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労働基準法第136条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

コンメンタール労働基準法

条文

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第136条
使用者は、第39条第1項から第3項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

解説

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参照条文

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判例

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エス・ウント・エー事件(最高裁三小 平4.2.18判決)
会社の就業規則は、年休権の成立要件、年休期間中の賃金支払い義務について法定年休と法定外年休を同様に取り扱う趣旨と認められ、また使用者に対し年休の期間について一定の賃金の支払いを義務づけている労働基準法39条4項【注:昭和62年の労働基準法改正前】の趣旨からすれば、使用者は年休取得日の属する期間に対応する賞与の計算上右取得日を欠勤として扱うことはできない。
沼津交通事件(最高裁判例 平成5年06月25日)
労働基準法134条が、使用者は年次有給休暇を取得した労働者に対して賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないと規定していることからすれば、使用者が、従業員の出勤率の低下を防止する等の観点から、年次有給休暇の取得を何らかの経済的不利益と結び付ける措置を採ることは、その経営上の合理性を是認できる場合であつても、できるだけ避けるべきであることはいうまでもないが、右の規定は、それ自体としては、使用者の努力義務を定めたものであつて、労働者の年次有給休暇の取得を理由とする不利益取扱いの私法上の効果を否定するまでの効力を有するものとは解されない。
また、右のような措置は、年次有給休暇を保障した労働基準法39条の精神に沿わない面を有することは否定できないものではあるが、その効力については、その趣旨、目的、労働者が失う経済的利益の程度、年次有給休暇の取得に対する事実上の抑止力の強弱等諸般の事情を総合して、年次有給休暇を取得する権利の行使を抑制し、ひいては同法が労働者に右権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められるものでない限り、公序に反して無効となるとすることはできないと解するのが相当である
  • 本条項は使用者の努力義務を定めたものであって、私法上の効力(不利益取扱いを無効とする効力)を有するものではない。
  • 後段の反対解釈
    不利益取扱いの趣旨、目的、労働者が失う経済的利益の程度、年次有給休暇の取得に対する事実上の抑止力の強弱等諸般の事情を総合して、年次有給休暇を取得する権利の行使を抑制し、労基法が労働者に有給休暇取得の権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められるものは、公序良俗(民法90条)に反するものとして、無効となる。

前条:
労働基準法第135条
[第39条(労働時間)改正に伴う経過措置]
労働基準法
附則抄
次条:
労働基準法第137条
(任意退職)
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