民法第486条
表示
法学>民事法>コンメンタール民法>第3編 債権 (コンメンタール民法)
条文
[編集](受取証書の交付請求等)
- 第486条
- 弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。
- 弁済をする者は、前項の受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。ただし、弁済を受領する者に不相当な負担を課するものであるときは、この限りでない。
改正経緯
[編集]2021年改正
[編集]『デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律』(令和3年法律第37号)制定に伴う改正
- 第2項を追加
2017年改正
[編集]2017年改正により、以下の条文から改正。受取証書交付の『同時履行』性を強調した。
- 弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。
解説
[編集]- 弁済がなされると債権は消滅する。この際、弁済者は、二重払いの危険を避け、または第三者弁済の場合の求償権や代位の行使を円滑にするため、弁済をしたことの証拠が必要となる。そこで、弁済がなされた場合に、弁済者は受領者に対して受取証書の交付を請求できることとしている。
- 受取証書とは、弁済を受領した旨を記載した書面を指し、一般的には領収書やレシートなどが該当する。一部弁済の場合でも弁済した部分についての受取証書の交付を請求できる。また、判例では弁済と受取証書の交付は同時履行の関係にあるとされ、正当な理由なく受取証書の交付を拒否された場合、弁済の提供を拒否できる。
参照条文
[編集]- 民法第487条(債権証書の返還請求)
- 民法第533条(同時履行の抗弁)
- 民事執行法第122条(動産執行の開始等)
- 手形法第39条(受戻証券性、一部支払)
- 小切手法第34条(受戻証券性、一部支払)
判例
[編集]
|
|