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民事訴訟法第34条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民事訴訟法

条文

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(訴訟能力等を欠く場合の措置等)

第34条
  1. 訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、一時訴訟行為をさせることができる。
  2. 訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
  3. 前二項の規定は、選定当事者が訴訟行為をする場合について準用する。

解説

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1項前段は、訴訟無能力者のなした訴訟行為についても追認(同条2項)の余地があるため、いきなり却下することは出来ず補正を命じることを定める。

1項後段は補正を待っていたのでは遅滞のため訴訟無能力者に損害が生じるおそれがあるもの、例えば、直ちにしないと取り調べられなくなる証拠調べ・執行停止などについて、将来の補正を見越して仮にその行為に基づく手続の進行を許す処置をとることができることとした。

参照条文

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法定代理権の消滅(民法第10条民法第111条民法第651条民法第653条)など。

改正前

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旧民訴法第53条(→本条第1項)
訴訟能力、法定代理権又ハ訴訟行為ヲ為スニ必要ナル授権ノ欠缺アルトキハ裁判所ハ期間ヲ定メテ其ノ補正ヲ命シ若遅滞ノ為損害ヲ生スル虞アルトキハ一時訴訟行為ヲ為サシムルコトヲ得
旧民訴法第54条(→本条第2項)
訴訟能力、法定代理権又ハ訴訟行為ヲ為スニ必要ナル授権ノ欠缺アル者カ為シタル訴訟行為ハ其ノ欠缺ナキニ至リタル当事者又ハ法定代理人ノ追認ニ因リ行為ノ時ニ遡リテ其ノ効力ヲ生ス

判例

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  1. 所有権移転登記手続再審(最高裁判所第二小法廷昭和55年9月26日判決)
    訴訟行為の一部のみの追認が許されないとされた事例
    無権代理人がした訴訟行為の追認は、ある審級における手続がすでに終了したのちにおいては、その審級における訴訟行為を一体として不可分的にすべきものであつて、すでに終了した控訴審における訴訟行為のうち控訴提起行為のみを選択して追認することは許されない。

前条:
第33条
(外国人の訴訟能力の特則)
民事訴訟法
第1編 総則

第3章 当事者

第1節 当事者能力及び訴訟能力
次条:
第35条
(特別代理人)
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