行政事件訴訟法第27条
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条文
[編集](内閣総理大臣の異議)
- 第27条
- 第25条第2項の申立てがあつた場合には、内閣総理大臣は、裁判所に対し、異議を述べることができる。執行停止の決定があつた後においても、同様とする。
- 前項の異議には、理由を附さなければならない。
- 前項の異議の理由においては、内閣総理大臣は、処分の効力を存続し、処分を執行し、又は手続を続行しなければ、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのある事情を示すものとする。
- 第1項の異議があつたときは、裁判所は、執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消さなければならない。
- 第1項後段の異議は、執行停止の決定をした裁判所に対して述べなければならない。ただし、その決定に対する抗告が抗告裁判所に係属しているときは、抗告裁判所に対して述べなければならない。
- 内閣総理大臣は、やむをえない場合でなければ、第1項の異議を述べてはならず、また、異議を述べたときは、次の常会において国会にこれを報告しなければならない。
解説
[編集]- 内閣総理大臣は、執行停止の申立て及びそれに基づく裁判所の執行停止の決定に対して、異議を申し立てることができ、異議があった場合には、裁判所は前者の申立てに対しては執行停止の決定をすることができず、後者の決定に対しては、それを取り消すこととなる。
- 行政作用に対する司法による救済を行政側の意思のみで制限する強力な制度であるため、その行使については、法律上強い制約がかけられている。
- 行使できるのは、内閣総理大臣のみである。ただし、内閣総理大臣の専決事項であって閣議による決定は要しないと解される。
- 異議は、処分が停止されると公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあることを理由とすることを要し、また、やむをえない場合、すなわち、他の行政手段等では執行停止による不利益を回避できない場合に限る。
- 異議を述べた場合(執行停止の決定を回避させた場合)には、内閣総理大臣は次回の国会において報告する義務を負う。
- 行政事件訴訟法の前身である行政事件訴訟特例法第10条の規定から継承されたものであり、戦後の不安定期にしばしば行使されたが、国内の政治安定後の1971年以来行使されてはおらず、行政事件訴訟法制定時に、司法の牽制効果を疑わせるとして廃止も検討されたが、行政当局の強い反対に遭い存続することとなった。
参照条文
[編集]判例
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