民法第561条
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法学>民事法>民法>コンメンタール民法>第3編 債権 (コンメンタール民法)
条文
[編集](他人の権利の売買における売主の義務)
- 第561条
- 他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
改正経緯
[編集]2017年改正により、他人物売買に関する以下の一連の条項について、基本的な規律を維持しつつ本条に集約し、個別の事項については、広範に認められるようになった「解除権」の行使などによることとした。
- 第560条(他人の権利の売買における売主の義務)
- 本条(他人の権利の売買における売主の担保責任)
- 前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。
- 第562条(他人の権利の売買における善意の売主の解除権)
- 第563条(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)
- 第564条(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)
解説
[編集]参照条文
[編集]判例
[編集]改正前
[編集](詳細は他人物売買#改正前の判例参照)
- 売買代金返還請求(最高裁判決 昭和25年10月26日)民法第560条
- 原始的不能と他人の物の売買の成立
- 他人の物の売買にあつては、その目的物の所有者が、売買成立当時からその物を他に譲渡する意思がなく、従つて、売主において、これを取得し買主に移転することができないような場合であつても、なお、その売買契約は、有効に成立する。
- 他人の物の売買の履行不能と契約の解除権
- 他人の物の売買において、売主が、その売却した権利を取得してこれを買主に移転することができないときは、その履行の不能が、原始的であると後発的であるとを問わず、また、売主の責に帰すべき事由によるものと否とを問わず、買主は、ただそれだけの事由に基ずき契約の解除をすることができる。
- 原始的不能と他人の物の売買の成立
- 第三者異議(最高裁判決 昭和40年11月19日)民法第176条、民法第555条
- 特定物の売買後売主が物件の所有権を取得したときと買主への所有権移転の時期・方法。
- 売主が第三者所有の特定物を売り渡した後右物件の所有権を取得した場合には、買主への所有権移転の時期・方法について特段の約定がないかぎり、右物件の所有権は、なんらの意思表示がなくても、売主の所有権取得と同時に買主に移転する。
- 損害賠償等請求(最高裁判決 昭和41年09月08日) 民法第415条
- 他人の権利を売買の目的とした場合の売主の担保責任と債務不履行による責任
- 他人の権利を目的とする売買の売主が、その責に帰すべき事由によつて、該権利を取得してこれを買主に移転することができない場合には、買主は、売主に対し、民法第561条但書の適用上、担保責任としての損害賠償の請求ができないときでも、なお債務不履行一般の規定に従つて損害賠償の請求をすることができるものと解するのが相当である。
- 転付金請求](最高裁判決 昭和43年08月02日)民法第466条、民法第467条
- 他人の有する債権を譲渡する契約をしてその譲渡通知をした者がその後同債権を取得した場合における右譲渡および通知の効力
- 他人の有する債権を譲渡する契約をし、その債権の債務者に対して確定日附のある譲渡通知をした者が、その後同債権を取得した場合には、なんらの意思表示を要しないで、当然に同債権は譲受人に移転し、右譲受人は、同債権の譲受をもつて、その後右譲渡人から同債権の譲渡を受けた第三者に対抗することができる。
- 土地建物明渡請求(最高裁判決 昭和49年09月04日)民法第896条
- 他人の権利の売主をその権利者が相続した場合と売主としての履行義務
- 他人の権利の売主をその権利者が相続し売主としての履行義務を承継した場合でも、権利者は、信義則に反すると認められるような特別の事情のないかぎり、右履行義務を拒否することができる。
- 損害賠償請求(最高裁判決 昭和51年02月13日) 民法第545条
- 売買契約が民法561条により解除された場合と目的物の引渡を受けていた買主の使用利益返還義務
- 売買契約に基づき目的物の引渡を受けていた買主は、民法561条により右契約を解除した場合でも、原状回復義務の内容として、解除までの間目的物を使用したことによる利益を売主に返還しなければならない。
- 売買代金請求事件(最高裁判決 平成23年10月18日)民法第116条
- 無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合における当該物の所有者の追認の効果
- 無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合に、当該物の所有者が、自己と同契約の受託者との間に同契約に基づく債権債務を発生させる趣旨でこれを追認したとしても、その所有者が同契約に基づく販売代金の引渡請求権を取得すると解することはできない。
改正後
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