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民法第577条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権

条文

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抵当権等の登記がある場合の買主による代金の支払の拒絶)

第577条
  1. 買い受けた不動産について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときは、買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができる。この場合において、売主は、買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができる。
  2. 前項の規定は、買い受けた不動産について契約の内容に適合しない先取特権又は質権の登記がある場合について準用する

改正経緯

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2017年改正において、下線部の文言「契約の内容に適合しない」を付加。抵当権等について、全ての登記ではなく、買手の認識する契約に適合しない物であることを明示。

解説

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本条の規定は売買の目的物が不動産であって抵当権(先取特権、質権において準用)に登記があるときに関するものである。この場合においては、前条で論じた所有権を得ることができない又はそれを失う危険が常に存在するために買主は代金の支払いを拒否することができる。しかしながら、買主には抵当権消滅請求の権利があるため、この登記を抹消することができる。したがって、抵当権消滅請求の手続きを行い抵当権を抹消させた後は、そのための費用を除いて(第570条)、代金の残額を売主に支払うこととするものである。
一方で、買主による抵当権消滅請求の権利の行使は、買主の随意であり、権利が行使されていないときにおいては、売主は代金を受け取れないまま不安定な状態に置かれることとなるため、売主には買主に抵当権消滅請求を行うよう請求する権利を有する。

参照条文

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判例

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  1. 建物収去土地明渡等請求 (最高裁判決 昭和39年02月04日)
    1. 建物買取請求権行使によつて成立する売買と民法第577条適用の有無
      借地法第10条(現、借地借家法第13条)に基づく建物買取請求権行使によつて成立する売買についても民法第577条の適用がある。
    2. 買取請求権行使の対象たる建物に抵当権が設定されている場合と当該建物の時価
      建物買取請求の対象たる建物の時価は、建物に抵当権の設定があつても減額されるべきではない。
    3. 滌除権の取得と所有権所得登記の要否
      抵当不動産の買主が売主に対する関係で滌除権の取得を主張するためには、右不動産の所有権取得登記を経ることを要しない。

前条:
民法第576条
(権利を取得することができない等のおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶)
民法
第3編 債権

第2章 契約

第3節 売買
次条:
民法第578条
(売主による代金の供託の請求)
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