民法第1021条

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法学民事法コンメンタール民法第5編 相続 (コンメンタール民法)

条文[編集]

(遺言の執行に関する費用の負担)

第1021条
遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。ただし、これによって遺留分を減ずることができない。

解説[編集]

遺言に関する開封・検認の費用、財産目録作成費用、相続財産管理費用、遺言執行者への報酬等は相続財産から支弁される。明治民法第1123条を継承する。
ただし、遺留分は遺言をもって侵害することができない部分と概念されるため、遺言執行費用をこの部分に及ぼすことはできない。反対解釈をすると、遺贈の範囲外で遺留分を超える相続財産は、遺言執行費用負担の範囲となり、遺言による指定がなければ、相続財産の分割にあたって、分割割合に応じ按分され負担に当てられる。

参照条文[編集]

明治民法第1123条

遺言ノ執行ニ関スル費用ハ相続財産ノ負担トス但之ニ因リテ遺留分ヲ減スルコトヲ得ス

参考[編集]

明治民法において、本条には相続財産に関する注意義務に関する以下の規定があった。趣旨は、民法第918条に継承された。

  1. 相続人ハ其固有財産ニ於ケルト同一ノ注意ヲ以テ相続財産ヲ管理スルコトヲ要ス但承認又ハ放棄ヲ為シタルトキハ此限ニ在ラス
  2. 裁判所ハ利害関係人又ハ検事ノ請求ニ因リ何時ニテモ相続財産ノ保存ニ必要ナル処分ヲ命スルコトヲ得
  3. 裁判所カ管理人ヲ選任シタル場合ニ於テハ第二十七条乃至第二十九条ノ規定ヲ準用ス

前条:
民法第1020条
(委任の規定の準用)
民法
第5編 相続

第7章 遺言

第5節 遺言の撤回及び取消し
次条:
民法第1022条
(遺言の撤回)
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