民法第608条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文[編集]

(賃借人による費用の償還請求)

第608条
  1. 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。
  2. 賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第196条第2項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

解説[編集]

参照条文[編集]

判例[編集]

  1. 有益費償還請求(最高裁判決 昭和46年02月19日)
    建物の賃借人が有益費を支出したのち建物の賃貸人が交替した場合と有益費の償還義務者
    建物の賃借人が有益費を支出したのち建物の所有権譲渡により賃貸人が交替したときは、特段の事情のないかぎり、新賃貸人が右有益費の償還義務を承継し、旧賃貸人は右償還義務を負わない。
  2. 建物収去土地明渡等請求(最高裁判決 昭和48年07月17日)
    賃借人が賃借建物に附加した部分が滅失した場合と有益費償還請求権
    賃借人が賃借建物に附加した増・新築部分が、賃貸人に返還される以前に、賃貸人、賃借人いずれの責にも帰すべきでない事由により滅失したときは、特段の事情のないかぎり、右部分に関する有益費償還請求権は消滅する。

前条:
民法第607条の2
(賃借人による修繕)
民法
第3編 債権

第2章 契約

第7節 賃貸借
次条:
民法第609条
(減収による賃料の減額請求)
このページ「民法第608条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。