日本国憲法第12条
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条文
[編集]【自由・権利の保持責任とその濫用の禁止基本的人権の享有】
- 第12条
- この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
解説
[編集]参照条文
[編集]- 民法第1条第3項
- 権利の濫用は、これを許さない。
判例
[編集]- 傷害致死(最高裁判決昭和38年5月15日)憲法第20条,刑法第205条
- 加持祈祷の結果人を死亡させた行為と憲法第20条第1項
- 精神異常者の平癒を祈願するために宗教行為として加持祈祷行為がなされた場合でも、それが原判決の認定したような他人の生命、身体等に危害を及ぼす違法な有形力の行使に当るものであり、それにより被害者を死に致したものである以上、憲法第20条第1項の信教の自由の保障の限界を逸脱したものというほかなく、これを刑法第205条に該当するものとして処罰することは、何ら憲法の右条項に反するものではない。
- 憲法20条1項は信教の自由を何人に対してもこれを保障することを、同2項は何人も宗教上の行為、祝典、儀式または行事に参加することを強制されないことを規定しており、信教の自由が基本的人権の一として極めて重要なものであることはいうまでもない。しかし、およそ基本的人権は、国民はこれを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負うべきことは憲法12条の定めるところであり、また同13条は、基本的人権は、公共の福祉に反しない限り立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする旨を定めており、これら憲法の規定は、決して所論のような教訓的規定というべきものではなく、従つて、信教の自由の保障も絶対無制限のものではない。
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