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民法第854条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第4編 親族 (コンメンタール民法)

条文

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(財産の目録の作成前の権限)

第854条
後見人は、財産の目録の作成を終わるまでは、急迫の必要がある行為のみをする権限を有する。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

解説

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後見人に関して、財産目録作成前においては、後見人に不正があったとしてもそれを発見することが困難となることから、後見人の財産に関しての処分権が制限される。ただし、放置することにより被後見人の財産が明らかに毀損する状態に関しては緊急の対応(急を要する修繕、時効の更新、登記行為など)として認められる。
しかしながら、財産目録完成については、一般には第三者が知りうるものではないため、財産目録作成前の後見人の行為については、善意の第三者に対抗できない。
明治民法第918条を継承する。

参照条文

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判例

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参考

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明治憲法において、本条には養子が尊属又は年長者である場合の縁組の取消しに関する以下の規定があった。趣旨について、民法第805条に継承された。

第八百三十八条又ハ第八百三十九条ノ規定ニ違反シタル縁組ハ各当事者、其戸主又ハ親族ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得

前条:
民法第853条
(財産の調査及び目録の作成)
民法
第4編 親族

第5章 後見

第3節 後見の事務
次条:
民法第855条
(後見人の被後見人に対する債権又は債務の申出義務)
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