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労働基準法第61条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

コンメンタール労働基準法

条文

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(深夜業)

第61条  
  1. 使用者は、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によって使用する満16歳以上の男性については、この限りでない。
  2. 厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限って、午後11時及び午前6時とすることができる。
  3. 交替制によって労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、第1項の規定にかかわらず午後10時30分まで労働させ、又は前項の規定にかかわらず午前5時30分から労働させることができる。
  4. 前3項の規定は、第33条第1項の規定によって労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合又は別表第1第6号、第7号若しくは第13号に掲げる事業若しくは電話交換の業務については、適用しない。
  5. 第1項及び第2項の時刻は、第56条第2項の規定によって使用する児童については、第1項の時刻は、午後8時及び午前5時とし、第2項の時刻は、午後9時及び午前6時とする。

解説

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年少者福祉の観点から、深夜労働に関する制限。
原則:午後10時から午前5時まで使用してはならない。
  • 対象:中学校卒業後[1]、満18歳未満
  1. 例外1:交替制によって使用する16歳以上の男性
    交替制;職場の営業時間や稼働時間が法定労働時間(通常1日8時間)を超える場合に、時間帯を区切り交替のシフトで勤務する制度
  2. 例外2:厚生労働大臣許可により、地域・期間を区切り、使用禁止時間帯を午後11時から午前6時までとする場合(適用例なし)
  3. 例外3:「交替制」によって労働させる事業について行政官庁の許可を受け、午後10時30分まで使用できる。
  4. 例外4:第33条第1項の規定(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働)によって労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合。
  5. 例外5:非適用業種
    農業(第6号)
    畜産・養蚕・水産業(第7号)
    医療・福祉業(第13号)
    電話交換業務
  • 対象:中学校卒業前[2]
    午後8時から午前5時まで使用してはならない[3]。若年の芸能人が午後8時以降の収録に参加できないのは、本条項による。

参照条文

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  • 年少者労働基準規則第5条
    法第61条第3項の規定による許可は、様式第3号の交替制による深夜業時間延長許可申請書により、所轄労働基準監督署長から受けなければならない。
  • 労働基準法第119条 罰則 - 6箇月以下の拘禁刑(旧・懲役)又は30万円以下の罰金

判例

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脚注

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  1. ^ 第56条第1項に「使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。」と定める。
  2. ^ 第56条第2項に、第1項の例外である中学校卒業以前であっても就労できる場合を定める。
  3. ^ 厚生労働大臣許可により、地域・期間を区切り、使用禁止時間帯を午後9時から午前6時までとすることはできるが、適用例はない。

前条:
労働基準法第60条
(労働時間及び休日)
労働基準法
第6章 年少者
次条:
労働基準法第62条
(危険有害業務の就業制限)
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