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民法第335条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第2編 物権 (コンメンタール民法)

条文

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(一般の先取特権の効力)

第335条
  1. 一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。
  2. 一般の先取特権者は、不動産については、まず特別担保の目的とされていないものから弁済を受けなければならない。
  3. 一般の先取特権者は、前二項の規定に従って配当に加入することを怠ったときは、その配当加入をしたならば弁済を受けることができた額については、登記をした第三者に対してその先取特権を行使することができない。
  4. 前三項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。

解説

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一般先取特権は、債務者の総財産を目的とするので、他の債権者に対する影響が大きいため、その適用順序が決められている。
  1. 不動産以外の財産(債権・動産など)から弁済を受け、不足がある場合に初めて不動産から弁済を受けることができる(動産質との競合については前条参照)。
  2. 不動産でも、特別担保(不動産先取特権、抵当権)の目的となっていないものから弁済を受ける。
  3. 2で足りない時に、特別担保の執行に加わる。
  4. 1〜3のプロセスに従わないで、弁済が不足する事態が生じた場合、登記した第三者に対抗できない。
  5. 一方で、他の債権者等の対応によって、このプロセスがたどれない場合は随時配当に参加することができる。

参照条文

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前条:
民法第334条
(先取特権と動産質権との競合)
民法
第2編 物権

第8章 先取特権

第4節 先取特権の効力
次条:
民法第336条
(一般の先取特権の対抗力)
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