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会社法第831条

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商法第247条 から転送)

法学民事法商法会社法コンメンタール会社法第7編 雑則 (コンメンタール会社法)

条文

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株主総会等の決議の取消しの訴え)

第831条
  1. 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から3箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第346条第1項第479条第4項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。
    1. 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
    2. 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
    3. 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
  2. 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。

解説

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株主総会等決議取消訴訟についての規定である。「株主総会等」には、株主総会、種類株主総会創立総会種類創立総会がある。提訴期間提訴権者、取消し事由、裁量棄却につきまとめて規定がある。

  • 第346条(役員等に欠員を生じた場合の措置)
  • 第479条(清算人の解任)

関連条文

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  • 会社法第830条(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)

判例

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  1. 株主総会決議無効請求(最高裁判決昭和42年7月25日)
    営業を譲渡する会社の株主が譲受会社の代表取締役である場合と営業譲渡の議案についてのいわゆる特別利害関係人
    営業の譲渡に関する株主総会の決議について、譲渡会社の株主が譲受会社の代表取締役であつても、ただちにその株主が商法第239条第5項のいわゆる特別利害関係人にあたるとはいえない。
    • 商法第239条第5項「総会ノ決議ニ付特別ノ利害関係ヲ有スル者ハ議決権ヲ行使スルコトヲ得ズ」
  2. 株主総会決議無効確認請求(最高裁判例 昭和46年03月18日)商法247条商法231条商法232条1項
    1. 株主総会招集の手続またはその決議の方法に重大なかしがある場合と決議取消請求の裁量棄却
      株主総会招集の手続またはその決議の方法に性質、程度等からみて重大なかしがある場合には、そのかしが決議の結果に影響を及ぼさないと認められるようなときでも、裁判所は、右決議の取消請求を認容すべきであつて、これを裁量棄却することは許されない。
    2. 株主総会招集の手続に決議取消請求を裁量棄却することの許されない重大なかしがあるとされた事例
      株主総会招集の手続が、その招集につき決定の権限を有する取締役会の有効な決議に基づかないでなされたものであるのみならず、その招集の通知が、すべての株主に対して法定の招集期間に2日足りない会日より12日前になされたものであるときは、右株主総会招集の手続には、右総会の決議の取消請求を裁量棄却することの許されない重大なかしがあるというべきである。
  3. 株式会社総会決議取消請求(最高裁判例 昭和51年12月24日)商法239条3項,商法247条商法248条1項
    1. 株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合と株主である地方公共団体、株式会社の職員又は従業員による議決権の代理行使
      株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合においても、株主である地方公共団体、株式会社が、その職制上上司の命令に服する義務を負い、議決権の代理行使にあたつて法人の代表者の意図に反することができないようになつている職員又は従業員に議決権を代理行使させることは、右定款の規定に反しない。
    2. 株主総会決議取消の訴において商法248条1項所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することの許否
      株主総会決議取消の訴において、商法248条1項所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することは、許されない。

前条:
会社法第830条
(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)
会社法
第7編 雑則

第2章 訴訟

第1節 会社の組織に関する訴え
次条:
会社法第832条
(持分会社の設立の取消しの訴え)
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