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民法第855条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第4編 親族

条文

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(後見人の被後見人に対する債権又は債務の申出義務)

第855条
  1. 後見人が、被後見人に対し、債権を有し、又は債務を負う場合において、後見監督人があるときは、財産の調査に着手する前に、これを後見監督人に申し出なければならない。
  2. 後見人が、被後見人に対し債権を有することを知ってこれを申し出ないときは、その債権を失う。

解説

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後見人の被後見人に対する債権債務関係については、後見監督人に申し出る義務がある。明治民法第919条を継承。明治民法においては、債務の申し出がない場合は解任理由となる旨の規定があったが、第846条に定める後見人の解任事由「後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由」に包括すれば足りるため改正時に削除となっている。

参照条文

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参考

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明治民法において、本条には後見人と被後見人との間の無許可縁組の取消しに関する以下の規定があった。趣旨は、民法第806条に継承された。

  1. 第八百四十条ノ規定ニ違反シタル縁組ハ養子又ハ其実方ノ親族ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但管理ノ計算カ終ハリタル後養子カ追認ヲ為シ又ハ六个月ヲ経過シタルトキハ此限ニ在ラス
  2. 追認ハ養子カ成年ニ達シ又ハ能力ヲ回復シタル後之ヲ為スニ非サレハ其効ナシ
  3. 養子カ成年ニ達セス又ハ能力ヲ回復セサル間ニ管理ノ計算カ終ハリタル場合ニ於テハ第一項但書ノ期間ハ養子カ成年ニ達シ又ハ能力ヲ回復シタル時ヨリ之ヲ起算ス

前条:
民法第854条
(財産の目録の作成前の権限)
民法
第4編 親族

第5章 後見

第3節 後見の事務
次条:
民法第856条
(被後見人が包括財産を取得した場合についての準用)
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