民法第522条
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法学>民事法>コンメンタール民法>第3編 債権 (コンメンタール民法)
条文
[編集](契約の成立と方式)
- 第522条
- 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
- 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
改正経緯
[編集]2017年改正により、隔地者間の契約の成立時期について発信主義を採っていた旧民法第526条第1項が削除され、契約の成立についても原則として到達主義(第97条第1項)を採ることとなり、承諾の意思表示についてのみ、延着について他の意思表示と異なる扱いをする必要はないことから以下の条項が継承なく削除され、現行条項が新設された。
(承諾の通知の延着)
- 前条第1項の申込みに対する承諾の通知が同項の期間の経過後に到達した場合であっても、通常の場合にはその期間内に到達すべき時に発送したものであることを知ることができるときは、申込者は、遅滞なく、相手方に対してその延着の通知を発しなければならない。ただし、その到達前に遅延の通知を発したときは、この限りでない。
- (注)「前条」旧民法第521条(改正民法第523条)「承諾の期間の定めのある申込み」
- 申込者が前項本文の延着の通知を怠ったときは、承諾の通知は、前条第1項の期間内に到達したものとみなす。
解説
[編集]「申込み」と「承諾」によって契約が成立するという基本的な法理を明文化するものである。
申込みは、相手方に申込みをさせようとする行為にすぎない「申込みの誘引」と異なり、承諾があればそれだけで契約を成立させるという意思表示であるため,契約内容を確定するに足りる事項が提示されている必要がある。例えば、店頭等における価格を示した物の販売は、物の提供者が売却を「申込み」しており、購入者が購入を「承諾」すれば契約は成立するが、オークションのように価格の提案を購入者側がする場合、申込者と承諾者の立場が逆転する。
参照条文
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