コンテンツにスキップ

手形法第19条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法商法コンメンタールコンメンタール手形法

条文

[編集]

【質入裏書】

第19条
  1. 裏書ニ「担保ノ為」、「質入ノ為」其ノ他質権ノ設定ヲ示ス文言アルトキハ所持人ハ為替手形ヨリ生ズル一切ノ権利ヲ行使スルコトヲ得但シ所持人ノ為シタル裏書ハ代理ノ為ノ裏書トシテノ効力ノミヲ有ス
  2. 債務者ハ裏書人ニ対スル人的関係ニ基ク抗弁ヲ以テ所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ但シ所持人ガ其ノ債務者ヲ害スルコトヲ知リテ手形ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

現代語

[編集]
  1. 裏書に「担保のため」、「質入れのため」その他質権の設定を示す文言があるときは、所持人は為替手形より生ずる一切の権利を行使することができる。ただし、所持人がなした裏書は代理のための裏書としての効力のみを有する。
  2. 債務者は裏書人に対する人的関係に基づく抗弁を持って、所持人に対抗することはできない。ただし、所持人がその債権者を害することを知って手形を取得した時はこの限りでない。

解説

[編集]
裏書に「担保のため」、「質入れのため」など質権を設定する文言(質権設定文言)を記載し(一般にはモデル書式に見られる(目的)欄に記入する)、質権者に交付することにより手形に質権が設定される。質権設定文言を記載せず裏書譲渡の形式で質権者の交付する方法もあり、質権設定文言がある場合を「公然の質入裏書」といい、ないものを「隠れた質入裏書」という。
質入裏書の効力は以下のものである。
  1. 質権設定的効力
  2. 資格授与的効力
  3. 担保的効力
質権設定的効力
質入裏書により、所持人(被裏書人)は手形から生ずる一切の権利を行使することができる(第1項本文、前条第1項本文に同じ)。
手形上の権利者ではないため、権利者の代理人としての効力しかない(第1項ただし書、前条第1項ただし書に同じ)。
  • 裏書譲渡はできない。
  • 所持人(被裏書人)において法的倒産処理が場された場合、裏書人は取戻権を行使できる。
資格授与的効力
質入裏書により、所持人(被裏書人)は裏書人により、手形上の権利行使について代理行使することが認められたものと推定される。
担保的効力
一般の債権質より強い効果が認められる。
  1. 一般の債権質は、質権が担保している額を超える取り立てることはできない(民法第366条第2項)が、質入裏書は全額について取り立てることが可能であり、超過分は前条の取り立て委任を受けたものと解釈される。
  2. 一般の債権質は、質権の目的である債権の弁済期が、被担保債権の弁済期より前になる場合、質権者はその弁済をすべき金額を供託させることができ、質権はその供託金に及ぶとされる(民法第366条第3項)が、質入裏書は満期日において取り立てることができる。

参照条文

[編集]

判例

[編集]

前条:
第18条
【取立委任裏書】
手形法
第2章 裏書
次条:
第20条
【期限後裏書】
このページ「手形法第19条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。