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労働基準法第93条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

労働基準法

条文

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(労働契約との関係)

第93条  
労働契約と就業規則との関係については、労働契約法(平成19年法律第128号)第12条 の定めるところによる。

解説

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就業規則は労働契約に優先する旨を定める。前条と合わせると、労働に関する契約等の優先度は以下の通りとなる。
法令>労働協約>就業規則>労働契約

参照条文

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  • 労働契約法(平成19年法律第128号)
    • 第12条(就業規則違反の労働契約)
      就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。
      • 労働契約法制定前は、当条文が本法第93条に記されていた。

判例

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  1. 就業規則の改正無効確認請求(最高裁判決 昭和43年12月25日)労働基準法第89条,民法第92条
    1. 労働者に不利益な労働条件を一方的に課する就業規則の作成または変更の許否
      使用者が、あらたな就業規則の作成または変更によつて、労働者の既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないが、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒むことは許されないと解すべきである。
    2. 55歳停年制をあらたに定めた就業規則の改正が有効とされた事例
      従来停年制のなかつた主任以上の職にある被用者に対して、使用者会社がその就業規則であらたに55歳の停年制を定めた場合において、同会社の般職種の被用者の停年が50歳と定められており、また、右改正にかかる規則条項において、被解雇者に対する再雇用の特則が設けられ、同条項を一律に適用することによつて生ずる苛酷な結果を緩和する途が講ぜられている等判示の事情があるときは、右改正条項は、同条項の改正後ただちにその適用によつて解雇されることに上なる被用者に対しても、その同意の有無にかかわらず、効力を有するものと解すべきである。
    3. 就業規則の法的性質
      就業規則は、当該事業場内での社会的規範であるだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものであるかぎり、法的規範としての性質を認められるに至つているものと解すべきである。
  2. 退職金支払、民事訴訟法第198条第2項に基づく損害賠償申立(最高裁判決 平成元年09月07日)労働基準法第89条1項(昭和62年法第律第99号による改正前のもの)
    就業規則に退職金は支給時の退職金協定によると定められている場合において退職金協定の失効後に退職し適用すべき協定のない労働者の退職金額が右就業規則を補充するものとして届け出られた退職金協定の支給基準により確定すべきものとされた事例
    就業規則に退職金は支給時の退職金協定によると定められている場合、右就業規則を補充するものとして所轄労働基準監督署長に届け出られた退職金協定の支給基準は、就業規則の一部となつているものであつて、退職金協定が有効期間の満了により失効しても当然には効力を失わず、退職金協定の失効後に退職し適用すべき協定のない労働者については、右支給基準により退職金額を確定すべきである。

前条:
労働基準法第92条
(法令及び労働協約との関係)
労働基準法
第9章 就業規則
次条:
労働基準法第94条
(寄宿舎生活の自治)
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