コンテンツにスキップ

民法第902条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第5編 相続 (コンメンタール民法)

条文

[編集]

遺言による相続分の指定)

第902条
  1. 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
  2. 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。

改正経緯

[編集]

2018年改正により、第1項に定められていた、以下の但書を削除。遺留分について物権的な分割から、金銭債権による解決に変わったこと(第1042条)に伴うもの。

ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。

解説

[編集]
遺言によって、相続人に対して特定物や金銭等の贈与ではなく、債権債務を含めた相続分を指定することもできる(明治民法第1006条由来)。

参照条文

[編集]

参考

[編集]

明治民法において、本条には親権者が行為能力を喪失した場合に関する以下の規定があった。戦後、父母同権として改正された趣旨は、民法第840条に継承され、さらに未成年後見の観点から民法第843条に吸収された。

  1. 親権ヲ行フ父又ハ母ハ禁治産者ノ後見人ト為ル
  2. 妻カ禁治産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ夫其後見人ト為ル夫カ後見人タラサルトキハ前項ノ規定ニ依ル
  3. 夫カ禁治産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ妻其後見人ト為ル妻カ後見人タラサルトキ又ハ夫カ未成年者ナルトキハ第一項ノ規定ニ依ル

前条:
民法第901条
(代襲相続人の相続分)
民法
第5編 相続

第3章 相続の効力

第2節 相続分
次条:
民法第902条の2
(相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使)
このページ「民法第902条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。