民法第416条
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法学>民事法>民法>コンメンタール民法>第3編 債権 (コンメンタール民法)
条文[編集]
(損害賠償の範囲)
- 第416条
- 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
- 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
改正経緯[編集]
2017年改正により以下のとおり改正。
- (改正前)その事情を予見し、又は予見することができたときは
- (改正後)その事情を予見すべきであったときは
解説[編集]
- 債務不履行責任によって賠償されるべき損害の範囲について規定している。一般に、第1項に規定する損害を通常損害、第2項に規定する損害を特別損害という。
- 416条1項は、相当因果関係の原則を示したものであり、同条2項は、相当因果関係を判断する際に基礎とすべき特別事情の範囲を示したものである(「刑法の折衷説」参照)。2017年改正で、予見又は予見可能性の事実ではなく、予見に関する法的評価が基準であることが明確化された。
- なお、不法行為責任の損害の範囲の確定についても類推適用されるとするのが通説である。
参照条文[編集]
判例[編集]
- 抵当権設定登記抹消等請求 (最高裁判決 昭和37年11月16日)
- 債務の目的物の価格が履行不能後値上りをつづけて来た場合において、履行不能となつた際債務者がその事情を知りまたは知りえたときは、債務者が値上りする以前に目的物を他に処分したであろうと予想された場合でないかぎり、値上り時の価格による損害の賠償を請求しうる。
- 損害賠償請求(最高裁判決 昭和38年09月26日)民法第709条
- 損害賠償請求、同附帯控訴(最高裁判決 昭和43年06月27日)国家賠償法1条1項,不動産登記法施行細則47条,民法第709条
- 損害賠償請求(最高裁判決 昭和48年06月07日)民法第709条,民訴法第746条,民訴法第755条,民訴法第756条
- 損害賠償請求事件(最高裁判決 平成11年12月20日)民法第709条
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