コンテンツにスキップ

民法第564条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権

条文

[編集]

(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)

第564条
前二条の規定は、第415条の規定による損害賠償の請求並びに第541条及び第542条の規定による解除権の行使を妨げない。

改正経緯

[編集]

2017年改正により、目的物が契約の趣旨に適合しない場合における買主の損害賠償請求及び解除権の行使について新設。

契約不適合責任

「目的物の種類、品質又は数量に関する契約不適合」に対する担保責任
≒「物の隠れたる瑕疵(旧・第570条)」+「数量の不足又は物の一部滅失(旧・第565条)」に対する担保責任
  • 第562条 買主の追完請求権
  • 第563条 買主の代金減額請求権
  • 本条 買主の解除権/損害賠償請求

改正前規定

[編集]

改正前は、「権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任は1年の除斥期間にかかる」旨定めていたが、他人物売買に関する以下の一連の条項について、基本的な規律を維持しつつ第561条(他人の権利の売買における売主の義務)に集約し、個別の事項については、広範に認められるようになった「解除権」の行使などによることとした。なお、瑕疵担保責任等の除斥期間については、第566条に継承された。

他人物売買

  • 旧・第560条(他人の権利の売買における売主の義務)
  • 旧・第561条(他人の権利の売買における売主の担保責任)
  • 旧・第562条(他人の権利の売買における善意の売主の解除権)
  • 旧・第563条(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)
  • 本条(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)
    前条の規定による権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、それぞれ一年以内に行使しなければならない。

解説

[編集]

参照条文

[編集]

判例

[編集]

瑕疵担保責任・数量等不足担保責任におけるもの

[編集]
  1. 損害賠償請求事件(最高裁判決 平成13年11月27日)民法第566条3項,旧・民法第570条
    瑕疵担保による損害賠償請求権と消滅時効
    瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用がある
  2. 損害賠償(最高裁判決 昭和57年1月21日)
    面積を表示して売買された土地が表示どおりの面積を有しない場合と売主の買主に対する履行利益の賠償義務の有無
    土地の売買契約において、土地の面積が表示された場合でも、その表示が代金額決定の基礎としてされたにとどまり契約の目的を達成するうえで特段の意味を有するものでないときは、売主は、当該土地が表示どおりの面積を有したとすれば買主が得たであろう利益について、その損害を賠償すべき責めを負わない。

前条:
民法第563条
(買主の代金減額請求権)
民法
第3編 債権

第2章 契約

第3節 売買
次条:
民法第565条
(移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任)
このページ「民法第564条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。