コンテンツにスキップ

民法第306条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第2編 物権 (コンメンタール民法)

条文

[編集]

(一般の先取特権

第306条
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
  1. 共益の費用
  2. 雇用関係
  3. 子の監護の費用
  4. 葬式の費用
  5. 日用品の供給

改正経緯

[編集]

2024年改正(2024年(令和6年)5月21日公布、施行日未定、公布より2年以内に施行する)にて、第3号を新設し、旧第3号及び旧第4号を第4号及び第5号に繰り下げ。

解説

[編集]
債務者の一般財産(総財産)を目的とする先取特権である一般先取特権の発生原因を定めた規定である。特定の財産を目的としないため物上代位(第304条)の適用の余地がない。
  1. 共益の費用 - 第307条
  2. 雇用関係 - 第308条
  3. 子の監護の費用 - 第308条の2
  4. 葬式の費用 - 第309条
  5. 日用品の供給 - 第310条

参照条文

[編集]

判例

[編集]
  1. 破産債権優先権確認請求(通称 江戸川製作所退職金請求)(最高裁判決 昭和44年09月02日)民法第174条の2民法第308条,破産法第242条
    退職金債権と一般の先取特権
    給料の後払いとしての性格を有する退職金債権については、その最後の六か月間の給料相当額について一般の先取特権があると解すべきである。
    • 6か月間の部分は民法第308条における2003年(平成15年)改正前の制約であるので、期間に関するものは現在は無視して良い。雇用期間にわたって発生した退職金全額が先取特権の対象となる。
  2. 破産債権確定請求(最高裁判例 昭和46年10月21日) 民法第310条
    法人と民法310条にいう債務者
    法人は、民法310条にいう債務者に含まれない。
  3. 配当異議(通称 下山組賃金請求)(最高裁判例 昭和47年09月07日)民法第308条
    民法306条2号、308条にいう「雇人」の意義
    民法306条2号、308条にいう「雇人」とは、雇傭契約によつて労務を供給する者を指すものと解すべきである。

前条:
民法第305条
(先取特権の不可分性)
民法
第2編 物権

第8章 先取特権

第1節 総則
次条:
民法第307条
(共益費用の先取特権)
このページ「民法第306条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。