり、剰余式を求める計算において、各項の係数と定数を合わせた未知数はn個ともなる。n個の未知数を求めるには、n個の方程式(n元1次方程式)を解くことになるが、初等数学(高校までの数学)においては、4元以上の連立方程式を解く問題が出題されることはごく稀なので(未知数を1個ずつ減らすプロセスなので、無理な出題ではないが、労力の割に教育的意義は低い)、除多項式が3次以上のものが出題された場合、解法には上記の剰余定理以外を用いると考えた方がいい。

例. xmをn次式f(x)(ただし、m>n)で割った剰余。(例題・特殊な剰余計算参照)
(解法)
f(x)にある関数g(x)をかけると、f(x)g(x)=xk+c ( cは定数、kは、m>kで、m=kp+q [q<k]とする)と変形できる場合がある。
これを、xk=f(x)g(x)−cと変形し、xmに代入。
xm=xkp+q=xkpxq=(xk)pxq={f(x)g(x)−c}pxq
二項定理より、
=({f(x)g(x)}p+p{f(x)g(x)}p−1(−c)+⋯+pf(x)g(x)(−c)+(−c)p)pxq={f(x)G(x)+(−c)p}xq=f(x)G(x)xq+(−c)pxq
したがって、xmをf(x)で割った剰余は、(−c)pxqとなる。

方程式

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解の公式

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  • 1次方程式 ax+b=0 の解の公式:
    x=−ba
 
  • 2次方程式 ax2+bx+c=0 の解の公式:
    x=−b±b2−4ac2a
     
    (導出法)与式を平方完成させる。
    ax2+bx+c=0
    ⇔x2+bax+ca=0
    ⇔{x2+2b2ax+(b2a)2}−(b2a)2+ca=0
    ⇔(x+b2a)2=(b2a)2−ca=b2−4ac4a2
    ⇔x+b2a=±b2−4ac2a
    ⇔x=−b2a±b2−4ac2a=−b±b2−4ac2a
    • ax2+2bx+c=0 の場合:
      x=−b±b2−aca
    • x2+bx+c=0 (ax2+bx+c=0 において a=1) の場合 :
      x=−b2±b24−c
    ※上記の3つの公式の根号の中の式は、各方程式の判別式Dとなる。

2元1次方程式

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以下のとおり公式化できるが、試験等においては代入法・加減法によって解く方が簡便。3元1次方程式など元が増えると爆発的に一般公式は複雑になる(初等数学公式集/解析幾何#平面の式に3元1次方程式の一般公式の利用例を掲載しているので興味があれば参照いただきたい)。
 
{ax+by=pcx+dy=q
 (但し、ad−bc≠0)
の解、
x=dp−bqad−bc
y=−cp+aqad−bc 
行列を用いた表現
行列の節参照。

高次方程式の解法

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高等学校課程の数学では、3次以上の方程式の一般的な解の公式は取り扱わないが[1]、3次以上の方程式が出題されることがある。この場合は、一般的な公式によらず、式を変形することにより、公式等が適用できる形になる場合が多い。なお、方程式の解は虚数解も含め次数の数だけ存在することに注意する(重解を除く)。
以下に例示する。
  1. 因数分解を用いる。
    方程式:f(x)=0 について、f(x)=(x−α)g(x) と因数分解できる場合は、少なくともx=α という解を持ち、次にg(x)=0 という方程式を解く過程に移る。
    因数定理を利用し、因数分解ができるかを確かめ、できるのであれば、因数分解を行う。
  2. x2=X,x3=X などに置換する。
    x4−6x2+3=0 のように未知数の次数が2の倍数である時、x2=X と置換し、元の式をX2−6X+3=0 のように公式が適用できる形に変形しX=αを求め、さらに、x=±α として解を得る(複2次方程式)。
    x6−6x3+3=0 のような場合も同様(この場合はx3=X と置換する)。
  3. x+1x=t など対称式に置換する。
    ax4+bx3+cx2+bx+a=0,ax5+bx4+cx3+cx2+bx+a=0 のように、係数が左右対称な方程式を「相反方程式」という。
     
    1. 最高次数が偶数である場合(例: ax4+bx3+cx2+bx+a=0)
      対称の軸となる次数(最高次数の1/2)の未知数で割って、対称式x+1x=t で置換できるようにする。
      例示の式をx2で割ると、ax2+bx+c+bx+ax2=0
      係数をまとめて、a(x2+1x2)+b(x+1x)+c=a{(x+1x)2−2}+b(x+1x)+c=0
      x+1x=t で置換すると、a(t2−2)+bt+c=at2+bt−2a+c=0という方程式を得る。
      方程式の解 α を得た後、方程式:x+1x=α を解く。
    2. 最高次数が奇数である場合(例: ax5+bx4+cx3+cx2+bx+a=0)
      例示の式をf(x)=0とした時、f(−1)=0 であり、すなわち f(x) は x+1 を因数に持つ。
      f(x) を x+1 で割ると、f(x)=(x+1){ax4+(−a+b)x3+(a−b+c)x2+(−a+b)x+a}=0 を得る。
      後半の式は、最高次数が偶数の相反方程式であるので、上記1.の方法で解くことができる。

解と係数の関係

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  • 2次方程式 ax2+bx+c=0の2つの解をα,βとすると:
    ax2+bx+c=a(x−α)(x−β)
    であり、このα,βは次の関係式を満たす。
    α+β=−ba
    αβ=ca
    • x2+bx+c=0 (ax2+bx+c=0 において a=1) の2つの解をα,βとすると:
      x2+bx+c=(x−α)(x−β)=x2−(α+β)x+αβ
      であり、このα,βは次の関係式を満たす。
      零点の和 : α+β=−b
      零点の積 : αβ=c
 
  • 3次方程式 ax3+bx2+cx+d=0の3つの解をα,β,γとすると:
    ax3+bx2+cx+d=a(x−α)(x−β)(x−γ)
    であり、このα,β,γは次の関係式を満たす。
    α+β+γ=−ba
    αβ+βγ+γα=ca
    αβγ=−da
  • 2次方程式及び3次方程式においては、方程式の係数から、方程式の解を要素とする基本対称式の値を得ることができる。

方程式の解の存在条件

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  • n次方程式の解の個数は、高々n個である。
    nが奇数である時、少なくとも1個の実数解を有する。
  • 2次方程式 ax2+bx+c=0に関して、
    D=b2−4ac(判別式)とする時、
    1. D>0⇔この2次方程式は2個の異なる実数解を持つ。
    2. D=0⇔この2次方程式は1個の実数解(重解/重根)を持つ。
    3. D<0⇔この2次方程式は2個の異なる虚数解を持つ(実数解を持たない)。
  • 3次方程式 ax3+bx2+cx+d=0(a≠0)に関して、
    1. 実数解をαとして、ax3+bx2+cx+d=a(x−α)(x2+px+q)=0と因数分解できる場合
      D=p2−4q(判別式)として、
      1. D<0⇔この3次方程式は1個の実数解αと2個の異なる虚数解を持つ(有する実数解は1個である)。
      2. D=0である時、
        1. かつ、x2+px+q=(x−α)2⇔この3次方程式は実数解α(重解/重根)のみを持つ。
        2. かつ、x2+px+q=(x−β)2 但し、α≠β⇔この3次方程式はαとβ(重解/重根)の2個の異なる実数解を持つ。
      3. D>0⇔である時、
        1. かつ、x2+px+q=(x−α)(x−β) 但し、α≠β⇔この3次方程式はα(重解/重根)とβの2個の異なる実数解を持つ。
        2. かつ、α2+pα+q≠0⇔この3次方程式は3個の異なる実数解を持つ。
    2. 微分を用いる解法。
      f(x)=ax3+bx2+cx+dに対して、f′(x)=3ax2+2bx+c。
      2次方程式3ax2+2bx+c=0の判別式D=b2−3ac、この2次方程式に実数解がある場合の解を各々α,β(但し、α<β)とする。
      1. D<0⇔この3次方程式は1個の実数解と2個の異なる虚数解を持つ(有する実数解は1個である)。
      2. D=0⇔この3次方程式は1個の実数解を持つ。
        1. かつf(b3a)≠0⇔この3次方程式は1個の実数解と2個の異なる虚数解を持つ。
        2. かつf(b3a)=0⇔この3次方程式は1個の実数解b3a(重解/重根)のみを持つ。
      3. D>0である時、
        1. かつf(α)=0⇔この3次方程式は実数解α(重解/重根)とβ<x1となる別の解x1の2個の実数解を持つ。
        2. かつf(β)=0⇔この3次方程式は実数解β(重解/重根)とx1<αとなる別の解x1の2個の実数解を持つ。
        3. かつf(α)⋅f(β)≠0⇔この3次方程式は3個の実数解x1,x2,x3を持ち、x1<α<x2<β<x3となる。

不等式

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絶対不等式

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基本形 ;a,b,cは、正の実数である場合。

  • a+b2≥ab
    等号成立はa=b のときのみ。
    ∵ a+b2−ab=12(a−b)2≥0
  • a+b+c3≥abc3
    等号成立はa=b=c のときのみ。
    ∵ a+b+c3−abc3=13(a3+b3+c3)(a32+b32+c32−a3b3−b3c3−c3a3)=16(a3+b3+c3){(a3−b3)2+(b3−c3)2+(c3−a3)2}≥0

拡張

  • 正の実数からのみ成る数列 {an} に対し、
    a1+a2+⋯+ann≥a1a2⋯ann
等号成立は a1=a2= … =an のときのみ。(相加平均と相乗平均の関係式)
  • 複素数から成る数列 {an} に対し、
    |a1+a2+⋯+an|≤|a1|+|a2|+⋯+|an|
等号成立はすべての数の偏角が等しいときのみ。(三角不等式)
  • 二つの数列 {an}, {bn} に対し、
    |a1b1¯+a2b2¯+⋯+anbn¯|2≤(a1a1¯+a2a2¯+⋯+anan¯)(b1b1¯+b2b2¯+⋯+bnbn¯)
等号成立は、複素数 z で b1=za1, b2=za2, ..., bn=zan が全て成り立つようなものが存在するときに限る。(コーシー・シュワルツの不等式)

2次不等式

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  • 2次不等式 ax2+bx+c≷0 の解法:
    a>0であり※、ax2+bx+c=0の解をα,β(但し、α,βは実数であり※2、α<β)とする。
    ※:a<0ならば、−a=dとし、ax2+bx+c≷0をdx2+(−b)x+(−c)≶0として評価。
    ax2+bx+c=a(x−α)(x−β)であるので、
    • ax2+bx+c>0⇔x<α,β<x
    • ax2+bx+c<0⇔α<x<β
     
    • 解の公式を用いると、α=−b−b2−4ac2a,β=−b+b2−4ac2aであるので、
     
    • ax2+bx+c>0⇔x<−b−b2−4ac2a,−b+b2−4ac2a<x
     
    • ax2+bx+c<0⇔−b−b2−4ac2a<x<−b+b2−4ac2a
     
    ※2:ax2+bx+c=0が異なる2個の実数解を持たない場合のax2+bx+c≷0 の評価
    1. ax2+bx+c=0が重解を持つ(b2−4ac=0)とき。
      • ax2+bx+c≷0の解はx=−b2aであって、不等式を成立させるxは存在しない。
    2. ax2+bx+c=0が虚数解を持つ(b2−4ac<0)とき。
      1. a>0ならば、
        1. ax2+bx+c>0は、全ての実数xで成立する。
        2. ax2+bx+c≤0を成立させるxは存在しない。
      2. a<0ならば、
        1. ax2+bx+c<0は、全ての実数xで成立する。
        2. ax2+bx+c≥0を成立させるxは存在しない。

3次不等式

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  • 3次不等式 ax3+bx2+cx+d≷0 の解法:
    a>0であり※、ax3+bx2+cx+d=0の解がα,β,γ(但し、α,β,γは実数であり、α<β<γ)とする。α,β,γが、この関係にない場合は後述する。
    ※:a<0ならば、−a=eとし、ax3+bx2+cx+d≷0をex3+(−b)x2+(−c)x+(−d)≶0として評価。
    f(x)=ax3+bx2+cx+dとすると、f(x)=a(x−α)(x−β)(x−γ)である。
     
    この時、各要素の正負とそれをかけ合わせた式全体の正負は、以下のとおりとなる。
各要素の正負と式全体の正負
x−α x−β x−γ  f(x) 
① x<α − − − −
② α<x<β + − − +
③ β<x<γ + + − −
④ γ<x + + + +
  • 以上から、
    1. ax3+bx2+cx+d<0⇔ x<α, β<x<γ(表①③)
    2. ax3+bx2+cx+d>0⇔ α<x<β, γ<x(表②④)
 
  • 3次不等式 ax3+bx2+cx+d≷0 と3次方程式 ax3+bx2+cx+d=0の関係
    ※「方程式の解の存在条件 3次方程式」も参照。
    3次方程式 ax3+bx2+cx+d=0(a>0とする。a<0の場合、大小・増減を入れ替え考察)に関して、実数解を各々x0,x1,x2(x0≤x1≤x2)とする。条件によっては、x1,x2は存在しない場合もある。
    さらに、微分の知識を用いて、f(x)=ax3+bx2+cx+dに対して、f′(x)=3ax2+2bx+c、ここで、2次方程式3ax2+2bx+c=0の判別式D=b2−3ac、この2次方程式に実数解がある場合の解を各々α,β(但し、α<β)とする。
    なお以下において、条件に、f(x)=0,f(α)=0,f(β)=0など、等号成立の場合、存在条件が付加されうるが、場合分けが煩雑になるため割愛する。上記3次方程式の解の存在条件と組み合わせて考察する。
    1. D≤0であるとき、f(x)は単調に増加する。したがって、
      1. ax3+bx2+cx+d<0⇔ x<x0
      2. ax3+bx2+cx+d>0⇔ x0<x
    2. D>0であるとき、f(x)はαで極大値f(α)を、βで極小値f(β)をとる。したがって、
      1. f(α)<0であるとき、
        なお、この時、β<x0
        1. ax3+bx2+cx+d<0⇔ x<x0
        2. ax3+bx2+cx+d>0⇔ x0<x
      2. f(α)>0,f(β)<0であるとき、
        なお、この時、x0<α<x1<β<x2
        1. ax3+bx2+cx+d<0⇔ x<x0,x1<x<x2
        2. ax3+bx2+cx+d>0⇔ x0<x<x1,x2<x
      3. f(β)>0であるとき、
        なお、この時、x0<α
        1. ax3+bx2+cx+d<0⇔ x<x0
        2. ax3+bx2+cx+d>0⇔ x0<x

行列

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ここでは行列はすべて2次正方行列とする。

基礎演算

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Oをすべての元が0である行列 O=(0000) (零行列)とし、Eを任意の2次正方行列Aに対してAE=EA=Aとなる行列 E=(1001) (2次単位行列)とする。任意の2次正方行列A=(abcd) に対し、次が成り立つ。

  • AA−1=A−1A=Eとなる行列を逆行列といい、A−1=1ad−bc(d−b−ca)(ただし、ad−bc≠0) で与えられる。
  • Aの転置行列はtA=(acbd)
  • Aの行列式はdetA=|A|=ad−bc
  • a→=(a,b),b→=(c,d),c→=(a,c),d→=(b,d)とするとdetA=0⟺a→//b→∧c→//d→(一次従属)
  • det(tA)=detA
  • det(A−1)=1detA
  • det(AB)=detAdetB
  • Δij=(−1)i+jdetAij(余因子)
  • A−1=A~detA
  • detA=∑j=inaijΔij(余因子展開)
  • A2−(trA)A+(detA)E=O (ケイリー・ハミルトンの定理)
  • 固有値をλとするとΦA(λ)=det(λE−A)=0
  • ΦA(λ)=∏i=1r(λ−λi)νi(ただしr≦n, νiは固有値の重複度)
  • trA=∑k=1nλk
  • P−1AP=diag(λ1,λ2,⋯,λn)(ただしPは相似行列)

A、Bを正則行列とすると(AB)−1=B−1A−1

A、Bを同じ型の行列とするとt(kA+lB)=k(tA)+l(tB)(線形性)

正方行列Aの横に同じ次数の単位行列Eを並べた行列(AE)に行基本変形を施して(EB)となる場合、B=A−1である。(ガウスの消去法・掃き出し法)

連立一次方程式

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2元一次方程式と行列
{ax+by=pcx+dy=q
 (但し、ad−bc≠0)である場合、
行列の形式で以下のように表すことができ、さらに行列の演算を用いることができる。
(abcd)(xy)=(pq)
右から、逆行列をかけると、
(xy)=1ad−bc(d−b−ca)(pq)=1ad−bc(dp−bq−cp+aq)
一般式

連立一次方程式は行列とベクトルを用いてAx→=b→と表せる。

  • Ax→=b→が解を持つ⟺rankA=rank(Ab→)
  • Ax→=b→の解がただ一つ⟺rankA=n
  • 連立方程式の自由度はn−rankAで求まる。

一次変換

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平面座標上の点(x,y)を、以下の式によって点(X,Y)に移す操作を一次変換という。

{ax+by=Xcx+dy=Y
 (但し、ad−bc≠0)

これを行列を用いて表現する。

(abcd)(xy)=(XY)
 
以下に、代表的な変換行列を示す。
  • 原点を中心とするθ回転
    (cos⁡θ−sin⁡θsin⁡θcos⁡θ)
    • 原点に関する対称移動(θ=π)
      (−100−1)
 
  • 直線:xsin⁡θ−ycos⁡θ=0(原点を通り、x軸と成す角がθである直線)に関する対称移動(証明)
    (cos⁡2θsin⁡2θsin⁡2θ−cos⁡2θ)
    • x軸に関する対称移動(θ=0)
      (100−1)
    • y軸に関する対称移動(θ=π2)
      (−1001)
    • 直線y=xに関する対称移動(θ=π4)
      (0110)
    • 直線y=−xに関する対称移動(θ=3π4)
      (0−1−10)

一次変換と面積

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v→=(x1,y1),u→=(x2,y2)として、このベクトルで作られる平行四辺形の面積をSとすると、

S=|x1y2−x2y1|である。
なお、ここで絶対値の中は、(x1y1x2y2)の行列式となっている。
v→,u→を行列(abcd)で一次変換したベクトルをV→,U→とし、このベクトルで作られる平行四辺形の面積をStとすると、
 
St=|ad−bc|S=|ad−bc||x1y2−x2y1|となる(証明)。

脚注

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  1. ^ 一般的な3次方程式の解の公式や4次方程式の解の公式は存在するが、複雑すぎる一方で応用分野も限られるので中等教育には相応しくない(リンク先参考)。また、5次以上の一般の方程式に対する代数的解法は存在しないことが数学的に証明されている。