コンテンツにスキップ

厚生年金保険法第60条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

コンメンタール厚生年金保険法)(

条文

[編集]
第60条 (年金額) 
  1. 遺族厚生年金(次項の規定が適用される場合を除く。)の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。ただし、遺族厚生年金の受給権者が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けるときは、第一号に定める額とする。
    第五十九条第一項に規定する遺族(次号に掲げる遺族を除く。)が遺族厚生年金の受給権を取得したとき
    死亡した被保険者又は被保険者であつた者の被保険者期間を基礎として第四十三条第一項の規定の例により計算した額の四分の三に相当する額。ただし、第五十八条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給される遺族厚生年金については、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が三百に満たないときは、これを三百として計算した額とする。
    第五十九条第一項に規定する遺族のうち、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であつて政令で定めるもの(以下この条、次条及び第六十四条の三において「老齢厚生年金等」という。)のいずれかの受給権を有する配偶者が遺族厚生年金の受給権を取得したとき
    前号に定める額又は次のイ及びロに掲げる額を合算した額のうちいずれか多い額
    イ 前号に定める額に三分の二を乗じて得た額
    ロ 当該遺族厚生年金の受給権者の老齢厚生年金等の額の合計額(第四十四条第一項の規定又は他の法令の規定で同項の規定に相当するものとして政令で定めるものにより加給年金額が加算された老齢厚生年金等にあつては、これらの規定を適用しない額とする。以下同じ。)から政令で定める額を控除した額に二分の一を乗じて得た額
  2. 遺族厚生年金(第五十八条第一項第四号に該当することにより支給される遺族厚生年金であり、かつ、その受給権者(六十五歳に達している者であつて老齢厚生年金等のいずれかの受給権を有する配偶者に限る。)が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される年金たる給付であつて政令で定めるものの受給権を有する場合に限る。)の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。
    一 イに掲げる額がロに掲げる額以上であるとき
    前項第一号に定める額
    イ 前項第一号の規定の例により計算した額に、他の被用者年金各法の規定であつて政令で定めるものの例により計算した額を合算した額(以下この項において「合算遺族給付額」という。)
    ロ 合算遺族給付額から政令で定める額を控除した額に三分の二を乗じて得た額、当該遺族厚生年金の受給権者の老齢厚生年金等の額の合計額から政令で定める額を控除した額に二分の一を乗じて得た額及び政令で定める額を合算した額
    二 前号イに掲げる額が同号ロに掲げる額に満たないとき
    イに掲げる額にロに掲げる比率を乗じて得た額
    イ 前号ロに掲げる額から政令で定める額を控除した額
    ロ 合算遺族給付額から政令で定める額を控除した額に対する前項第一号に定める額の比率
  3. 被保険者期間の全部又は一部が厚生年金基金の加入員であつた配偶者に支給する遺族厚生年金については、第一項第二号ロ中「老齢厚生年金等の額の合計額(」とあるのは、「老齢厚生年金等の額の合計額(当該老齢厚生年金の額の算定の基礎となる期間が厚生年金基金の加入員であつた期間であるときは、第四十四条の二第一項の規定の適用がないものとして計算した老齢厚生年金の額とし、」とする。
  4. 配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者が二人以上であるときは、それぞれの遺族厚生年金の額は、第一項第一号の規定にかかわらず、受給権者ごとに同号の規定により算定した額を受給権者の数で除して得た額とする。
  5. 前各項に定めるもののほか、遺族厚生年金の額の計算について必要な事項は、政令で定める。

解説

[編集]

遺族厚生年金の額

第1項
  1. (原則)厚生年金保険法第59条第一項に規定する遺族
    死亡した被保険者又は被保険者であつた者の被保険者期間を基礎として厚生年金保険法第43条第一項の規定の例により計算した額(報酬比例部分)の四分の三に相当する額(⇒遺族厚生年金基礎額(仮称))
    • (例外条件)厚生年金保険法第58条第一項第一号から第三号までのいずれか(=短期要件)に該当することにより支給される場合
      被保険者期間の月数が300ヶ月(=老齢基礎年金の受給資格期間)に満たないとき 被保険者期間を300ヶ月として計算した額。
    (例外)厚生年金保険法第59条第一項に規定する遺族のうち、「老齢厚生年金等」のいずれかの受給権を有する配偶者が遺族厚生年金の受給権を取得したとき
    『前号に定める額』又は『次のイ及びロに掲げる額を合算した額』のうちいずれか多い額
    イ 前号に定める額に2/3を乗じて得た額
    ロ (当該遺族厚生年金の受給権者の老齢厚生年金等の額の合計額-政令で定める額)÷2
  2. (但し書き)遺族厚生年金の受給権者が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けるときは、第一号に定める額。
第2項
対象となる遺族年金
厚生年金保険法第58条第一項第四号に該当することにより支給される遺族厚生年金(=長期要件を満たす場合)
受給権者
六十五歳に達している者であつて老齢厚生年金等のいずれかの受給権を有する配偶者
当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される年金たる給付であつて政令で定めるものの受給権を有する場合
支給額
  1. 合算遺族給付額>比較遺族給付額
    遺族厚生年金基礎額
  2. 合算遺族給付額<比較遺族給付額
    (比較遺族給付額-政令で定める額)×遺族厚生年金基礎額/(合算遺族給付額-政令で定める額)
合算遺族給付額
第1項第1号の規定の例により計算した額に、他の被用者年金各法の規定であつて政令で定めるものの例により計算した額を合算した額
比較遺族給付額(仮称)
(合算遺族給付額-政令で定める額)×2/3+(老齢厚生年金等の合計額-政令で定める額)×1/2
第3項
加給年金額が加算された老齢厚生年金にあっては、加給年金額を除いた額を基礎とする。
第4項
「子」「父母」「孫」「祖父母」で受給権者が複数いる場合は、頭割りとなる。

参照条文

[編集]

判例

[編集]
このページ「厚生年金保険法第60条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。