コンテンツにスキップ

商法第27条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
商法第47条 から転送)

法学民事法商法コンメンタール商法第1編 総則 (コンメンタール商法)>商法第27条

条文

[編集]

(通知義務)

第27条
代理商(商人のためにその平常の営業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その商人の使用人でないものをいう。以下この章において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、商人に対して、その旨の通知を発しなければならない。

改正経緯

[編集]
  • 会社法制定前の商法第46条(代理商の定義)及び第47条を継承。本条には現在第18条に定める譲受人による債務の引受けに関する定めがあった。

解説

[編集]
Wikipedia
Wikipedia
ウィキペディア代理商の記事があります。

ドイツ商法典第84条と第86条⑴に由来する。

第84条(代理商の定義)
①代理商は,独立の営業主体として,常時,他の営業主(委託者)のためにその取引を媒介し,又は委託者の名前で契約を締結する権限を有する者である。
②「独立」とは,ある人が本質的に自由にその活動と労働時間を決定できることを指す。
⑵前項の意味における独立性を持たず,常時,委託者のためにその取引を媒介し,又は委託者の名前で契約を締結する権限を有する者は,従業員とみなす。
⑶委託者も代理商となり得る。
⑷本章の規定は,代理商の委託者が,その事業の種類及び規模ゆえに商人的に組織された方法で営業することを必要としない場合においても適用される。
第86条(代理商の義務)
⑴代理商は契約の媒介又は締結に尽力する義務がある。その際,代理商は委託者の利益のために行動しなければならない。
⑵代理商は委託者に対し,必要な事項を通知しなければならない。特に,取引の媒介又は締結をした場合はその都度,遅滞なく署名を付した上で通知しなければならない。
⑶代理商は,通常の商人が持つべき注意義務を尽くさなければならない。
⑷本条第1項及び第2項に反するいかなる合意も効力を有しない。

代理商と商業使用人の区別の要素について、ドイツ商法典では「独立」性があるかどうかとしているが、日本では

  1. その報酬は手数料
  2. その営業所は自己の営業所である、
  3. その営業費は自己負担、
  4. 自己の商号を有する、

などとされている。

  • 「代理」とは商人のために商行為の代理を引き受けることで、営業的商行為である。
  • 「媒介」とは両当事者間の契約締結の仲介、斡旋等で、営業的商行為である。

営業的商行為であるため、「平常」(=継続的)という要件がある。

代理商の通知義務は、商人の請求がなくても発しなければならない(民法第645条の特則)。通知しなかったために商人に損害が発生すると、商人が請求したことを立証できなくても代理商は損害を賠償しなければならない。

参照条文

[編集]

前条:
商法第26条
(物品の販売等を目的とする店舗の使用人)
商法
第1編 総則
第7章 代理商
次条:
商法第28条
(代理商の競業の禁止)
このページ「商法第27条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。